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北部一番街
しおりを挟む「あ?ふざけんなよてめえ。北部一番街のリーダーは俺に決まってんだろ。」
「馬鹿なこと言ってんじゃねえよ、ハゲ。寝言は寝て言え。」
「ハゲじゃねーよ!スキンヘッドだ!てめえこそデッキブラシみたいな髪型と髪色しやがって!」
「あ?やんのか?てめえ表でろ。」
ブラッディが北部一番街の呑み屋に辿り着くと、2人の男性がしょうもなさすぎる喧嘩をしていた。話の内容をきくかぎりリーダー争いだろう。ブラッディは2人に近づき、
「すみません、」
と声をかけた。
男たちは一斉にブラッディの方を見る。可憐なブラッディの容姿に2人はニヤニヤし出した。
「どうしたの?おネーサン。俺らに相手して欲しいとか?」
「どんなプレイがお好みですか~?」
「ギャハハ、おめぇ何キモイこときいてんだよ!」
男たちはなおもニヤニヤしながらブラッディに手を伸ばす。ブラッディに触れそうになったところで男たちとブラッディの桃色に光った目が合った瞬間、
「…カハッ!」
「……ぐっ!」
男たちの身体が崩れ落ち、10秒後には動かなくなった。
ハニートラップ。桃色に光る目を合わせた相手を無力化する、ブラッディのスキルだった。
「よう、お疲れ。」
ブラッディが外で処理班を待っていると、横から男に声を掛けられた。
ジャック・ローズ。White3番隊の同僚であり、エース。
「…何か用かしら。」
ブラッディはジャックが苦手だった。
ジャックは自分とは違い、魔物退治などの大きな仕事にも駆り出されている。その事実がブラッディを惨めにさせるため、毎回冷たく接してしまうのだ。
「特に用はないけどよ。」
「じゃあ、帰るわね。」
「一緒に戻らないのか?」
冗談じゃない、とブラッディは軽くジャックを睨む。無邪気な人柄と優雅さが融合したブラッディが、唯一無邪気でも優雅でも無くなる相手がジャックなのだった。
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