異世界に吹っ飛ばされたんで帰ろうとしたら戦車で宇宙を放浪するハメになったんですが

現代編 序章

第5話 プロローグ

　――　西暦20XX年

　世界は第三次世界大戦の戦火に包まれていた。
　しかし、この戦争は計画された戦争であった。

　何時だったのであろうか?
　科学者は次元を操作する術すべを見つけた。

　それは、人間の探求心を刺激するには強大すぎる発見であった。
　科学者たちは我先にと、その研究に没頭していった……

　まず、次元振動を調べる為に、EMP兵器と言う名目で実用化された。
　只、この兵器が目立ちすぎるのも都合が悪かった。
　何も知らない人々が何かがおかしい?
　そう疑い始めるのは避けたかったのだ。
　だから、ドローン兵器を適当にでっち上げた。
　見た目も凄い、大空の覇者だと人々に触れ込んだ。

　EMP兵器は電波を使用不能にする兵器である。
　その実態は次元の固有振動を調整することで、あらゆる光の周波数帯に干渉できる代物であった。
　光をも湾曲させることができる……
　つまり空間に対しても干渉できるのである。

　その力を研究するには、研究施設では狭すぎたのだ。
　だから、欲よくを欲ほっした人々は世界大戦を始めた。

　実験の舞台を求めて……

　最初の大規模実験場にされるのは日本であった。
　それなりの国土を持った島国なので都合が良かった。
　実験で被害が拡大しても、小さな島国が消えるだけなのだから。

　いつまでも、しぶとく抵抗する自衛隊。
　それはまさにうってつけの実験材料であった。

　そして、ついに……

　超次元振動弾の起動実験が始まろうとしていた。