53 / 61
活動開始
セ・シ・ボン
しおりを挟む
客間に帰ってきた奈穂子と共に、その場がシュールに変わって行く。
葵は、縁側で薫の雨傘を手に様々なポーズをとらされ、それに合わせて遥希も怪しげなポーズを要求されていた。
薫は、通販で買ったレコードプレイヤーを嬉しそうに自慢しながら、カラフルな赤いレコードを大切そうに取り出して鳴らす。
「久しぶりだわ。この曲聴くの。」
そう言った薫がかけたのは、昭和の雑誌の特別付録のレコード。
『ボンジュール♪マドレーヌ!!』のイメージソング『セ・シ・ボン』だ。
『ボンジュール♪マドレーヌ!!』は、アニメ化はされなかったが、一部の熱烈なファンの投票もあり、正月のスペシャル付録でイメージソングまで作られたのだそうだ。
♪(セ・シ・ボン)
いたずらな春風が~
♪(セ・シ・ボン)
恋心、つれてくるぅ
涙は朝日に似合わない
ボンジュール♪
ボンジュール♪
マドレーヌ!!
甘めの昭和風味の歌が流れるなか、奈穂子は、不機嫌そうに数枚、スマホで撮影をし、最後に、葵と遥希を並ばせた。
「さあ、二人でにらみあって。」
奈穂子にそう言われて、葵は、急に恥ずかしくなる。
確かに、雨傘を広げて縁側で足をあげたり、ウインクをさせられるのも恥ずかしかったけど、近くで遥希を見上げて睨み合うとなると、別の意味で恥ずかしい。
「えーっ。そんなのいる?」
葵は不満げに奈穂子をにらむ。
それを聞きながら、薫が笑った。
「ふふっ。確かに、昭和の漫画は、よく主人公と彼が睨みあってたわね。」
薫は、楽しそうに漫画を広げる。
確かに、3巻の扉絵では、シャトーをバックに睨み会う二人が描かれている。
主人公と彼…(///ロ///)
混乱しながら、葵は遥希を盗み見る。
遥希は、『ボンジュール♪マドレーヌ!!』が初見だったらしく、そちらに気をとられていた。
「この3巻はね、お金持ちのアメリカ人が、マドレーヌの友人のシャトーを金にものを言わせて奪い、それをマドレーヌ達が奪いかえそうとする話よ。」
薫は、楽しそうに説明する。
「扉絵、凝ってますよね?」
遥希は、本を手にとって感心する。
「いらない?」
奈穂子は、やる気、無さそうに薫をみる。
「いるっ。」
薫の笑顔に、それは決まる。
遥希もやる気みたいだし、変に一人で恥ずかしがってる方が恥ずかしいと、葵は、自分を励ました。
「わかった。秒で録ってね!」
葵は、遥希に近づく。
「そう、少し、背伸びをする感じで、不機嫌そうに。」
奈津子は、機嫌がなおったような明るい声で言った。
葵は、縁側で薫の雨傘を手に様々なポーズをとらされ、それに合わせて遥希も怪しげなポーズを要求されていた。
薫は、通販で買ったレコードプレイヤーを嬉しそうに自慢しながら、カラフルな赤いレコードを大切そうに取り出して鳴らす。
「久しぶりだわ。この曲聴くの。」
そう言った薫がかけたのは、昭和の雑誌の特別付録のレコード。
『ボンジュール♪マドレーヌ!!』のイメージソング『セ・シ・ボン』だ。
『ボンジュール♪マドレーヌ!!』は、アニメ化はされなかったが、一部の熱烈なファンの投票もあり、正月のスペシャル付録でイメージソングまで作られたのだそうだ。
♪(セ・シ・ボン)
いたずらな春風が~
♪(セ・シ・ボン)
恋心、つれてくるぅ
涙は朝日に似合わない
ボンジュール♪
ボンジュール♪
マドレーヌ!!
甘めの昭和風味の歌が流れるなか、奈穂子は、不機嫌そうに数枚、スマホで撮影をし、最後に、葵と遥希を並ばせた。
「さあ、二人でにらみあって。」
奈穂子にそう言われて、葵は、急に恥ずかしくなる。
確かに、雨傘を広げて縁側で足をあげたり、ウインクをさせられるのも恥ずかしかったけど、近くで遥希を見上げて睨み合うとなると、別の意味で恥ずかしい。
「えーっ。そんなのいる?」
葵は不満げに奈穂子をにらむ。
それを聞きながら、薫が笑った。
「ふふっ。確かに、昭和の漫画は、よく主人公と彼が睨みあってたわね。」
薫は、楽しそうに漫画を広げる。
確かに、3巻の扉絵では、シャトーをバックに睨み会う二人が描かれている。
主人公と彼…(///ロ///)
混乱しながら、葵は遥希を盗み見る。
遥希は、『ボンジュール♪マドレーヌ!!』が初見だったらしく、そちらに気をとられていた。
「この3巻はね、お金持ちのアメリカ人が、マドレーヌの友人のシャトーを金にものを言わせて奪い、それをマドレーヌ達が奪いかえそうとする話よ。」
薫は、楽しそうに説明する。
「扉絵、凝ってますよね?」
遥希は、本を手にとって感心する。
「いらない?」
奈穂子は、やる気、無さそうに薫をみる。
「いるっ。」
薫の笑顔に、それは決まる。
遥希もやる気みたいだし、変に一人で恥ずかしがってる方が恥ずかしいと、葵は、自分を励ました。
「わかった。秒で録ってね!」
葵は、遥希に近づく。
「そう、少し、背伸びをする感じで、不機嫌そうに。」
奈津子は、機嫌がなおったような明るい声で言った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる