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職場を出てLINEを再び確認すると
【どうやっていく?】
そうメッセージが入っていた。
​サクラは免許はともかく車は持ってないだろうと思った。
なので
【どこに迎えにいけばいい?】
そう送り車のエンジンを掛けた。
​【ありがとう!まだ家だからここに迎えにきて欲しい】
そのメッセージと一緒に来た位置情報に触れた。
すぐに使い慣れたGoogleマップが表示され、赤いピンは隣市のコンビニへと突き刺さった。
その場所は国道沿いのスタバの近くだった。
​そう。数日前サクラに会ったあのスタバ。
そりゃあ鉢合わせにもなるか。
​あのスタバ、お気に入りの場所だったけどまた違うとこ探すか。
​気持ちを切り替えて、他の気になっていた場所を頭のなかに浮かべてみた。
​せっかくだし県最北端のスタバなんてどうだろう。
店内からは海が見えるらしいと聞いたから一度行ってみようかな。
​そういえば車で渡れる離島にも眺めがいいテラスでピザが食べられるお店があるって聞いたな。そこも行こう。
​そう妄想を膨らませているとあっという間にコンビニに着いた。
​すぐにコンビニの中で立ち読みに耽るサクラを見つけた。
どうやら雑誌の付録を見定めているようだった。
​わかる。やるよね。付録によっては私も雑誌買っちゃう。
​そのまま眺めてるのも悪くないが着いたことをLINEで知らせた。
​通知音が鳴ったのか、サクラは顔を上げキョロキョロと駐車場を見回し始めた。
そしてこちらに気がつき手を振った。
認めたくなかったが、なんともいえずそれがかわいくてちょっとドキドキした。
​女子はこんな具合に世の中の男子の心を撃ち抜いているのかもしれない。
そう思った。
​すでに買い物を済ませていたようで、レジ袋を持った彼女はすぐに車に乗り込んだ。
さらさらの髪の毛からシャンプーのいい匂いがした。
​「迎えありがと! 飲み物これでよかった?」
​そう言いペットボトルのコーヒーを差し出された。
よく見るとスタバのやつ。
最近私もコンビニで見かけたが、高いと感じて買えなかったやつだった。
と同時に数日前の出来事を思い出し、気まずく思ったけどスルーし受け取った。
​「ありがとう」
​一口飲み、車を発進させた。
​コンビニの駐車場から国道へ出てしばらくして気がついた。
​私音楽とかも何もかけてない!
​運転で頭のなかが忙しくて失念していた。
サクラは無音ドライブはさぞかし暇だったに違いない。
​焦ってナビのボタンを押し、とりあえずワンセグに切り替えた。
バラエティーをやっていたチャンネルにしておいた。
​ちらっと隣を見ると、テレビを見ているようで安心した。
が、それも束の間。
​「エリは高卒ですぐ今の仕事してるの?」
​と雑談が始まった。
​ゲーム脳の私には『龍が如く』のキャバクラのミニゲーム画面がちらついた。
いるのであれば桐生さんに助けて欲しい。
​私は地雷のわからないサクラとの会話をあまりしたいと思えなかった。
​でももう始まったものは仕方ない。このゲームを最後までやりきろう。
覚悟を決めて選択肢Aを選んだ。
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