好きになるやつ、間違えてないか？

デート

ーーー昼休み

「ねぇー、昨日さぁー彼氏とデートしたのー」
「へぇ、で？楽しかったの？」
「それがねー」
教室の端で女子会が開かれている。

「まじかぁ、彼氏いたのか…告白前に失恋したわw」
「あははは。どんまい！」
「まぁ、次だな！次」
「だな！！ww」

クラスメイト達の話を横目に（デート、誘ってみるか…）と考えていた。

「……で…でさ…おい？どうした？さっきからぼーとして」
「…ん？あぁ、わりぃ考えごとしてた」
「なんだ！考えごとか！！良かったぁー」ニコニコしてる。
「？？え？良かったのか？」
「うん、具合悪くなったのかと思って焦ったよ！」
「……悪かった。実は、俺お前とで、デートしたい…です」
「あははは！なんで敬語なんだよ！デートか、いいよな。行こうぜ？」
「緊張くらいするだろ？俺たちの初デートだぞ？」
「あぁ…は、はつ、初デートなぁ…」
「な？意識すると恥ずかしくなるだろ？w」

ーーーデート当日
（うわぁ！知ってたけど、やっぱかっこいいなぁ…モデルかな？モデルなのかな？）
「何してんだ？壁にへばりついて…」
「うわぁ！動いた！！い、いつこんな近くに？」
「…5分くらい前から？待ち合わせ場所で時間になっても来ないから探したら変なのがこっち見てたから…一瞬、帰るか考えた」
「うわぁぁぁ！見てたのか！！忘れてくれ…頼む」
「くっ…ははは！忘れるよ、いつかな！さ、行こうぜ？」
「お、おう…」（笑っても様になるからいいよなぁ…）

「良かったのか？初デートがファミレスで」
「た…多分？わかんねぇよ。どこでも楽しいし、嬉しいもん…」
「そっか…なら、いいんだけど。少しデートぽいことしてもいいか？」
「？？おう！いいぜ？」
「ありがとう…」

店を出るとゆっくり歩き出す。
「なぁ、デートぽいことって？なにするんだ？」
「あ？あぁ、えっと…まぁ、いいからついて来いよ？こっち！」
「え？ここ…？ここって？と、と、トイレ？」
「あぁ、トイレだ。他に思いつかなくて…家に帰るのは遠くて時間かかるし…」
「………ま、まだ…早くないか？」
「え？早いのか…？」
「そーだろっ！！付き合って…初デートで…しかも初めてがトイレって…」
「だよな…悪かったな…初めてのキスがトイレってな…嫌だよな、ごめん」
「！！！？はぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！きききききキス！？…なんだよ…」
「う、うるさいなぁ。そうだよ！キスしたかっ…」チュッ…。
「へへ…ファーストキス、奪っちゃったwえへへ」
（ききききキスされた…かっこよかった…惚れ直した）
「お、おい！！だ、抱きつくなよー重いぞ？あははは」
「無理…今、1番かっこ悪い顔してる自信ある…くそっ！」
（次は絶対、俺からキスしてやる！）

「さ！帰ろうぜ？初デート、楽しかったな！！」
「おう…午前中はな…」
「俺のファーストキス、どうだった？」
「…良かった…です」　
「また、デート。しような！！」
「リベンジマッチだ…」