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異世界編 2章
第61話 月夜
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太陽が地平線へと沈もうとしている……
日暮れ時、辺りは徐々に闇へと包まれてゆく……
自分達の居る惑星の陰に太陽が隠れた時、夜は訪れる。
それは当然のことである……
だが、この惑星には夜が来ない。
否、夜は訪れるのだが暗くはならない。
日没と同時に、空を覆い尽くす程の星々が姿を現すのだ。
満天の星空は、光のカーテンの如く世界を照らし始める。
それは正に白夜であった……
そんな星空にひときわ眩しく輝く星がある。
この惑星の衛星である月だ。
そしてもう一つ、月の隣りには銀色に輝くリングが浮いている……
………
……
…
ここは、エ…… エロ……
エルサレム?
「エリステアルよ、いい加減に覚えなさい」
そう、知ってた、ここはエリステアル王国。
「…………」
日本からやって来た正秀と為次には、それしか分からない。
ここが何処なのか? 地球なのか? 同じ宇宙なのかすらも分からない。
そんな彼らは、この世界で出合った少女二人と王都サイクスから隣町のポンタまでお使いに行く途中なのである。
もっとも、隣町と言っても100キロ以上は距離が離れているのだ。
とは言え、彼らの乗る戦車であるレオパルト2ならば巡航走行で2時間か3時間もあれば到着できるはずなのだが……
「夜になってしまいました」
星空を見上げ為次は言った。
もっとも楔形装甲が邪魔で真上は見えない。
それに運転は前方注視が基本であって、脇見運転は危険です。
「そうだな」
サイクスを出発してから、まだ1時間も走っていない。
だが、既に日は沈んでしまったのだ。
「バカツグがいつまでも寝てるし、グダグダしてるからよ」
「ぬぅ…… 明日でも良かったのでは、出発」
「そうだぜ」
「どっか停まって寝ようよ」
「あんた、まだ寝るの?」
「夜は、寝るものです」
「そうです、スイもごしゅ…… ごしゅ…… ごしゅ、タメツグ様と寝たいのです」
「なんで言い直すのよ……」
「ごしゅじ…… タメツグ様がつばい様の中ではそう呼ぶようにと。です」
「ふーん、まあいいわ。確かに夜に移動するのは危ないし、どこかで休みましょ」
「そうだな」
「ご飯も食べよう、いっぱいあるし」
「あんたまだ食べるの? ちょっと前はお腹がはち切れそうだったじゃない」
「殆ど水だったのですが……」
「贅沢よ、タメツグのくせに」
「ぬぅ……」
「それより、どっかキャンプできそうなとこないのか?」
「そうね、この先に池があるわよマサヒデ。そこにしましょ」
「じゃ、そこで決まりだな。行くぜ為次」
「うい」
マヨーラに案内され池まで行くことになった。
もっとも、真っ直ぐに行けば見えてくるそうだが。
※ ※ ※ ※ ※
しばらく進むと、前方に木々が見えてきた。
大草原の中にポツンと木々が何本か密集して生えている。
微妙な感じの林を、マヨーラはパノラマサイトを覗いたまま指す。
差している指は他の三人からは見えないのだが。
「ほら、あそこよ」
「あの木が生えてるとこかな」
「そうよ、さっさと向かいなさい」
「はいはい」
近づくと木々の隙間から水が見えてくる。
どうやら目的のキャンプ地らしい。
為次は池の近くに生えている、一本の木の陰に戦車を駐車した。
「ちょっと降りてみるか」
「うい」
四人はぞろぞろとレオパルト2から降車すると、目の前には綺麗な水が輝いている。
星空の光をいっぱいに受けた池は、まるで宝石箱のようだ。
池を優しい風が吹き抜けるたびに、ゆらゆらと幻想的な情景をかもし出していた。
「へー、中々いいとこじゃないか」
一応は正秀も景観美を感じ取っていた。
「ふふん、そうでしょう」
「おう」
「はぁ…… あの二人が居なければ……」
マヨーラは美しい景色を前にぽつりと呟いた。
「ん? どうかしたのか? マヨーラ」
「あ、あわわわ。な、なんでもないわ、なんでも……」
「そうか」
「お邪魔虫で悪かったねぇ」
為次はニヤニヤしながらマヨーラを見ていた。
「あんたは聞いてんじゃないわよっ!」
「はいはい。ぷぷっ」
「こんのぉ~……」
「それより、ご飯を作るのです」
「そうだな、俺も腹が減ったぜ」
「そ、そうね」
「めしめし」
「では、私が作るのです」
「じゃあ、あたしも手伝うわ」
「はいです」
そして、スイとマヨーラは戦車の中をあさり始めると、さっそく夕飯の支度を始めた。
「んじゃ、俺達はテントの準備でもしとくか」
「はい、がんばって下さい」
「お前もやるんだよっ」
「はいはい」
少女達と野郎共は分担してキャンプの準備を始めるのであった。
………
……
…
なんやかんやでテントの設営も完了し、晩御飯の準備もできましたとさ。
そんなわけで、四人は調理に使った焚火を囲いながら食事を摂ることになった。
「もぐもぐもぐ…… 美味しいね」
「もぐもぐもぐ…… ああ、美味いぜ」
「私とマヨマヨ様で作った大根ステーキなのです」
「へー、大根か」
大根とは思えないタンパクな味に、正秀は感心していた。
「ふふん、肉以外でも美味しいでしょ」
「ああ、美味いぜ」
「なんか、久しぶりにまともな食事の気がする」
為次は言った。
「気のせいよ」
「……もぐもぐ」
「大根はこんなに美味しいのに、こんな時にダイコンでも現れたら堪らないわね」
そう言いながら、マヨーラはフォークに刺した大根を口に運んだ。
「んひゅ? もぐもぐ」
意味が分からないので為次は訊いてみようとしたが、もぐもぐしてるので上手く喋れない。
代わりに正秀が訊いてくれる。
「なんだ? 大根が大根って? 意味が分からないぜ」
「このステーキは大根なのです」
今度はスイがフォークに刺した大根を口に運びながら言った。
「それは、知ってる、もぐもぐ……」
「流石タメツグ様です、物知りなのです」
「そんなの誰でも知ってるわよ……」
「じゃあ、大根が現れるって?」
もう一度、正秀は訊いた。
「野獣よ」
「「野獣?」」
正秀と為次は同時に訊き直した。
「おっきなトカゲの野獣よ」
「とても狂暴なのです」
それを聞いた正秀はチラリと大剣の積んである砲塔を見た。
しかし、食料に埋もれて見えなかった。
「そんなのが居るのか……」
「そう、だから池の近くで寝るのよ」
「池だと大丈夫なのか?」
「そう、あいつは水が苦手なのよ」
「トカゲなのに?」
今度は為次が訊いた。
「そう、水は苦手だけど火には強いわ」
「それに、火も吐くのですよ、がぉーって、です」
「スイ、それはサラマンダーよ…… 火は吐かないわ」
「そうでしたか」
「そうよ、それにサラマンダーは魔獣よ、ダイコンとは違うわ」
「まあ、池の畔が大丈夫ならいいよ」
「大剣もあるから大丈夫だぜ」
「そうすか……」
為次はなんとなく不安そうにデザートイーグルを抜いた。
銀色の銃が月の光を顔に反射させる。
その禍々しい輝きを放つ銃を見ると、不安が和らぐのであった……
………
……
…
ぱちゃ ぱちゃ ぱちゃ
少し離れた所から水の跳ねる音が聞こえる……
その音を聞くたびに、正秀と為次はソワソワしていた。
食事が終わった後、マヨーラは「寝る前に水浴びしてくるわ」と言った。
それに連れられ、スイも「私も一緒に行くです」と。
どうやら同じテントで寝るのに、二人は臭いを気にしたようだ。
特にスイは為次と出会った時「お前は臭いんだよ!」と、怒鳴られたのを今でも気にしている様子である。
だから、少女二人は少し離れた茂みの陰で、水浴びをしている最中であった。
「どうかな?」
「どうだろうな?」
「やはり男としては行くべきなのでは」
「でもな、マヨーラは覗いたらマジでぶっ殺すって言ってたぜ」
「うん……」
「そもそも、為次はスイちゃんに頼めばいくらでも。だぜ」
「おいおい、ちょっと待ってよ。それとこれは別っしょ」
「何が別なんだ?」
「だってパンツだってチラリと見えるから素敵なわけで、マジマジと見るのとは違うはずだよ」
「それは…… 確かにな……」
「それにマヨーラの方は正秀が頼めば、おっけーなはずだけど」
「ん? 俺がか?」
「まあいいや、考えていても埒が明かんわ。とりあえず、おしっこしてくるお」
そう言って為次は立ち上がる。
「おい、まさか一人で行く気じゃないだろうな?」
「行かぬよ」
「信じてるからな」
「うん」
為次はおしっこをする為に林の奥へと入って行く。
そんな尿意をもよおす為次は歩きながら思う。
おっぱいとは大きければ良いというものではない。
おっぱいは大きさ形そして色、千差万別でありそれぞれの良さがあるものだ。
スイの程よい大きさのおっぱいは素晴らしいと思う。
しかし、マヨーラの膨らみかけたつぼみも捨てがたいのは間違いない。
極めつけはターナである。
巨乳だ! きっと触り心地は至高であろう…… もはやアレが神でいい。
是非とも一度、飲んでみたいものだ。
と……
※ ※ ※ ※ ※
―― 為次がバカなことを考えている頃。
ポンタの街では、一組の夫婦が楽しそうに話しながら夕食を食べていた。
「ねぇ、あなた、ブルーストーンはまだ届かないのかしら?」
「数日前には届く予定だったが……」
「何かあったのかしらね?」
「どうだろうな、ターナのことだから大丈夫だとは思うが」
「ターナ様はともかく、あなたの知り合いの方々ですよ。マサヒデさんとタメツグさん」
「あぁ、あいつらか…… 水谷と山崎なら、それこそ大丈夫だろう」
「だといいけれど……」
「ターナから、あいつらも加護は受けたと聞いてるしな」
「ふふっ、それもそうね」
「心配ないさ。それに、こっちに来たら鍛え直してやらないとな」
「あまり無茶はしないで下さいよ」
「分かってる」
妻の作った料理を箸で口に運びながら夫は思う。
ほんとに、大丈夫だといいんだが……
と……
日暮れ時、辺りは徐々に闇へと包まれてゆく……
自分達の居る惑星の陰に太陽が隠れた時、夜は訪れる。
それは当然のことである……
だが、この惑星には夜が来ない。
否、夜は訪れるのだが暗くはならない。
日没と同時に、空を覆い尽くす程の星々が姿を現すのだ。
満天の星空は、光のカーテンの如く世界を照らし始める。
それは正に白夜であった……
そんな星空にひときわ眩しく輝く星がある。
この惑星の衛星である月だ。
そしてもう一つ、月の隣りには銀色に輝くリングが浮いている……
………
……
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ここは、エ…… エロ……
エルサレム?
「エリステアルよ、いい加減に覚えなさい」
そう、知ってた、ここはエリステアル王国。
「…………」
日本からやって来た正秀と為次には、それしか分からない。
ここが何処なのか? 地球なのか? 同じ宇宙なのかすらも分からない。
そんな彼らは、この世界で出合った少女二人と王都サイクスから隣町のポンタまでお使いに行く途中なのである。
もっとも、隣町と言っても100キロ以上は距離が離れているのだ。
とは言え、彼らの乗る戦車であるレオパルト2ならば巡航走行で2時間か3時間もあれば到着できるはずなのだが……
「夜になってしまいました」
星空を見上げ為次は言った。
もっとも楔形装甲が邪魔で真上は見えない。
それに運転は前方注視が基本であって、脇見運転は危険です。
「そうだな」
サイクスを出発してから、まだ1時間も走っていない。
だが、既に日は沈んでしまったのだ。
「バカツグがいつまでも寝てるし、グダグダしてるからよ」
「ぬぅ…… 明日でも良かったのでは、出発」
「そうだぜ」
「どっか停まって寝ようよ」
「あんた、まだ寝るの?」
「夜は、寝るものです」
「そうです、スイもごしゅ…… ごしゅ…… ごしゅ、タメツグ様と寝たいのです」
「なんで言い直すのよ……」
「ごしゅじ…… タメツグ様がつばい様の中ではそう呼ぶようにと。です」
「ふーん、まあいいわ。確かに夜に移動するのは危ないし、どこかで休みましょ」
「そうだな」
「ご飯も食べよう、いっぱいあるし」
「あんたまだ食べるの? ちょっと前はお腹がはち切れそうだったじゃない」
「殆ど水だったのですが……」
「贅沢よ、タメツグのくせに」
「ぬぅ……」
「それより、どっかキャンプできそうなとこないのか?」
「そうね、この先に池があるわよマサヒデ。そこにしましょ」
「じゃ、そこで決まりだな。行くぜ為次」
「うい」
マヨーラに案内され池まで行くことになった。
もっとも、真っ直ぐに行けば見えてくるそうだが。
※ ※ ※ ※ ※
しばらく進むと、前方に木々が見えてきた。
大草原の中にポツンと木々が何本か密集して生えている。
微妙な感じの林を、マヨーラはパノラマサイトを覗いたまま指す。
差している指は他の三人からは見えないのだが。
「ほら、あそこよ」
「あの木が生えてるとこかな」
「そうよ、さっさと向かいなさい」
「はいはい」
近づくと木々の隙間から水が見えてくる。
どうやら目的のキャンプ地らしい。
為次は池の近くに生えている、一本の木の陰に戦車を駐車した。
「ちょっと降りてみるか」
「うい」
四人はぞろぞろとレオパルト2から降車すると、目の前には綺麗な水が輝いている。
星空の光をいっぱいに受けた池は、まるで宝石箱のようだ。
池を優しい風が吹き抜けるたびに、ゆらゆらと幻想的な情景をかもし出していた。
「へー、中々いいとこじゃないか」
一応は正秀も景観美を感じ取っていた。
「ふふん、そうでしょう」
「おう」
「はぁ…… あの二人が居なければ……」
マヨーラは美しい景色を前にぽつりと呟いた。
「ん? どうかしたのか? マヨーラ」
「あ、あわわわ。な、なんでもないわ、なんでも……」
「そうか」
「お邪魔虫で悪かったねぇ」
為次はニヤニヤしながらマヨーラを見ていた。
「あんたは聞いてんじゃないわよっ!」
「はいはい。ぷぷっ」
「こんのぉ~……」
「それより、ご飯を作るのです」
「そうだな、俺も腹が減ったぜ」
「そ、そうね」
「めしめし」
「では、私が作るのです」
「じゃあ、あたしも手伝うわ」
「はいです」
そして、スイとマヨーラは戦車の中をあさり始めると、さっそく夕飯の支度を始めた。
「んじゃ、俺達はテントの準備でもしとくか」
「はい、がんばって下さい」
「お前もやるんだよっ」
「はいはい」
少女達と野郎共は分担してキャンプの準備を始めるのであった。
………
……
…
なんやかんやでテントの設営も完了し、晩御飯の準備もできましたとさ。
そんなわけで、四人は調理に使った焚火を囲いながら食事を摂ることになった。
「もぐもぐもぐ…… 美味しいね」
「もぐもぐもぐ…… ああ、美味いぜ」
「私とマヨマヨ様で作った大根ステーキなのです」
「へー、大根か」
大根とは思えないタンパクな味に、正秀は感心していた。
「ふふん、肉以外でも美味しいでしょ」
「ああ、美味いぜ」
「なんか、久しぶりにまともな食事の気がする」
為次は言った。
「気のせいよ」
「……もぐもぐ」
「大根はこんなに美味しいのに、こんな時にダイコンでも現れたら堪らないわね」
そう言いながら、マヨーラはフォークに刺した大根を口に運んだ。
「んひゅ? もぐもぐ」
意味が分からないので為次は訊いてみようとしたが、もぐもぐしてるので上手く喋れない。
代わりに正秀が訊いてくれる。
「なんだ? 大根が大根って? 意味が分からないぜ」
「このステーキは大根なのです」
今度はスイがフォークに刺した大根を口に運びながら言った。
「それは、知ってる、もぐもぐ……」
「流石タメツグ様です、物知りなのです」
「そんなの誰でも知ってるわよ……」
「じゃあ、大根が現れるって?」
もう一度、正秀は訊いた。
「野獣よ」
「「野獣?」」
正秀と為次は同時に訊き直した。
「おっきなトカゲの野獣よ」
「とても狂暴なのです」
それを聞いた正秀はチラリと大剣の積んである砲塔を見た。
しかし、食料に埋もれて見えなかった。
「そんなのが居るのか……」
「そう、だから池の近くで寝るのよ」
「池だと大丈夫なのか?」
「そう、あいつは水が苦手なのよ」
「トカゲなのに?」
今度は為次が訊いた。
「そう、水は苦手だけど火には強いわ」
「それに、火も吐くのですよ、がぉーって、です」
「スイ、それはサラマンダーよ…… 火は吐かないわ」
「そうでしたか」
「そうよ、それにサラマンダーは魔獣よ、ダイコンとは違うわ」
「まあ、池の畔が大丈夫ならいいよ」
「大剣もあるから大丈夫だぜ」
「そうすか……」
為次はなんとなく不安そうにデザートイーグルを抜いた。
銀色の銃が月の光を顔に反射させる。
その禍々しい輝きを放つ銃を見ると、不安が和らぐのであった……
………
……
…
ぱちゃ ぱちゃ ぱちゃ
少し離れた所から水の跳ねる音が聞こえる……
その音を聞くたびに、正秀と為次はソワソワしていた。
食事が終わった後、マヨーラは「寝る前に水浴びしてくるわ」と言った。
それに連れられ、スイも「私も一緒に行くです」と。
どうやら同じテントで寝るのに、二人は臭いを気にしたようだ。
特にスイは為次と出会った時「お前は臭いんだよ!」と、怒鳴られたのを今でも気にしている様子である。
だから、少女二人は少し離れた茂みの陰で、水浴びをしている最中であった。
「どうかな?」
「どうだろうな?」
「やはり男としては行くべきなのでは」
「でもな、マヨーラは覗いたらマジでぶっ殺すって言ってたぜ」
「うん……」
「そもそも、為次はスイちゃんに頼めばいくらでも。だぜ」
「おいおい、ちょっと待ってよ。それとこれは別っしょ」
「何が別なんだ?」
「だってパンツだってチラリと見えるから素敵なわけで、マジマジと見るのとは違うはずだよ」
「それは…… 確かにな……」
「それにマヨーラの方は正秀が頼めば、おっけーなはずだけど」
「ん? 俺がか?」
「まあいいや、考えていても埒が明かんわ。とりあえず、おしっこしてくるお」
そう言って為次は立ち上がる。
「おい、まさか一人で行く気じゃないだろうな?」
「行かぬよ」
「信じてるからな」
「うん」
為次はおしっこをする為に林の奥へと入って行く。
そんな尿意をもよおす為次は歩きながら思う。
おっぱいとは大きければ良いというものではない。
おっぱいは大きさ形そして色、千差万別でありそれぞれの良さがあるものだ。
スイの程よい大きさのおっぱいは素晴らしいと思う。
しかし、マヨーラの膨らみかけたつぼみも捨てがたいのは間違いない。
極めつけはターナである。
巨乳だ! きっと触り心地は至高であろう…… もはやアレが神でいい。
是非とも一度、飲んでみたいものだ。
と……
※ ※ ※ ※ ※
―― 為次がバカなことを考えている頃。
ポンタの街では、一組の夫婦が楽しそうに話しながら夕食を食べていた。
「ねぇ、あなた、ブルーストーンはまだ届かないのかしら?」
「数日前には届く予定だったが……」
「何かあったのかしらね?」
「どうだろうな、ターナのことだから大丈夫だとは思うが」
「ターナ様はともかく、あなたの知り合いの方々ですよ。マサヒデさんとタメツグさん」
「あぁ、あいつらか…… 水谷と山崎なら、それこそ大丈夫だろう」
「だといいけれど……」
「ターナから、あいつらも加護は受けたと聞いてるしな」
「ふふっ、それもそうね」
「心配ないさ。それに、こっちに来たら鍛え直してやらないとな」
「あまり無茶はしないで下さいよ」
「分かってる」
妻の作った料理を箸で口に運びながら夫は思う。
ほんとに、大丈夫だといいんだが……
と……
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