一羽の天使、悪魔の村にまい降りて。

うてな

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46 キンギョソウ:おしゃべり

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アンドレイの酔いが覚め、話をするとアンドレイは笑顔で答えた。

「いいぞ!可愛いお姉さんと可愛い孫の為なら!」

「本当ですか!」

と、最初に言ったのはなんとワレリー。
アンドレイは目を丸くすると聞く。

「なんでワレリーが嬉しそうなんだ?」

するとワレリーは大人しくなると言った。

「物事が良い方向に向かうのを、嬉しく思うのは変ですか?」

それを聞いてアンドレイはニヤニヤ。

「いいや。
そう言えばガリーナちゃんは、パーヴェルのどこに惚れたの?」

「え…!」

ガリーナは顔を赤くすると、少し考える。

「いっぱいあるから言うとキリないかも…」

アンドレイはそれに笑うと、ワレリーに言った。

「お前はいつ結婚するんだ?俺は孫の顔を見たい!」

ワレリーは目を細めると呟く。

「子供が沢山いるんですから下の子に頼んでください。」

「いや!だってワレリーが一番マリヤに似てるから!マリヤの子供を見たいと思うのは当然!」

ワレリーはどこからツッコミを入れていいかわからず、疲れているのか言うのをやめた。
アンドレイはガリーナにウインクすると言う。

「孫十人欲しいからよろしくねガリーナちゃん!」

「えぇっ!?」

ガリーナは驚くと、ワレリーは言った。

「もう、子供の数くらい本人たちの自由にさせてあげなさい。」

アンドレイはワレリーを見ると言う。

「本当にマリヤに似てるな~ワレリーは。
孫はどんな子供?」

アンドレイの質問に、ガリーナは天井を見ながら言った。

「活発で、元気で、遊ぶのが大好きなの!
あとパーヴェルくんに似て食べるのが大好きでね、最近人の物真似をするようになったの!」

ガリーナは嬉しそうに言うので、アンドレイも笑顔で言う。

「へぇ~!兄弟とか作ってあげないの?」

それを聞くと、ガリーナは急に表情を変える。
ワレリーはその異変に首を傾げると、ガリーナは困った様子で言った。

「確かに、ニコライも遊び相手が欲しそうだから兄弟がいたら…って思うけど…」

「けどぉ?」

アンドレイは首を傾げてそう言うと、ガリーナは答える。

「パーヴェルくん、ニコライが産まれてからそういうのに消極的で。
悪魔の子が産まれるのを恐れてしまってるというか…」

「なーんじゃそれ!パーヴェルは腰抜けだなぁ~!」

アンドレイがそう言うと、ワレリーは難しい顔を見せた。

「仕方のない事です。
パーヴェルは小さい頃からやんちゃばかりしていて、村の子供から悪魔と言われた時期もありましたから。
そんな自分が悪魔の子を産んだとなれば、消極的になってしまうのもわかります。」

「そっか…」

ガリーナはそう呟くと、アンドレイは着ていた上着を脱ぐ。

「仕方ない!俺が人肌脱ごう!俺の子供を産め!」

するとワレリーは声色を暗くして言った。

「おやめなさい。」

アンドレイはニコニコすると、大人しくなる。

「は~い。」

ガリーナは笑えない為か苦笑。
アンドレイはニコニコするのをやめると、再びワレリーに言った。

「それでー、ワレリーはいつ孫の顔を見せてくれるの?」

するとワレリーは満面の笑みをアンドレイに向ける。

「私は結婚しません。フロルに言ってください。」

「ダメ~!フロルはライフルだけが恋人なのぉ!」

「誰が与えたと思っているんですか、そのライフル。」

ワレリーが吐き捨てる様に言うと、アンドレイは足元に転がしていたライフルを構えて言った。

「俺です!申し訳ございませんマリヤ様!」

ワレリーは呆れて溜息をつくと、ガリーナは再び苦笑。

すると、飲み屋に子供連れの男性が入ってくる。
アンドレイはその男性を見ると、笑顔で手を振った。

「おおお!カミゴウ!久しぶり!」

ワレリーはその男性を見ると、目を丸くした。

「カミゴウさん!来ていたのですか。」

カミゴウと呼ばれた男性は一同に微笑むと、一緒に来た子供と共に近くの席に座る。

「久しぶりポポフ親子。」

ガリーナはワレリーを見ると、ワレリーはガリーナに言った。

「カミゴウさんは海外に住む富豪さんです。
お父様とは若い頃からの知り合いだそうで、海外への引っ越し手続きをしてくださったのもカミゴウさんなんですよ。」

「へぇ~!すっごい、大親友さんなんだね…!」

「ええ。私も村の事でお世話になる事があります。
太っ腹な方で、村のトラックも彼からの贈り物なのです。
カミゴウさんは、ちょくちょく海外に飛んでらして、たまにこの町の別荘に泊まりに来るんですよ。」

「すご…!住む世界が違う!」

ワレリーとガリーナが話している傍で、アンドレイはカミゴウにワインを注いでやると言った。

「今日は何用だ?お引越しまであと一ヶ月近くあるぞ?」

「ん?今日は別の街に用があるんだ。
妻も多忙でね、息子の面倒を見てくれる友達はいないかな~ってやってきたんだ。」

カミゴウはそう言って息子に視線を向けると、アンドレイは目を丸くする。

「え~俺は俺のお世話で大変だな~。
メイドに任せときゃいいじゃん!」

「ダーメ。たまには海外の人とも遊ばせたいじゃん?」

アンドレイは難しい顔をすると、ふとワレリーに目がつく。

「お!俺の息子が見てくれるって!息子同士!仲良くやれよな!」

「はい!?」

ワレリーは驚くと、カミゴウはニッコリ。

「じゃあよろしくできないかなワレリー。」

ワレリーはカミゴウの子供を見ると、少し黙ってから言った。

「わかりました。」

「ありがとう。この子は息子の【マサミ】、今年で三歳なんだ。」

それを聞いて驚いたのはガリーナ。

「三歳…!?」

「ニコライと同い年ですね。」

ワレリーがそう呟くと、マサミは二人の前にやってきて言う。

「”よろしくお願いします。”」

マサミは言語がわからない為、自分の国の言語で答えた。
二人は目を丸くすると、カミゴウは笑顔。

「さあマサミ…!言葉の通じない世界を体感するのだ!お父さんは応援してるぞ!
じゃ、僕は仕事があるのでこれで。」

そう言ってカミゴウは席を立つと、机にかなりの額の金を置いていく。
それを見たアンドレイは笑顔。

「俺の酒代をありがとう!!」

カミゴウは背を向けたまま手を振ると、店を立ち去った。
ワレリーはマサミの前に来るとしゃがみ、優しく微笑んで手を伸ばす。
マサミも手を伸ばすと、ワレリーは握手をした。
ガリーナはそれを見ると、ガリーナも進んでマサミと握手する。
するとマサミはニコニコとするので、ガリーナは心打たれた。

「可愛い…!」

ワレリーはそんなガリーナに微笑むと、マサミと手を繋ぐ。

「流石にここに居させるわけにはなりません。出ますか。」

「ええ。あ、アンドレイさん!ありがとう!」

ガリーナはそう言うと、アンドレイは笑顔で手を振った。

「いいんだよ!マサミをよろしくね~!」


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