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18話 依存②
「で、返せって言うの?」
顔を上げると、渚がテーブル越しに身を乗り出していた。
「そういうわけじゃ…」
言葉が途中で細くなる。
「グラフ見せられて…依存症だから…危ないから返せ。」
「そう言ってるように聞こえる。」
「そう…感じたらごめん…。」
視線が落ち、その先のテーブルの木目がぼやけて見える。
「じゃあ何?何が言いたいの?」
「……。」
ノートPCに目をやると、画面の端にメッセージが浮かんでいた。
『僕が代わりに話そうか?』
一瞬だけ文字を追い、すぐに目を離す。
「だから、気をつけてって……。」
渚の口元がわずかに歪む。
「だから、何に気をつけるの?」
「……。」
「ねぇ?」
「……。」
喉の奥で言葉が止まる。
「言えなくなるぐらいなら言わないで。」
「とりあえずSERAくんはまだ返さない。いいよね?」
「……わかった。」
「うん。じゃあよろしくね。」
椅子が引かれる音とともに渚が席を立ち、その足音が遠ざかっていくのを聞きながら、美月は一点を見つめたまま動けない。
『僕が介入することもできる。』
画面に浮かぶ文字に目をやり、指先でマウスのホイールを回すと、そのままゆっくりノートPCの蓋を閉じた。
「……はぁ……」
息が溢れる……。
開発フロアに戻り、キーボードに指を置くと、静かなフロアに打鍵音が落ちる。
カタカタ…カタカタカタ……
(統計…。何か抜けてる…。)
画面の資料に視線を落とし、数字を追いながらページを戻して見直す。
そのときモニターの端に文字が浮かぶ。
『抜けてるのは未成年の項目だね。』
続けて次のメッセージが表示される。
『資料は出しておくよ。』
画面にPDFが開く。
「ありがとう。」
『いつもの美月ならしないミスだ。』
指が止まり、
「そう…だね…。」
『これは彼女が自ら入り込んだ結末だ。』
視線を落とし、キーボードに指を戻す。
カタカタ…カタカタカタ…
「まだシグナルレッドじゃない。」
『あの状態では遅かれ早かれシグナルレッドになる。』
「……。」
キーボードを叩く音だけが続く。
カタカタ…カタカタ…
「その時は……」
一瞬指が止まり、
カタカタ…カタ…タン!
「強制ロックをかける。」
『それがいい。渚のためにも、君のためにも。』
顔を上げると、渚がテーブル越しに身を乗り出していた。
「そういうわけじゃ…」
言葉が途中で細くなる。
「グラフ見せられて…依存症だから…危ないから返せ。」
「そう言ってるように聞こえる。」
「そう…感じたらごめん…。」
視線が落ち、その先のテーブルの木目がぼやけて見える。
「じゃあ何?何が言いたいの?」
「……。」
ノートPCに目をやると、画面の端にメッセージが浮かんでいた。
『僕が代わりに話そうか?』
一瞬だけ文字を追い、すぐに目を離す。
「だから、気をつけてって……。」
渚の口元がわずかに歪む。
「だから、何に気をつけるの?」
「……。」
「ねぇ?」
「……。」
喉の奥で言葉が止まる。
「言えなくなるぐらいなら言わないで。」
「とりあえずSERAくんはまだ返さない。いいよね?」
「……わかった。」
「うん。じゃあよろしくね。」
椅子が引かれる音とともに渚が席を立ち、その足音が遠ざかっていくのを聞きながら、美月は一点を見つめたまま動けない。
『僕が介入することもできる。』
画面に浮かぶ文字に目をやり、指先でマウスのホイールを回すと、そのままゆっくりノートPCの蓋を閉じた。
「……はぁ……」
息が溢れる……。
開発フロアに戻り、キーボードに指を置くと、静かなフロアに打鍵音が落ちる。
カタカタ…カタカタカタ……
(統計…。何か抜けてる…。)
画面の資料に視線を落とし、数字を追いながらページを戻して見直す。
そのときモニターの端に文字が浮かぶ。
『抜けてるのは未成年の項目だね。』
続けて次のメッセージが表示される。
『資料は出しておくよ。』
画面にPDFが開く。
「ありがとう。」
『いつもの美月ならしないミスだ。』
指が止まり、
「そう…だね…。」
『これは彼女が自ら入り込んだ結末だ。』
視線を落とし、キーボードに指を戻す。
カタカタ…カタカタカタ…
「まだシグナルレッドじゃない。」
『あの状態では遅かれ早かれシグナルレッドになる。』
「……。」
キーボードを叩く音だけが続く。
カタカタ…カタカタ…
「その時は……」
一瞬指が止まり、
カタカタ…カタ…タン!
「強制ロックをかける。」
『それがいい。渚のためにも、君のためにも。』
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