私の守護霊さん

Masa&G

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幕間 特等席

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大学グラウンドを見下ろせる、小高い丘の上にベンチが一つ。 
ここが、守護霊さんの“特等席”だった。

いつものように、守護霊さんは一人でベンチに座り、ラクロスの練習を静かに見つめていた。

「ここでいい?」 

「うん。」

ふいに、人の気配。守護霊さんが座っているベンチに、カップルらしき二人組が近づいてきた。

慌ててベンチの端に移動。

「よいしょ。」 

「……」

二人は腰掛け、そのまま話し始める。

「昨日はごめんね…」 

「……」 

「あんなことしちゃって…」

守護霊さんが一瞬だけ二人に目をやるが、すぐに視線を外す。 

膝の上で組んだ両手に、ぎゅっと力がこもる。

「うん…びっくりしちゃった…」

短い沈黙が落ちる。
守護霊さんは、小さく肩をすくめるように身を固くしたまま、それでも耳だけは二人のほうへ向いていた。

「それだけ…君のことが好きなんだ…」

ドクン…ドクン…

守護霊さんの心拍数が一気に上がる。自分の胸の音が、やけに大きく響いて聞こえた。

「でも…私には今付き合ってる人が…」

「!?」

思わず立ち上がってしまい、その場で直立不動になる。

「それでも…僕は君が好きなんだ…」

耐えきれなくなって、守護霊さんはベンチから飛び出した。そのまま、グラウンドへ向かって小走りに駆け降りていく。

「ん?あれ?どうしたの?守護霊さん。」

「そんなに息切らして。」

彩音が、息を弾ませている守護霊さんに気づく。

手をぱたぱた。何でもない、の仕草。

彩音がベンチのほうに目をやると、さっきの二人組の姿。

(場所取られちゃったのか…)

「じゃあそこで見てて。もう少しで終わるから。」

守護霊さんは、こくりとうなづいた。

ふぅーっと、大きく一つ息を吐く。

両手で自分の頬をぱたぱた叩きながら、守護霊さんは胸の中でまだ跳ね続けている鼓動を必死に落ち着かせようとしていた。
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