メイドが世界を救った話

Masa&G

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第5話 試練

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モニカは回廊を小走りに進んでいた。 腕いっぱいに抱えた洗濯物が、わずかに視界を遮る。

(ほんっとに……一週間でこうなるの?)

歩きながら、ふと頭をよぎる顔があった。

(ステラさんの偉大さがわかった気がする。)

その瞬間だった。 腕の隙間から、ポロリと一枚、服が床に落ちる。

「あぁ……もう!」

慌てて足を止め、洗濯物を抱えたまましゃがみ込む。 床を手探りしながら、落ちた服を拾い上げようとした。

そのとき、鼻先をかすめたのは、乾ききらない布と酒の混じった匂い。

「へ……へっくしょん!」

くしゃみの勢いで、抱えていた洗濯物がばさりと散らばった。

落ちた洗濯物を、モニカはしばらく無言で見つめる。

「……」

(んもぅ!)

小さく息を吐き、すべて拾い上げると、また小走りに回廊を進んだ。

(何が英雄よ!)

胸の奥に溜まったものが、一気にあふれ出す。

(洗濯物放りっぱなし! 酒瓶散乱! 無精ヒゲ! 頭ボサボサ! お腹掻いてる! いびきうるさい!)

内心で愚痴を並べながら、洗濯場にたどり着いた。

「すみませーん……」

声をかけながら、辺りを見渡す。 返事はない。

(誰もいない……)

静まり返った空間の中で、ふと嫌な予感がよぎる。

(洗濯物は……お昼前までだ……)

時計の針を思い出し、背筋がひやりとした。

(何これ……私が洗うの……) 

(うそでしょ……こんなに?)

腕にずしりとした重みを感じた、そのとき――

洗濯場に、冷たい風が吹いた――
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