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第3部 周りと仲良くしろと言われました
44.千里の道も一歩からって重要だと思うのです
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お気に入り3000名様ありがとうございますー♪ これからもまったり亀の歩みですが書いていきます(ぉぃ
ーーーーー
その日も朝から沢山点心をいただいて香子はご機嫌だった。香子の春巻への愛は変わらない。語らせたらいつまでも語るのでうるさいぐらいである。どんだけ春巻が好きなのか。
今日は午前中を青龍、午後は白虎と過ごす予定だ。明日は張錦飛が来るので、書の練習をしなければと香子は思う。白虎はそういった指導は一切してくれないので、書は青龍に習う予定である。
部屋で身支度を整えてもらった後、香子は青龍に運ばれて青龍の室に移動した。相変わらず一歩も歩かせてくれない溺愛仕様である。そのまま寝室に運ばれそうになったので止めた。
『青龍様、本日は書を見ていただけますか?』
『……我は厳しいぞ』
『はい、覚悟の上です。”千里之行,始於足下”ですよね』
『……そなにたいへんなことか』
『はい、私にとっては』
青龍が苦笑した。香子は老師の一説を引用した。日本で言う「千里の道も一歩から」の由来となる文である。
香子は本当に書が苦手なのだった。
(継続は力なり、継続は力なり……)
そう思ってやらないと香子はすぐにくじけてしまいそうになる。なかなかに厄介だった。
(もっとちゃんと習っていたら……でもでも……)
雑念を振り払って真摯に書と向き合う。皇族でもないし、香子自身はただの庶民だが今は四神の花嫁なのだ。自分で手紙を書くことはないだろうがサインぐらいはする。その字が汚かったら四神に恥をかかせてしまうだろう。香子は香子なりにいろいろ考えているのだった。
青龍が厳しいと言った通り、書の指導はかなり厳しかったようである。
『……ありがとうございました』
香子、涙目である。好きではないから覚えも悪い。困ったものだと香子は思った。
書の道具を片付けた後、青龍は香子を寝室に運んだ。床の上に腰掛け、香子を横抱きにしたまま髪を撫でる。
『そなにがんばらずともよいのだぞ?』
『……がんばっているつもりはないのですが……』
書は自分から習いたいと言ったものだし、身分の高い者ならば幼少より習っているものだ。だからこそみな美しい字が書けるわけで、その点香子は出遅れていると言わざるを得ない。こちらの国で当たり前のことができないというのは香子にとってストレスである。ただでさえ贈物の目録などに目を通すのもたいへんなのだ。句読点を発明した人に香子は拍手を送りたい気持ちでいっぱいだった。
『そなたは努力家だな。それをもう少し我らと愛し合うことに向けてもらいたいものだが……』
『……んっ……』
頤をクイと上げられて、香子は青龍に唇を塞がれた。半開きだった唇の間にするりと舌が入り、歯列をなぞる。香子の身体を支える腕は逃がさぬとばかりにきつく香子を抱きしめた。逆らうつもりも逃げるつもりも香子にはない。四神に我慢をさせているという自覚が香子にはあった。
『あっ……』
『……抵抗せぬのか?』
『……昼食までです。声をかけられたらやめてくださいね』
青龍が笑った。
『そなたにはかなわぬな……』
昼間なのに、香子は胸をいっぱい愛でられてしまった。乳首をしつこく吸われてしまったのでなんかジンジンする感覚がなかなか去らなかったのは内緒である。
(もうっ、青龍様のバカっ)
昼食の席で香子は不機嫌さを隠しもしなかった。青龍は久しぶりに香子の甘い声が聞けたのでご機嫌である。
(午後は……白虎様とだよねぇ……いろいろされちゃうのかな……)
四神と一緒に過ごすのは決して嫌ではない。むしろ幸せなことだと香子は思うのだが、すぐに寝室に連れ込まれるのが嫌なのだ。それしか自分には価値がないようでなんか嫌なのである。
香子としても四神と愛を育むのが重要だということはわかっている。でもでもなんか他にもう少し、と思ってしまうのもまた確かなのだ。
(相変わらず……私って面倒くさいなぁ……)
ごはんはおいしい。今日の主食は麺だった。日本のいわゆるラーメンではなく、うどんを細くしたような麺である。担担麺を食べたいと言ったら作ってくれた。汁なしで豚肉のそぼろとザーサイ、それに青梗菜が乗っている。それをよく混ぜて食べるのだ。こちらで出されるのは汁ありだったり汁なしだったりその時々によって変わる。香子がこだわらないので厨師によるのかと思われた。
『おいしい……』
香子が大学の側で食べていた担担麺は汁ありのとても辛いものだった。四神宮で出されるような上品なものではなく、大味であったが香子は大好きだった。
『そなたは辛い物も好きだな』
玄武に言われて頷いた。
『辛い物、大好きですよ。もちろんおいしくなかったら嫌ですけど』
よく勘違いされるのはただ辛ければいいと思われたりするところである。辛味の中に旨味がなければだめだと香子は思う。ただ唐辛子をかければいいというものではない。一口味わってみて、辛みがほしいなと思った時にかければいい。なんでもかんでも辛ければいいというものではない。元々が辛い料理は別だが。
午後は白虎と過ごす。エロエロをどうやって回避しようかなと香子が考えていた時、食堂の外から声がかかった。趙文英が白雲を呼んでいるという。香子は首を傾げた。また何かあったのだろうか。四神が平然としていることから、誰かがいきなり訪ねてきたとかそういうことではないだろう。
香子は食後のお茶を啜る。このなんともいえないほっとするかんじが好きだなぁと香子は思った。
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担担麺の話については第一部150話を参照してください。
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その日も朝から沢山点心をいただいて香子はご機嫌だった。香子の春巻への愛は変わらない。語らせたらいつまでも語るのでうるさいぐらいである。どんだけ春巻が好きなのか。
今日は午前中を青龍、午後は白虎と過ごす予定だ。明日は張錦飛が来るので、書の練習をしなければと香子は思う。白虎はそういった指導は一切してくれないので、書は青龍に習う予定である。
部屋で身支度を整えてもらった後、香子は青龍に運ばれて青龍の室に移動した。相変わらず一歩も歩かせてくれない溺愛仕様である。そのまま寝室に運ばれそうになったので止めた。
『青龍様、本日は書を見ていただけますか?』
『……我は厳しいぞ』
『はい、覚悟の上です。”千里之行,始於足下”ですよね』
『……そなにたいへんなことか』
『はい、私にとっては』
青龍が苦笑した。香子は老師の一説を引用した。日本で言う「千里の道も一歩から」の由来となる文である。
香子は本当に書が苦手なのだった。
(継続は力なり、継続は力なり……)
そう思ってやらないと香子はすぐにくじけてしまいそうになる。なかなかに厄介だった。
(もっとちゃんと習っていたら……でもでも……)
雑念を振り払って真摯に書と向き合う。皇族でもないし、香子自身はただの庶民だが今は四神の花嫁なのだ。自分で手紙を書くことはないだろうがサインぐらいはする。その字が汚かったら四神に恥をかかせてしまうだろう。香子は香子なりにいろいろ考えているのだった。
青龍が厳しいと言った通り、書の指導はかなり厳しかったようである。
『……ありがとうございました』
香子、涙目である。好きではないから覚えも悪い。困ったものだと香子は思った。
書の道具を片付けた後、青龍は香子を寝室に運んだ。床の上に腰掛け、香子を横抱きにしたまま髪を撫でる。
『そなにがんばらずともよいのだぞ?』
『……がんばっているつもりはないのですが……』
書は自分から習いたいと言ったものだし、身分の高い者ならば幼少より習っているものだ。だからこそみな美しい字が書けるわけで、その点香子は出遅れていると言わざるを得ない。こちらの国で当たり前のことができないというのは香子にとってストレスである。ただでさえ贈物の目録などに目を通すのもたいへんなのだ。句読点を発明した人に香子は拍手を送りたい気持ちでいっぱいだった。
『そなたは努力家だな。それをもう少し我らと愛し合うことに向けてもらいたいものだが……』
『……んっ……』
頤をクイと上げられて、香子は青龍に唇を塞がれた。半開きだった唇の間にするりと舌が入り、歯列をなぞる。香子の身体を支える腕は逃がさぬとばかりにきつく香子を抱きしめた。逆らうつもりも逃げるつもりも香子にはない。四神に我慢をさせているという自覚が香子にはあった。
『あっ……』
『……抵抗せぬのか?』
『……昼食までです。声をかけられたらやめてくださいね』
青龍が笑った。
『そなたにはかなわぬな……』
昼間なのに、香子は胸をいっぱい愛でられてしまった。乳首をしつこく吸われてしまったのでなんかジンジンする感覚がなかなか去らなかったのは内緒である。
(もうっ、青龍様のバカっ)
昼食の席で香子は不機嫌さを隠しもしなかった。青龍は久しぶりに香子の甘い声が聞けたのでご機嫌である。
(午後は……白虎様とだよねぇ……いろいろされちゃうのかな……)
四神と一緒に過ごすのは決して嫌ではない。むしろ幸せなことだと香子は思うのだが、すぐに寝室に連れ込まれるのが嫌なのだ。それしか自分には価値がないようでなんか嫌なのである。
香子としても四神と愛を育むのが重要だということはわかっている。でもでもなんか他にもう少し、と思ってしまうのもまた確かなのだ。
(相変わらず……私って面倒くさいなぁ……)
ごはんはおいしい。今日の主食は麺だった。日本のいわゆるラーメンではなく、うどんを細くしたような麺である。担担麺を食べたいと言ったら作ってくれた。汁なしで豚肉のそぼろとザーサイ、それに青梗菜が乗っている。それをよく混ぜて食べるのだ。こちらで出されるのは汁ありだったり汁なしだったりその時々によって変わる。香子がこだわらないので厨師によるのかと思われた。
『おいしい……』
香子が大学の側で食べていた担担麺は汁ありのとても辛いものだった。四神宮で出されるような上品なものではなく、大味であったが香子は大好きだった。
『そなたは辛い物も好きだな』
玄武に言われて頷いた。
『辛い物、大好きですよ。もちろんおいしくなかったら嫌ですけど』
よく勘違いされるのはただ辛ければいいと思われたりするところである。辛味の中に旨味がなければだめだと香子は思う。ただ唐辛子をかければいいというものではない。一口味わってみて、辛みがほしいなと思った時にかければいい。なんでもかんでも辛ければいいというものではない。元々が辛い料理は別だが。
午後は白虎と過ごす。エロエロをどうやって回避しようかなと香子が考えていた時、食堂の外から声がかかった。趙文英が白雲を呼んでいるという。香子は首を傾げた。また何かあったのだろうか。四神が平然としていることから、誰かがいきなり訪ねてきたとかそういうことではないだろう。
香子は食後のお茶を啜る。このなんともいえないほっとするかんじが好きだなぁと香子は思った。
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担担麺の話については第一部150話を参照してください。
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