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第1部 四神と結婚しろと言われました
64.いらないものはどうしましょう
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あれだけの量が一日二日で集まるなんてすごいことだと感心しながらも、香子はげんなりした。
実のところ香子はあまり装飾品というものに興味がない。けれどやはり女性に対する贈り物というのは身につける物が一般的なのだろう。色とりどりの布、漢服や髪飾り、ネックレスやピアスにイヤリング、ブレスレットにアンクレット。中には化粧品の類まであったように見えたが、香子自身はあまりしてもらわないようにしているので必要ないように思えた。
保留としたものをどうしたらいいかも早めに考えなければいけないだろう。
(寄付とかできるのかな?)
そのまま貧しい人にあげても処遇に困るだろうから、売ってお金に替えて孤児院のようなところに寄付するというのはどうだろう。それで寄付したという証拠のような文書を贈り主に送りつければ、願い事なんて馬鹿なことは言ってこないような気がする。
茶室に移動してお茶を入れてから提案してみると、みな目を丸くした。
『そなたの国の者はみなそのような考え方をするのか?』
白虎が興味深そうに聞く。香子は首を振った。
『お金に余裕がなければ普段はそんなこと考えません。ただ、大学で知り合った友人が興味深いことを言っていました。貧しい者に余裕のある者がほどこすのは義務だと。そこまでえらそうなことは考えていませんが、国が広い分貧富の差は大きいと思います。不要な物を溜めこんでいるよりはずっと建設的かと思いまして』
それに四神が頷いた。
『そういうことでしたら趙殿にも聞いていただいた方がよろしいかと。呼んでまいりましょうか』
白雲の言葉に頷こうとしてもう一つ思いつく。
『そういえば贈ってくれた人って、自分で贈り物を選んだりしてるんでしょうか?』
それにはみな微妙な顔をした。
『それも合わせて聞いてみましょう』
そう言って白雲は茶室を出ていった。
おそらくここまで豪華なものを贈ってくるぐらいだから、贈り主はそれなりに身分のある人たちに違いないと香子は思う。どう考えても仕えている人にいいつけて女性の好みそうな物を適当に用意させているだけだろう。
それなら、贈り物を他の人が身に着けていたとしても気づくはずはない。
香子がいろいろ考えている間に白雲が趙文英を連れてきた。
改めて趙にも同じ説明をすると、彼は一瞬目を見開いた後嬉しそうに微笑んだ。
『それはよき考えにございます。さっそく中書令にお伝えして販路と寄付先を探していただきましょう』
すぐにでも出ていきそうな趙を香子は『あともう一つ!』と呼びとめた。
『何か?』
怪訝そうな趙に香子は提案を話してみた。
『あのぅ、寄付する前に四神宮に仕えてくれている人に差し上げることは可能ですか? 毎日ではなくて、例えば十日にいっぺん一人一つとか選んでもらって残りを寄付に回すのはどうでしょう』
それには趙も難しい顔をした。
『贈られてきた物はどれも非常に高価なものです。それを四神宮付とはいえ仕えている者に下げ渡すのはどうかと……ただ、主人が気に入らないものを仕えている者たちにあげるというのは行われているとは思います。そちらも確認して参ります』
香子はそうか、と頭を垂れた。いろいろ難しいようである。
『では例えば売ったお金の一部を給金に上乗せするとかはどうでしょう?』
それに趙は苦笑した。
『そのようなご提案があったと中書令に伝えましょう』
趙はそう答えて茶室を出ていった。
香子は首を傾げた。
(なんかまたおかしなこと言ったかしらー?)
どちらにせよ庶民なので宮廷にいるような人たちの考え方は理解できない。それに白雲が笑んで言う。
『花嫁様は優しいのですね』
それに香子は眉を寄せた。
『優しいのとは違います。私が召喚されてきたことで四神宮に仕える人の仕事が増えているわけですから、給金を余分にもらうのは当然の権利だと思います』
その科白にまたみなが目を丸くした。
(元の世界では社会主義国家なのにこちらにはその片鱗もないのね)
どうやらいろいろと説明が必要なようである。香子はまたげんなりした。
実のところ香子はあまり装飾品というものに興味がない。けれどやはり女性に対する贈り物というのは身につける物が一般的なのだろう。色とりどりの布、漢服や髪飾り、ネックレスやピアスにイヤリング、ブレスレットにアンクレット。中には化粧品の類まであったように見えたが、香子自身はあまりしてもらわないようにしているので必要ないように思えた。
保留としたものをどうしたらいいかも早めに考えなければいけないだろう。
(寄付とかできるのかな?)
そのまま貧しい人にあげても処遇に困るだろうから、売ってお金に替えて孤児院のようなところに寄付するというのはどうだろう。それで寄付したという証拠のような文書を贈り主に送りつければ、願い事なんて馬鹿なことは言ってこないような気がする。
茶室に移動してお茶を入れてから提案してみると、みな目を丸くした。
『そなたの国の者はみなそのような考え方をするのか?』
白虎が興味深そうに聞く。香子は首を振った。
『お金に余裕がなければ普段はそんなこと考えません。ただ、大学で知り合った友人が興味深いことを言っていました。貧しい者に余裕のある者がほどこすのは義務だと。そこまでえらそうなことは考えていませんが、国が広い分貧富の差は大きいと思います。不要な物を溜めこんでいるよりはずっと建設的かと思いまして』
それに四神が頷いた。
『そういうことでしたら趙殿にも聞いていただいた方がよろしいかと。呼んでまいりましょうか』
白雲の言葉に頷こうとしてもう一つ思いつく。
『そういえば贈ってくれた人って、自分で贈り物を選んだりしてるんでしょうか?』
それにはみな微妙な顔をした。
『それも合わせて聞いてみましょう』
そう言って白雲は茶室を出ていった。
おそらくここまで豪華なものを贈ってくるぐらいだから、贈り主はそれなりに身分のある人たちに違いないと香子は思う。どう考えても仕えている人にいいつけて女性の好みそうな物を適当に用意させているだけだろう。
それなら、贈り物を他の人が身に着けていたとしても気づくはずはない。
香子がいろいろ考えている間に白雲が趙文英を連れてきた。
改めて趙にも同じ説明をすると、彼は一瞬目を見開いた後嬉しそうに微笑んだ。
『それはよき考えにございます。さっそく中書令にお伝えして販路と寄付先を探していただきましょう』
すぐにでも出ていきそうな趙を香子は『あともう一つ!』と呼びとめた。
『何か?』
怪訝そうな趙に香子は提案を話してみた。
『あのぅ、寄付する前に四神宮に仕えてくれている人に差し上げることは可能ですか? 毎日ではなくて、例えば十日にいっぺん一人一つとか選んでもらって残りを寄付に回すのはどうでしょう』
それには趙も難しい顔をした。
『贈られてきた物はどれも非常に高価なものです。それを四神宮付とはいえ仕えている者に下げ渡すのはどうかと……ただ、主人が気に入らないものを仕えている者たちにあげるというのは行われているとは思います。そちらも確認して参ります』
香子はそうか、と頭を垂れた。いろいろ難しいようである。
『では例えば売ったお金の一部を給金に上乗せするとかはどうでしょう?』
それに趙は苦笑した。
『そのようなご提案があったと中書令に伝えましょう』
趙はそう答えて茶室を出ていった。
香子は首を傾げた。
(なんかまたおかしなこと言ったかしらー?)
どちらにせよ庶民なので宮廷にいるような人たちの考え方は理解できない。それに白雲が笑んで言う。
『花嫁様は優しいのですね』
それに香子は眉を寄せた。
『優しいのとは違います。私が召喚されてきたことで四神宮に仕える人の仕事が増えているわけですから、給金を余分にもらうのは当然の権利だと思います』
その科白にまたみなが目を丸くした。
(元の世界では社会主義国家なのにこちらにはその片鱗もないのね)
どうやらいろいろと説明が必要なようである。香子はまたげんなりした。
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