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番外編 シーズベルトの休暇 2
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さて。ゲームの制限時間は正味二時間ほど。
体力ではオレが圧倒的不利だし、ダメもとで試すか。
アーテルがリディアを溺愛しているほどじゃないけど、この人もオレのこと好きだから、ワンチャンあるかも。
オレは気持ち悪くて仕方なかったけど、目を潤ませて、シーズベルト様に視線を合わせた。
オレは今リディアオレは今リディアと暗示をかける。今アルバートであることは忘れないとやってられない。
「シーズベルト様……。手、痛いです。放してください……」
「……悪い」
シーズベルト様ははっと焦った顔をして、あっさり手を放してくれた。
オレは内心舌を出す。
やっぱこの人アーテルと中身一緒なだけあるな。ちょろ。
はーい。五分で終了ー。
上半身を起こしたところを、さっとシーズベルト様と向かい合わせに抱きとめられる。いわゆる対面座位の体制だ。
んん?
「手、放したでしょ? オレの勝ちで終わりでしょ?」
「オレから逃げられたらと言ったはずだ。手を放したらなんて言っていない」
「はぁ? んなの、ずるい……んっ……」
シーズベルト様がオレの顔を両手で挟んで、噛みつくみたいなキスをする。逃げるオレの舌を、どこまでも追いかけてくる。激しさに口の端から、とろりと唾液が伝う。
「や……んん……! シーズベルト様、やめ……!」
何とか唇から逃れたと思ったら、再び重なる唇。
この人とのキスは好きだ。幸福な気持ちになる。
同時に、シーズベルト様のキスは激しいから、オレの隠していた欲が引っ張り出される。
やっと唇を放したシーズベルト様が、にやりと笑う。
「もう勃ったのか? 可愛いな」
「うる……っさい」
頬が熱くなって、自分でも真っ赤になっているのが分かる。
キスくらいで固くするなんて、童貞みたいで恥ずかしい。この人と幾度も体を重ねたというのに、この人から与えられる刺激に、オレはまだ慣れない。
「恥ずかしがらなくてもいい。君が感じてくれると、オレは嬉しい」
ん、待って。
オレの息子に、固いものがあたっている。
「シーズベルト様も勃ってるじゃないですか」
「感じる君は、最高の媚薬だからな。仕方ない」
平然としているシーズベルト様。
おかしいな。ほとんど変わらないタイミングで勃起しているのに。オレは恥ずかしいのに、シーズベルト様はしれーっとしている。
なんだろう、精神力の差か? 面の皮が厚いから?
あ、羞恥心が死んでいるのか。
オレで感じてくれるの、普通に嬉しいけど。
「や、んっ……」
シーズベルト様が腰を押しあててきて、勃起したもの同士がこすれる。
「シーズベルト様、それやめ……」
これオレ的には、突っ込まれてるのより恥ずかしい。多分、オレでこんなに感じてるんだっていうのと、自分もこんなに感じさせられてるっていうのをまざまざと思い知らされるから。
……あと、硬度と大きさの差を見せつけられて、男のプライドズタズタ。
「やめてほしい? でも君は好きだろう? ここ」
シーズベルト様はオレの首筋に舌をはわせながら、秘密の入り口をくるくると指先でこすられる。
「ん……っ」
入れてほしい。
中に入れて、一番気持ちいいところをこすって欲しい。
オレはもう、その快楽を知っているから。
「シーズベルト様ぁ……」
もどかしさのあまり知らず知らずのうちに腰を動かしてしまって、シーズベルト様はくっと喉の奥で笑った。
「触って。直接。君のとオレの、両方」
促されたオレは、操られているみたいに従った。
シーズベルト様のベルトをかちゃかちゃとはずす。くつろげたそこから、シーズベルト様の高ぶりが飛び出して、その勢いと大きさにおののく。同じように、オレのものを取り出して、お互いをくっつけて上下にしごきあげる。
「あ……」
先走りの蜜が溢れてきて、オレたちを濡らす。それが潤滑剤となって、くちゅくちゅと音をたてる。
「っふ……。……アルバート、もっと、強くして。……そう」
シーズベルト様が感じてくれてる。普段この人が行為中に、声を漏らすことなどほとんどないから嬉しい。
伏せた目と、漏れる吐息。かすれた声が超絶エロすぎる。
「あっ……。え」
オレのものから、勢いよく白い飛沫が上がった。
予想外すぎて、思わず声が出た。え、今、シーズベルト様からほぼ愛撫されてなくて、オレがやってんのも速さのない前半戦の触り方なんだけど?
早漏すぎてはずかしい……。てか、シーズベルト様の顔と声でイくって……。
「……早いな」
「だって、シーズベルト様の表情がエロすぎて……! ……あといつもあんまり声出してくれないから、さっきみたく出してくれたら、嬉しいです」
「……出せと言われて出せるものではないんだが……。善処する」
シーズベルト様はオレの胸のとがりを、舌先で転がした。
「んっ……あぁ……」
舌先で転がされては、吸い付かれて、甘噛みされて。この人に触れられているときだけ、オレの胸のとがりは意味を成す。
「ここ、大きくなったな」
シーズベルト様が胸の尖りをちゅう、と吸い上げながら言うので、
「あんた……が、いじるからでしょう……!」
女の子の胸をもむと大きくなるという都市伝説があるが、男の乳首もいじると育つなんて知らなかった。……知りたくなかった。
シーズベルト様の指が、つぷとオレの窄まりに侵入する。日頃愛されているそこは、すんなりとシーズベルト様の指を受け入れた。むしろやっと待ち望んだものを入れられて、喜んでいる。
抜き差しを繰り返した指が、慣れた動きで、オレの快感をこじ開けていく。
腹側の一番敏感な部分を激しくこすられて、
「あ……やぁぁ、んっ……」
「アルバート、手が止まっている」
「あ、ん……。ごめんなさっ……。だってぇ……。そこ……だめぇ……っ」
「だってじゃない」
「シーズベルト様、オレもう……」
また達しそうになったところで、シーズベルト様は指を抜いてしまう。
「や……ひどい……。なんでぇ……?」
寸止めでやめられると、もう頭が真っ白になって、イクことしか考えられなくなる。
オレはシーズベルト様の首に両手を回して、幾度も軽いキスを繰り返してねだった。
「おねが……、シーズベルト様ぁ……。もう、オレ……」
「だめと君が言うから。やめて欲しかったんだろ?」
~~!
言ったけど。さっきのだめは、恥ずかしいからなの!
「オレもこのまま続けたかったんだがな? 残念だ。だがおれは君の嫌がることはしたくない」
シーズベルト様が、こすこすと乳輪の周りを指でなぞる。この人に触られたら欲望が昂るのに、絶妙にオレの性感帯をスルーした触り方でもどかしい。
この人は分かっててやっているからタチが悪い。そんで、オレにねだらせたいことも分かっている。あんまり口にするのは恥ずかしいのだけれど、このままは辛い。
「本当は、好きだから……。シーズベルト様、入れて……」
「何を?」
意地悪くシーズベルト様は口の端を上げて笑った。
もうー! こういうとこ本当おっさんくさい! 男にねだらせて何が楽しいのかまったくわからん!
「……シーズベルト様の熱いの……いれてください……」
あーくそ! 多分この人もっと直接的に言わせたかったんだろうけど、これ以上は無理! せめてもうちょっと意識飛んでないと無理!
「まあいいだろう」
案の定シーズベルト様は多少不服そうにしながらも、オレの懇願を受け入れた。
入り口に熱い楔が触れて、ぐっと侵入してくる。
「んっ……」
慣れた圧迫感が気持ちいい。
シーズベルト様が慣れた様子で腰を進め、オレの弱いところをこすり上げる。
強制的に高められる官能。
オレはたまらなくなってシーズベルト様の首にしがみついた。
「あ……っ。シーズベルト様ぁ、気持ちいいっ……」
「ああ、気持ちいいな。アルバート」
シーズベルト様が肩で大きく息をしながら、優しく話しかけてくれる。
……なんか、オレとシーズベルト様、勝負をしていた気がするんだよな……。
ふと何か思い出しかけたけれど、全部欲望の中に溶けてしまう。どうでもよくなったので、オレは思考を放棄した。
体力ではオレが圧倒的不利だし、ダメもとで試すか。
アーテルがリディアを溺愛しているほどじゃないけど、この人もオレのこと好きだから、ワンチャンあるかも。
オレは気持ち悪くて仕方なかったけど、目を潤ませて、シーズベルト様に視線を合わせた。
オレは今リディアオレは今リディアと暗示をかける。今アルバートであることは忘れないとやってられない。
「シーズベルト様……。手、痛いです。放してください……」
「……悪い」
シーズベルト様ははっと焦った顔をして、あっさり手を放してくれた。
オレは内心舌を出す。
やっぱこの人アーテルと中身一緒なだけあるな。ちょろ。
はーい。五分で終了ー。
上半身を起こしたところを、さっとシーズベルト様と向かい合わせに抱きとめられる。いわゆる対面座位の体制だ。
んん?
「手、放したでしょ? オレの勝ちで終わりでしょ?」
「オレから逃げられたらと言ったはずだ。手を放したらなんて言っていない」
「はぁ? んなの、ずるい……んっ……」
シーズベルト様がオレの顔を両手で挟んで、噛みつくみたいなキスをする。逃げるオレの舌を、どこまでも追いかけてくる。激しさに口の端から、とろりと唾液が伝う。
「や……んん……! シーズベルト様、やめ……!」
何とか唇から逃れたと思ったら、再び重なる唇。
この人とのキスは好きだ。幸福な気持ちになる。
同時に、シーズベルト様のキスは激しいから、オレの隠していた欲が引っ張り出される。
やっと唇を放したシーズベルト様が、にやりと笑う。
「もう勃ったのか? 可愛いな」
「うる……っさい」
頬が熱くなって、自分でも真っ赤になっているのが分かる。
キスくらいで固くするなんて、童貞みたいで恥ずかしい。この人と幾度も体を重ねたというのに、この人から与えられる刺激に、オレはまだ慣れない。
「恥ずかしがらなくてもいい。君が感じてくれると、オレは嬉しい」
ん、待って。
オレの息子に、固いものがあたっている。
「シーズベルト様も勃ってるじゃないですか」
「感じる君は、最高の媚薬だからな。仕方ない」
平然としているシーズベルト様。
おかしいな。ほとんど変わらないタイミングで勃起しているのに。オレは恥ずかしいのに、シーズベルト様はしれーっとしている。
なんだろう、精神力の差か? 面の皮が厚いから?
あ、羞恥心が死んでいるのか。
オレで感じてくれるの、普通に嬉しいけど。
「や、んっ……」
シーズベルト様が腰を押しあててきて、勃起したもの同士がこすれる。
「シーズベルト様、それやめ……」
これオレ的には、突っ込まれてるのより恥ずかしい。多分、オレでこんなに感じてるんだっていうのと、自分もこんなに感じさせられてるっていうのをまざまざと思い知らされるから。
……あと、硬度と大きさの差を見せつけられて、男のプライドズタズタ。
「やめてほしい? でも君は好きだろう? ここ」
シーズベルト様はオレの首筋に舌をはわせながら、秘密の入り口をくるくると指先でこすられる。
「ん……っ」
入れてほしい。
中に入れて、一番気持ちいいところをこすって欲しい。
オレはもう、その快楽を知っているから。
「シーズベルト様ぁ……」
もどかしさのあまり知らず知らずのうちに腰を動かしてしまって、シーズベルト様はくっと喉の奥で笑った。
「触って。直接。君のとオレの、両方」
促されたオレは、操られているみたいに従った。
シーズベルト様のベルトをかちゃかちゃとはずす。くつろげたそこから、シーズベルト様の高ぶりが飛び出して、その勢いと大きさにおののく。同じように、オレのものを取り出して、お互いをくっつけて上下にしごきあげる。
「あ……」
先走りの蜜が溢れてきて、オレたちを濡らす。それが潤滑剤となって、くちゅくちゅと音をたてる。
「っふ……。……アルバート、もっと、強くして。……そう」
シーズベルト様が感じてくれてる。普段この人が行為中に、声を漏らすことなどほとんどないから嬉しい。
伏せた目と、漏れる吐息。かすれた声が超絶エロすぎる。
「あっ……。え」
オレのものから、勢いよく白い飛沫が上がった。
予想外すぎて、思わず声が出た。え、今、シーズベルト様からほぼ愛撫されてなくて、オレがやってんのも速さのない前半戦の触り方なんだけど?
早漏すぎてはずかしい……。てか、シーズベルト様の顔と声でイくって……。
「……早いな」
「だって、シーズベルト様の表情がエロすぎて……! ……あといつもあんまり声出してくれないから、さっきみたく出してくれたら、嬉しいです」
「……出せと言われて出せるものではないんだが……。善処する」
シーズベルト様はオレの胸のとがりを、舌先で転がした。
「んっ……あぁ……」
舌先で転がされては、吸い付かれて、甘噛みされて。この人に触れられているときだけ、オレの胸のとがりは意味を成す。
「ここ、大きくなったな」
シーズベルト様が胸の尖りをちゅう、と吸い上げながら言うので、
「あんた……が、いじるからでしょう……!」
女の子の胸をもむと大きくなるという都市伝説があるが、男の乳首もいじると育つなんて知らなかった。……知りたくなかった。
シーズベルト様の指が、つぷとオレの窄まりに侵入する。日頃愛されているそこは、すんなりとシーズベルト様の指を受け入れた。むしろやっと待ち望んだものを入れられて、喜んでいる。
抜き差しを繰り返した指が、慣れた動きで、オレの快感をこじ開けていく。
腹側の一番敏感な部分を激しくこすられて、
「あ……やぁぁ、んっ……」
「アルバート、手が止まっている」
「あ、ん……。ごめんなさっ……。だってぇ……。そこ……だめぇ……っ」
「だってじゃない」
「シーズベルト様、オレもう……」
また達しそうになったところで、シーズベルト様は指を抜いてしまう。
「や……ひどい……。なんでぇ……?」
寸止めでやめられると、もう頭が真っ白になって、イクことしか考えられなくなる。
オレはシーズベルト様の首に両手を回して、幾度も軽いキスを繰り返してねだった。
「おねが……、シーズベルト様ぁ……。もう、オレ……」
「だめと君が言うから。やめて欲しかったんだろ?」
~~!
言ったけど。さっきのだめは、恥ずかしいからなの!
「オレもこのまま続けたかったんだがな? 残念だ。だがおれは君の嫌がることはしたくない」
シーズベルト様が、こすこすと乳輪の周りを指でなぞる。この人に触られたら欲望が昂るのに、絶妙にオレの性感帯をスルーした触り方でもどかしい。
この人は分かっててやっているからタチが悪い。そんで、オレにねだらせたいことも分かっている。あんまり口にするのは恥ずかしいのだけれど、このままは辛い。
「本当は、好きだから……。シーズベルト様、入れて……」
「何を?」
意地悪くシーズベルト様は口の端を上げて笑った。
もうー! こういうとこ本当おっさんくさい! 男にねだらせて何が楽しいのかまったくわからん!
「……シーズベルト様の熱いの……いれてください……」
あーくそ! 多分この人もっと直接的に言わせたかったんだろうけど、これ以上は無理! せめてもうちょっと意識飛んでないと無理!
「まあいいだろう」
案の定シーズベルト様は多少不服そうにしながらも、オレの懇願を受け入れた。
入り口に熱い楔が触れて、ぐっと侵入してくる。
「んっ……」
慣れた圧迫感が気持ちいい。
シーズベルト様が慣れた様子で腰を進め、オレの弱いところをこすり上げる。
強制的に高められる官能。
オレはたまらなくなってシーズベルト様の首にしがみついた。
「あ……っ。シーズベルト様ぁ、気持ちいいっ……」
「ああ、気持ちいいな。アルバート」
シーズベルト様が肩で大きく息をしながら、優しく話しかけてくれる。
……なんか、オレとシーズベルト様、勝負をしていた気がするんだよな……。
ふと何か思い出しかけたけれど、全部欲望の中に溶けてしまう。どうでもよくなったので、オレは思考を放棄した。
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