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本編

1.詳しく話せばこんなかんじ

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 その金持ちの青年は病的に細かった。自信がなさそうで、おどおどしていた。
 目の前で物を落としてやったら、案の定おどおどしながら拾って俺に渡した。あとは簡単だった。
 ありがとうって微笑みかけてやればすぐに落ちた。俺、愛想だけは誰にも負けないんだよな。
 強引に仲良くなって、惚れさせて、遠くに住んでる親が病弱で金がいるんだって言ってやればほいほい金を出した。
 その金持って別の国に逃げ出そうとしたらとっとと捕まったんだけど。
 あー、最後の最後で下手やったってかんじ。
 ただの金持ちかと思ってたら爵位持ちだったらしくて、館の牢屋に放り込まれて延々殴られて護衛たちに犯されまくった。尻使ったの初めてだったよ、とほほ。痛くて泣きそうだったけど治癒魔法が使える魔法使いに傷も何もかも治されて、翌日からも延々同じことの繰り返しだった。
 奴は思ったより俺に執着してたみたいで、犯罪奴隷用の首輪(束縛の首輪とかいうらしい)を持ってきて牢屋に放り込まれた日に結婚を迫ってきた。
 悪いけど全然好みじゃなかったから断った。
 んで、殴られてヤられてる時に意識が朦朧としてたかなんだかで、29歳童貞ってことを言ってしまったらしい。しかも30歳の誕生日まであと一か月切ってる。すっげえやヴぇえ。このままコイツらに犯されてる間に”天使”になんかなっちまったらそのまま死んじまうじゃん?
 多分その危機感で口にしちまったのかもしれないな。後悔先に立たずとはこのことだ。
 それを知った奴は俺を国に売ることにしたらしい。国は森に棲んでいる魔物が人里に出てこないようにと、いろんな森へ定期的に生贄を送っているそうだ。
 その生贄ってのが”天使”らしいと聞いて終ったと思った。
 え? ”天使”って何かって?
”天使”っつーのは、30歳まで童貞でいると誰でもなるものらしい。よくわかんねーけど尻穴にイチモツ突っ込まれて身体の奥で精液を受け入れないと死んじまうそうだ。魔法も使えなくなるし、身体も極端に弱くなって、怪我とかすると簡単に死んじまうらしい。つまり、そうなったら死んじまうと思った方がいいわけで。
 ヤられるのはもう今更だけど死んじまうのはやだなーと思ったんだが、それが判明したその日には王城の牢屋へ運ばれちまったからもうどうしようもなかった。
 で、拷問官に尋問された。尻穴延々犯されながら。

「本当にあと一か月しないうちに30を迎えるんだな?」
「あ、ああ……」

 傷はつけられなかったけど、尻穴をずっと拡張されてキツかった。俺自身には拘束具がつけられ、絶対に使えないようにされた。

「結婚詐欺とか、あの猜疑心満載の男爵に仕掛けるなんてばっかだな~。おかげで魔物の森に送られるなんてな。ご愁傷様だぜ」

 兵士の性欲処理をさせられながら絶望的なことばかり教えられた。お貴族様の中で、奴が猜疑心の塊だったことは有名だったようだ。ホント、しまっただよなー……。

「化物のアレっつーのは俺らのなんかより巨大らしいぜ? ヤられただけで死んじまうんじゃねーの?」

 ははっと笑いながら俺を犯した兵士のイチモツもでかかった。おかげで傷ついてしまい、治癒されなかったらショック死しそうだった。王城の牢屋で性欲処理を延々させられているうちに、俺はとうとう”天使”になってしまった。
”天使”になったとわかったのは、苦痛でしょうがなかったイチモツで感じてしまったからだった。精液を奥に注がれて、俺は感じまくり、精を舐められて確認された。

「おめでとう。君は”天使”になりました」

 王城付の医官ににっこり笑まれてそう言われ、絶望しかなかった。
 そして俺は転移魔法で魔物が棲むという森の近くに送られ、そこからは馬車で森へ運ばれることになった。
 御者は聖職者が務めた。

「貴方は犯罪者ですので、私は貴方を送り届けたら帰ります。一年生き延びていただければ私も鬼の村へ赴任できますが……こればかりは運でしょうね」
「……生き延びることなんてできるんですかー?」
「わかりません。こちらの村へ犯罪を犯した天使を送るのは初めてなので」

 ああそう……。
 魔物が生息する森というのはいくつもあるらしく、この森へ”天使”を送るのは俺が初めてなのだそうだ。嫌な第一号だなぁと思った。

「逃げても死ぬだけですから、せいぜい鬼に媚を売って生き抜いてください。結婚詐欺師なんてしてたんですから、そこらへんは得意でしょう?」
「そもそも言葉通じるんですか?」
「通じますよ。聞いてくれるかどうかは知りませんけど」

 へー。
 運ばれた先では青っぽい肌をした、額に角のあるがたいのでかい奴らが待っていて、気絶しそうになった。

「それが”天使”か」
「はい。我が国で犯罪をおかした”天使”ですので好きなように扱っていただいてけっこうです。治癒魔法を使える方がいなければ派遣いたします」

 治癒魔法を使わなきゃいけないとか、俺本気でどうなっちゃうわけ?

「必要ない」

 うわーん! とっとと八つ裂きにされちゃうんだー。死ぬにしてもできるだけ痛くないといいなー……。

「”天使”の生態について理解はされていますか?」
「わかっている。せっかくの貴重な”天使”だ」
「では私は帰らせていただきますので、よろしくお願いします」
「まぁ待て。これが”天使”だという証拠を見てから帰るがいい」
「……わかりました」

 証拠って何だ?


「あっ、あっ、あーっ、あーっ、あーっ!?」

 そんなの入んないっ! って泣いたけどねじ込まれた規格外のイチモツで俺はイカされまくった。
 ぴゅぴゅっと漏れた精を別の魔物―鬼がごくりと飲む。

「蜜だな」
「ひぃいっ、あぁあっ、でっかいっ、よおおっ!」
「これはとんでもねえおまんこだっ! てめえらっ、性欲処理用の大事な”天使”さまだ! 毎日ヤッてヤッてヤリまくるぞっ!」
「やったー!」
「ヤりてええええ!」
「おっぱい出せー!」
「あーっ、あーっ、あーっ!?」

 すんごくでっかいので奥までごりゅんごりゅんされてるのに、なんでこんなに気持ちいいんだよぉおっ?
 涙と涎で顔をべちょべちょに汚しながら、村に着いたその日のうちに、俺はたっぷり犯されてしまったのだった。
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