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事の起こりは冒険者と
誤算
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目覚めない。
少年は目を閉じている。
目覚めない。
息はしているのか、していないのか。
目覚めない。
用意した魔石が無くなりそうだ。
いつものように、ルトッテは少年と寝台を共にしていた。象牙のような肌の色、瑞々しい肌触り。抱きしめて眠れば体温が少年に移り、ほんのりと温かみを感じる気がした。
「このまま温かくなればいいのに」
ルトッテは少年を強く抱き寄せた。
今日初めて黄色の魔石が尽きた。
世界は魔法に満ちている。
誰しも大なり小なり魔力を持ち、本人の属性に合わせて魔法を使うことができる。
魔力がないのは死者の器だけだ。
(あたたかい……)
微かな少年の思念は、強くも弱まることもなく魔石を溶かす間だけ伝えてくる。生きている。しかし。
余りの変化の無さにルトッテは焦っていた。
今日は青の魔石が尽きた。
お互いの口から漏れる水音をビチャビチャと激しくさせても、魔石を歯に当てて軽やかな音を立てても、絡める舌を嬲っても、少年の体に反応はない。いつもの思念がぽつりと。
(あたたかい……)
それしかないのか、とルトッテは無意識に眉根が寄った。
今日は赤の魔石が尽きた。
もうすぐ20日目になる。
少年は目覚めない。
悪夢のようだった。
少年は目を閉じている。
目覚めない。
息はしているのか、していないのか。
目覚めない。
用意した魔石が無くなりそうだ。
いつものように、ルトッテは少年と寝台を共にしていた。象牙のような肌の色、瑞々しい肌触り。抱きしめて眠れば体温が少年に移り、ほんのりと温かみを感じる気がした。
「このまま温かくなればいいのに」
ルトッテは少年を強く抱き寄せた。
今日初めて黄色の魔石が尽きた。
世界は魔法に満ちている。
誰しも大なり小なり魔力を持ち、本人の属性に合わせて魔法を使うことができる。
魔力がないのは死者の器だけだ。
(あたたかい……)
微かな少年の思念は、強くも弱まることもなく魔石を溶かす間だけ伝えてくる。生きている。しかし。
余りの変化の無さにルトッテは焦っていた。
今日は青の魔石が尽きた。
お互いの口から漏れる水音をビチャビチャと激しくさせても、魔石を歯に当てて軽やかな音を立てても、絡める舌を嬲っても、少年の体に反応はない。いつもの思念がぽつりと。
(あたたかい……)
それしかないのか、とルトッテは無意識に眉根が寄った。
今日は赤の魔石が尽きた。
もうすぐ20日目になる。
少年は目覚めない。
悪夢のようだった。
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