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2話 後編
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どうやら沙希の姿は他の人間には見えないらしい。
というのは少し語弊があるかもしれない。
猫の姿の沙希ならば他の人間からも姿を見ることができる。
実際、黒猫の姿で過ごしていた時は人間たちに冷たい目を向けられていたらしい。
人間としての沙希の姿は僕にしか見ることができない。
だからこそ……もしかしたら目の前の沙希は僕の妄想が生み出したものなのかもしれないと疑ってしまう。
でも目の前の沙希は僕と沙希にしか知らない僕が作った歌を知っていた。
妄想の可能性も大いにあるが、それでも僕は目の前の沙希を信じてみようと思ったのだ。
「ね、あっくん見て! 今日は月が綺麗だよ」
隣を歩く沙希が小学生並みの無邪気さで僕に話しかける。
ついでに腕を組んできた。
沙希の綺麗にまとまった茶色い髪は月の光に照らされ綺麗な輝きを放っていた。
「本当だな」
僕がそう答えると沙希はフンフンと鼻歌を歌い始めた。
ついさっき沙希がいきなり散歩に行きたいと言い出した。
正直、僕はまだ色々なことが起きて頭の中の整理が追いついておらずゆっくりしたかったのだが、沙希は一度言い出すと止まらない。 ワガママ娘であった。
いつも僕はそれに付き合わされていた。
そんな僕と沙希が出会ったのは……いや出会ったという言い方はおかしいな、僕と沙希は生まれた日も、生まれた病院も、病室も同じだった。
だから、僕らは生まれた時からの幼馴染として育った。
こっぱずかしいことを言うけれど、そんな僕らが恋人という関係になるということは周りから見ればとても自然なことだった。
けれどそれは決して簡単な道のりではなかったんだ。
あとになってわかったことだけれど僕らはお互いに21年間、肝心なところで素直になれなかった。
そうでなかったら沙希が亡くなる前日に付き合い始める、なんてことはなかったのだろう。
というのは少し語弊があるかもしれない。
猫の姿の沙希ならば他の人間からも姿を見ることができる。
実際、黒猫の姿で過ごしていた時は人間たちに冷たい目を向けられていたらしい。
人間としての沙希の姿は僕にしか見ることができない。
だからこそ……もしかしたら目の前の沙希は僕の妄想が生み出したものなのかもしれないと疑ってしまう。
でも目の前の沙希は僕と沙希にしか知らない僕が作った歌を知っていた。
妄想の可能性も大いにあるが、それでも僕は目の前の沙希を信じてみようと思ったのだ。
「ね、あっくん見て! 今日は月が綺麗だよ」
隣を歩く沙希が小学生並みの無邪気さで僕に話しかける。
ついでに腕を組んできた。
沙希の綺麗にまとまった茶色い髪は月の光に照らされ綺麗な輝きを放っていた。
「本当だな」
僕がそう答えると沙希はフンフンと鼻歌を歌い始めた。
ついさっき沙希がいきなり散歩に行きたいと言い出した。
正直、僕はまだ色々なことが起きて頭の中の整理が追いついておらずゆっくりしたかったのだが、沙希は一度言い出すと止まらない。 ワガママ娘であった。
いつも僕はそれに付き合わされていた。
そんな僕と沙希が出会ったのは……いや出会ったという言い方はおかしいな、僕と沙希は生まれた日も、生まれた病院も、病室も同じだった。
だから、僕らは生まれた時からの幼馴染として育った。
こっぱずかしいことを言うけれど、そんな僕らが恋人という関係になるということは周りから見ればとても自然なことだった。
けれどそれは決して簡単な道のりではなかったんだ。
あとになってわかったことだけれど僕らはお互いに21年間、肝心なところで素直になれなかった。
そうでなかったら沙希が亡くなる前日に付き合い始める、なんてことはなかったのだろう。
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