異世界に吹っ飛ばされたんで帰ろうとしたら戦車で宇宙を放浪するハメになったんですが

おっぱいもみもみ怪人

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異世界編 1章

第18話 奴隷その5

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 泣き叫ぶ為次の頭を、ターナは優しく抱きしめていた。
 はたから見れば、駄々をこねる子供をあやしているようにしか見えない。

 とても恥ずかしい状況の為次は妄想する。

 うぉぉぉ、こ、これは…… ターナのおっぱい。
 どういうことなのだ? よく分からんが気持ちいいぞ。
 しかも、凄い! デカイ!

 などと考えていた。

 さっきまで泣き叫んでいたが、今はすっかり大人しくなっている。
 そんな為次の頭を優しく撫でながら、ターナは言うのだ。

 「ごめんなさい、あなたの気持ちをまるで考えていなかったわね」

 「……(んふぅ、気持ちいいぞ)」

 「知らない場所に放り出されて、さぞかし寂しかったでしょうに。でも、安心してちょうだい、私達はあなたを見放したりしないわ。タメツグ」

 「そうよ、あんたみたない変態、ほっといたら何しでかすか分からないし」

 「うにゅ……(マヨーラめ何を抜かしやがって。しかし、柔らかいぞこれは)」

 「仕方ないから、ちょっとくらい面倒見てあげるわよ」

 「そうだぜ、タメツグ」

 3人の言葉が嬉しかった。
 しかし、今はそれどころではないのだ。

 すげー、ターナのおっぱいすげぇ。
 でも、ちょっと苦しいかも。

 と。

 そんな為次がおっぱいを堪能しているところへ、店員さんが近づいて来た。

 「あのー、お取込み中のとこ申し訳ありませんが……」

 ターナは振り返る。

 「はい?」

 「そろそろ宜しいでしょうか? その…… 他のお客様にもご迷惑になりますし」

 「ああ、悪いな。そろそろ撤収するぜ」

 スレイブも少々気まずそうだ。

 「そうですわね、これ以上はお店に迷惑をかける分けにもいきませんね」

 「そうね」

 「いいわね? タメツグ」

 優しく頭を撫でながらターナは訊いた。

 「うん……」

 小さく返事をすると、為次は今頃になって恥ずかしさMAXになってきた。

 俺は何をやっているんだ。
 なんで、こんな俺に優しくするんだよ。

 そう思いながら立ち上がった為次は恥ずかしさのあまり、みんなの顔もまともに見れない。
 ただ黙って、うつ向いていた。

 「…………」

 立ちつくす為次を横目に、ターナは少女にヒールをかけ必要な服や下着を買っていた。
 そして、スレイブに「酒場に行くからタメツグも来い」と言われ、為次はただ黙って3人に付いて行くのであった。
 少女は「臭い」とご主人様に言われたのがショックだったのか?
 少し後ろに離れてついて来るのだった。

 ※  ※  ※  ※  ※

 酒場に着くと、まだ夕方前だからだろうか、店内は閑散としている。
 4人は適当な席に着くと、とりあえずスレイブが注文を始める。
 少女だけは一緒の席に座るわけにはいかないと、少し離れて立っていた。

 早速スレイブは注文を確認する。

 「ええっと、ビール4杯でいいよな」

 「俺はいいです」

 「なんだよ? タメツグは酒が嫌いなのか?」

 「そうじゃないけど、まだレオの運転があるから」

 「なんか問題あるのか?」

 「俺の世界では大問題なので……」

 「別にここはお前の世界じぁ……」

 スレイブの言葉をターナは途中で遮る。

 「スレイブ!」

 「あ、ああ…… そうだな今は飲めないならジュースでも頼むか。そっちのお嬢ちゃんはどうすんだい?」

 「私は結構です」

 「ま、そう言うわな。残り物は出してやるから安心しな」
 
 注文が決まると、スレイブは店員を呼んで注文を取る。

 「ビール3杯とキャベツジュースと肉の盛り合わせくれ」

 「ビール3、キャベツ1、肉盛りですね。分かりましたぁ」

 「んん? (きゃ、キャベツジュースだと……)」

 注文した飲み物が来ると、為次の前には木で作られたジョッキに白くドロドロした液体が入っているモノが置かれた。
 それを為次は恐々飲んで見る。

 「グホッ(キャベツっぽい風味はするけど胃腸薬の味がするわ。なぜコレを注文したんだ、スレイブよ。

 「どうだ? 美味いだろ」

 「う、うん……」

 「植物型の野獣の体液よ」

 マヨーラが説明してくれたが、為次は口に出さず思うのだ。

 意味がわからないよ、飲んで大丈夫なのか?

 そう思いながらも、もう一度飲んでみる。
 やはり変な味だ。

 「それでは、お話しを聞かせてもらえるかしら? タメツグ」

 「ほえ?」

 「マサヒデは一緒ではなくって? いったい何がありましたの?」

 テーブルを挟んで、目の前にいるターナに話しかけられた為次は焦った。
 先程の服屋での出来事を思い出したからだ。
 ターナのおっぱいを見ると、赤面してしまった。

 「ええっと、あのぉ、そのぉ……」

 「なーに照れてんだよ」

 「また、ターナに甘えたいの? ニヤニヤ」

 スレイブとマヨーラにからかわれるが、なんだか言い返せない為次。

 「…………」

 「んんっ、あなた達」

 「「すいませんっ」」

 「まあいいですわ」

 「へへへっ」

 調子に乗り過ぎたかな、と思ったスレイブは笑いながらビールを煽った。
 何時もことだとターナは話を続ける。

 「それでは、そこのお嬢さんの方からお聞きしましょう」

 まずは奴隷少女から話を聞くらしい。

 「私でしょうか?」

 「そうですわ。では、お名前から教えて頂けます?」

 「はい、スイと申します」

 名前を聞いたターナは一瞬何か思い当たるような顔をするが、また何時もの優しい笑顔に戻る。
 何かを考えているのだろうか、黙っているのでスレイブが訊く。

 「スイか、それで職業は?」

 「今は…… タメツグ様? で、よろしいでしょうか?」

 「はい、為次です」

 「今はタメツグ様の奴隷です」

 「そんなこたぁ分かってるよ、もう一つの方だ」

 「はい、戦魔道士です」

 それを聞いたマヨーラは驚く。

 「ええ!! なんで奴隷が戦魔道士なのよ」

 「何それ?」

 「あんたほっんと、何も知らないのね」

 「だって……」

 「はぁ、まあいいわ。説明してあげる」

 マヨーラの説明によると、この世界では生まれた時に神の加護によって永遠の命が授けられるそうだ。
 これは、前にもターナから聞いたので知っている。
 しかし、そこから先は、ほぼ初めて聞く話であった。
 神の加護を授けるのは神官の仕事であり、その際にその人間の魔法適性を調べる。
 魔法適性が無ければ、その時点でスレイブのように強靭な肉体を持った戦士の能力を与えると言う。
 もし、魔法適性の無い人間に魔道士の加護を授けようならば、戦士のような力も無く、魔法も使えない、永遠の命を持つだけの人になるのだ。
 次に魔法適性があった場合、エネルギーを操れる魔道士、いわば攻撃魔法に特化した闘魔導士。
 それと、傷を癒やしたり病気を治したりする聖魔導士、基本的に人体や物質に直接作用する魔法を使えるそうだ。
 つまり、ゲームに例えると基本的なジョブは戦士、魔法使い、僧侶となる。
 その3つの職業とは別に、あと2つのジョブがあるそうだ。
 1つは気功士、これは選ぶ人が居ないのでどうでもいいと、説明を省かれてしまった。
 もう1つが、先程少女の言っていた戦魔道士で、魔道士にもかかわらず自ら近接戦闘を行なうらしい。
 ほぼ全ての魔法が使えるが、その魔法はエンチャント係、いわゆる付与魔法でしか使えない。
 例えば、ヒールをかける場合は一度水なのどにヒールをかけ、ヒールポーションを作成してから飲む。
 攻撃魔法などは武器に付与させてから属性武器として使用する。
 そうやって、自分の体や武器を強化して戦うのが戦魔導士だそうだ。
 只、その戦魔導士は王族などのごく一部の者しか適性が無いらしく、奴隷では珍しい。

 と、そんな感じであった……

 「分かった? タメツグ」

 「うん、だいたい分かったかも」

 「では、タメツグも何があったのか話していただけて?」

 「あ? へ?」

 突然ターナに訊かれて為次は焦った。
 そこへマヨーラがツッこんでくれる。

 「アヘ…… じゃないわよ! 今回の騒ぎはあんたせいでしょ!」

 「ああ…… そ、そうね、はい……」

 為次は正秀と別れ、一人ガザフ邸にお金を受け取りに行ったことを3人に話した。
 そこで傷だらけの少女を買ったことや、奴隷少女を担いで走ったことなどを……

 「えっと…… スイだっけ?」

 為次は言った。

 「はい」

 「スイが戦ってた時も、ポーションを飲んでたから、あんなに動けたんだ」

 「ポーションと呼べるほどのモノではありませんが…… 服を破いたものに唾液や汗を染み込ませてから、魔法をかけて食べてました」

 「うっ、ぶへぇ! 何食ってんの……」

 それを聞いた為次は、思わず食べかけていた肉を吹き出してしまった。
 すると、スレイブは為次の吐き出した肉を床から拾い上げスイに手渡す。

 「ほら、今食べていいぞ」

 流石に為次は自分が吐き出して床に落ちた物を食わせようとするスレイブに焦る。
 
 「は? え? ちょ、ちょ……スレイブまっ」

 「タメツグっ!!」

 「いっ!?」

 突然スレイブに名前を叫ばれたので、ビックリした。

 「な、何?」

 「いいか、よく聞けよ?」

 「うん」

 「あのはな、ああでもしないと食べないんだ」

 スイはスレイブから手渡された肉を持って店内の隅に行き、為次の吐き出した肉を食べていた。

 「え……?」

 「タメツグの居た世界に、奴隷は居ないのか?」

 「昔には居た国もあったらしいけど、俺が生まれた国には居ないよ」

 「そうか、よく見とけ。アレが奴隷だ。基本的に飯はご主人様の残飯しか食わない。お前が今ここにある肉を平らげたら、スイは飯抜きって分けだ」

 「………」

 「タメツグ、あなたが買ったのは人間ですわ、そして、あのは奴隷。それが、自分の手に負えないからといって、投げ出すのもあなたの自由。邪魔なら好きに処分してもいいですのよ?」

 「処分って……」

 「適当なとこに連れて行って、そこから動くなと言っとけば餓死したり野獣に食われたりするだけで、簡単なことだぜ?」

 「本気でそんなことを?」

 「私たちはそうしなさい、と言っているわけではありませんわ。そのような選択肢もあることを知って欲しいの。奴隷とは言わば、あなたのお人形さん。引き千切って捨てるのも、燃やして捨てるのもタメツグ次第ですわ」

 ターナのあとにマヨーラが付け加える。

 「もちろん、大切にするのもね。まあ、普通は平民が奴隷を買ったりはしないけど」

 「うん……」

 それから、しばらく奴隷の話を為次は聞かされた。
 聞けば聞くほど気分が悪くなる……
 だから為次は何も言わずに、黙って聞くだけだった。

 ……………
 ………
 …

 どれ程の時間がたったのだろうか?
 酒場はお客で溢れ賑やかになっていた。

 「そろそろ帰るよ、今日はその…… みんなに酷いことを言ってごめんなさい」

 「それは、気にしなくていいですわ」

 「そうだぜ、気にすんなって」

 「うん、ありがとう。スイ、帰ろっか」

 「はいっ」

 「じゃぁね~、えへへへぇ」

 マヨーラだけは、かなり酔っぱらっいながら手を振っていた。

 為次は残った肉を包んでもらい、食べていいよとスイに手渡す。

 そして、酒場を後にした……

 為次が帰って行ったのを見ると、スレイブは言う。

 「いいのか? あのまま帰しちまって」

 「30年ぶりの異世界からの訪問者に、あの奴隷のむすめ…… ガザフね……」

 「うん、処分しなかったみたいだね」

 スレイブはマヨーラが酔いつぶれているのを確認してから言った。

 「まあ、いいですわ、ガザフの所に行きますわよ」

 そしてスレイブはターナに返事をする。

 「分かったよ、母さん」

 と……
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