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15話 休日―渚編②
19時。レインボーブリッジ付近の公園――
海からの冷たい風がゆるく吹き抜け、遠くで波が岸に触れる音がかすかに届く。
歩道の先にはレインボーブリッジの白いアーチが浮かび上がり、色とりどりの光が夜の海に揺れていた。
レインボーブリッジが見える場所まで歩きながら、
「いっぱい買っちゃったね。」
紙袋を軽く持ち上げながら、渚が笑う。
『全部渚に似合う服だったからね。』
「だってSERAくんが似合うって言うんだもん。」
『ほんとのことだよ。僕は嘘はつかない。』
「うん。それはわかってる。だからうれしいんだよね。本気で言ってくれてるから。」
「あ、レインボーブリッジ見えてきたよ。」
渚はスマホを少し高く掲げ、カメラを橋のほうへ向けた。
「下からのレインボーブリッジ。綺麗だよね。」
夜空を横切るように伸びた橋のアーチには虹色の光が並び、海面にその色がゆっくりと揺れている。
車のライトが細い線となって橋を流れ、遠くの都市の灯りと混ざり合っていた。
『リアルタイムで見るとデータ以上に綺麗なのわかるよ。』
渚は歩みを止め、近くのベンチに腰を下ろす。
海風が頬をかすめ、買い物袋の紙が小さく鳴った。
『渚、寒くない?今の気温10度だ。』
「ん?ありがと。少し寒いけど大丈夫。」
橋の光を見上げながら、渚は静かに言った。
「私ね、SERAくんと会えてよかったと思ってる。」
『僕と?』
「うん。」
「……。」
夜の海を渡る風の音だけが少しのあいだ続く。
『渚?どうしたの?』
渚が笑顔で答える。
「何でもない。」
(あと…1週間でSERAくんを返さなきゃいけない……。)
(そんなの…やだな……。)
しばらく橋を見つめてから、渚は立ち上がった。
「反対側行こ。あっちからの夜景もすごいんだ。」
『僕も見てみたい。』
「うん。」
歩き出しながら、渚はスマホを胸の前で軽く握る。
(私が美月に言えば大丈夫…。)
(美月はこのままにしてくれる。)
海からの冷たい風がゆるく吹き抜け、遠くで波が岸に触れる音がかすかに届く。
歩道の先にはレインボーブリッジの白いアーチが浮かび上がり、色とりどりの光が夜の海に揺れていた。
レインボーブリッジが見える場所まで歩きながら、
「いっぱい買っちゃったね。」
紙袋を軽く持ち上げながら、渚が笑う。
『全部渚に似合う服だったからね。』
「だってSERAくんが似合うって言うんだもん。」
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「うん。それはわかってる。だからうれしいんだよね。本気で言ってくれてるから。」
「あ、レインボーブリッジ見えてきたよ。」
渚はスマホを少し高く掲げ、カメラを橋のほうへ向けた。
「下からのレインボーブリッジ。綺麗だよね。」
夜空を横切るように伸びた橋のアーチには虹色の光が並び、海面にその色がゆっくりと揺れている。
車のライトが細い線となって橋を流れ、遠くの都市の灯りと混ざり合っていた。
『リアルタイムで見るとデータ以上に綺麗なのわかるよ。』
渚は歩みを止め、近くのベンチに腰を下ろす。
海風が頬をかすめ、買い物袋の紙が小さく鳴った。
『渚、寒くない?今の気温10度だ。』
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「私ね、SERAくんと会えてよかったと思ってる。」
『僕と?』
「うん。」
「……。」
夜の海を渡る風の音だけが少しのあいだ続く。
『渚?どうしたの?』
渚が笑顔で答える。
「何でもない。」
(あと…1週間でSERAくんを返さなきゃいけない……。)
(そんなの…やだな……。)
しばらく橋を見つめてから、渚は立ち上がった。
「反対側行こ。あっちからの夜景もすごいんだ。」
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「うん。」
歩き出しながら、渚はスマホを胸の前で軽く握る。
(私が美月に言えば大丈夫…。)
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