相剋のドゥエット

うてな

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08 天使がやってくる

082 カオスリートは悪魔だけ?

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フューレンは大魔導師に言われ、共鳴を行なう事になる。
方法は大魔導師が教えると言い、フューレンはまずはフェオドラの魔力を読む事に。
フューレンは解せぬ気持ちながらも思う。

(共鳴の方法を知ってるなら、最初から言ったらどうなんだ…?本当にわかんない奴だな、大魔導師も。)

フューレンがフェオドラの魔力を読んでいると、大魔導師は言った。

「その力を、召喚術で。」

それを聞いたフューレンは驚いてしまう。
思わず言い放つ。

「フェオドラを!?一回も成功した事ないんだぞ!?」

しかし大魔導師は笑顔。

「大丈夫大丈夫。召喚ができなかったのは、力の読みが甘かったからだよ。」

そう言われ、若干カチンと来るフューレン。
フューレンは思った。

(大魔導師に言われるとイラっと来るな…)

大魔導師はフェオドラの力を指差して言った。

「こんなに強大な魔力を読めるなら、今度こそ召喚術ができるはずだよ~」

「ったく、召喚した所で何になるんだか!」

フューレンはそう言いつつも、メモを取り出した。
フューレンはメモ用紙に陣を描き、神力を込める。
フューレンは深く目を閉じ、読んだ魔力を象ろうとした。

(こうじゃない…いや、もっとこんな感じで…!)

試行錯誤を繰り返し、フェオドラの魔力を再現する。
陣は光り輝き、起動するところだった。

するとフェオドラはフューレンの方を向いた。
陣に呼び寄せられているのか、夢中になっていたフェオドラでも気付く事ができた。

「フューレン…?」

フェオドラが言うと、フューレンは目を開いて言い放つ。

「いでよ!フェオドラっ!!」

その掛け声と共に、陣からフェオドラが現れる。
フェオドラは驚いて、思わず魔力の塊を消してしまった。
フェオドラは笑顔になっていた。

「すごい!私だ!」

しかし魔力の塊を消したせいだろうか、共に召喚したフェオドラも消えてしまう。
フェオドラは驚くと、すぐに膨れた。

「もう!なんで消したの!」

思わず頭を抱えるフューレン。

「フェオドラの魔力は特異だから、再現が難しいんだよ。」

それを見た大魔導師は軽く息をついた。

「ふぅ、もう少しだったのにねぇ。」

すると大魔導師は、相手の女性の方へ歩いていく。
一同の視線は一気に大魔導師に向かうと、大魔導師は女性の隣に立ってこちらを向いた。

「共鳴作戦、失敗だねぇ。」

「共鳴作戦…?ていうか、その女と知り合いかお前。」

「そうじゃないよ。」

そう言った途端、女性は地面に溶けるように消えてしまう。
思わず驚いてしまうワレリーやフェオドラ。
するとフューレンは大魔導師を睨む。

「そうか。お前が送ってきたんだな、その女。」

「そうそう。よく似ているだろう人間。」

と、大魔導師はワレリーに言った。
ワレリーは鼻で笑ってしまう。

「おやおや、なぜガリーナなんかを。」

「ちょっとした出来心だよ。」

そう言って大魔導師は軽く跳ね、近くの高い樹の幹に着地。
大魔導師はフューレンの方を見て言った。

「それじゃまだ共鳴はできないかもしれないね。」

続いてフェオドラの方を見て言う。

「こっちも…。まだまだ魔力が足りないみたいだね。」

大魔導師はそう言い残すと、魔法で消えてしまう。

「ちょちょいのちょい!」

そう言って消えるのだ。
フューレンは追いかける気さえ起きず、呟く。

「共鳴させる為に来たけど、できないと知って諦めたってところか?」

「聞いている限りそうなりますね。」

ワレリーが言った。
するとずっと黙っていたケリスが言う。

「大魔導師は共鳴の力を必要としているのでしょうか。」

それを聞いたフューレンは、眉を潜めた。
フューレンは心当たりがある。

(共鳴の力…カオスリートの力がないと、自分の存在を脅かすヴァレリカをどうにかできないからか。)

しかしそれを考えると、フューレンの表情は険しく。

(今すぐその力を必要としているのか…?いや、今すぐじゃなくとも、近々必要だから見に来たといった感じか…?)

「どうしましたかフューレン。」

ワレリーに言われ、我に戻るフューレン。
フューレンは言うのを迷ってから、首を横に振った。

「いいや、軽く考え事だ。」

「そうですか。」

フェオドラは首を傾げて言う。

「共鳴、私とじゃないとできないの?」

それを聞くと、一同は考え始めた。
ワレリーは言う。

「大魔導師は確かにフェオドラを見て、『魔力が足りない』と言いましたね。
共鳴にはフェオドラの力が必要…或いはフェオドラにはまた別の役割を担ってもらう等の目論見があるのかもしれませんね。」

フューレンもそれを聞くと頷いた。

「俺個人としては共鳴のヒントを得られるのは嬉しいもんだが…。大魔導師が絡むとなんだか気が晴れないな。
何かあるように思えてしまう。」

「そうですね、彼と関わっていい事なんて一度たりともありませんでしたからね。」

「同感だ。」

ワレリーとフューレンの会話に、思わずケリスはニッコリ。

「この世界に牧師様やフューレンを連れたのも、あの人ですからね。」

そう言われるとその日の事を思い出すのか、フューレンは少々不機嫌な顔。
ワレリーは溜息をついてしまう。

「行動は慎重にすべきですね。」

「まあ俺は、ヴァレリカに対抗する為に共鳴を諦めるわけにはならないが。」

「大魔導師が企んでいてもですか?」

ワレリーの問いに、フューレンは頷いた。

「その力は持っていて損ではないはずだ。使うか使わないかは、相手の様子を見ながら決める。」

しかしケリスは言った。

「ケリス、ちょっと疑問があります。」

一同はケリスの方を見ると、ケリスは言う。

「大魔導師が求めていたカオスリート、それは『天使の力を持つ悪魔』ですよね。
フューレンではその条件を満たせないと思うんです。
もしかしたら、フューレンではなく別の悪魔が…」

それを聞いた途端、ワレリーの表情が険しくなった。

「まさかフェオドラではありませんよね…。」

「そうじゃない事を願うばかりだ。」

フューレンがそう言うので、ワレリーは頷く。

「魔力と神力は本来ならば相容れぬ力…。
それを悪魔が持ってしまっては、体が持つかどうかもわかりませんからね。」

「それは天使も同じ事だ。」

フューレンの言葉に、ワレリーは再び頷いた。
フューレンも険しい表情になる。
しかしフェオドラは何の緊張感もないのか、話も理解できていないのか首を傾げていた。

「私、天使になるの?」

「天使にはなりませんね。」

ワレリーが即答するので、フェオドラは手を叩いて喜んだ。

「じゃあフューレンが悪魔になるのね!」

「なんでそうなる!」

フューレンのツッコミに、フェオドラは更に楽しそうにして笑う。
そんなフェオドラに、一同は溜息。
ワレリーは言った。

「仕方ありません…。まだ六つになる子供なのですから…」

「まさか一番気をつけて欲しい奴がこうだとはな…」

そんな二人を見て、ケリスは真面目な顔をして言う。

「ケリス!フェオドラを全力でお守りし、見守ります!」

「よろしく頼む。」

とフューレン。
ワレリーは微笑みながらも言った。

「考えてばかりでは始まりませんからね、各自できる事をいたしましょう。
きっと天使の裁判の前後…この時に何か起きるはずです。」

それを聞いた一同は、深く頷く。
フューレンはフェオドラを横目で見る。
フェオドラはそれに気づいて笑顔になった。
フューレンは言う。

「フェオドラは、カオスリートってもんになってみたいか?」

フェオドラはそれを聞いて首を傾げたが、やがて言った。

「楽しそうだからなりたい!」

その様子に、フューレンは思わず溜息。
ワレリーもそれを、苦笑して見るしかないのであった。





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