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第4章 侵食―エローション―
175 プラズマは怒りと共に
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爆心地にて。
誠治は瓦礫を退けて出てきた。
黒焦げになった服を気にする誠治。
しかし、不死身な為か誠治の身は全くの無傷だった。
誠治は綺瑠を探す。
炎に巻かれた周囲。
すると不自然にも、熱で真っ赤に輝く瓦礫を発見。
誠治はこの下に綺瑠がいると悟った。
誠治はその瓦礫の方へ歩くが、そこにサウザが走ってやってきた。
「セイジ!」
「サウザ王!研究所は…?」
誠治が言うと、サウザは苦笑。
「ごめん、父上の作戦の為に無断で抜け出してきちゃってさ…。
それにしても、さっきの爆発…」
そこに更に、テオドールも現れた。
テオドールはミンスに爆発物を探すように言われていたが、サボって爆心地を見に来た。
「わお、これは何事?」
とテオドールは言ったが、熱で赤く輝く瓦礫を見て目を剥いた。
テオドールは空気の刃を瓦礫にいくつも放つと、瓦礫は粉々に割れる。
瓦礫の下からは、バリアで守られた綺瑠が現れた。
「奈江島さん!」
誠治は思わず駆けつけた。
綺瑠は無傷。
だが綺瑠は言った。
「来ちゃダメ誠治!」
思わず誠治は足を止めた。
よくよく見ると、綺瑠はまだ熱の力を纏っていた。
綺瑠は顔を真っ青にしていた。
「と、止まらないんだ…!」
「これはどういう事だ?」
テオドールが再び聞くと、誠治は言う。
「奈江島さんの力を追求して、使わせてみたらこうなりました…。」
「ありゃりゃ…」
テオドールは目を丸くしたままだ。
サウザはブルブルと震えていた。
「力を打ち消してあげたいけど、バリアがあるんじゃ無理だよ。」
「困ったなぁ…。本当はプラズマの力じゃなく、バリアの方を先に操れる様になって欲しかったんだが。」
そう言ってテオドールはできる限り綺瑠に近づく。
綺瑠の表情は恐怖に満ちていた。
するとテオドールは言った。
「落ち着け綺瑠、その殺気を抑えるんだ。
お前が誰かを恨むほど、破壊のプラズマは強大になる。ほら、世界に優しくなって。深呼吸。」
綺瑠は落ち着いて深呼吸するが、全然状況が変わらない。
テオドールは思わず頭を抱えた。
「んじゃあバリアの練習しよ。綺瑠は守りたいものはないかい?」
「守りたいもの…?」
「そうそう。プラズマの力は強大で凶悪な力だ。
そのままにしておけば、きっと綺瑠はこの街一個消し飛ばす。」
「えッ!?」
綺瑠は顔を真っ青にするので、テオドールは続けた。
「大丈夫。綺瑠が本当にこの街を守りたいのなら、守りたいものがあるならば、絶対に抑えられる。
大事な人を沢山考えて…。プラズマを封じるんだ、綺瑠。」
「守る為に……
…守る為に、プラズマを封じる…」
綺瑠は守る事に神経を集中させる。
その間、テオドールは誠治に言った。
「あまり綺瑠に力を強要しないであげて欲しい。」
「も、申し訳ありませんでした!」
誠治が謝罪すると、テオドールは頷いた。
「綺瑠のバリアは、常にプラズマを抑えている。
それを無理に解放しようとすると、タガが外れて必要以上の憎悪と力が解放される事になる。一度解放したら、なかなか止まらなくなるのさ。」
誠治は深く反省していると、サウザは目を丸くした。
「じゃあクロマも、戦っている時は怒り爆発してるの?」
「怒りと殺気のコントロールが上手いんだよなアイツは。でも力を持ってる時とそうでない時じゃ命への扱いが変わっちまうだろ?力がある時は、力によって増幅する憎悪の方が強くなる。
綺瑠のバリアはそうならないように蓋をする役割を担ってるんだ。」
それを聞くとサウザは目を丸くして納得。
「へぇ~。確かに力不足の時のクロマ、いつもより優しい感じがしたかも。心が弱ってるからとかじゃなかったんだ。」
するとテオドールは思い出した顔をして言う。
「あ!ミンスに見てこいって言われてるんだった!
行ってくる!サウザと誠治は作戦よろしく!」
そう言ってテオドールは風になって消えた。
それと同時に、やっとの思いでプラズマを封じた綺瑠。
綺瑠は汗だくで、息を切らせていた。
「大丈夫!?」
サウザが心配すると、綺瑠は笑顔を向けた。
「大丈夫…。
誠治、怪我はなかったかい…?ごめんね…」
「え、いえ。こちらこそ…ごめんなさい…」
誠治は謝罪すると、綺瑠は首を横に振った。
「いいんだ…」
するとサウザは言う。
「立てるかい?ここでミンスに見つかったら色々と危険だよ。ナエジマさんだけでも絶対に避難を…」
「あ、私が送ります!」
誠治が言うと、サウザは困った顔。
「え、じゃあ父上の作戦は?セイジがいなきゃ実行できないよ…!」
「でも…」
すると綺瑠は言う。
「行ってきて誠治…」
「奈江島さん…」
綺瑠は誠治に笑顔を向けた。
「いや、何するかわかんないけどさ。…大事な用事なんでしょ?行ってきてあげなって。
僕は一人で帰れる。子供じゃないんだからさ。」
そう言って綺瑠は一人で歩き出すと、綺瑠は何かに気づいて白衣を脱いだ。
白衣をたたみ、誠治にパスした。
誠治は受け取ると、綺瑠は言う。
「そんな服じゃ行けないでしょ。これ着てって。
あと、…もう植物人間の焼却処分はしない事。
じゃ。」
そう言って綺瑠は立ち去るので、誠治は綺瑠に真摯な目を向けた。
「ありがとうございます!」
そして誠治は綺瑠の白衣を着て、走り出す。
サウザも綺瑠に言った。
「うん、もし何かあったら、隠れてていいからね!」
サウザもそう言って立ち去ると、綺瑠は手を振った。
「頑張って…」
綺瑠は二人が見えなくなると、立てなくて座り込んでしまう。
綺瑠は膝を地面につけ、頭を抱えた。
(歳かなぁ…すっごい疲れた…
……五分だけ休もう…)
すると綺瑠はとある事に気づき、思わず苦笑。
(あっ、さっきの爆発で僕が植物人間を焼却処分しちゃってるじゃん!?
…あっちゃー……誠治以上に反省しないと…)
誠治は瓦礫を退けて出てきた。
黒焦げになった服を気にする誠治。
しかし、不死身な為か誠治の身は全くの無傷だった。
誠治は綺瑠を探す。
炎に巻かれた周囲。
すると不自然にも、熱で真っ赤に輝く瓦礫を発見。
誠治はこの下に綺瑠がいると悟った。
誠治はその瓦礫の方へ歩くが、そこにサウザが走ってやってきた。
「セイジ!」
「サウザ王!研究所は…?」
誠治が言うと、サウザは苦笑。
「ごめん、父上の作戦の為に無断で抜け出してきちゃってさ…。
それにしても、さっきの爆発…」
そこに更に、テオドールも現れた。
テオドールはミンスに爆発物を探すように言われていたが、サボって爆心地を見に来た。
「わお、これは何事?」
とテオドールは言ったが、熱で赤く輝く瓦礫を見て目を剥いた。
テオドールは空気の刃を瓦礫にいくつも放つと、瓦礫は粉々に割れる。
瓦礫の下からは、バリアで守られた綺瑠が現れた。
「奈江島さん!」
誠治は思わず駆けつけた。
綺瑠は無傷。
だが綺瑠は言った。
「来ちゃダメ誠治!」
思わず誠治は足を止めた。
よくよく見ると、綺瑠はまだ熱の力を纏っていた。
綺瑠は顔を真っ青にしていた。
「と、止まらないんだ…!」
「これはどういう事だ?」
テオドールが再び聞くと、誠治は言う。
「奈江島さんの力を追求して、使わせてみたらこうなりました…。」
「ありゃりゃ…」
テオドールは目を丸くしたままだ。
サウザはブルブルと震えていた。
「力を打ち消してあげたいけど、バリアがあるんじゃ無理だよ。」
「困ったなぁ…。本当はプラズマの力じゃなく、バリアの方を先に操れる様になって欲しかったんだが。」
そう言ってテオドールはできる限り綺瑠に近づく。
綺瑠の表情は恐怖に満ちていた。
するとテオドールは言った。
「落ち着け綺瑠、その殺気を抑えるんだ。
お前が誰かを恨むほど、破壊のプラズマは強大になる。ほら、世界に優しくなって。深呼吸。」
綺瑠は落ち着いて深呼吸するが、全然状況が変わらない。
テオドールは思わず頭を抱えた。
「んじゃあバリアの練習しよ。綺瑠は守りたいものはないかい?」
「守りたいもの…?」
「そうそう。プラズマの力は強大で凶悪な力だ。
そのままにしておけば、きっと綺瑠はこの街一個消し飛ばす。」
「えッ!?」
綺瑠は顔を真っ青にするので、テオドールは続けた。
「大丈夫。綺瑠が本当にこの街を守りたいのなら、守りたいものがあるならば、絶対に抑えられる。
大事な人を沢山考えて…。プラズマを封じるんだ、綺瑠。」
「守る為に……
…守る為に、プラズマを封じる…」
綺瑠は守る事に神経を集中させる。
その間、テオドールは誠治に言った。
「あまり綺瑠に力を強要しないであげて欲しい。」
「も、申し訳ありませんでした!」
誠治が謝罪すると、テオドールは頷いた。
「綺瑠のバリアは、常にプラズマを抑えている。
それを無理に解放しようとすると、タガが外れて必要以上の憎悪と力が解放される事になる。一度解放したら、なかなか止まらなくなるのさ。」
誠治は深く反省していると、サウザは目を丸くした。
「じゃあクロマも、戦っている時は怒り爆発してるの?」
「怒りと殺気のコントロールが上手いんだよなアイツは。でも力を持ってる時とそうでない時じゃ命への扱いが変わっちまうだろ?力がある時は、力によって増幅する憎悪の方が強くなる。
綺瑠のバリアはそうならないように蓋をする役割を担ってるんだ。」
それを聞くとサウザは目を丸くして納得。
「へぇ~。確かに力不足の時のクロマ、いつもより優しい感じがしたかも。心が弱ってるからとかじゃなかったんだ。」
するとテオドールは思い出した顔をして言う。
「あ!ミンスに見てこいって言われてるんだった!
行ってくる!サウザと誠治は作戦よろしく!」
そう言ってテオドールは風になって消えた。
それと同時に、やっとの思いでプラズマを封じた綺瑠。
綺瑠は汗だくで、息を切らせていた。
「大丈夫!?」
サウザが心配すると、綺瑠は笑顔を向けた。
「大丈夫…。
誠治、怪我はなかったかい…?ごめんね…」
「え、いえ。こちらこそ…ごめんなさい…」
誠治は謝罪すると、綺瑠は首を横に振った。
「いいんだ…」
するとサウザは言う。
「立てるかい?ここでミンスに見つかったら色々と危険だよ。ナエジマさんだけでも絶対に避難を…」
「あ、私が送ります!」
誠治が言うと、サウザは困った顔。
「え、じゃあ父上の作戦は?セイジがいなきゃ実行できないよ…!」
「でも…」
すると綺瑠は言う。
「行ってきて誠治…」
「奈江島さん…」
綺瑠は誠治に笑顔を向けた。
「いや、何するかわかんないけどさ。…大事な用事なんでしょ?行ってきてあげなって。
僕は一人で帰れる。子供じゃないんだからさ。」
そう言って綺瑠は一人で歩き出すと、綺瑠は何かに気づいて白衣を脱いだ。
白衣をたたみ、誠治にパスした。
誠治は受け取ると、綺瑠は言う。
「そんな服じゃ行けないでしょ。これ着てって。
あと、…もう植物人間の焼却処分はしない事。
じゃ。」
そう言って綺瑠は立ち去るので、誠治は綺瑠に真摯な目を向けた。
「ありがとうございます!」
そして誠治は綺瑠の白衣を着て、走り出す。
サウザも綺瑠に言った。
「うん、もし何かあったら、隠れてていいからね!」
サウザもそう言って立ち去ると、綺瑠は手を振った。
「頑張って…」
綺瑠は二人が見えなくなると、立てなくて座り込んでしまう。
綺瑠は膝を地面につけ、頭を抱えた。
(歳かなぁ…すっごい疲れた…
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