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第4章 侵食―エローション―
143 空を取り戻す為に
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秋菜はもみじ公園の噴水広場を歩いている。
すると、植物に侵された鳩達が秋菜に襲いかかってきた。
秋菜は植物人間の力を解放する。
手元に植物で作られた薙刀を出現させると、薙刀で鳩達を倒していった。
暫く戦っているが落ち着く気配がないので、残りの鳩の数を大方知るために辺りを見回していると…
一匹の鳩が植物を伸ばして秋菜に攻撃を仕掛けた。
秋菜は振り返るが遅く、構えを取ろうとした時だ。
一筋の一閃が、鳩の植物を根元から切り裂く。
見た事のあるこの動きは、秋菜を確信させた。
「帝汰さん…!」
そう、三笠が鳩の植物を切り落としたのだ。
鳩はそのまま石になり、三笠が取る。
「鳩の石はちっこいな。まるで鳩の餌みたい。」
特に小さいわけでもないが、そう言っている三笠に秋菜は首を傾げた。
そして更に襲いかかってくる鳩達の植物を片っ端から切り落とし、全ての石を回収していた。
三笠はそれを終えると呟く。
「ここの鳩もみんな変わっちゃったな。」
秋菜は三笠の顔を見ると、三笠は思い切り溜息を吐く。
「あ~…もう僕にはテイハしかいないなぁ。」
そう言って帝鳩羽にスリスリする三笠。
思わず秋菜は呆れを交えた表情で困る。
「早くミンス達を見つけませんと。帝汰さん達は探しているの?」
「いや、本当に探す術がないからね。石を回収して小さな抵抗をするくらいしかできないかなぁ。」
「このままだと、ミンス達の思うツボだと思いますの。」
「僕もそう思うよ。でもどうやって探し出す?」
三笠の問いに秋菜は何も答えられなかった。
「…わかりませんわ。」
「だよね。」
三笠はそう言って、噴水の前まで歩き空を見上げた。
「ねえ、前より植物が減ったとは思わない?ほら、空が少し見えるようになった。」
秋菜はそう言われると空を見上げた。
この公園は元から植物は粗方切られているが、もっと奥を見てみると植物は以前よりだいぶ減ったような気がする。
空を見上げる三笠は優しく微笑んでいて、まるで昔を思い出させる。
――「秋菜、僕は塞がれた空なんて耐えられないよ…!五島先生に頼みに行く、力を貸してもらうんだ!
そして、この街に出る植物人間でもなんでも…!」――
三笠が数男の力を受ける前に秋菜に言った言葉だ。
鳩と空が好きな三笠、空を取り戻したくて三笠は数男の力を貰ったのだ。
ハジメの力を受けている秋菜の事もあり、自分もと首を突っ込んだのだろう。
秋菜はそれを許したことを、何度後悔したか。
秋菜はそれをしみじみと思い出しながらも言った。
「本当。なぜでしょう?」
すると三笠は帝鳩羽を空に掲げてから言った。
「植物がいらなくなったからだと思うよ。だってもう人間で足りるじゃん?植物で力を使うわけにはならないんだよきっと。」
そう言われると、秋菜は表情を険しくさせる。
「ごめんなさい…私がミンス達を引き取るって言わなければ、こうならなかったのかも…」
「どっちも変わらないと思うよ?」
「いいえ。少なくとも、石の巫女の力を保持していた秋田さんの元には行かなかったでしょう。」
懺悔する秋菜に対し、三笠は首を横に振った。
「秋田さんはミンスを狙っているわけだし。ミンスだって秋田さんが力を預かっている事を知っていたはずだし、お互い会ってしまうのは必然じゃないかな?」
秋菜は思わず目を逸らす。
「そんなの…想像に過ぎませんわ。」
すると三笠は微笑む。
「じゃあ君が言っている事も想像に過ぎないよ。今は気にするよりこの状況をなんとかすべきだよね。」
「そう…ですわね。」
秋菜はそう言ってから三笠の顔を見た。
三笠は微笑んだ顔をキープしていると、秋菜は言う。
「あの…石集め、私も協力しますわ。」
それを聞いた三笠は首を傾けて、微笑むと言った。
「それは心強いね。」
すると、植物に侵された鳩達が秋菜に襲いかかってきた。
秋菜は植物人間の力を解放する。
手元に植物で作られた薙刀を出現させると、薙刀で鳩達を倒していった。
暫く戦っているが落ち着く気配がないので、残りの鳩の数を大方知るために辺りを見回していると…
一匹の鳩が植物を伸ばして秋菜に攻撃を仕掛けた。
秋菜は振り返るが遅く、構えを取ろうとした時だ。
一筋の一閃が、鳩の植物を根元から切り裂く。
見た事のあるこの動きは、秋菜を確信させた。
「帝汰さん…!」
そう、三笠が鳩の植物を切り落としたのだ。
鳩はそのまま石になり、三笠が取る。
「鳩の石はちっこいな。まるで鳩の餌みたい。」
特に小さいわけでもないが、そう言っている三笠に秋菜は首を傾げた。
そして更に襲いかかってくる鳩達の植物を片っ端から切り落とし、全ての石を回収していた。
三笠はそれを終えると呟く。
「ここの鳩もみんな変わっちゃったな。」
秋菜は三笠の顔を見ると、三笠は思い切り溜息を吐く。
「あ~…もう僕にはテイハしかいないなぁ。」
そう言って帝鳩羽にスリスリする三笠。
思わず秋菜は呆れを交えた表情で困る。
「早くミンス達を見つけませんと。帝汰さん達は探しているの?」
「いや、本当に探す術がないからね。石を回収して小さな抵抗をするくらいしかできないかなぁ。」
「このままだと、ミンス達の思うツボだと思いますの。」
「僕もそう思うよ。でもどうやって探し出す?」
三笠の問いに秋菜は何も答えられなかった。
「…わかりませんわ。」
「だよね。」
三笠はそう言って、噴水の前まで歩き空を見上げた。
「ねえ、前より植物が減ったとは思わない?ほら、空が少し見えるようになった。」
秋菜はそう言われると空を見上げた。
この公園は元から植物は粗方切られているが、もっと奥を見てみると植物は以前よりだいぶ減ったような気がする。
空を見上げる三笠は優しく微笑んでいて、まるで昔を思い出させる。
――「秋菜、僕は塞がれた空なんて耐えられないよ…!五島先生に頼みに行く、力を貸してもらうんだ!
そして、この街に出る植物人間でもなんでも…!」――
三笠が数男の力を受ける前に秋菜に言った言葉だ。
鳩と空が好きな三笠、空を取り戻したくて三笠は数男の力を貰ったのだ。
ハジメの力を受けている秋菜の事もあり、自分もと首を突っ込んだのだろう。
秋菜はそれを許したことを、何度後悔したか。
秋菜はそれをしみじみと思い出しながらも言った。
「本当。なぜでしょう?」
すると三笠は帝鳩羽を空に掲げてから言った。
「植物がいらなくなったからだと思うよ。だってもう人間で足りるじゃん?植物で力を使うわけにはならないんだよきっと。」
そう言われると、秋菜は表情を険しくさせる。
「ごめんなさい…私がミンス達を引き取るって言わなければ、こうならなかったのかも…」
「どっちも変わらないと思うよ?」
「いいえ。少なくとも、石の巫女の力を保持していた秋田さんの元には行かなかったでしょう。」
懺悔する秋菜に対し、三笠は首を横に振った。
「秋田さんはミンスを狙っているわけだし。ミンスだって秋田さんが力を預かっている事を知っていたはずだし、お互い会ってしまうのは必然じゃないかな?」
秋菜は思わず目を逸らす。
「そんなの…想像に過ぎませんわ。」
すると三笠は微笑む。
「じゃあ君が言っている事も想像に過ぎないよ。今は気にするよりこの状況をなんとかすべきだよね。」
「そう…ですわね。」
秋菜はそう言ってから三笠の顔を見た。
三笠は微笑んだ顔をキープしていると、秋菜は言う。
「あの…石集め、私も協力しますわ。」
それを聞いた三笠は首を傾けて、微笑むと言った。
「それは心強いね。」
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