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第3部 周りと仲良くしろと言われました
144.好きだけではいけないのです(香子のイラスト有)
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『香子、すまぬ。今日はもう限界だ……』
今日は珍しく白虎が耐えられなくなるのが早かった。青龍が香子を回収する。もふもふから離れるのは切ないがしょうがない。香子は手をわきわきさせながらも白虎に申し訳ないと思った。
『白虎様、無理をさせて申し訳ありません……』
『青龍、連れて行け』
グルル……と白虎が唸る。白虎は元々本能が強い。本性を現わせば理性がほとんどきかなくなる。それでもここのところは慣れてきたようで、それなりに長い時間香子が触れていても問題はなかった。
だが、今日はどこか違った。
青龍が香子を抱いたまま青龍の室へ移動した。香子の動揺を悟って、そのまま寝室まで運ぶ。
『香子、大丈夫だ』
『……私、白虎様にとてもひどいことを……』
『そなたが気にすることではない。今宵は白虎兄とも過ごすのだろう?』
『それは……そのつもりですけど』
『なれば今宵を思って兄は耐えているはずだ。そなたが今夜覚悟して、兄の求めるがままに受け入れればよい』
『ううう……』
できないとは香子は言えない。もふもふにも代償がある。それをわかっていて香子はもふっているのだから同罪だ。ちなみに朱雀にもふもふを要求すると、熱を一日中与えられて朱雀をねだらなければならないと聞いたので却下した。なんだそのエロマンガの世界は、と香子はたそがれた。読み物として読む分にはいいが、自分がその当事者になるのは勘弁である。エロマンガとかAVなんてのは見てるだけでいいのだ。
『香子』
ちゅ、と青龍が髪に口づけた。
『え』
『我と共にいる間ぐらい、我のことを考えてくれてもいいのではないか?』
『あ……申し訳ありません』
青龍は苦笑したようだった。
『そなたは素直すぎる。そういう時は嘘でも我のことしか考えていないと言うものだ』
『そんな嘘をついてもしかたないではありませんか。どうせ四神にはわかってしまうでしょう?』
香子は笑った。
『いや……そなたの心だけは見えぬ』
真剣な表情で言われ、香子は戸惑った。そういえばそんなことを以前言われたような気がした。
『それは……』
香子は記憶を辿った。
「その……元の国の言葉でしゃべった方がいいのでしたっけ?」
抱かれる際はもうわけがわからなくなって、最後の方は中国語を使えなくなってしまうのだが、普段は普通に中国語を使っているし、今はよほど難しいことを言われなければわかる。使っていない言語は錆びつく。だから香子の言葉はなんとなくぎこちないものとなった。
『そうだな。その方がそなたの心には触れやすい。我らと話す際は元の世界での言葉を使っても大丈夫だ』
『ええと、この言語も私、元の世界で習いましたからね?』
そうでなければ先代花嫁も話せなくてたいへんなことになっていたのではないかと香子は思う。実際には、いくら言葉が通じ合ったところで先代白虎の暴走を止める手助けにはならなかったが。
『……白虎様、どうなさったのでしょうか』
最近もふらせろ要求がきつかったのだろうかと香子は反省する。ただ、反省したところでもふもふは堪能したいので困ってしまう。
『香子が愛しくてたまらなくなったのだろう。よくあることだ』
しれっと青龍に言われ、香子は目を見開いた。
『よく、あること?』
『そなたが思う以上に兄は不安定なのだ。それでも今宵はそなたを堪能できると知っているから耐えているだけで、それも許されなければさらって領地まで連れて行ってしまうだろう』
『えええ』
ただもふるだけでは悪いと思い、抱かれることにしたのが功を奏したようだ。四神の誰に抱かれても香子は翻弄されてしまうのだが、白虎に抱かれる時はなんだかとても悪いことをしているような気になってしまう。
(せめて人型で抱いてくれればいいんだけど……)
それはできないのだから、香子が我慢するしかない。
『香子、そんな顔をするな』
『そんな顔って……』
顔を覗き込まれて、ちゅと唇に口づけを落とされ、香子は照れた。青龍はいったいどこからこんなことを学んだのだろうと文句を言いたくなってしまう。
『せっかくだ。触れさせよ』
『ええっ?』
寝室に連れてこられたから予想はしていたが、それでも昼間からというのは抵抗がある。香子の葛藤に気づき、青龍は口元に笑みを浮かべた。
『そなたは流されればいい。誰もそなたを責めぬ。むしろ四神と仲良くしていると褒められるだろう』
『え……』
『全て我が悪いのだ』
優しく床に横たえられたら、今度こそ香子は抗えない。
『そうだ。そなたは我らには叶わぬ。都合の悪いこともいいことも全て我らのせいにすればいい』
『ああ……』
青龍は優しすぎると香子は目に涙を浮かべた。
『眷属のこともだ』
『あ……』
『”つがい”を得た眷属は”つがい”が第一になる。眷属同士であればその性質もよく知っているから問題はないが、確かに人が”つがい”の場合は厄介だ。求めすぎて嫌われても困るはずだ。朱雀兄とも話してみよう。……どうにもならぬかもしれぬが……』
香子の目から涙が溢れた。
『青龍様ぁっ!』
香子は青龍に抱きついて、ぎゅうぎゅう抱きしめた。
『私……私……邪魔してるってことはわかっているんです。でも……』
『香子、すまなかった』
青龍は優しく香子を抱きしめ返し、やがて二人の唇が重なった。
ーーーーー
3/15 ムーンライトで連載中の四神、第三部6.5話を更新しました。玄武とのらぶえち!
SF(@SF30844166)様からとってもかわいい香子のイラストをいただきました!
とってもかわいいですー。ありがとうございます!
今日は珍しく白虎が耐えられなくなるのが早かった。青龍が香子を回収する。もふもふから離れるのは切ないがしょうがない。香子は手をわきわきさせながらも白虎に申し訳ないと思った。
『白虎様、無理をさせて申し訳ありません……』
『青龍、連れて行け』
グルル……と白虎が唸る。白虎は元々本能が強い。本性を現わせば理性がほとんどきかなくなる。それでもここのところは慣れてきたようで、それなりに長い時間香子が触れていても問題はなかった。
だが、今日はどこか違った。
青龍が香子を抱いたまま青龍の室へ移動した。香子の動揺を悟って、そのまま寝室まで運ぶ。
『香子、大丈夫だ』
『……私、白虎様にとてもひどいことを……』
『そなたが気にすることではない。今宵は白虎兄とも過ごすのだろう?』
『それは……そのつもりですけど』
『なれば今宵を思って兄は耐えているはずだ。そなたが今夜覚悟して、兄の求めるがままに受け入れればよい』
『ううう……』
できないとは香子は言えない。もふもふにも代償がある。それをわかっていて香子はもふっているのだから同罪だ。ちなみに朱雀にもふもふを要求すると、熱を一日中与えられて朱雀をねだらなければならないと聞いたので却下した。なんだそのエロマンガの世界は、と香子はたそがれた。読み物として読む分にはいいが、自分がその当事者になるのは勘弁である。エロマンガとかAVなんてのは見てるだけでいいのだ。
『香子』
ちゅ、と青龍が髪に口づけた。
『え』
『我と共にいる間ぐらい、我のことを考えてくれてもいいのではないか?』
『あ……申し訳ありません』
青龍は苦笑したようだった。
『そなたは素直すぎる。そういう時は嘘でも我のことしか考えていないと言うものだ』
『そんな嘘をついてもしかたないではありませんか。どうせ四神にはわかってしまうでしょう?』
香子は笑った。
『いや……そなたの心だけは見えぬ』
真剣な表情で言われ、香子は戸惑った。そういえばそんなことを以前言われたような気がした。
『それは……』
香子は記憶を辿った。
「その……元の国の言葉でしゃべった方がいいのでしたっけ?」
抱かれる際はもうわけがわからなくなって、最後の方は中国語を使えなくなってしまうのだが、普段は普通に中国語を使っているし、今はよほど難しいことを言われなければわかる。使っていない言語は錆びつく。だから香子の言葉はなんとなくぎこちないものとなった。
『そうだな。その方がそなたの心には触れやすい。我らと話す際は元の世界での言葉を使っても大丈夫だ』
『ええと、この言語も私、元の世界で習いましたからね?』
そうでなければ先代花嫁も話せなくてたいへんなことになっていたのではないかと香子は思う。実際には、いくら言葉が通じ合ったところで先代白虎の暴走を止める手助けにはならなかったが。
『……白虎様、どうなさったのでしょうか』
最近もふらせろ要求がきつかったのだろうかと香子は反省する。ただ、反省したところでもふもふは堪能したいので困ってしまう。
『香子が愛しくてたまらなくなったのだろう。よくあることだ』
しれっと青龍に言われ、香子は目を見開いた。
『よく、あること?』
『そなたが思う以上に兄は不安定なのだ。それでも今宵はそなたを堪能できると知っているから耐えているだけで、それも許されなければさらって領地まで連れて行ってしまうだろう』
『えええ』
ただもふるだけでは悪いと思い、抱かれることにしたのが功を奏したようだ。四神の誰に抱かれても香子は翻弄されてしまうのだが、白虎に抱かれる時はなんだかとても悪いことをしているような気になってしまう。
(せめて人型で抱いてくれればいいんだけど……)
それはできないのだから、香子が我慢するしかない。
『香子、そんな顔をするな』
『そんな顔って……』
顔を覗き込まれて、ちゅと唇に口づけを落とされ、香子は照れた。青龍はいったいどこからこんなことを学んだのだろうと文句を言いたくなってしまう。
『せっかくだ。触れさせよ』
『ええっ?』
寝室に連れてこられたから予想はしていたが、それでも昼間からというのは抵抗がある。香子の葛藤に気づき、青龍は口元に笑みを浮かべた。
『そなたは流されればいい。誰もそなたを責めぬ。むしろ四神と仲良くしていると褒められるだろう』
『え……』
『全て我が悪いのだ』
優しく床に横たえられたら、今度こそ香子は抗えない。
『そうだ。そなたは我らには叶わぬ。都合の悪いこともいいことも全て我らのせいにすればいい』
『ああ……』
青龍は優しすぎると香子は目に涙を浮かべた。
『眷属のこともだ』
『あ……』
『”つがい”を得た眷属は”つがい”が第一になる。眷属同士であればその性質もよく知っているから問題はないが、確かに人が”つがい”の場合は厄介だ。求めすぎて嫌われても困るはずだ。朱雀兄とも話してみよう。……どうにもならぬかもしれぬが……』
香子の目から涙が溢れた。
『青龍様ぁっ!』
香子は青龍に抱きついて、ぎゅうぎゅう抱きしめた。
『私……私……邪魔してるってことはわかっているんです。でも……』
『香子、すまなかった』
青龍は優しく香子を抱きしめ返し、やがて二人の唇が重なった。
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3/15 ムーンライトで連載中の四神、第三部6.5話を更新しました。玄武とのらぶえち!
SF(@SF30844166)様からとってもかわいい香子のイラストをいただきました!
とってもかわいいですー。ありがとうございます!
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