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第5章 マグロ

(後編)夜 下 *

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 悔しそうにマグロを睨むショタは、羞恥からか……耳まで赤くなっている。


「は、あッ、や……いっつも、何も言わないのに……んぅッ! 何で、今日はそんなに……あぁッ!」


 ショタの問いに、マグロは真剣な表情で答えた。


「陸乃に、甘えてばっかりの自分を……変えたいって、思ったから……っ」


 そう言いながらも、乳首を愛撫する手は止めない。そんなマグロを睨んだまま、ショタは悪態を吐く。


「ゴリ課長の、入れ知恵でしょ……? あっ、あんッ!」
「何で、知って――」
「遼樹クン……ッ」


 初めて名前を呼ばれ、マグロのペニスが一瞬だけ脈打つ。
 ショタはマグロを見つめ、口の端からだらしなく涎を垂らし、懇願する。


「もっと、激しく突いてぇ……ッ」


 乳首への愛撫だけでも、ショタは余裕で射精することができた。けれど、今ショタが望む達し方は……そうじゃないのだ。

 マグロはショタの上体を抱え直し、ペニスを突き挿れる角度を変える。ショタがより感じるポイントを、突く為だ。

 すると案の定……ショタは善がり狂う。


「ぁあんッ! やッ、あんッ! あッ、あッ、りょぉき、く……りょおきくぅんッ!」
「陸乃……大好きだよ……っ」
「あぁぁッ! ふか、深いぃッ! もっと、もっと奥、いっぱいしてぇえッ!」


 ショタの小さなアナルが、マグロのペニスをキツく締め付ける。可愛い恋人の、素直なお願いを……マグロが断る筈、なかった。


「陸乃、陸乃……ッ! ナカに、出したい……ッ!」


 普段は何も言わずに中出しをするマグロが、初めて射精の宣言をする。中出しの期待感に、ショタはマグロに力強くしがみついた。


「うん、うんッ! 陸乃のナカ、ナカに出してッ! いっぱいいっぱい、奥にかけてぇええッ!」


 ショタに促されるがまま、本日何度目か分からない絶頂を、マグロはショタのナカで迎える。そしてショタも、本日何度目か分からない中出しに、背を仰け反らせた。


「ぁあああッ! ザーメン、いっぱい出てるのぉおおッ!」


 そう叫びながら、ショタはマグロに向かって、みっともなく精液を迸らせる。
 絶頂によるアナルの収縮で、痛い程に締め付けられるマグロのペニスから、何度も精液が溢れ出た。

 長いように思われた射精が終わると、二人は荒い吐息を漏らしながら、触れるだけのキスを交わす。唇を離し、お互いの顔を見つめ合って……どちらからともなく、笑みを零した。

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