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1.素直になれない己のせいで悶々としていた日々
私は勇志という。
巨人族の国を治める現皇帝の、十番目の皇子だ。
この国では妻一人に対し、夫が複数いるというのが一般的である。
何故なら妻となる者は子を成す為に大量の魔力を必要とするからだ。
私たちの世界はみな身体のつくりは同じなのだが、巨人族はある程度の歳になると身体の中に変化が訪れる。
それにより、私は成人前に「抱かれる身体」(妻となる身体)だと判定されてしまった。
ショックだった。
「抱かれる身体」と判定されてしまうと、誰かに嫁がなくてはならない。
けれど私は自分がそうだとは夢にも思っておらず、いずれ弟たちと共に一人の妻を娶り、この国の為に子を沢山産ませ、国の為に尽力するものだと思っていた。
なのに、私が「抱かれる身体」を持つ者だって?
私がショックを受けている間に、急きょ私の夫となる者を選定する晩餐会が開かれ、臣下である貴族の四兄弟に嫁ぐことが早々と決まってしまった。
私は自分が「抱かれる身体」を持つ者だということがどうしても納得いかなかった。それでも私がこの国の皇子であることにかわりはない。嫁ぐのは嫌だなんて泣き叫んで逃げるわけにはいかなかった。
かくして私は貴族の四兄弟に嫁いだ。
嫁いだ先は王という名の家で、夫たちは上から、王智軒、智倫、智良、智明といった。
私は嫁いだ際、彼らにこう命じた。
閨の相手をするのは一晩一人のみ。
妻としての扱いは望まない。抱き上げたりという行為は、私の身体がどうしても動かない時に限定すること。(夫は妻の移動の際、できるだけ抱き上げて足となるのが慣例である)
妊娠した場合は一般的な妻と同じ扱いをすることを許可するが、産卵後は最低一週間私を一人で過ごさせること。
智倫、智良、智明の三人はそれに難色を示したが、長男の智軒が「承知しました」と返事をしたことで私の願いは叶えられることとなった。
「しかし……」
「それでは……」
「よい。勇志が私たちに嫁いでくれたのだ。それ以上は望むべくもない。……ですが勇志、一つよろしいでしょうか」
「……なんだ」
智軒に声をかけられ、しぶしぶそちらに目を向ける。自分の顔が赤くなっていないかどうか心配だった。
私は誰かに嫁ぎ、抱かれるということを忌避してはいたが、智軒たちの容姿は私の好みであったのだ。私が理想としている体躯と整った面に、私は身体の奥が疼くのを感じた。
「貴方を抱くのが一晩一人というのは受け入れましょう。ですが、その様子を我らに見せていただきたい」
「な、何故……」
「私たちは貴方の夫です。貴方が抱かれている姿を見るのは私たちの幸いです。もちろん、貴方を抱かせていただくのが一番の喜びではありますが……」
「わ、わかった……」
夫たちが私の痴態を見るのは当たり前だと、どうにか自分を納得させた。そう、私はもう智軒たちに嫁いだのだから。本来ならばこのような勝手な命令など、彼らが聞く必要はないのだ。
「ありがとうございます。では今宵から、始めましょう」
智軒にそっと手を取られ、その手に口づけられた。胸の高鳴りを押さえることができなくて、私はこっそり胸を喘がせた。
そうして、私は彼らの妻となった。
嫁ぐ際に、私に与えられた領地の権利は夫たちに譲らされた。智軒はけれど、その領地の経営は私に任せてくれると言ってくれた。
嬉しかった。
妻であっても領地経営に関わってもいいのだと認められたことで、どうにか自尊心を保つことができた。妊娠等、どうしようもない時は夫たちに任せることも決めた。私は妊娠中だって領地経営はできると思っていたが、その経験はないのでそれに反論はしなかった。
そうして迎えた初夜。夫たちは一晩一人だけという約束を守ってくれ、智軒と二人で床に上がったのだった。
ーーーーー
「巨人族の皇子たち四人と、異世界ラブラブ性活にいたるまで」のスピンオフですが、読まなくてもお楽しみいただけますー。
総受けですれ違いラブをご覧になりたい方はどぞー
巨人族の国を治める現皇帝の、十番目の皇子だ。
この国では妻一人に対し、夫が複数いるというのが一般的である。
何故なら妻となる者は子を成す為に大量の魔力を必要とするからだ。
私たちの世界はみな身体のつくりは同じなのだが、巨人族はある程度の歳になると身体の中に変化が訪れる。
それにより、私は成人前に「抱かれる身体」(妻となる身体)だと判定されてしまった。
ショックだった。
「抱かれる身体」と判定されてしまうと、誰かに嫁がなくてはならない。
けれど私は自分がそうだとは夢にも思っておらず、いずれ弟たちと共に一人の妻を娶り、この国の為に子を沢山産ませ、国の為に尽力するものだと思っていた。
なのに、私が「抱かれる身体」を持つ者だって?
私がショックを受けている間に、急きょ私の夫となる者を選定する晩餐会が開かれ、臣下である貴族の四兄弟に嫁ぐことが早々と決まってしまった。
私は自分が「抱かれる身体」を持つ者だということがどうしても納得いかなかった。それでも私がこの国の皇子であることにかわりはない。嫁ぐのは嫌だなんて泣き叫んで逃げるわけにはいかなかった。
かくして私は貴族の四兄弟に嫁いだ。
嫁いだ先は王という名の家で、夫たちは上から、王智軒、智倫、智良、智明といった。
私は嫁いだ際、彼らにこう命じた。
閨の相手をするのは一晩一人のみ。
妻としての扱いは望まない。抱き上げたりという行為は、私の身体がどうしても動かない時に限定すること。(夫は妻の移動の際、できるだけ抱き上げて足となるのが慣例である)
妊娠した場合は一般的な妻と同じ扱いをすることを許可するが、産卵後は最低一週間私を一人で過ごさせること。
智倫、智良、智明の三人はそれに難色を示したが、長男の智軒が「承知しました」と返事をしたことで私の願いは叶えられることとなった。
「しかし……」
「それでは……」
「よい。勇志が私たちに嫁いでくれたのだ。それ以上は望むべくもない。……ですが勇志、一つよろしいでしょうか」
「……なんだ」
智軒に声をかけられ、しぶしぶそちらに目を向ける。自分の顔が赤くなっていないかどうか心配だった。
私は誰かに嫁ぎ、抱かれるということを忌避してはいたが、智軒たちの容姿は私の好みであったのだ。私が理想としている体躯と整った面に、私は身体の奥が疼くのを感じた。
「貴方を抱くのが一晩一人というのは受け入れましょう。ですが、その様子を我らに見せていただきたい」
「な、何故……」
「私たちは貴方の夫です。貴方が抱かれている姿を見るのは私たちの幸いです。もちろん、貴方を抱かせていただくのが一番の喜びではありますが……」
「わ、わかった……」
夫たちが私の痴態を見るのは当たり前だと、どうにか自分を納得させた。そう、私はもう智軒たちに嫁いだのだから。本来ならばこのような勝手な命令など、彼らが聞く必要はないのだ。
「ありがとうございます。では今宵から、始めましょう」
智軒にそっと手を取られ、その手に口づけられた。胸の高鳴りを押さえることができなくて、私はこっそり胸を喘がせた。
そうして、私は彼らの妻となった。
嫁ぐ際に、私に与えられた領地の権利は夫たちに譲らされた。智軒はけれど、その領地の経営は私に任せてくれると言ってくれた。
嬉しかった。
妻であっても領地経営に関わってもいいのだと認められたことで、どうにか自尊心を保つことができた。妊娠等、どうしようもない時は夫たちに任せることも決めた。私は妊娠中だって領地経営はできると思っていたが、その経験はないのでそれに反論はしなかった。
そうして迎えた初夜。夫たちは一晩一人だけという約束を守ってくれ、智軒と二人で床に上がったのだった。
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