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第4話 私と守護霊さんの出合い①(過去編)
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彩音のアパート・深夜――
「うーん……」
ワンルームの空気は、夜更け特有の静けさにすっぽりと包まれていた。
天井の常夜灯はぼんやりと橙色の輪を作り、デスクの小さなスタンドライトが彩音の指先だけを暖かく照らしている。
窓の外では、遠くを走る車の音がときおり低く震え、静まり返った部屋にかすかな振動だけを残した。
彩音は椅子に浅く腰かけ、画面に顔を寄せるようにしてキーボードを叩く。
カタ…カタカタ…カタッ…
(霊的な存在は…物に触れることはできない…)
(うん…何回も調べた…)
(でも…あることが検索に引っかからない…)
ほおづえをつきながらマウスを回す。
カチッ…カチッ…
(守護霊〈霊的存在〉は寝るのか?)
(起きたら「ふぁ~あ」ってするのか?)
(霊は寝ぐせつくのか?)
カタカタ…カタカタ…
(ネットにヒットしない…)
かすかに空気を揺らす寝息が、部屋の隅から届いた。
(そして今まさに…私の目の前で守護霊さんは寝てる…)
「寝てる…よね?」
彩音は椅子をそっと引き、足音を立てないようにスリッパを脱ぐ。
ソファの近くまで歩み寄り、寝転がる小さな守護霊さんへ、そっと顔を近づけた。
すぅ…すぅ…
(やっぱり寝てるよ…)
小さく上下する胸元。寝息に合わせて、髪がふわっと揺れる。
「まぁ…いっか…守護霊さんは多分特殊なんだ…そういうことにしとこ。」
――その日の正午・大学キャンパス内――
昼の光が降り注ぐ銀杏並木。舗道に落ちた黄色い葉を踏むたび、かさり、と乾いた音が響く。
学生たちの話し声が遠くにぼんやりと混ざり合い、秋特有のさっぱりとした風が彩音の髪を揺らす。
講義堂への道を歩きながら、彩音が隣――正確には“自分の横の空間”へ声をかける。
「守護霊さんに質問あるんだけどいいかな?」
こくり。うなづく。
「守護霊さんは…」
こくっこくっ…
「ワープできるの?」
「?」
小さな顔がかしげられ、陽光の中で半透明な輪郭だけがふわりと揺れる。
「ワープ。ぴゅーって瞬間移動。」
ふるふる。横に振る。
「できないんだ…」
(アニメじゃないもんね…)
「じゃあ…空飛べる?」
ふるふる。
(これが現実か…)
「じゃあ、少し浮いて…」
彩音が足元を覗き込む。
「ないよね…」
こく…
「うん…ごめんね…だって気になっちゃったんだもん。」
「私と一緒にバス、電車移動…」
「?」
またかしげる。光が髪の先にほんのり透けて見える。
「瞬間移動しない、飛ばない…」
さらに小さく首を傾ける。
「あれはアニメの世界だからかな…実際は守護霊さんみたいな感じなのかな…」
彩音は腕を組み、ぶつぶつと独り言――
守護霊さんはただひたすらに彼女の真似をするように、ちょこんと首をかしげた。
「ん? あ、あんまりかしげてると首から上取れちゃうよ?」
「!?」
ぴしっ!と両手で自分の頭を押さえる守護霊さん。
「ははっ、冗談冗談。」
「ま、いっか。守護霊さんは守護霊さんだし。」
こくり。うなづく。
――現在――
カタカタ…カタカタ…カタ…
彩音の部屋に再び深夜の静けさが戻る。
パソコンのファンが低く回り、外の街灯がカーテン越しに淡い光を落としている。
(ふぅー…んん……)
彩音は大きく背伸びをし、肩をくるりと回す。
「はぁ……」
視線をソファへ向ける。柔らかいブランケットの上で、守護霊さんが丸くなって眠っている。
静かな寝息が部屋に溶けて、彩音の胸の奥に懐かしさのような温度を灯す。
(守護霊さんと知り合ってから…14年ぐらいなんだよね……)
――私達の出合いはずいぶんと前。私が小学1年の頃…小さな公園で知り合った――
あの時の記憶はまだ残ってる――
「うーん……」
ワンルームの空気は、夜更け特有の静けさにすっぽりと包まれていた。
天井の常夜灯はぼんやりと橙色の輪を作り、デスクの小さなスタンドライトが彩音の指先だけを暖かく照らしている。
窓の外では、遠くを走る車の音がときおり低く震え、静まり返った部屋にかすかな振動だけを残した。
彩音は椅子に浅く腰かけ、画面に顔を寄せるようにしてキーボードを叩く。
カタ…カタカタ…カタッ…
(霊的な存在は…物に触れることはできない…)
(うん…何回も調べた…)
(でも…あることが検索に引っかからない…)
ほおづえをつきながらマウスを回す。
カチッ…カチッ…
(守護霊〈霊的存在〉は寝るのか?)
(起きたら「ふぁ~あ」ってするのか?)
(霊は寝ぐせつくのか?)
カタカタ…カタカタ…
(ネットにヒットしない…)
かすかに空気を揺らす寝息が、部屋の隅から届いた。
(そして今まさに…私の目の前で守護霊さんは寝てる…)
「寝てる…よね?」
彩音は椅子をそっと引き、足音を立てないようにスリッパを脱ぐ。
ソファの近くまで歩み寄り、寝転がる小さな守護霊さんへ、そっと顔を近づけた。
すぅ…すぅ…
(やっぱり寝てるよ…)
小さく上下する胸元。寝息に合わせて、髪がふわっと揺れる。
「まぁ…いっか…守護霊さんは多分特殊なんだ…そういうことにしとこ。」
――その日の正午・大学キャンパス内――
昼の光が降り注ぐ銀杏並木。舗道に落ちた黄色い葉を踏むたび、かさり、と乾いた音が響く。
学生たちの話し声が遠くにぼんやりと混ざり合い、秋特有のさっぱりとした風が彩音の髪を揺らす。
講義堂への道を歩きながら、彩音が隣――正確には“自分の横の空間”へ声をかける。
「守護霊さんに質問あるんだけどいいかな?」
こくり。うなづく。
「守護霊さんは…」
こくっこくっ…
「ワープできるの?」
「?」
小さな顔がかしげられ、陽光の中で半透明な輪郭だけがふわりと揺れる。
「ワープ。ぴゅーって瞬間移動。」
ふるふる。横に振る。
「できないんだ…」
(アニメじゃないもんね…)
「じゃあ…空飛べる?」
ふるふる。
(これが現実か…)
「じゃあ、少し浮いて…」
彩音が足元を覗き込む。
「ないよね…」
こく…
「うん…ごめんね…だって気になっちゃったんだもん。」
「私と一緒にバス、電車移動…」
「?」
またかしげる。光が髪の先にほんのり透けて見える。
「瞬間移動しない、飛ばない…」
さらに小さく首を傾ける。
「あれはアニメの世界だからかな…実際は守護霊さんみたいな感じなのかな…」
彩音は腕を組み、ぶつぶつと独り言――
守護霊さんはただひたすらに彼女の真似をするように、ちょこんと首をかしげた。
「ん? あ、あんまりかしげてると首から上取れちゃうよ?」
「!?」
ぴしっ!と両手で自分の頭を押さえる守護霊さん。
「ははっ、冗談冗談。」
「ま、いっか。守護霊さんは守護霊さんだし。」
こくり。うなづく。
――現在――
カタカタ…カタカタ…カタ…
彩音の部屋に再び深夜の静けさが戻る。
パソコンのファンが低く回り、外の街灯がカーテン越しに淡い光を落としている。
(ふぅー…んん……)
彩音は大きく背伸びをし、肩をくるりと回す。
「はぁ……」
視線をソファへ向ける。柔らかいブランケットの上で、守護霊さんが丸くなって眠っている。
静かな寝息が部屋に溶けて、彩音の胸の奥に懐かしさのような温度を灯す。
(守護霊さんと知り合ってから…14年ぐらいなんだよね……)
――私達の出合いはずいぶんと前。私が小学1年の頃…小さな公園で知り合った――
あの時の記憶はまだ残ってる――
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