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第4章 侵食―エローション―
120 ヒトを救える者たちは
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ミンスとクロマは秋田の家に侵入。
ミンスは閉じ込められていた部屋に入ると、自分の服を見つけた。
「クロマ、見つけました。わたくしの服です。」
ミンスはニッコリ。
クロマはその部屋に入ると辺りを見渡す。
「女の部屋…。ミンス、お前はここであの男と過ごしたのか。」
クロマが聞いたので、ミンスは顔色を暗くする。
「思い出したくもありません…。
わたくしは…クロマとだけ、一緒にいる事ができればそれでいいのです。」
震えているミンスに、クロマは近づいた。
「ミンス…」
そう呼ばれると震えが止まるミンス。
クロマは再びミンスの姿をよく見た。
「お前は昔から女の様な顔立ちをしていると思っていたが…本当に女であったとは思わなかった。」
「まだ信じられませんか?」
ミンスが微笑むと、クロマは「いや」と言う。
するとミンスは、その口をそっと人差し指で止める。
そして片目を閉じるとミンスはクロマに言った。
「『信じられない』でしょう…?試しにわたくしの体、見てみます?お着替えのついでに。」
それを聞いたクロマは少し顔を赤くして体を固まらせる。
「貴様、からかうのだけはやめろ。」
クロマは言うが、ミンスはクロマの顔を両手で持つ。
ミンスの繊細な指が、クロマの顔を優しくなぞった。
「本気です…。わたくし、クロマの事が好きで…好きで仕方がないのです…。」
上目遣いで見つめるミンス、クロマはそれを聞くとムッとしてしまう。
ミンスは続けた。
「だから…クロマよりも先に、別の誰かに知られてしまったのがとても…悲しかったのです…」
あまりにも甘えた声と顔で言うので、クロマは頬を赤くして顔を逸らしてしまう。
それに対しミンスが悲しい表情を見せると、クロマはその表情が気になった。
「辛いのか…ミンス。」
「…ええ…。」
ミンスがそう答えると、クロマは自分の両頬に添えられたミンスの手を見つめた。
するとクロマはミンスの片手を剥がし、その手のひらにキスをする。
性格が不器用なクロマにしては、とても優しい口づけだった。
ミンスは胸が高鳴った様子で目を丸くすると、クロマは口を離して流し目でミンスを見つめる。
「いつものお返しだ。」
そう言われると、ミンスは頬を赤らめる。
クロマはミンスのその表情にどうも弱いのか言った。
「お前は…いつもこうだな。おかしな事を言って、私を困らせる。」
ミンスは眉を困らせながらも聞く。
「クロマはそんなわたくしが嫌い…?」
クロマは掴んだミンスの手を離さずに言った。
「今の今まで、揺らいだ事は一度たりとも無い。」
「え…?」
ミンスが首を傾げると、クロマはミンスを抱き寄せて頭を撫でた。
「言わせるな。お前と変わらない…と、いつもの妄想癖でそう思っていればいいだろう…?」
いつにもなく優しい様子のクロマに、ミンスは目が潤んだ。
ミンスは目を閉じると共に、クロマにしがみつくと言う。
「そんな事…できませんよ…。」
第二故郷病院。
全ての事情を聞いた上で、久坂は頭を痛めた顔をした。
「あー…石の巫女の力の封印が解けたろ?そしたらどうなる?」
久坂が言うと、テオドールは少し考えてから言った。
「まずは全国の人間を植物人間にする。そしてクロマの栄養に。人間の養殖とか始めたら面白いな。」
「オレは嫌だぜ…」
久坂は頭を痛めて言うと、数男も言う。
「私も嫌だ。」
「ていうか賛成する人いないでしょ。」
と守。
しかし単純なシュンは言った。
「でも面白そうだよな!」
「いっそ燃やせばいいんじゃない?炎が苦手なんでしょ。」
三笠は素振りをしながら言うが、数男は首を横に振る。
「さっき試したが火がすぐに消えた。」
するとサチは溜息をついた。
「行動が早すぎます。」
「人間の養殖も植物人間にも…そんな事はさせません!」
と誠治。
しかしサチは眉を困らせる。
「でも、本当にそんな事をミンスがするんですかね?ここには知り合いも沢山いるのに…。」
誠治は考えていたが、やがて言葉にした。
「いいえ真渕さん、対策は考えておいた方がいいでしょう。
ミンスが知り合いを生かす為だけに、クロマを切り捨てるとは思えません。」
誠治が言うと、サチはなんだか納得してしまう。
次にテオドールは言う。
「まあ、実際ミンスは過去にもクロマを生かす為に多くの生物を犠牲にしている。やる可能性は百パーセントと言っても過言じゃないだろう。」
それを聞いた誠治は言った。
「つまりされる前に消せという話ですね。」
すると砂田はムスっとした顔。
「ねえ、あなたあんまり「消す」とかそういうワード使わないでよ。怖い。」
若干、砂田と誠治の睨み合いが始まる。
すると久坂は言った。
「あ、そう言えば最近見られる流星群って知ってっか?」
それに対し数男は呆れた様子で言う。
「急に何だ。
…はあ。最近隕石が世界各国で目撃されているらしいな。燃え尽きるものが多いみたいだが。」
「植物人間から出る石あんだろ?あれさ、大昔に恐竜を絶滅させたっていう隕石と同じ成分なんだよ。」
「それがどうした。」
数男が言うと、三笠は「つまり…」と言って愛刀『帝鳩羽』を天井に掲げ光らせた。
「これからまた降るのかな?」
「可能性はゼロじゃねぇよな。」
すると数男は溜息。
「こんな時に隕石の事なんか考えるな。」
しかし久坂は微妙な顔。
「いや、考えておいた方がいいぜ。念の為に…」
「でも、隕石なんて止められないっしょ。」
と言ったのは守。
一同はご最もと思って、その話はそれ以上しない事にした。
ミンスは閉じ込められていた部屋に入ると、自分の服を見つけた。
「クロマ、見つけました。わたくしの服です。」
ミンスはニッコリ。
クロマはその部屋に入ると辺りを見渡す。
「女の部屋…。ミンス、お前はここであの男と過ごしたのか。」
クロマが聞いたので、ミンスは顔色を暗くする。
「思い出したくもありません…。
わたくしは…クロマとだけ、一緒にいる事ができればそれでいいのです。」
震えているミンスに、クロマは近づいた。
「ミンス…」
そう呼ばれると震えが止まるミンス。
クロマは再びミンスの姿をよく見た。
「お前は昔から女の様な顔立ちをしていると思っていたが…本当に女であったとは思わなかった。」
「まだ信じられませんか?」
ミンスが微笑むと、クロマは「いや」と言う。
するとミンスは、その口をそっと人差し指で止める。
そして片目を閉じるとミンスはクロマに言った。
「『信じられない』でしょう…?試しにわたくしの体、見てみます?お着替えのついでに。」
それを聞いたクロマは少し顔を赤くして体を固まらせる。
「貴様、からかうのだけはやめろ。」
クロマは言うが、ミンスはクロマの顔を両手で持つ。
ミンスの繊細な指が、クロマの顔を優しくなぞった。
「本気です…。わたくし、クロマの事が好きで…好きで仕方がないのです…。」
上目遣いで見つめるミンス、クロマはそれを聞くとムッとしてしまう。
ミンスは続けた。
「だから…クロマよりも先に、別の誰かに知られてしまったのがとても…悲しかったのです…」
あまりにも甘えた声と顔で言うので、クロマは頬を赤くして顔を逸らしてしまう。
それに対しミンスが悲しい表情を見せると、クロマはその表情が気になった。
「辛いのか…ミンス。」
「…ええ…。」
ミンスがそう答えると、クロマは自分の両頬に添えられたミンスの手を見つめた。
するとクロマはミンスの片手を剥がし、その手のひらにキスをする。
性格が不器用なクロマにしては、とても優しい口づけだった。
ミンスは胸が高鳴った様子で目を丸くすると、クロマは口を離して流し目でミンスを見つめる。
「いつものお返しだ。」
そう言われると、ミンスは頬を赤らめる。
クロマはミンスのその表情にどうも弱いのか言った。
「お前は…いつもこうだな。おかしな事を言って、私を困らせる。」
ミンスは眉を困らせながらも聞く。
「クロマはそんなわたくしが嫌い…?」
クロマは掴んだミンスの手を離さずに言った。
「今の今まで、揺らいだ事は一度たりとも無い。」
「え…?」
ミンスが首を傾げると、クロマはミンスを抱き寄せて頭を撫でた。
「言わせるな。お前と変わらない…と、いつもの妄想癖でそう思っていればいいだろう…?」
いつにもなく優しい様子のクロマに、ミンスは目が潤んだ。
ミンスは目を閉じると共に、クロマにしがみつくと言う。
「そんな事…できませんよ…。」
第二故郷病院。
全ての事情を聞いた上で、久坂は頭を痛めた顔をした。
「あー…石の巫女の力の封印が解けたろ?そしたらどうなる?」
久坂が言うと、テオドールは少し考えてから言った。
「まずは全国の人間を植物人間にする。そしてクロマの栄養に。人間の養殖とか始めたら面白いな。」
「オレは嫌だぜ…」
久坂は頭を痛めて言うと、数男も言う。
「私も嫌だ。」
「ていうか賛成する人いないでしょ。」
と守。
しかし単純なシュンは言った。
「でも面白そうだよな!」
「いっそ燃やせばいいんじゃない?炎が苦手なんでしょ。」
三笠は素振りをしながら言うが、数男は首を横に振る。
「さっき試したが火がすぐに消えた。」
するとサチは溜息をついた。
「行動が早すぎます。」
「人間の養殖も植物人間にも…そんな事はさせません!」
と誠治。
しかしサチは眉を困らせる。
「でも、本当にそんな事をミンスがするんですかね?ここには知り合いも沢山いるのに…。」
誠治は考えていたが、やがて言葉にした。
「いいえ真渕さん、対策は考えておいた方がいいでしょう。
ミンスが知り合いを生かす為だけに、クロマを切り捨てるとは思えません。」
誠治が言うと、サチはなんだか納得してしまう。
次にテオドールは言う。
「まあ、実際ミンスは過去にもクロマを生かす為に多くの生物を犠牲にしている。やる可能性は百パーセントと言っても過言じゃないだろう。」
それを聞いた誠治は言った。
「つまりされる前に消せという話ですね。」
すると砂田はムスっとした顔。
「ねえ、あなたあんまり「消す」とかそういうワード使わないでよ。怖い。」
若干、砂田と誠治の睨み合いが始まる。
すると久坂は言った。
「あ、そう言えば最近見られる流星群って知ってっか?」
それに対し数男は呆れた様子で言う。
「急に何だ。
…はあ。最近隕石が世界各国で目撃されているらしいな。燃え尽きるものが多いみたいだが。」
「植物人間から出る石あんだろ?あれさ、大昔に恐竜を絶滅させたっていう隕石と同じ成分なんだよ。」
「それがどうした。」
数男が言うと、三笠は「つまり…」と言って愛刀『帝鳩羽』を天井に掲げ光らせた。
「これからまた降るのかな?」
「可能性はゼロじゃねぇよな。」
すると数男は溜息。
「こんな時に隕石の事なんか考えるな。」
しかし久坂は微妙な顔。
「いや、考えておいた方がいいぜ。念の為に…」
「でも、隕石なんて止められないっしょ。」
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