異世界で四神と結婚しろと言われました

浅葱

文字の大きさ
447 / 653
第3部 周りと仲良くしろと言われました

144.好きだけではいけないのです(香子のイラスト有)

しおりを挟む
香子シャンズ、すまぬ。今日はもう限界だ……』

 今日は珍しく白虎が耐えられなくなるのが早かった。青龍が香子を回収する。もふもふから離れるのは切ないがしょうがない。香子は手をわきわきさせながらも白虎に申し訳ないと思った。

『白虎様、無理をさせて申し訳ありません……』
『青龍、連れて行け』

 グルル……と白虎が唸る。白虎は元々本能が強い。本性を現わせば理性がほとんどきかなくなる。それでもここのところは慣れてきたようで、それなりに長い時間香子が触れていても問題はなかった。
 だが、今日はどこか違った。
 青龍が香子を抱いたまま青龍の室へ移動した。香子の動揺を悟って、そのまま寝室まで運ぶ。

『香子、大丈夫だ』
『……私、白虎様にとてもひどいことを……』
『そなたが気にすることではない。今宵は白虎兄とも過ごすのだろう?』
『それは……そのつもりですけど』
『なれば今宵を思って兄は耐えているはずだ。そなたが今夜覚悟して、兄の求めるがままに受け入れればよい』
『ううう……』

 できないとは香子は言えない。もふもふにも代償がある。それをわかっていて香子はもふっているのだから同罪だ。ちなみに朱雀にもふもふを要求すると、熱を一日中与えられて朱雀をねだらなければならないと聞いたので却下した。なんだそのエロマンガの世界は、と香子はたそがれた。読み物として読む分にはいいが、自分がその当事者になるのは勘弁である。エロマンガとかAVなんてのは見てるだけでいいのだ。

『香子』

 ちゅ、と青龍が髪に口づけた。

『え』
『我と共にいる間ぐらい、我のことを考えてくれてもいいのではないか?』
『あ……申し訳ありません』

 青龍は苦笑したようだった。

『そなたは素直すぎる。そういう時は嘘でも我のことしか考えていないと言うものだ』
『そんな嘘をついてもしかたないではありませんか。どうせ四神にはわかってしまうでしょう?』

 香子は笑った。

『いや……そなたの心だけは見えぬ』

 真剣な表情で言われ、香子は戸惑った。そういえばそんなことを以前言われたような気がした。

『それは……』

 香子は記憶を辿った。

「その……元の国の言葉でしゃべった方がいいのでしたっけ?」

 抱かれる際はもうわけがわからなくなって、最後の方は中国語を使えなくなってしまうのだが、普段は普通に中国語を使っているし、今はよほど難しいことを言われなければわかる。使っていない言語は錆びつく。だから香子の言葉はなんとなくぎこちないものとなった。

『そうだな。その方がそなたの心には触れやすい。我らと話す際は元の世界での言葉を使っても大丈夫だ』
『ええと、この言語も私、元の世界で習いましたからね?』

 そうでなければ先代花嫁も話せなくてたいへんなことになっていたのではないかと香子は思う。実際には、いくら言葉が通じ合ったところで先代白虎の暴走を止める手助けにはならなかったが。

『……白虎様、どうなさったのでしょうか』

 最近もふらせろ要求がきつかったのだろうかと香子は反省する。ただ、反省したところでもふもふは堪能したいので困ってしまう。

『香子が愛しくてたまらなくなったのだろう。よくあることだ』

 しれっと青龍に言われ、香子は目を見開いた。

『よく、あること?』
『そなたが思う以上に兄は不安定なのだ。それでも今宵はそなたを堪能できると知っているから耐えているだけで、それも許されなければさらって領地まで連れて行ってしまうだろう』
『えええ』

 ただもふるだけでは悪いと思い、抱かれることにしたのが功を奏したようだ。四神の誰に抱かれても香子は翻弄されてしまうのだが、白虎に抱かれる時はなんだかとても悪いことをしているような気になってしまう。

(せめて人型で抱いてくれればいいんだけど……)

 それはできないのだから、香子が我慢するしかない。

『香子、そんな顔をするな』
『そんな顔って……』

 顔を覗き込まれて、ちゅと唇に口づけを落とされ、香子は照れた。青龍はいったいどこからこんなことを学んだのだろうと文句を言いたくなってしまう。

『せっかくだ。触れさせよ』
『ええっ?』

 寝室に連れてこられたから予想はしていたが、それでも昼間からというのは抵抗がある。香子の葛藤に気づき、青龍は口元に笑みを浮かべた。

『そなたは流されればいい。誰もそなたを責めぬ。むしろ四神と仲良くしていると褒められるだろう』
『え……』
『全て我が悪いのだ』

 優しくベッドに横たえられたら、今度こそ香子は抗えない。

『そうだ。そなたは我らには叶わぬ。都合の悪いこともいいことも全て我らのせいにすればいい』
『ああ……』

 青龍は優しすぎると香子は目に涙を浮かべた。

『眷属のこともだ』
『あ……』
『”つがい”を得た眷属は”つがい”が第一になる。眷属同士であればその性質もよく知っているから問題はないが、確かに人が”つがい”の場合は厄介だ。求めすぎて嫌われても困るはずだ。朱雀兄とも話してみよう。……どうにもならぬかもしれぬが……』

 香子の目から涙が溢れた。

『青龍様ぁっ!』

 香子は青龍に抱きついて、ぎゅうぎゅう抱きしめた。

『私……私……邪魔してるってことはわかっているんです。でも……』
『香子、すまなかった』

 青龍は優しく香子を抱きしめ返し、やがて二人の唇が重なった。


ーーーーー
3/15 ムーンライトで連載中の四神、第三部6.5話を更新しました。玄武とのらぶえち!

SF(@SF30844166)様からとってもかわいい香子のイラストをいただきました!
とってもかわいいですー。ありがとうございます!

しおりを挟む
感想 94

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

黒騎士団の娼婦

星森
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。 異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。 頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。 煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。 誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。 「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」 ※本作はAIとの共同制作作品です。 ※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。

なんか、異世界行ったら愛重めの溺愛してくる奴らに囲われた

いに。
恋愛
"佐久良 麗" これが私の名前。 名前の"麗"(れい)は綺麗に真っ直ぐ育ちますようになんて思いでつけられた、、、らしい。 両親は他界 好きなものも特にない 将来の夢なんてない 好きな人なんてもっといない 本当になにも持っていない。 0(れい)な人間。 これを見越してつけたの?なんてそんなことは言わないがそれ程になにもない人生。 そんな人生だったはずだ。 「ここ、、どこ?」 瞬きをしただけ、ただそれだけで世界が変わってしまった。 _______________.... 「レイ、何をしている早くいくぞ」 「れーいちゃん!僕が抱っこしてあげよっか?」 「いや、れいちゃんは俺と手を繋ぐんだもんねー?」 「、、茶番か。あ、おいそこの段差気をつけろ」 えっと……? なんか気づいたら周り囲まれてるんですけどなにが起こったんだろう? ※ただ主人公が愛でられる物語です ※シリアスたまにあり ※周りめちゃ愛重い溺愛ルート確です ※ど素人作品です、温かい目で見てください どうぞよろしくお願いします。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

眺めるだけならよいでしょうか?〜美醜逆転世界に飛ばされた私〜

蝋梅
恋愛
美醜逆転の世界に飛ばされた。普通ならウハウハである。だけど。 ✻読んで下さり、ありがとうございました。✻

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...