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第4部 四神を愛しなさいと言われました
24.四神宮での夕飯です
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四神の様子がおかしいことに香子は気づいていた。
その原因が、香子が朱雀の領地へ行ったことにあるということは明白だった。
夕食の席、四神はいつも通りに見えたが眷属の様子はわかりやすかった。珍しく、どこかそわそわしているように香子には映った。四神がそうと自覚していないだけで、やはり嫉妬はしているらしい。
だからといって香子にできることはない。香子は一人しかいないのだから。
(よくも悪くも眷属って、四神に左右されてるよね)
眷属なのだから当たり前といえば当たり前である。けれどそうとは思えない場面も香子は沢山見ているからなんともいえなかった。
黒月は玄武一筋だ。ちょっとなにかあったことはあったが、今は香子の守護として共にある。そんな黒月が香子は好きだ。香子の食事中は四神が共にいるので黒月には食事に行かせている。黒月は眷属たちの中でも人間に近いから食事が必要なのである。
そこらへんのメカニズムがどうなっているのかと香子も疑問には思うが、誰もうまく説明できないみたいなので考えるだけ無駄だった。
そういうもの、としか答えられないのである。
四神宮で出される夕飯は今夜も豪華であった。
一晩いなかったということもあってか、香子の好物ばかりが並んでいて、香子は目を丸くした。
食べられることは間違いないが、こんなにもてなされていいのかと思ったのだ。
『今日は……いつもより更に豪華ね……』
香子は思わず呟いた。
『花嫁様、お気に召しませんか……?』
前菜を食べ終えて、沢山の主菜といわれる料理が並んでいる。侍女たちが一気に青ざめた。
しまったと香子は思った。
『いいえ? 今日はいっぱいいろんなものが食べられると思っただけよ? 気にしないで、まだ料理があるなら運んできてくれる?』
侍女たちはほっとしたようだった。
そうして運ばれた料理の数はやっぱり多かった。香子が好きだという春巻も、海老春巻と普通の春巻が出てきた。大根餅もあるし、小籠包もある。清蒸魚(魚の姿蒸し)も大きいのが出てきたし、野菜の各種炒め物も、香辣明蝦(四川風エビ炒め)も出てきた。肉料理も出てきたが、どちらかといえば香子に合わせた料理が沢山運ばれてきた。
『おいしい……』
エビチリでない海老料理も香子は大好きだ。それ以前にエビチリは日本で魔改造された中華料理である。
『昨日、青龍様と白虎様はどういう風に過ごされていたのですか?』
白虎と青龍は軽く首を傾げた。
『……寝ていたな』
『我もだ』
白虎と青龍は香子がいなかったからなのか、香子が朱雀の領地に出かけてからほとんど寝ていたらしい。
『ということは……食事はされていなかったのですか?』
『していないな』
『うむ』
香子はため息をついた。確かに四神は何も食べなくても空腹を覚えることはないと聞いている。だからといって香子がいないからずっと寝ていたと言われると、香子としてはどうしたらいいのかと思ってしまった。
結論としてはどうしようもない。
(だから、厨師たちが張り切って作ってくれたのね)
もしかしたら、とは思っていたが本当にそうだったとはと香子はげんなりした。とはいえ四神もここにいたところでやることがないのだ。全て香子次第だと改めて気づき、やはりどうにもならないと運ばれてきた水餃子に舌鼓を打った。
『ごはんを食べないのはいいのですが……食べないと厨房に連絡はされたのでしょうね?』
『……申し訳ありません』
白雲と青藍がはっとしたように頭を垂れた。
『……食べ物を粗末にするのは論外です。食べないなら食べないときちんと事前に連絡をしてあげてください』
これだから食事をしない眷属は、と香子は呆れた。
水餃子もいろいろな種類が出てきた。それらを香子は四神と全てキレイに平らげた。侍女たちが目を丸くしているのを見て、香子はまたしまったと思った。
『なんだか……いくらでも食べられるみたいだから、量は厨師に調整するように伝えてちょうだい。そういう身体になってしまったみたいなの……』
どんどん人間離れしていく己の身体が怖いと香子は思ったが、それこそしかたないことだった。
『とてもおいしかったと伝えてね』
そう侍女に頼み、香子は玄武に抱かれて茶室に移動した。今夜は玄武と共に過ごすと白虎と青龍に伝えた。明日の夜は白虎と過ごすとも。青龍はどうしても後回しになってしまう。丸一日抱かれることを考えると、青龍に抱かれる機会はどうしても少なくなる。
その夜、香子は黒月を入浴に誘った。
黒月は今夜は渋ることなく一緒に湯舟に浸かる。香子は自分の透き通るような白い肌と、黒月の肌を見比べて首を傾げた。
『黒月のその肌は生まれつきなの?』
『肌、でございますか?』
『うん、真っ白よね。東北地方に領地があることも関係しているのかしら?』
『みなこのような色の肌をしていますのでわかりかねます』
『そうなのね』
朱雀の領地にいた眷属も肌の色はみな同じようだった。黒月のように真っ白ではなく、色としては健康的な色だったように香子は思えた。
『やっぱりみんな同じような肌の色をしているのね』
『はい』
四神の領地は見て回った方がいいだろうと香子は思う。まだとても寒い季節だから玄武の領地は春になってから向かうにしても、やはり誰に嫁ぐかは見て回ってから決めたいと香子は考えたのだった。
その原因が、香子が朱雀の領地へ行ったことにあるということは明白だった。
夕食の席、四神はいつも通りに見えたが眷属の様子はわかりやすかった。珍しく、どこかそわそわしているように香子には映った。四神がそうと自覚していないだけで、やはり嫉妬はしているらしい。
だからといって香子にできることはない。香子は一人しかいないのだから。
(よくも悪くも眷属って、四神に左右されてるよね)
眷属なのだから当たり前といえば当たり前である。けれどそうとは思えない場面も香子は沢山見ているからなんともいえなかった。
黒月は玄武一筋だ。ちょっとなにかあったことはあったが、今は香子の守護として共にある。そんな黒月が香子は好きだ。香子の食事中は四神が共にいるので黒月には食事に行かせている。黒月は眷属たちの中でも人間に近いから食事が必要なのである。
そこらへんのメカニズムがどうなっているのかと香子も疑問には思うが、誰もうまく説明できないみたいなので考えるだけ無駄だった。
そういうもの、としか答えられないのである。
四神宮で出される夕飯は今夜も豪華であった。
一晩いなかったということもあってか、香子の好物ばかりが並んでいて、香子は目を丸くした。
食べられることは間違いないが、こんなにもてなされていいのかと思ったのだ。
『今日は……いつもより更に豪華ね……』
香子は思わず呟いた。
『花嫁様、お気に召しませんか……?』
前菜を食べ終えて、沢山の主菜といわれる料理が並んでいる。侍女たちが一気に青ざめた。
しまったと香子は思った。
『いいえ? 今日はいっぱいいろんなものが食べられると思っただけよ? 気にしないで、まだ料理があるなら運んできてくれる?』
侍女たちはほっとしたようだった。
そうして運ばれた料理の数はやっぱり多かった。香子が好きだという春巻も、海老春巻と普通の春巻が出てきた。大根餅もあるし、小籠包もある。清蒸魚(魚の姿蒸し)も大きいのが出てきたし、野菜の各種炒め物も、香辣明蝦(四川風エビ炒め)も出てきた。肉料理も出てきたが、どちらかといえば香子に合わせた料理が沢山運ばれてきた。
『おいしい……』
エビチリでない海老料理も香子は大好きだ。それ以前にエビチリは日本で魔改造された中華料理である。
『昨日、青龍様と白虎様はどういう風に過ごされていたのですか?』
白虎と青龍は軽く首を傾げた。
『……寝ていたな』
『我もだ』
白虎と青龍は香子がいなかったからなのか、香子が朱雀の領地に出かけてからほとんど寝ていたらしい。
『ということは……食事はされていなかったのですか?』
『していないな』
『うむ』
香子はため息をついた。確かに四神は何も食べなくても空腹を覚えることはないと聞いている。だからといって香子がいないからずっと寝ていたと言われると、香子としてはどうしたらいいのかと思ってしまった。
結論としてはどうしようもない。
(だから、厨師たちが張り切って作ってくれたのね)
もしかしたら、とは思っていたが本当にそうだったとはと香子はげんなりした。とはいえ四神もここにいたところでやることがないのだ。全て香子次第だと改めて気づき、やはりどうにもならないと運ばれてきた水餃子に舌鼓を打った。
『ごはんを食べないのはいいのですが……食べないと厨房に連絡はされたのでしょうね?』
『……申し訳ありません』
白雲と青藍がはっとしたように頭を垂れた。
『……食べ物を粗末にするのは論外です。食べないなら食べないときちんと事前に連絡をしてあげてください』
これだから食事をしない眷属は、と香子は呆れた。
水餃子もいろいろな種類が出てきた。それらを香子は四神と全てキレイに平らげた。侍女たちが目を丸くしているのを見て、香子はまたしまったと思った。
『なんだか……いくらでも食べられるみたいだから、量は厨師に調整するように伝えてちょうだい。そういう身体になってしまったみたいなの……』
どんどん人間離れしていく己の身体が怖いと香子は思ったが、それこそしかたないことだった。
『とてもおいしかったと伝えてね』
そう侍女に頼み、香子は玄武に抱かれて茶室に移動した。今夜は玄武と共に過ごすと白虎と青龍に伝えた。明日の夜は白虎と過ごすとも。青龍はどうしても後回しになってしまう。丸一日抱かれることを考えると、青龍に抱かれる機会はどうしても少なくなる。
その夜、香子は黒月を入浴に誘った。
黒月は今夜は渋ることなく一緒に湯舟に浸かる。香子は自分の透き通るような白い肌と、黒月の肌を見比べて首を傾げた。
『黒月のその肌は生まれつきなの?』
『肌、でございますか?』
『うん、真っ白よね。東北地方に領地があることも関係しているのかしら?』
『みなこのような色の肌をしていますのでわかりかねます』
『そうなのね』
朱雀の領地にいた眷属も肌の色はみな同じようだった。黒月のように真っ白ではなく、色としては健康的な色だったように香子は思えた。
『やっぱりみんな同じような肌の色をしているのね』
『はい』
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