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六十、婚礼(結婚式)
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皇城にて新年の祝賀を終えると、明玲たちはすぐ蘇王領へと戻った。
そうして偉仁は王府で新年の祝賀をし、そう日を空けず明玲を娶った。
赤を基本とし、見事な刺繍を施された衣裳で二人は式を挙げた。母たちが参加できなかったのは残念だが、式を早く挙げるようにと背中を押してくれたのも母たちだった。
皇城では会うことはかなわなかったが、手紙は受け取っていた。
「新年おめでとう。妾たちのことはかまわず、できるだけ早く偉仁様に嫁ぎなさい。妾に孫を抱かせるのが一番の親孝行です」
そんなようなことが書かれた手紙を読み、明玲は真っ赤になった。偉仁も芳妃から手紙をもらったらしい。似たようなことが書かれていたと苦笑していた。
芳妃と明妃を引き取ってから式を、という話は出ていた。ただ引き取るといっても手続き上の関係で、新年が明けて三か月後にはすぐ王領に連れて来れるというものでもないらしい。本来後宮は一度入ったら最後死ぬまで出られない場所だ。そこから出されるというのは異例のことである。いくら先に離宮に移動し、今上帝とは関係がなくなるとはいえその面倒さはあまり変わらないらしい。
明玲は妾妃である。けれど偉仁は最愛だと公言してはばからなかった為、母たちを引き取ってから改めてお祝いをすることになった。明玲はとても恐縮したが、趙山琴が主導して準備することから断ることはできそうもなかった。
二人の式は山琴と妾妃たち、そして館の者たちに見守られて厳かに行われた。
「偉仁様、明玲、おめでとうございます。明玲、これからは蘇王の妾妃として、恥じることのないよう振る舞いに気をつけなさい」
「趙姐、ありがとうございます……」
明玲は涙ぐんだ。偉仁は妾妃たちによってたかって酒を飲まされたが、頃合いを見て明玲を抱き上げ、みなが笑顔の中離れに向かった。
偉仁はこの日の為に用意された部屋の中に入ると、明玲をそっと床に下ろした。
「……この日をどれほど夢に見たことか……」
「哥……」
明玲は顔が熱くなるのを感じ、両手で胸を押さえた。明玲だってこの日を待っていた。その気持ちは哥にも負けないと思っている。
「私も……早く哥のものに、なりたかった……」
頭全体が熱い。きっと顔だけでなく首まで真っ赤になっているに違いないと明玲は思った。偉仁は苦笑した。そして明玲の胸に顔を伏せ、きつく抱きしめた。
「あっ……」
「……明玲、頼むから煽ってくれるな……」
縋るような声に、明玲は胸が締め付けられるような感じを覚えた。はぁ……と胸を喘がせる。切ないような苦しいようななんともいえない感覚に全身がさいなまれ、明玲はそっと偉仁の頭を抱いた。
「そなたが……愛しくてならぬ……」
「哥……」
目の奥が熱くなり、瞳が潤む。まだ触れられてもいないのにどうにかなってしまいそうだった。
「哥……哥……」
助けてほしくて明玲はぎゅっと偉仁の頭を抱きしめた。
「愛いやつめ……」
蝋燭の灯りだけが照らす部屋の中で、偉仁の頭が上がる。ふるふると震える明玲の口唇が覆われた。
そして、二人の影は一つになった。
そうして偉仁は王府で新年の祝賀をし、そう日を空けず明玲を娶った。
赤を基本とし、見事な刺繍を施された衣裳で二人は式を挙げた。母たちが参加できなかったのは残念だが、式を早く挙げるようにと背中を押してくれたのも母たちだった。
皇城では会うことはかなわなかったが、手紙は受け取っていた。
「新年おめでとう。妾たちのことはかまわず、できるだけ早く偉仁様に嫁ぎなさい。妾に孫を抱かせるのが一番の親孝行です」
そんなようなことが書かれた手紙を読み、明玲は真っ赤になった。偉仁も芳妃から手紙をもらったらしい。似たようなことが書かれていたと苦笑していた。
芳妃と明妃を引き取ってから式を、という話は出ていた。ただ引き取るといっても手続き上の関係で、新年が明けて三か月後にはすぐ王領に連れて来れるというものでもないらしい。本来後宮は一度入ったら最後死ぬまで出られない場所だ。そこから出されるというのは異例のことである。いくら先に離宮に移動し、今上帝とは関係がなくなるとはいえその面倒さはあまり変わらないらしい。
明玲は妾妃である。けれど偉仁は最愛だと公言してはばからなかった為、母たちを引き取ってから改めてお祝いをすることになった。明玲はとても恐縮したが、趙山琴が主導して準備することから断ることはできそうもなかった。
二人の式は山琴と妾妃たち、そして館の者たちに見守られて厳かに行われた。
「偉仁様、明玲、おめでとうございます。明玲、これからは蘇王の妾妃として、恥じることのないよう振る舞いに気をつけなさい」
「趙姐、ありがとうございます……」
明玲は涙ぐんだ。偉仁は妾妃たちによってたかって酒を飲まされたが、頃合いを見て明玲を抱き上げ、みなが笑顔の中離れに向かった。
偉仁はこの日の為に用意された部屋の中に入ると、明玲をそっと床に下ろした。
「……この日をどれほど夢に見たことか……」
「哥……」
明玲は顔が熱くなるのを感じ、両手で胸を押さえた。明玲だってこの日を待っていた。その気持ちは哥にも負けないと思っている。
「私も……早く哥のものに、なりたかった……」
頭全体が熱い。きっと顔だけでなく首まで真っ赤になっているに違いないと明玲は思った。偉仁は苦笑した。そして明玲の胸に顔を伏せ、きつく抱きしめた。
「あっ……」
「……明玲、頼むから煽ってくれるな……」
縋るような声に、明玲は胸が締め付けられるような感じを覚えた。はぁ……と胸を喘がせる。切ないような苦しいようななんともいえない感覚に全身がさいなまれ、明玲はそっと偉仁の頭を抱いた。
「そなたが……愛しくてならぬ……」
「哥……」
目の奥が熱くなり、瞳が潤む。まだ触れられてもいないのにどうにかなってしまいそうだった。
「哥……哥……」
助けてほしくて明玲はぎゅっと偉仁の頭を抱きしめた。
「愛いやつめ……」
蝋燭の灯りだけが照らす部屋の中で、偉仁の頭が上がる。ふるふると震える明玲の口唇が覆われた。
そして、二人の影は一つになった。
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