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異世界編 2章
第93話 着替その2
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乙女達は恋話もそこそこに、本来の目的であるお着替えをようやく物色し始めた。
カワイイ服を目の前に、シャル以外は目をキラキラさせながら漁りまくる。
お金も沢山もらって来たので、中々に強気でのお買い物だ。
「これだけいっぱいあると、迷っちゃうんだよ」
シムリは手当たり次第に服をあてがい、右往左往している。
「そうね、目移りしちゃうわ」
「マヨマヨ様、ご主人様の好きそうなのはどれなのでしょうか?」
「うーん…… どれも素敵だけど、なんかこう…… ピンとこないのよね」
「このようなヒラヒラした服より、体にフィットした服の方が機能的だぞ?」
「お姉ちゃんは、もっとお洒落した方がいいんだよ」
「いや、私は向こうを見て来ることにする」
「もう、お姉ちゃんったら……」
「まあ、好みは人それぞれだから仕方ないわね」
「マヨーラ君の言う通りだぞ」
「分かったわ。選び終わったら持って来てちょうだい、お金はマサヒデにいっぱい貰ってるから」
「うむ、それはありがたい。では」
シャルは可愛い服売り場を後にすると、スタスタと水着売り場の方へ行ってしまった。
「さてと、どうしようかしら」
「ちょっと高価いけど、ブランド物とかどうかな?」
「あら、それもいいわね。なら店員に聞いてみましょ」
「それでは、スイが店員様をお呼びして来ます」
「お願いするわ」
「はいです」
スイは店員さんを呼びに行ったが、3秒くらいで戻って来た。
戻って来たと言うよりは、振り向いただけだ。
直ぐ後ろに居たから。
振り向いて、目と目が合ったのが概ね3秒なだけである。
「呼んできたのです」
「早いわね…… って、動いてないじゃないの」
「いかがなさいましたかぁ?」
「か…… あぅ…… ぶ(カワイイ服のブランド物は何処なのかな?)」
「あんた店員とも話せないのね……」
マヨーラはヤレヤレと言った表情でシムリを見て言った。
「うぅ…… は……(恥ずかしいんだよ)」
「通訳が向こうに行ってしまったから聞き取れないわ」
「あぅぅ……」
店員さんは意味不明である。
「……?」
仕方ないのでマヨーラが店員さんに対応することになる。
「まいいわ、それよりちょっとあなた」
「はぃ」
「カワイイ服の素敵なブランドは何処かしら?」
「可愛い服のブランドですかぁ」
「ええ」
店員さんは手の平で、店の中央付近を指しながら案内してくれる。
「それでしたらぁ、あちらのサダムネブランドは如何ですかぁ?」
「サダムネブランド? 何よそれ」
「かの有名な伝説の冒険者、サダムネ氏がデザインした服ですよぉ」
「あいつ、そんなことまでしてるのね……」
「さすが、サダムネ様なのです」
「少々お値段は高価いですがぁ、どれも素敵で人気の高い商品ですぅ」
「へぇ、そうなのね分かったわ。それじゃ、案内してもらおうかしら」
「では、ご案内しますぅ」
店員さんに連れられて、少女達はゾロゾロと付いて行くのであった。
※ ※ ※ ※ ※
「どうぞぉ、こちらですぅー」
貞宗ブランド売り場に案内された3人は、陳列されている服を見ると物珍しそうに眺める。
そこには、この世界とは違う雰囲気の服が一着づつドールに着飾られていた。
どれも和風な感じの服なのだが、この世界の人間にはそれが理解できない。
しかし、見る者を魅了し惹き付け、不思議な感覚を覚えるデザインばかりだ。
「へぇ…… 中々素敵じゃないの」
「素敵なのです」
「でわぁ、ごゆっくり見て行ってねぇー」
そう言い残すと、店員は向こうへと行ってしまった。
「なんだか変わったデザインなんだよ」
「そうね、サダムネの着ていた服に似てる感じもするわね」
「きっと、ご主人様達の世界の服なのかも知れないです」
「え? ご主人様達の世界? 世界ってなんなのかな?」
「ああ、シムリは知らなかったのよね」
「知らないんだよ」
「マサヒデとタメツグは、この世界の人間じゃないのよ」
「ええ!? 意味が分からないんだよ!」
「召喚者らしいわ、異世界からの」
「本当に!? ビックリなんだよ、だからあんなに強いんだ」
「つばい様も異世界から来られたのです」
「つばい?」
「ああ、それはレオのことよ、マサヒデ達が乗ってる陸上艇よ」
「ほへぇ~なんだよぉ」
「でも、あたし達と殆ど違わないから気にする必要無いわよ」
「うん、そうだね」
「そうなのです、ご主人様はご主人様なのです」
シムリは近くのドールが着ている服を指でピラピラさせながら言う。
「じゃあタメツグさんも、こんな感じの服が好みなのかな?」
「きっとそうだわ、それにどれもカワイイわね」
「ではでは、愛の魔導士マヨマヨ様にセレクトしてもらうです」
「マヨーラさん! お願いだよ」
「ふふ、任せてちょうだい」
それから彼女たちは、アレでもないコレでもないと服選びに勤しんだ。
手当たり次第に服をドールから剥ぎ取ると、そのまま試着室へ。
意外と数があるので時間が掛かる。
だが、そんなのはお構い無しに時間も忘れ楽しそうにショッピングするのであった。
……………
………
…
あれから3時間くらいが経った……
時間も忘れ無我夢中で選び、ようやく服が決まった。
「ちょっと疲れてきたわ」
「だけど、お友達とのお買い物は楽しいんだよ」
「え、ええ…… そうね」
「素敵な服を選んでもらったのです」
「流石マヨーラさんなんだよ」
スイとシムリは選んでもらった服を手に持ち、嬉しそうにしている。
「マヨーラさんはどれか決めたかな?」
「あ…… えっと…… その……」
マヨーラは何故かモジモジしていた。
「どうかしたのかな?」
「そ、その…… あ、あたしのことは呼び捨てでもいいわよ、友達だしね!」
「ああ、そうだね、じゃあマヨーラちゃんでいいかな?」
「マヨーラ…… ちゃん……」
「ん? 嫌なのかな?」
「そそそ、そんなこと無いわ! それでいいわ! そうなさい!」
「うん、よろしくねマヨーラちゃん。ついでにスイちゃんも」
「うにゅ、ついでちゃんなのです」
微妙にスイは不満そうであった。
「それじゃ、着替えましょうか。あたしのも選んであるし」
「そうなんだ、マヨーラちゃんの新しい服も楽しみなんだよ」
「なんだよなのです」
「なら、あたしから着替えて来るわ」
マヨーラはお目当ての服を手に取ると、試着室へ入りゴソゴソと着替え始める。
少しするとカーテンが開き、出て来た。
「ど、どうかしら?」
着替えたマヨーラは着物ドレスを着ていた。
上は可愛くアレンジされた着物だが、下はミニスカートになっている。
全体的に端の方にヒラヒラがいっぱい付いていて、ピンク色がベースになっているのだ。
「うわぁ、マヨーラちゃん凄くカワイイんだよ!」
「うぉぉぉ、カワイイのです。素敵なのです」
「そ、そうかしら? まあ、こんなものね」
「じゃあ、じゃあ、私も着替えるんだよ」
「はい、はい、行ってらっしゃい」
「行ってらっしゃいませです」
今度はシムリが試着室に着替えに入った。
中からは微妙に声が聞こえて来る……
「うぅ~ん、これ着るのが難しいんだよ……」
どうやら初めて着る和服に難儀している感じだ。
それでも、しばらくするとなんとか着替えたシムリが出て来た。
「じゃじゃーんなんだよ」
それは巫女服であった。
しかし、下は袴ではなく膝丈くらいのスカートになっている。
上は胸までしか隠れておらず、首から紐で引っかけている状態だ。
巫女服と言うよりは花魁着物に近い。
それを前側がリボンになっている帯で纏めているのだ。
肩も背中も丸出しで実にセクシーである。
「ちょっと、恥ずかしいんだよ」
「我慢なさい、前より全然良くなったわ」
「綺麗なのです、シムリ様」
「ありがとう。マヨーラちゃん、スイちゃん」
「後はスイね、早く着替えてらっしゃい」
「はいです」
最後にスイが試着室に入って行く。
やはり慣れない着物に苦戦している様子だ。
「……遅いわね」
「開けてみようか?」
それを聞いたスイは慌てて中から訴えかける。
「ま、ま、待って下さいなのです。もう少しですから」
「仕方ないわねぇ……」
「確かに着替え辛いんだよ」
そして……
ようやく着替え終わったらしく、カーテンが開くとスイが出て来た。
「お待たせしましたです」
「あら、意外と似合うじゃないの」
「ぬぅぅぅ、あまりタメツグさんに見せたくないんだよ」
スイは浴衣みたいな感じの着物を着ていた。
だが、これまた丈が短い股下数センチだろうか?
ミニ着物にオーバーニー足袋である。
しかも、ノースリーブで横乳も素晴らしく、振袖の部分だけ別で纏っている。
そして、後ろ側に大きなリボンの付いた帯で縛ってあった。
「それにしても……」
マヨーラはそう言いながら、スイに近づくと……
バチーン!
横乳にビンタしした!
「はにゃ~ん!」
驚いたスイは変な声を出しながら、両腕で胸を隠しながら後ずさりする。
「まあいいわ、これで許してあげるわ」
「スイは何もしてないのです!」
「マヨーラちゃん……」
「後は適当に下着とか替えを買って帰るわよ」
「うん……」
「あぅー」
こうして、乙女達の楽しいお買い物は終わった。
尚、シャルはビキニを着ていた。
これも和風な感じで着物のように左右で合わせるトップに、下は申し訳程度に和風柄のパレオみたいなので隠されている。
一応これも貞宗ブランドであるそうだ。
これが普段着だと言い張るにシャルに、マヨーラは「そう」とだけ言ってお会計を済ませるのであった。
それと、余談ではあるが帰りは荷物が多く、歩くのも大変だからとマヨーラが走って来た陸上艇を止めようとした。
正秀に教えてもらったタクシーの止め方を実践し、手を上げて陸上艇の前に飛び出したら撥ねられてしまったのだ。
頭から血を流し、泥だらけになったマヨーラを見る3人。
交通安全には気を付けようと思うのであった……
カワイイ服を目の前に、シャル以外は目をキラキラさせながら漁りまくる。
お金も沢山もらって来たので、中々に強気でのお買い物だ。
「これだけいっぱいあると、迷っちゃうんだよ」
シムリは手当たり次第に服をあてがい、右往左往している。
「そうね、目移りしちゃうわ」
「マヨマヨ様、ご主人様の好きそうなのはどれなのでしょうか?」
「うーん…… どれも素敵だけど、なんかこう…… ピンとこないのよね」
「このようなヒラヒラした服より、体にフィットした服の方が機能的だぞ?」
「お姉ちゃんは、もっとお洒落した方がいいんだよ」
「いや、私は向こうを見て来ることにする」
「もう、お姉ちゃんったら……」
「まあ、好みは人それぞれだから仕方ないわね」
「マヨーラ君の言う通りだぞ」
「分かったわ。選び終わったら持って来てちょうだい、お金はマサヒデにいっぱい貰ってるから」
「うむ、それはありがたい。では」
シャルは可愛い服売り場を後にすると、スタスタと水着売り場の方へ行ってしまった。
「さてと、どうしようかしら」
「ちょっと高価いけど、ブランド物とかどうかな?」
「あら、それもいいわね。なら店員に聞いてみましょ」
「それでは、スイが店員様をお呼びして来ます」
「お願いするわ」
「はいです」
スイは店員さんを呼びに行ったが、3秒くらいで戻って来た。
戻って来たと言うよりは、振り向いただけだ。
直ぐ後ろに居たから。
振り向いて、目と目が合ったのが概ね3秒なだけである。
「呼んできたのです」
「早いわね…… って、動いてないじゃないの」
「いかがなさいましたかぁ?」
「か…… あぅ…… ぶ(カワイイ服のブランド物は何処なのかな?)」
「あんた店員とも話せないのね……」
マヨーラはヤレヤレと言った表情でシムリを見て言った。
「うぅ…… は……(恥ずかしいんだよ)」
「通訳が向こうに行ってしまったから聞き取れないわ」
「あぅぅ……」
店員さんは意味不明である。
「……?」
仕方ないのでマヨーラが店員さんに対応することになる。
「まいいわ、それよりちょっとあなた」
「はぃ」
「カワイイ服の素敵なブランドは何処かしら?」
「可愛い服のブランドですかぁ」
「ええ」
店員さんは手の平で、店の中央付近を指しながら案内してくれる。
「それでしたらぁ、あちらのサダムネブランドは如何ですかぁ?」
「サダムネブランド? 何よそれ」
「かの有名な伝説の冒険者、サダムネ氏がデザインした服ですよぉ」
「あいつ、そんなことまでしてるのね……」
「さすが、サダムネ様なのです」
「少々お値段は高価いですがぁ、どれも素敵で人気の高い商品ですぅ」
「へぇ、そうなのね分かったわ。それじゃ、案内してもらおうかしら」
「では、ご案内しますぅ」
店員さんに連れられて、少女達はゾロゾロと付いて行くのであった。
※ ※ ※ ※ ※
「どうぞぉ、こちらですぅー」
貞宗ブランド売り場に案内された3人は、陳列されている服を見ると物珍しそうに眺める。
そこには、この世界とは違う雰囲気の服が一着づつドールに着飾られていた。
どれも和風な感じの服なのだが、この世界の人間にはそれが理解できない。
しかし、見る者を魅了し惹き付け、不思議な感覚を覚えるデザインばかりだ。
「へぇ…… 中々素敵じゃないの」
「素敵なのです」
「でわぁ、ごゆっくり見て行ってねぇー」
そう言い残すと、店員は向こうへと行ってしまった。
「なんだか変わったデザインなんだよ」
「そうね、サダムネの着ていた服に似てる感じもするわね」
「きっと、ご主人様達の世界の服なのかも知れないです」
「え? ご主人様達の世界? 世界ってなんなのかな?」
「ああ、シムリは知らなかったのよね」
「知らないんだよ」
「マサヒデとタメツグは、この世界の人間じゃないのよ」
「ええ!? 意味が分からないんだよ!」
「召喚者らしいわ、異世界からの」
「本当に!? ビックリなんだよ、だからあんなに強いんだ」
「つばい様も異世界から来られたのです」
「つばい?」
「ああ、それはレオのことよ、マサヒデ達が乗ってる陸上艇よ」
「ほへぇ~なんだよぉ」
「でも、あたし達と殆ど違わないから気にする必要無いわよ」
「うん、そうだね」
「そうなのです、ご主人様はご主人様なのです」
シムリは近くのドールが着ている服を指でピラピラさせながら言う。
「じゃあタメツグさんも、こんな感じの服が好みなのかな?」
「きっとそうだわ、それにどれもカワイイわね」
「ではでは、愛の魔導士マヨマヨ様にセレクトしてもらうです」
「マヨーラさん! お願いだよ」
「ふふ、任せてちょうだい」
それから彼女たちは、アレでもないコレでもないと服選びに勤しんだ。
手当たり次第に服をドールから剥ぎ取ると、そのまま試着室へ。
意外と数があるので時間が掛かる。
だが、そんなのはお構い無しに時間も忘れ楽しそうにショッピングするのであった。
……………
………
…
あれから3時間くらいが経った……
時間も忘れ無我夢中で選び、ようやく服が決まった。
「ちょっと疲れてきたわ」
「だけど、お友達とのお買い物は楽しいんだよ」
「え、ええ…… そうね」
「素敵な服を選んでもらったのです」
「流石マヨーラさんなんだよ」
スイとシムリは選んでもらった服を手に持ち、嬉しそうにしている。
「マヨーラさんはどれか決めたかな?」
「あ…… えっと…… その……」
マヨーラは何故かモジモジしていた。
「どうかしたのかな?」
「そ、その…… あ、あたしのことは呼び捨てでもいいわよ、友達だしね!」
「ああ、そうだね、じゃあマヨーラちゃんでいいかな?」
「マヨーラ…… ちゃん……」
「ん? 嫌なのかな?」
「そそそ、そんなこと無いわ! それでいいわ! そうなさい!」
「うん、よろしくねマヨーラちゃん。ついでにスイちゃんも」
「うにゅ、ついでちゃんなのです」
微妙にスイは不満そうであった。
「それじゃ、着替えましょうか。あたしのも選んであるし」
「そうなんだ、マヨーラちゃんの新しい服も楽しみなんだよ」
「なんだよなのです」
「なら、あたしから着替えて来るわ」
マヨーラはお目当ての服を手に取ると、試着室へ入りゴソゴソと着替え始める。
少しするとカーテンが開き、出て来た。
「ど、どうかしら?」
着替えたマヨーラは着物ドレスを着ていた。
上は可愛くアレンジされた着物だが、下はミニスカートになっている。
全体的に端の方にヒラヒラがいっぱい付いていて、ピンク色がベースになっているのだ。
「うわぁ、マヨーラちゃん凄くカワイイんだよ!」
「うぉぉぉ、カワイイのです。素敵なのです」
「そ、そうかしら? まあ、こんなものね」
「じゃあ、じゃあ、私も着替えるんだよ」
「はい、はい、行ってらっしゃい」
「行ってらっしゃいませです」
今度はシムリが試着室に着替えに入った。
中からは微妙に声が聞こえて来る……
「うぅ~ん、これ着るのが難しいんだよ……」
どうやら初めて着る和服に難儀している感じだ。
それでも、しばらくするとなんとか着替えたシムリが出て来た。
「じゃじゃーんなんだよ」
それは巫女服であった。
しかし、下は袴ではなく膝丈くらいのスカートになっている。
上は胸までしか隠れておらず、首から紐で引っかけている状態だ。
巫女服と言うよりは花魁着物に近い。
それを前側がリボンになっている帯で纏めているのだ。
肩も背中も丸出しで実にセクシーである。
「ちょっと、恥ずかしいんだよ」
「我慢なさい、前より全然良くなったわ」
「綺麗なのです、シムリ様」
「ありがとう。マヨーラちゃん、スイちゃん」
「後はスイね、早く着替えてらっしゃい」
「はいです」
最後にスイが試着室に入って行く。
やはり慣れない着物に苦戦している様子だ。
「……遅いわね」
「開けてみようか?」
それを聞いたスイは慌てて中から訴えかける。
「ま、ま、待って下さいなのです。もう少しですから」
「仕方ないわねぇ……」
「確かに着替え辛いんだよ」
そして……
ようやく着替え終わったらしく、カーテンが開くとスイが出て来た。
「お待たせしましたです」
「あら、意外と似合うじゃないの」
「ぬぅぅぅ、あまりタメツグさんに見せたくないんだよ」
スイは浴衣みたいな感じの着物を着ていた。
だが、これまた丈が短い股下数センチだろうか?
ミニ着物にオーバーニー足袋である。
しかも、ノースリーブで横乳も素晴らしく、振袖の部分だけ別で纏っている。
そして、後ろ側に大きなリボンの付いた帯で縛ってあった。
「それにしても……」
マヨーラはそう言いながら、スイに近づくと……
バチーン!
横乳にビンタしした!
「はにゃ~ん!」
驚いたスイは変な声を出しながら、両腕で胸を隠しながら後ずさりする。
「まあいいわ、これで許してあげるわ」
「スイは何もしてないのです!」
「マヨーラちゃん……」
「後は適当に下着とか替えを買って帰るわよ」
「うん……」
「あぅー」
こうして、乙女達の楽しいお買い物は終わった。
尚、シャルはビキニを着ていた。
これも和風な感じで着物のように左右で合わせるトップに、下は申し訳程度に和風柄のパレオみたいなので隠されている。
一応これも貞宗ブランドであるそうだ。
これが普段着だと言い張るにシャルに、マヨーラは「そう」とだけ言ってお会計を済ませるのであった。
それと、余談ではあるが帰りは荷物が多く、歩くのも大変だからとマヨーラが走って来た陸上艇を止めようとした。
正秀に教えてもらったタクシーの止め方を実践し、手を上げて陸上艇の前に飛び出したら撥ねられてしまったのだ。
頭から血を流し、泥だらけになったマヨーラを見る3人。
交通安全には気を付けようと思うのであった……
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