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【アイスと写真と思春期と】
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しおりを挟む真夏の、放課後。
俺たちは同じクラスの新聞部部長に、呼び止められていた。
「「──写真を撮らせてほしい?」」
外は、快晴。
うだるような暑さに、騒がしいクラスメイトの喋り声。
そんな中、俺と同時に声を発したのは手稲というクラスメイトだ。
俺──手束と手稲は、新聞部部長の言葉に小首を傾げる。
……話は、こうだ。
毎年、この高校の新聞部は長期休暇に入る前、生徒や先生の写真を学校関係者限定で売買している。大事な思い出になるからな、いい話だ。
写真の内容は、休み時間の光景だったり。
イベント──つまり、体育祭や学校祭の光景だったりと、とにかく色々。
生徒や教師が写真を購入し、得たお金は新聞部の部費となる。
ちなみに、予め写真の売買をしていいかは本人に許可を取っているので、そこらへんは問題無いらしい。当然だな。
そして、今現在。
俺と手稲は部費獲得のために売買する写真のモデルとして、声をかけられている。
……とまぁ、そんな状況だ。
「学校一のモテ男な手稲と、学校一のマスコットな手束のツーショット……絶対売れると思うんだよ!」
「いや、なんだよ『学校一番のマスコットな手束』って!」
「ホラ、よく言うだろ? イケメンが可愛いマスコットを身に着けていると、カッコいいと可愛いのギャップにキュンとくる~みたいな!」
「俺、人間なんだけど!」
どうやら、全く嬉しくない理由でのキャスティングらしい。
手稲は俺と新聞部部長のやり取りを聞きながら、肩を揺らして笑っている。
……新聞部部長が言う通り、確かに手稲はカッコいい。
ストレートな黒髪に、いつも笑みを浮かべていて優しい性格。
誰かの悪口を言っているところなんて見たことがないし、逆に誰かが手稲の悪口を言っているところすら見たことがない。
俺と背丈はそんなに変わらないはずなのに、オーラのせいなのか……全然、違う人間に見える。
対して俺は、赤っぽい茶髪に手稲より大きい瞳。
よく『子供っぽい』だとかは言われるが、まさか『マスコット』と言われているとは。……別に、悔しくない。予想外だっただけで、全然。……全然、落ち込んでなんかいないからな!
……コホン! 話を戻そう。
そんな手稲はよく、女子にキャーキャー言われている。
男友達と遊ぶ方が楽しい俺でさえ、女子の黄色い歓声を何度も聞いたことがあるくらいだ。
つまり、相当人気ということなのだろう。
それにしても……写真、写真かぁ……。
キャスティング理由がまったくもって不名誉な肩書きではあるが、友人である新聞部部長の頼みを断るのも気が引ける。
一先ず俺は、手稲を振り返った。
「まぁ、俺は別にいいかなって感じだけど。……手稲は?」
「僕?」
手稲は目元を指で拭いながら、俺の問いに反応する。
……いや、泣くほど笑ってたのかよ! さすがに心外だぞ、このイケメンめ!
手稲は、ほんの少し考えるような素振りをする。
が、すぐにいつもの笑みを浮かべる。
「僕も、全然いいよ。褒められて悪い気はしないしね」
「出た~! イケメンの余裕~! ど~せ俺は引き立て役のマスコットですよ~!」
「ちょっと、それやめてよ……っ。……ふふっ、ツボなんだから……っ」
大袈裟に肩をすくめてみせると、手稲がまた肩を揺らして笑う。
俺たちのやり取りを見て、新聞部部長も笑っていた。
「ははっ! ……じゃあ、決定ってことでいいんだな! 二人共、バスで帰るんだろう?」
問い掛けに、俺と手稲が頷く。
「じゃあ、撮影場所はバス停にしよう!」
そう言って、新聞部部長はいそいそと帰り支度を始める。
それを見て、俺と手稲も自分の席に戻った。
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