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第4部 四神を愛しなさいと言われました
156.気にしすぎている自覚はあります
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香子が白虎の室で触れられている頃、玄武たちは四神宮へ移動していた。
玄武もまた白虎のように飛びたかったが、眷属はともかく女官や侍女たちも付き従っている為歩いて戻ることにした。
四神が人に対してこのような気遣いをするのは本当に珍しいが、玄武は無意識のうちに香子が喜びそうなことをしていた。
(今宵香子は白虎と過ごすのであったか)
それを玄武は残念に思う。
一時期の焦燥感はなりを潜め、今はただ香子が愛しいという気持ちだけが残っている。香子が他の三神を選んだとしたら、玄武はおそらくその領地へ日参してしまうのではないかと思う。それぐらいあの小さな存在が愛おしくてたまらないのだ。
白虎が飛んだ後、黒月と白雲は駆けていった。宮廷内は走ってはいけないことになっているが、そんなことを眷属たちが聞くはずはない。たまに趙文英から『苦情がありまして……』と眷属たちに伝えられることはあるが、『申し訳ありません』と白雲が頭を下げるだけである。(言うことは聞かない)
四神宮の主官とはいえ、趙は本当にお疲れ様である。
さて、香子は白虎に胸を愛でられて息も絶え絶えになっていた。
胸など揉まれても感じるものではないと香子は思っていたが、何故か四神に触れられるとたわわな胸自体も性感帯になってしまうらしい。香子は己の胸がたわわになってからこっそり自分の胸を揉んだりしてみたが、一つも感じなかった。だから四神の揉み方が問題なのだと思っている。
「あっ……あぁっ……!?」
乳首を吸われてしまえば更に性感が高まってしまう。香子は白虎の頭をかき抱いた。
そうして、香子が解放されたのは夕飯前だった。それもおそらく白雲から声をかけられなかったらそのままだっただろう。
香子は危なかったと思った。
色気のない話だが、香子にとってとにかく食は重要である。
もう人ではない香子はいくら食べても太らない。だから尚更食に依存しているのかもしれないと香子は思う。
一旦部屋に戻してもらい、侍女たちに全て整えてもらう。その気だるげな様子に侍女たちはほんのりと頬を染めた。四神に触れられたことで醸し出される色気は、男女関係なく作用するのである。
侍女たちは香子の色香に負けそうになる己を内心叱咤した。
もしそういう意味で香子に触れたら八つ裂きにされてしまうことは間違いない。それを正しく理解しつつ、香子の世話をする。これでも一時期よりはましなのだと侍女たちは己に言い聞かせた。
香子は夕飯の席に、待っていた白虎に抱かれて移動した。
食堂までの間、行儀悪く足をぶらぶらと動かす。
『香子、如何した?』
そんな香子の様子に白虎が声をかける。
『最近本当に歩いてないなって。そもそも立つ回数も少なくなってますね』
『……もうそなたは我らに嫁いだであろう。地に足を付けることはまかりならぬ』
『やっぱりその認識で合ってます?』
困ったなぁと香子は思う。さすがに衣裳を着せてもらう時は立つが、一日で香子が歩く歩数が本当に少ないのだ。四神の領地を見に行った時は着替えで立ち上がることも許されなかった。それは香子がその地で足を付くと、そのままそその領地に留め置かれてしまうと聞いたから香子も我慢したのである。
『少しは歩かないと身体というより心に悪いんですよね』
『そういうものか?』
『そういうものなんですよ』
『ならば我の室で歩く分にはよいぞ。少しだけだがな』
『……ですよね』
白虎の譲歩に香子は笑った。四神は本当に我慢しているということが香子にもわかってはいる。
(でもねー、私にもキャパシティってものがあるのよね)
これはおそらく一生伝え続けないといけないことのように、香子には思えた。
その日の夕飯もとてもおいしかった。
筍を炒めた料理が出てきて、香子は喜んで沢山食べた。肉団子もおいしかったし、毎日用意される春巻の具材も多彩だ。香子としては春巻は毎日同じでもかまわないのだが、それは厨師のプライドが許さないのだろう。
春巻の中身はスタンダードに肉の細切り、筍、ピーマンの細切りが入っていた。
『何食べてもおいしい……』
四神宮の厨師たちのおかげで香子はやっていけていると言っていい。とにかく食は重要だった。
そんな香子を四神も微笑ましく見守っている。なんとも色気のない姿ではあるが、四神は香子が幸せそうにしているのが一番なのだ。
もちろん毎日香子を抱きたいと思ってはいるが。
食休みを経て、茶室へ移動する。香子がお茶を淹れてまったりする時間だ。
『香子は皇帝が嫌いなのだな』
白虎が思い出したようにククッと笑った。
『ええ、嫌いです』
香子もきっぱりと答える。
『理由はわかるが、そなたは態度を隠さないのが面白い』
『隠す必要はないですよね? 皇帝は私を罰することはできないでしょう?』
それゆえの不遜である。虎の威を借るなんとやらだが、香子はそれを悪いとは全く思っていない。
四神は治外法権である。別にそれを利用して皇帝に物理攻撃をしているわけではないのだからいいだろうと香子は思う。ただ香子の態度が悪いだけだ。
『私はともかく、老仏爺がいなくなってからが問題ですよね。月一とかで皇后に会いに来ることってできます?』
『……そなたは本当に面白いな』
そう言って四神が笑う。香子は何故四神が笑っているのか理解できなかった。
そうして答えを得られないまま、香子は白虎に抱かれて連れて行かれてしまったのだった。
玄武もまた白虎のように飛びたかったが、眷属はともかく女官や侍女たちも付き従っている為歩いて戻ることにした。
四神が人に対してこのような気遣いをするのは本当に珍しいが、玄武は無意識のうちに香子が喜びそうなことをしていた。
(今宵香子は白虎と過ごすのであったか)
それを玄武は残念に思う。
一時期の焦燥感はなりを潜め、今はただ香子が愛しいという気持ちだけが残っている。香子が他の三神を選んだとしたら、玄武はおそらくその領地へ日参してしまうのではないかと思う。それぐらいあの小さな存在が愛おしくてたまらないのだ。
白虎が飛んだ後、黒月と白雲は駆けていった。宮廷内は走ってはいけないことになっているが、そんなことを眷属たちが聞くはずはない。たまに趙文英から『苦情がありまして……』と眷属たちに伝えられることはあるが、『申し訳ありません』と白雲が頭を下げるだけである。(言うことは聞かない)
四神宮の主官とはいえ、趙は本当にお疲れ様である。
さて、香子は白虎に胸を愛でられて息も絶え絶えになっていた。
胸など揉まれても感じるものではないと香子は思っていたが、何故か四神に触れられるとたわわな胸自体も性感帯になってしまうらしい。香子は己の胸がたわわになってからこっそり自分の胸を揉んだりしてみたが、一つも感じなかった。だから四神の揉み方が問題なのだと思っている。
「あっ……あぁっ……!?」
乳首を吸われてしまえば更に性感が高まってしまう。香子は白虎の頭をかき抱いた。
そうして、香子が解放されたのは夕飯前だった。それもおそらく白雲から声をかけられなかったらそのままだっただろう。
香子は危なかったと思った。
色気のない話だが、香子にとってとにかく食は重要である。
もう人ではない香子はいくら食べても太らない。だから尚更食に依存しているのかもしれないと香子は思う。
一旦部屋に戻してもらい、侍女たちに全て整えてもらう。その気だるげな様子に侍女たちはほんのりと頬を染めた。四神に触れられたことで醸し出される色気は、男女関係なく作用するのである。
侍女たちは香子の色香に負けそうになる己を内心叱咤した。
もしそういう意味で香子に触れたら八つ裂きにされてしまうことは間違いない。それを正しく理解しつつ、香子の世話をする。これでも一時期よりはましなのだと侍女たちは己に言い聞かせた。
香子は夕飯の席に、待っていた白虎に抱かれて移動した。
食堂までの間、行儀悪く足をぶらぶらと動かす。
『香子、如何した?』
そんな香子の様子に白虎が声をかける。
『最近本当に歩いてないなって。そもそも立つ回数も少なくなってますね』
『……もうそなたは我らに嫁いだであろう。地に足を付けることはまかりならぬ』
『やっぱりその認識で合ってます?』
困ったなぁと香子は思う。さすがに衣裳を着せてもらう時は立つが、一日で香子が歩く歩数が本当に少ないのだ。四神の領地を見に行った時は着替えで立ち上がることも許されなかった。それは香子がその地で足を付くと、そのままそその領地に留め置かれてしまうと聞いたから香子も我慢したのである。
『少しは歩かないと身体というより心に悪いんですよね』
『そういうものか?』
『そういうものなんですよ』
『ならば我の室で歩く分にはよいぞ。少しだけだがな』
『……ですよね』
白虎の譲歩に香子は笑った。四神は本当に我慢しているということが香子にもわかってはいる。
(でもねー、私にもキャパシティってものがあるのよね)
これはおそらく一生伝え続けないといけないことのように、香子には思えた。
その日の夕飯もとてもおいしかった。
筍を炒めた料理が出てきて、香子は喜んで沢山食べた。肉団子もおいしかったし、毎日用意される春巻の具材も多彩だ。香子としては春巻は毎日同じでもかまわないのだが、それは厨師のプライドが許さないのだろう。
春巻の中身はスタンダードに肉の細切り、筍、ピーマンの細切りが入っていた。
『何食べてもおいしい……』
四神宮の厨師たちのおかげで香子はやっていけていると言っていい。とにかく食は重要だった。
そんな香子を四神も微笑ましく見守っている。なんとも色気のない姿ではあるが、四神は香子が幸せそうにしているのが一番なのだ。
もちろん毎日香子を抱きたいと思ってはいるが。
食休みを経て、茶室へ移動する。香子がお茶を淹れてまったりする時間だ。
『香子は皇帝が嫌いなのだな』
白虎が思い出したようにククッと笑った。
『ええ、嫌いです』
香子もきっぱりと答える。
『理由はわかるが、そなたは態度を隠さないのが面白い』
『隠す必要はないですよね? 皇帝は私を罰することはできないでしょう?』
それゆえの不遜である。虎の威を借るなんとやらだが、香子はそれを悪いとは全く思っていない。
四神は治外法権である。別にそれを利用して皇帝に物理攻撃をしているわけではないのだからいいだろうと香子は思う。ただ香子の態度が悪いだけだ。
『私はともかく、老仏爺がいなくなってからが問題ですよね。月一とかで皇后に会いに来ることってできます?』
『……そなたは本当に面白いな』
そう言って四神が笑う。香子は何故四神が笑っているのか理解できなかった。
そうして答えを得られないまま、香子は白虎に抱かれて連れて行かれてしまったのだった。
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