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9.ほしいのは夫じゃなくて嫁なんだって
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「ちゃんとカイエの入口が開くまで慣らすからねっ!」
「そこは入口じゃないっ! 俺のは出口だっ! ぁあんっ!?」
指を入れるなぁっ! しかも尻穴をなぞるな、くちゅくちゅするなぁっ。
「えー、でもここおいしそうに僕の指咥えてるよ。しかもひくひくしてるし」
「言うなってばっ!」
実際尻穴がひくひくしているのはわかっている。リックの指は俺のイイトコロを探すように中を擦っていく。
「ぁああっ、やっ、そこっ……!」
「ここが前立腺だよね? ここを僕のちんちんでいっぱい擦ってあげればいいんだよね?」
「あんっ、やぁっ、そこっ、だめだめっ……ああああんっ!」
そこばかりくちゅくちゅさすさすされて俺自身がまたぴょこんと勃ってしまった。
「ちんちんもしたいっ!」
「だめぇっ……イッちゃうう~~~っっ!」
ぱくり、と勃ち上がった俺自身も咥えられてしまい、俺はまたすぐにイッてしまった。中もちんちんも同時はだめだってばっ。
「あんっ、あっ、放しっ、ああんっ……!」
ごくごくともう薄くなっているだろう精液を飲まれ、更に萎えた俺自身をちゅくちゅくとしゃぶられてしまった。リックの頭をどうにか引き剥そうとがんばるも、感じすぎてうまく力が入らない。両方は絶対だめだって思う。満足そうに顔を上げたリックを睨んだら、
「カイエかわいい……すっごくかわいいっ! 僕のお嫁さんになってよ~」
きらきらした目でそんなことを言う。
「……やだ……」
「そんなこと言わないで~」
「あっ、やっ、もうっ、やだぁっ……!」
身体から陥落させようったってそうはいかないんだからなっ! って、尻穴の中だめだってっ。そここすこすされたらイッちゃうからぁっ。
……確かに体力回復の魔法はかけてもらった。だから俺は元気だ。うん、身体は元気だ。うんうん……。
「おー、今日も昨日に増して目が死んでんなー」
「……ナツ」
「リック、ずっとお前のこと好きだったんだろ? 応えてやれば?」
「俺は嫁がほしいんだ……」
「へー。あ、そういうことかー」
ぽん、と手を叩くな。
「嫁か夫かって重要だよな。俺も抱かれたいとは絶対思わないし」
「だろっ!?」
「だったらお前がリックをあんあん言わせちまえばいーんじゃねーの? それこそ実力が物をいうだろ?」
「……う……」
そんなことができたら苦労はいらない。なにせリックを押し倒そうにも押し倒し返されそうなのだ。そしてよしんば培ったこの黄金の右手でリックを感じさせることができたとしても、俺は早漏なんである。俺自身を入れた途端にイッてしまう超早漏なのである。
……わかっている。俺が嫁をもらえる可能性なんか万に一つもないと。だからって俺が嫁になるのは論外だ!
「……アイツ、見かけによらず力強くてな……」
そう返すことしかできなかった。
「そういえばリックって巨人族との混血だっけ? 魔法が得意なんだよな」
「ああ」
「じゃあ身体強化魔法とか使ってんのかな。ちょっと聞いてくるわ」
ナツはリックに興味を持ったようだった。なんだかちょっとだけ胸がもやもやするのを感じた。
午後の訓練時、ローブ姿の誰かがやってきた。フードをすっぽり被った人物が魔法師団の者だということはすぐにわかった。動きは洗練されていてひらひらとローブが動くのに、その人の鼻と口元だけしか見えないのが不思議だった。
「リック呼んでもらえる?」
その人に声をかけられてびくっとした。気配が希薄なのが不思議だった。
「リック、なんか魔法師団の人が呼んでるぞ」
と声をかけたらすぐに顔が不機嫌そうに歪んだ。こんな顔を見るのは初めてかもしれない。ちょっとだけ驚いた。
「……なんですか?」
不機嫌さを隠しもしないで相対するリックにはらはらした。相手は楽しそうに喉の奥でくくっと笑った。
「つれないな~。絶対君は魔法師団の方が合うと思うのに。騎士団やめてやっぱりこっちにこない?」
ヘッドハンティングだったらしい。
「行きません」
「好きな人が騎士団にいるんだっけ? 別に職場が一緒じゃなくたっていいでしょ?」
「行きませんから」
「え~、そんなこと言わないでよ。給金もそっちよりはずむからさ~」
「嫌です」
リックの返事はにべもなかった。
「じゃあまた来るからね~」
「もうこないでください」
きっぱりと断るリックの横顔が凛々しいなって思った。二年前に兵士から騎士になって、たまにリックと食事したりしていたがリックはいつも笑顔でこんな顔は見たことがなかった。
「気が変わったら言ってよ。想い人の身体を慣らすような道具もいっぱいあるよ~」
魔法師団の人はそんな不穏なことを言い残し、ひらひらと手を振って帰っていった。道具、のところでリックの眉がピクリと上がったのは気のせいだと思いたい。
「……なぁ、リック。あの方って……」
「魔法師団長だよ。兵士の時、身体強化魔法の訓練をしてたら目をつけられちゃってさ。それからずっと魔法師団に入らないかって言われてるんだー」
「……なんで魔法師団に入らないんだ?」
それだけ魔法がうまく使えるのに、と思ったけど、リックは情けない顔をした。
「……カイエと一緒にいたかったからだよ」
それだけ言って踵を返す。去っていく後ろ姿が心なしか寂しそうに見えた。
「そこは入口じゃないっ! 俺のは出口だっ! ぁあんっ!?」
指を入れるなぁっ! しかも尻穴をなぞるな、くちゅくちゅするなぁっ。
「えー、でもここおいしそうに僕の指咥えてるよ。しかもひくひくしてるし」
「言うなってばっ!」
実際尻穴がひくひくしているのはわかっている。リックの指は俺のイイトコロを探すように中を擦っていく。
「ぁああっ、やっ、そこっ……!」
「ここが前立腺だよね? ここを僕のちんちんでいっぱい擦ってあげればいいんだよね?」
「あんっ、やぁっ、そこっ、だめだめっ……ああああんっ!」
そこばかりくちゅくちゅさすさすされて俺自身がまたぴょこんと勃ってしまった。
「ちんちんもしたいっ!」
「だめぇっ……イッちゃうう~~~っっ!」
ぱくり、と勃ち上がった俺自身も咥えられてしまい、俺はまたすぐにイッてしまった。中もちんちんも同時はだめだってばっ。
「あんっ、あっ、放しっ、ああんっ……!」
ごくごくともう薄くなっているだろう精液を飲まれ、更に萎えた俺自身をちゅくちゅくとしゃぶられてしまった。リックの頭をどうにか引き剥そうとがんばるも、感じすぎてうまく力が入らない。両方は絶対だめだって思う。満足そうに顔を上げたリックを睨んだら、
「カイエかわいい……すっごくかわいいっ! 僕のお嫁さんになってよ~」
きらきらした目でそんなことを言う。
「……やだ……」
「そんなこと言わないで~」
「あっ、やっ、もうっ、やだぁっ……!」
身体から陥落させようったってそうはいかないんだからなっ! って、尻穴の中だめだってっ。そここすこすされたらイッちゃうからぁっ。
……確かに体力回復の魔法はかけてもらった。だから俺は元気だ。うん、身体は元気だ。うんうん……。
「おー、今日も昨日に増して目が死んでんなー」
「……ナツ」
「リック、ずっとお前のこと好きだったんだろ? 応えてやれば?」
「俺は嫁がほしいんだ……」
「へー。あ、そういうことかー」
ぽん、と手を叩くな。
「嫁か夫かって重要だよな。俺も抱かれたいとは絶対思わないし」
「だろっ!?」
「だったらお前がリックをあんあん言わせちまえばいーんじゃねーの? それこそ実力が物をいうだろ?」
「……う……」
そんなことができたら苦労はいらない。なにせリックを押し倒そうにも押し倒し返されそうなのだ。そしてよしんば培ったこの黄金の右手でリックを感じさせることができたとしても、俺は早漏なんである。俺自身を入れた途端にイッてしまう超早漏なのである。
……わかっている。俺が嫁をもらえる可能性なんか万に一つもないと。だからって俺が嫁になるのは論外だ!
「……アイツ、見かけによらず力強くてな……」
そう返すことしかできなかった。
「そういえばリックって巨人族との混血だっけ? 魔法が得意なんだよな」
「ああ」
「じゃあ身体強化魔法とか使ってんのかな。ちょっと聞いてくるわ」
ナツはリックに興味を持ったようだった。なんだかちょっとだけ胸がもやもやするのを感じた。
午後の訓練時、ローブ姿の誰かがやってきた。フードをすっぽり被った人物が魔法師団の者だということはすぐにわかった。動きは洗練されていてひらひらとローブが動くのに、その人の鼻と口元だけしか見えないのが不思議だった。
「リック呼んでもらえる?」
その人に声をかけられてびくっとした。気配が希薄なのが不思議だった。
「リック、なんか魔法師団の人が呼んでるぞ」
と声をかけたらすぐに顔が不機嫌そうに歪んだ。こんな顔を見るのは初めてかもしれない。ちょっとだけ驚いた。
「……なんですか?」
不機嫌さを隠しもしないで相対するリックにはらはらした。相手は楽しそうに喉の奥でくくっと笑った。
「つれないな~。絶対君は魔法師団の方が合うと思うのに。騎士団やめてやっぱりこっちにこない?」
ヘッドハンティングだったらしい。
「行きません」
「好きな人が騎士団にいるんだっけ? 別に職場が一緒じゃなくたっていいでしょ?」
「行きませんから」
「え~、そんなこと言わないでよ。給金もそっちよりはずむからさ~」
「嫌です」
リックの返事はにべもなかった。
「じゃあまた来るからね~」
「もうこないでください」
きっぱりと断るリックの横顔が凛々しいなって思った。二年前に兵士から騎士になって、たまにリックと食事したりしていたがリックはいつも笑顔でこんな顔は見たことがなかった。
「気が変わったら言ってよ。想い人の身体を慣らすような道具もいっぱいあるよ~」
魔法師団の人はそんな不穏なことを言い残し、ひらひらと手を振って帰っていった。道具、のところでリックの眉がピクリと上がったのは気のせいだと思いたい。
「……なぁ、リック。あの方って……」
「魔法師団長だよ。兵士の時、身体強化魔法の訓練をしてたら目をつけられちゃってさ。それからずっと魔法師団に入らないかって言われてるんだー」
「……なんで魔法師団に入らないんだ?」
それだけ魔法がうまく使えるのに、と思ったけど、リックは情けない顔をした。
「……カイエと一緒にいたかったからだよ」
それだけ言って踵を返す。去っていく後ろ姿が心なしか寂しそうに見えた。
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