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3番隊室
しおりを挟むジャックは好奇心が旺盛な質だった。
他のメンバーには天真爛漫に接し、優雅な様子のブラッディが自分にだけ冷たく接してくる理由が知りたかった。
「コスモさん、見廻りお疲れ様でした。」
「おぉ、ブラッディ殿ありがとう。」
「ルジェくん、これ任務の帰りに美味しそうなケーキ見つけたの。」
「わーい!ブラ姉ありがとう!」
「ソコ、これ私に合わなかったチークなの。使って?」
「あらやだぁブラッディちゃんたら!ありがとう!」
ずっと観察していたが、やはりジャックにだけ冷たいのだ。
「ホント、不思議だよなぁ。」
口をついて出た言葉に、隣に座っていたキールが顔を顰めた。
「は?何が?というか報告書終わったの?」
「そうよ、いっつも上げるの最後じゃない。」
キールの奥の横に座っているチェリーもキールと同じ顔をする。
キール・ロワイヤルとチェリー・ロワイヤル。
見た目はそっくりな双子かと思えるが、実は2歳差の姉弟だった。
10歳と8歳と幼いが、ジャックと同じ3番隊の討伐部隊。2人のスキルである天岩戸はチェリーの攻撃力をキールが底上げするという2人で1つのスキルだった。
「いや…この悩みが解決しないと報告書は書けない。」
ジャックはそう言って机に突っ伏す。
「聞いてあげるから話してごらんよ。」
「解決するかもよ?」
そう言う2人の顔は、ニヤニヤとしていた。
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