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第4部 四神を愛しなさいと言われました
77.青龍の領地での翌日はこんなかんじでした
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……つらい。
香子はまだ全身が火照っているのを感じた。
抱かれるのに慣れた身体は、いくら気持ちよくされても身の内に受け入れないと収まらないようである。
(帰ったら抱いてもらお……)
香子はとうとう開き直った。
「あっ、あっ、あっ、あっ……」
香子の目から涙がぽろぽろとこぼれた。それでも青龍の領地で青龍に抱かれるわけにはいかないからと、香子はどうにか耐えた。
青龍が苦笑する。
『……そなに忍耐強くなくてもよいのだが……』
「ぁあっ……」
青龍だけでなく玄武と朱雀にも触れられて、香子は過ぎた快感の中で眠りについた。
翌朝、香子は普通に青龍の腕の中で朝食をいただいた。
いつもと違って空腹もそれほど覚えることなく平和な朝である。
(やっぱり抱かれてるから毎朝の飢えがひどいんだよね……)
たくさん触れられはしたが昨夜は抱かれていない為、常識の範囲での空腹にとどまったことが香子は嬉しかった。しかしそんな朝はもうこないだろうということも、香子は知っていた。
『香子、如何した?』
考えながら食べていたことは青龍に筒抜けであったらしい。香子は菜包(野菜まん)にかぶりついた。中の餡は青菜と卵を炒めたものである。なかなか食べ応えがあっておいしい。
『ごはんがおいしくて幸せだなぁと思いまして』
それも間違っていない。香子にとって食はとても重要である。
『そなたらしいな』
青龍が喉の奥でククッと笑った。三神の食べる量は少ないと香子は思う。その理由も香子は知っているが、あえて無視をした。
どちらにせよ帰ったら、香子は求めるつもりでいる。
随分図太くなったものだと香子は自分のことを思い、ふふっと笑ってしまった。
『機嫌がよさそうだ』
『機嫌がいいわけではないんですけど……やっと少し余裕がでてきたかなって……』
気持ちに、と香子は付け加えた。
朝食を終えて、お茶を飲む。ここでは緑茶が多いらしい。蘇州と杭州が近いので、そのせいだろうなと香子は思った。
『本日はどうなさいますか?』
青沙に聞かれて、香子は首を傾げた。
館の中を歩くのも楽しそうだと香子は考える。朱雀の館もそうだったが、とにかく四神が住んでいる館というのはスケールがでかいのだ。建物と建物を渡り廊下で繋ぐ形式なのは四神宮と変わらないが、その一棟一棟がとにかくでかく、庭も広いらしい。
『そうね。こちらの館の中を見せてもらいたいとは思うのだけど、他にオススメはあるかしら?』
青沙は少し黙った。考えているようである。眷属も表情が動かないので、こういうところは不安だと香子は思った。
比較的慣れている香子ですらこう思うのだから、眷属の伴侶となった者たちを四神の領地に向かわせるというのはどうなのだろうとも考えてしまう。
『もう少し時間があれば杭州へ西湖を見に行かれてもいいかとは思いますが、こちらでは特に見る物もないかと。でしたら館の中を案内させていただいてもよろしいでしょうか』
『ええ、お願いするわ』
四神の領地は、どちらかといえばあまり目玉がなく人が住まないような土地にあると香子は考えていた。おおまかな地図を見せてもらった感想がそれである。
けれど四神が治めることで、自然の厳しさなどが緩和され人が集まってくる土地となっているみたいだ。香子を迎えることで領地は繁栄し、唐の国全体が住みやすい土地になるという。四神には花嫁が必要なように、この国自体にも花嫁は必要不可欠らしい。
(花嫁がいなくたってやっていけたでしょうに……)
と香子は思うが、自分が必要とされていないと困る為口には出さない。
青沙と女性の眷属たちに先導してもらい、青龍に抱かれたまま館の中を巡った。
『わぁ……全てが広いですね』
通された庭園も見事だった。冬だというのにいろいろな花が咲き乱れている。これは眷属たちが多くいるからに他ならない。そこに眷属たちがいることで、気候が安定するのだ。
そこかしこに先代の花嫁と青龍の影を感じ、香子はため息をついた。
『……先代の花嫁を知っている人っているのかしら』
『存じております』
すぐ側にいた青藍が言う。
『それもそうだったわね』
そういえば青藍は青龍の教育係のようなことをしていたと香子は聞いたような気がした。
『青沙も知っています。ですので、もし青龍様に現時点で嫁ぐお気持ちがないのでしたら、へたなことは言わないようにお願いします』
『へたなこと……?』
香子は首を傾げた。
『さよう』
青藍は香子の失言が多いのがわかっている。
『夕玲とのこともありますので、我としましては花嫁様には青龍様にすぐにでも嫁いでいただきたいのですが』
しれっと青藍が言う。言うようになったなと香子は遠い目をした。
『ええ、発言には気をつけるようにするわ』
香子は苦笑して、青龍の胸に頭をもたせかけた。
とはいえ、”へたなこと”とはなんだろう。三神に聞いたところでわからないことは香子でもわかる。
(へたなこと、ねぇ……)
『花嫁様、青龍様の館は如何でしょう。気に入っていただけましたか?』
青沙と女性の眷属たちに聞かれて、『ええ』と答えそうになってから香子はハッとした。
『素敵なところね』
少しずらす答えをすると青沙の目が一瞬細められた。
四神の眷属は怖いと、香子は改めて思ったのだった。
香子はまだ全身が火照っているのを感じた。
抱かれるのに慣れた身体は、いくら気持ちよくされても身の内に受け入れないと収まらないようである。
(帰ったら抱いてもらお……)
香子はとうとう開き直った。
「あっ、あっ、あっ、あっ……」
香子の目から涙がぽろぽろとこぼれた。それでも青龍の領地で青龍に抱かれるわけにはいかないからと、香子はどうにか耐えた。
青龍が苦笑する。
『……そなに忍耐強くなくてもよいのだが……』
「ぁあっ……」
青龍だけでなく玄武と朱雀にも触れられて、香子は過ぎた快感の中で眠りについた。
翌朝、香子は普通に青龍の腕の中で朝食をいただいた。
いつもと違って空腹もそれほど覚えることなく平和な朝である。
(やっぱり抱かれてるから毎朝の飢えがひどいんだよね……)
たくさん触れられはしたが昨夜は抱かれていない為、常識の範囲での空腹にとどまったことが香子は嬉しかった。しかしそんな朝はもうこないだろうということも、香子は知っていた。
『香子、如何した?』
考えながら食べていたことは青龍に筒抜けであったらしい。香子は菜包(野菜まん)にかぶりついた。中の餡は青菜と卵を炒めたものである。なかなか食べ応えがあっておいしい。
『ごはんがおいしくて幸せだなぁと思いまして』
それも間違っていない。香子にとって食はとても重要である。
『そなたらしいな』
青龍が喉の奥でククッと笑った。三神の食べる量は少ないと香子は思う。その理由も香子は知っているが、あえて無視をした。
どちらにせよ帰ったら、香子は求めるつもりでいる。
随分図太くなったものだと香子は自分のことを思い、ふふっと笑ってしまった。
『機嫌がよさそうだ』
『機嫌がいいわけではないんですけど……やっと少し余裕がでてきたかなって……』
気持ちに、と香子は付け加えた。
朝食を終えて、お茶を飲む。ここでは緑茶が多いらしい。蘇州と杭州が近いので、そのせいだろうなと香子は思った。
『本日はどうなさいますか?』
青沙に聞かれて、香子は首を傾げた。
館の中を歩くのも楽しそうだと香子は考える。朱雀の館もそうだったが、とにかく四神が住んでいる館というのはスケールがでかいのだ。建物と建物を渡り廊下で繋ぐ形式なのは四神宮と変わらないが、その一棟一棟がとにかくでかく、庭も広いらしい。
『そうね。こちらの館の中を見せてもらいたいとは思うのだけど、他にオススメはあるかしら?』
青沙は少し黙った。考えているようである。眷属も表情が動かないので、こういうところは不安だと香子は思った。
比較的慣れている香子ですらこう思うのだから、眷属の伴侶となった者たちを四神の領地に向かわせるというのはどうなのだろうとも考えてしまう。
『もう少し時間があれば杭州へ西湖を見に行かれてもいいかとは思いますが、こちらでは特に見る物もないかと。でしたら館の中を案内させていただいてもよろしいでしょうか』
『ええ、お願いするわ』
四神の領地は、どちらかといえばあまり目玉がなく人が住まないような土地にあると香子は考えていた。おおまかな地図を見せてもらった感想がそれである。
けれど四神が治めることで、自然の厳しさなどが緩和され人が集まってくる土地となっているみたいだ。香子を迎えることで領地は繁栄し、唐の国全体が住みやすい土地になるという。四神には花嫁が必要なように、この国自体にも花嫁は必要不可欠らしい。
(花嫁がいなくたってやっていけたでしょうに……)
と香子は思うが、自分が必要とされていないと困る為口には出さない。
青沙と女性の眷属たちに先導してもらい、青龍に抱かれたまま館の中を巡った。
『わぁ……全てが広いですね』
通された庭園も見事だった。冬だというのにいろいろな花が咲き乱れている。これは眷属たちが多くいるからに他ならない。そこに眷属たちがいることで、気候が安定するのだ。
そこかしこに先代の花嫁と青龍の影を感じ、香子はため息をついた。
『……先代の花嫁を知っている人っているのかしら』
『存じております』
すぐ側にいた青藍が言う。
『それもそうだったわね』
そういえば青藍は青龍の教育係のようなことをしていたと香子は聞いたような気がした。
『青沙も知っています。ですので、もし青龍様に現時点で嫁ぐお気持ちがないのでしたら、へたなことは言わないようにお願いします』
『へたなこと……?』
香子は首を傾げた。
『さよう』
青藍は香子の失言が多いのがわかっている。
『夕玲とのこともありますので、我としましては花嫁様には青龍様にすぐにでも嫁いでいただきたいのですが』
しれっと青藍が言う。言うようになったなと香子は遠い目をした。
『ええ、発言には気をつけるようにするわ』
香子は苦笑して、青龍の胸に頭をもたせかけた。
とはいえ、”へたなこと”とはなんだろう。三神に聞いたところでわからないことは香子でもわかる。
(へたなこと、ねぇ……)
『花嫁様、青龍様の館は如何でしょう。気に入っていただけましたか?』
青沙と女性の眷属たちに聞かれて、『ええ』と答えそうになってから香子はハッとした。
『素敵なところね』
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四神の眷属は怖いと、香子は改めて思ったのだった。
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