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第4章 侵食―エローション―
171 実験の毎日
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サウザは小さな個室に敷いてある布団の上で、一人丸くなって座っていた。
上半身は何も着させてくれなかったが、別に部屋が寒すぎる事も暑すぎる事もなかった。
しかしキョロキョロしてしまい、部屋のあらゆる場所に設置されているカメラを見てしまう。
サウザは完全に監視下に置かれていて、廊下に出るのも許可が必要なのだ。
部屋には『第二研究グループ』とあった。
(寝る時間になるまで布団に入っちゃダメ…なんだよね…)
サウザは思いながらも怯えていた。
カメラで監視している人たちは口々に言った。
「ほら、昨日マシンで付けた傷がもう癒えていますよ。
これは凄い…血に秘密があるのか…?研究を進めないと…!」
「あれまだ生きてたの?昨日致死量の青酸入れたご飯食べさせたはずなんだけど。
彼の臓器は一体どうなってるのかしら。」
と別の研究員。
「ちょっとお前、青酸はやり過ぎだって。本当に死んだらどうするんだよ。」
と笑って返答する研究員。
まるで実験用マウスを扱うような対応である。
そこに第五研究グループのリーダーである篠田がやってくる。
篠田は怒った様子で研究員を叱咤した。
「何を考えている!!遊んでないで研究に関係のある事だけをするんだ!
代表にバレたらお前達クビだぞ!」
すると一人の研究員が言った。
「篠田さん、若返る事ができるかもしれないんですよ?この研究が成功したら。」
「もう十分生きた!!」
と篠田は怒り口調で言うのであった。
そこに誠治が来るので、研究員はその話を中断させる。
「彼の様子は?」
誠治が聞くので、他の研究員は言った。
「ああ、全く心配いりませんよ?開発も進んでいますし、彼の様態も実に健康的です。
もうすぐで五十六個目の解毒剤が完成するって話ですが、見ていきます?」
「勿論。今度こそ成功するといいのですが…」
すると他の研究員が出てきた。
「解毒剤を作り終えたら、彼を自由に使ってもいいんだよね?」
それを聞いた誠治は少し考える。
「まだ彼には使い道があるので…それはできないと思います。
代表も許さないと思いますよ。」
「えー?じゃあ研究する気にならないですねぇ。」
と別の研究員が言い出した。
更に他の研究員も言う。
「彼が手に入るから頑張ってきたのに…それはないですよ~」
誠治は眉を潜めた。
「こちらだって止めるべき相手がいるのです!それに彼はきっと必要不可欠…!」
そう訴えるが聞いてくれない。
誠治は黙り込むと思った。
(…彼等は興味ある事を知れれば、ミンスたちが何しようと気にしないんだろうな…。)
悔しがる誠治を傍に、ある研究員が言った。
「彼の生体を研究してコミュン家の大旦那に見せれば、噂の隕石を回避できると言われる大型カプセルに我等も入れてくれるかもしれないね。」
「カプセル…?」
「知らないのかい?コミュン家が大金を出して科学者や技術者に作らせた隕石を回避するカプセルだよ。
研究所の資料を元に、その大昔の隕石の威力ほどなら回避できるカプセルを今作っているとの事だよ。」
「馬鹿な。」
誠治はつい言ってしまう。
誠治は呆れたのか、首を横に振って言った。
「まあいいです。
サウザ王に話があって来たのですが、会わせていただけますか?」
「いいですよ、いってらっしゃい。」
と研究員はサラッと流す。
そして誠治が部屋を出て行くと、篠田は誠治を追いかけた。
「ごめんね、どのグループも自由奔放な人が多くて、対応に困るだろう?」
篠田の言葉に、誠治は眉を困らせて微笑む。
「いえいえ、皆さん優秀な研究員ですから。」
すると篠田は苦笑。
「前々から代表には言っているのですが…。『ここに必要なのは飽く無き好奇心と、ちょっとの良心だよ。』とスルーされ…
代表もちょっぴり研究員と似ているので仕方ないですかね。」
誠治は思わずクスッと笑った。
「代表らしいです。」
そして二人で苦笑するのであった。
サウザは皆の事を考えていると、誠治に呼び出されたので廊下に出てきた。
「ココノエさん。今日はナエジマさんと一緒じゃないんだね。」
それに対し、誠治は頷いた。
「ええ。サウザ王、ちょっと散歩がてらお喋りでも。廊下ですが。」
するとサウザは嬉しそうに言う。
「本当!?ありがとう!」
上半身は何も着させてくれなかったが、別に部屋が寒すぎる事も暑すぎる事もなかった。
しかしキョロキョロしてしまい、部屋のあらゆる場所に設置されているカメラを見てしまう。
サウザは完全に監視下に置かれていて、廊下に出るのも許可が必要なのだ。
部屋には『第二研究グループ』とあった。
(寝る時間になるまで布団に入っちゃダメ…なんだよね…)
サウザは思いながらも怯えていた。
カメラで監視している人たちは口々に言った。
「ほら、昨日マシンで付けた傷がもう癒えていますよ。
これは凄い…血に秘密があるのか…?研究を進めないと…!」
「あれまだ生きてたの?昨日致死量の青酸入れたご飯食べさせたはずなんだけど。
彼の臓器は一体どうなってるのかしら。」
と別の研究員。
「ちょっとお前、青酸はやり過ぎだって。本当に死んだらどうするんだよ。」
と笑って返答する研究員。
まるで実験用マウスを扱うような対応である。
そこに第五研究グループのリーダーである篠田がやってくる。
篠田は怒った様子で研究員を叱咤した。
「何を考えている!!遊んでないで研究に関係のある事だけをするんだ!
代表にバレたらお前達クビだぞ!」
すると一人の研究員が言った。
「篠田さん、若返る事ができるかもしれないんですよ?この研究が成功したら。」
「もう十分生きた!!」
と篠田は怒り口調で言うのであった。
そこに誠治が来るので、研究員はその話を中断させる。
「彼の様子は?」
誠治が聞くので、他の研究員は言った。
「ああ、全く心配いりませんよ?開発も進んでいますし、彼の様態も実に健康的です。
もうすぐで五十六個目の解毒剤が完成するって話ですが、見ていきます?」
「勿論。今度こそ成功するといいのですが…」
すると他の研究員が出てきた。
「解毒剤を作り終えたら、彼を自由に使ってもいいんだよね?」
それを聞いた誠治は少し考える。
「まだ彼には使い道があるので…それはできないと思います。
代表も許さないと思いますよ。」
「えー?じゃあ研究する気にならないですねぇ。」
と別の研究員が言い出した。
更に他の研究員も言う。
「彼が手に入るから頑張ってきたのに…それはないですよ~」
誠治は眉を潜めた。
「こちらだって止めるべき相手がいるのです!それに彼はきっと必要不可欠…!」
そう訴えるが聞いてくれない。
誠治は黙り込むと思った。
(…彼等は興味ある事を知れれば、ミンスたちが何しようと気にしないんだろうな…。)
悔しがる誠治を傍に、ある研究員が言った。
「彼の生体を研究してコミュン家の大旦那に見せれば、噂の隕石を回避できると言われる大型カプセルに我等も入れてくれるかもしれないね。」
「カプセル…?」
「知らないのかい?コミュン家が大金を出して科学者や技術者に作らせた隕石を回避するカプセルだよ。
研究所の資料を元に、その大昔の隕石の威力ほどなら回避できるカプセルを今作っているとの事だよ。」
「馬鹿な。」
誠治はつい言ってしまう。
誠治は呆れたのか、首を横に振って言った。
「まあいいです。
サウザ王に話があって来たのですが、会わせていただけますか?」
「いいですよ、いってらっしゃい。」
と研究員はサラッと流す。
そして誠治が部屋を出て行くと、篠田は誠治を追いかけた。
「ごめんね、どのグループも自由奔放な人が多くて、対応に困るだろう?」
篠田の言葉に、誠治は眉を困らせて微笑む。
「いえいえ、皆さん優秀な研究員ですから。」
すると篠田は苦笑。
「前々から代表には言っているのですが…。『ここに必要なのは飽く無き好奇心と、ちょっとの良心だよ。』とスルーされ…
代表もちょっぴり研究員と似ているので仕方ないですかね。」
誠治は思わずクスッと笑った。
「代表らしいです。」
そして二人で苦笑するのであった。
サウザは皆の事を考えていると、誠治に呼び出されたので廊下に出てきた。
「ココノエさん。今日はナエジマさんと一緒じゃないんだね。」
それに対し、誠治は頷いた。
「ええ。サウザ王、ちょっと散歩がてらお喋りでも。廊下ですが。」
するとサウザは嬉しそうに言う。
「本当!?ありがとう!」
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