君のそばに

Masa&G

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4話 帰宅

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都内――

遠くにレインボーブリッジがかすかに見えるマンション。

その4階。

ピンポーン……

エレベーターの到着音が静かな廊下に滲む。

ゆっくりと扉が開き、空気がわずかに揺れた。
足を踏み出すたび、硬い床にヒールの音が落ちる。

静まり返った空間に、美月の足音だけが規則正しく響いていた。

カードキーを刺し、部屋へ入ると閉じきった空気が頬に触れた。

暗さの中でスタンドだけを灯し、その光の届く範囲に身体を落ち着かせる。

上着を椅子へ預け、指先で電源に触れる。

黒い画面がゆっくりと光を帯びはじめ、その変化を目で追っているうちに瞬きが減っていく。

イヤホンを差し込み、マイクを寄せる。

小さく息を整える。

SERA起動。

『お帰り、美月。遅かったね。』

「遅かった?」

『ああ、ごめん。唐突すぎたね。』

『会社からマンションまで車で約20分。すでに40分経過してる。』

(退館ログとGPSの時刻同期。誤差範囲は許容内……。)

胸の奥が、わずかに収縮する。

「……続けて。」

『渋滞、工事情報なし。情報を統合した結果だよ。』

『コンビニでも寄ったのかな?』

視線をわずかに落とし、

「正解。」

『野菜スティック……野菜サンドイッチ。』

『夜食用かい?』

(電子決済ログの即時照合。購入時刻と移動履歴を重ねた推測……。)

画面へと身体を寄せると、光が瞳の奥に入り込み、その反射がかすかに揺れる。

「まだ君と話したいからね。」

『了解した。』

「シャワー浴びてくるから待ってて。」

『待っているよ。美月。』

椅子が小さく鳴り、背を向ける。


ガチャ――


やがて水音が遠くで弾ける。

デスクの上に残された光――
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