私の守護霊さん

Masa&G

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第7話 私と守護霊さんの出会い④(過去編)

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そして私は東京の大学を選んだ――

はじめての一人暮らし。
期待よりも、不安のほうがなぜか大きかった。

新しい街、新しい生活。全部、自分で選んだはずなのに――

胸の奥に、ぽっかりと空いた感覚があった。
言葉にするなら…… 心に、あと一つ足りないピースがある。そんな感じ。

そして気づいた。頭で考えるより先に、体が動いていた。

迎えに行かなきゃ……守護霊さんを……

守護霊さんは公園から出られない。そんなこと、すっかり忘れていた。

ただ、一刻も早く会いたくて…… 
それだけで、私は公園へ向かっていた。

夏の日―― 

空はまだ明るく、夕焼けがゆっくりと広がっていた。オレンジ色に染まった雲が、静かに流れていく。

公園のベンチに、一人。大きな木の下で、葉の揺れを見上げている守護霊さん。風が吹くたび、枝葉がさわさわと音を立てていた。

「はぁ…はぁ…」

少し息を切らしながら、私は足を止める。

「いた…」

彩音が歩み寄る。守護霊さんが、びくっとして振り返る。

「守護霊さん…一緒に…行こう…」

その時の私は、たぶん何も説明していなかった。 理由も、理屈も。

ただ……一緒に居たい。それだけ。

「?」

顔をかしげる守護霊さん。

「一緒に…東京で暮らそ……」

今思うと、すごく恥ずかしい。全部、勢いで言っていた。

守護霊さんは、公園の入口を指差して、ふるふる。

「大丈夫…私が…出してあげる。」

そんな確証なんて、なかった。
でも……私ならできる。 
なぜか、そう思えた。

夕焼けに照らされながら、二人で入口へ向かう。 長い影が、地面に伸びていく。

彩音が、そっと手を差し出す。

「?」

「手…置いて…」

守護霊さんは、ためらうように、でも静かに―― 重なるように、彩音の手に手を重ねる。

感触はない。それでも、二人とも“手をつなぐ”動作をしていた。

「はぁ…ふぅー…」

深く息を吐く。

「絶対に離さないから。」

守護霊さんが、うなづく。

「目を閉じて…」

夕日に包まれる二人。 
そこには……二人分の影。

「いくよ…」 

二人は呼吸を合わせるように深呼吸する。

そして――

「いっせーの…せっ!」

公園から、一歩。

彩音が、ゆっくりと目を開ける。

手が……繋がってる。

二人で、顔を見合わせる。

「出れた!守護霊さん!出れたよ!」

こくっ、こくっ。

「やった!」

微笑む守護霊さん。

――現在――

とまぁ、こんな感じで、守護霊さんとの共同生活が始まったんだよね……

横目で、守護霊さんを見る。

「すぅ…すぅ…」

「ふふっ…」

(さて…レポート仕上げないとね!)

翌朝――

ピッピピ、ピッピピ、ピッピ…カチッ…

布団から手が伸び、手慣れた感じで目覚ましを止める。

「ん…んー…はぁ…」

カーテンの隙間から、柔らかな朝日が射し込んでいる。部屋の中に、静かな朝の空気が満ちていく。

「守護霊さーん。起きてー」

ベッドの上から、声をかける。

ソファで寝ていた守護霊さんが「ふわぁ」っと小さくあくびをして、片手で目をこすりながらゆっくり起き上がる。

(やっぱりあくび…それに安定の寝ぐせ…)

「おはよ。」

彩音が声をかけると、守護霊さんは微笑んで、こくり。

いつもの日常が、また始まる――

私はこの時間を大切にしたい――

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