異世界に吹っ飛ばされたんで帰ろうとしたら戦車で宇宙を放浪するハメになったんですが

おっぱいもみもみ怪人

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テラ宙域編 4章

第18話 完成したので試験走行へ行くわ

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 レオパルト2の改造を始めてから33日が経った……

 毎日を不眠不休でスクリーンパネルとにらめっこしながら気の遠くなるような作業を繰り返した。
 だが、それも昨晩で終わった。
 昨晩と言っても日付の変わった深夜であるが。

 すべての工程が完了した。

 後はオートファクトリーが注文通りの品物を生産してくれるのを待つだけであった。

 ピー ピー ピー……

 為次はラボの椅子で白目を剥きながら眠っていた。

 ピー ピー ピー……

 「ふがっ!?」

 端末から聞こえる電子音で目を覚ます。
 スクリーンを見るとコンプリートの文字が点滅している。

 「お? できた……?」

 どうやらオートファクトリーの作業が完了したらしい。
 のそのそと立ち上がる為次の髪はボサボサで服もヨレヨレ、目も虚ろだ。
 エーマの汚らしいナリといい勝負であった。

 「ふぁーぁ……」

 あくびをしながらボリボリとお尻を掻き、隣のオートファクトリーへと向かう。
 そして、自動ドアが開き目に飛び込んできたのは鈍色の輝きを放つ鉄の塊であった。
 アクセントカラーで一部は青色の塗装もしてある。

 「おぉ……」

 感嘆の声が口から漏れた。
 生まれ変わったレオパルト2の雄志に眠気も吹き飛ぶ。

 「すげぇ、まじか」

 近づいて、そっと触れてみると手には冷ややかな鉄の感触が伝わってくる。
 
 以前のレオパルト2とは見た目が変わっていた。
 中身は同じ姿なのだが、レオパルト2A7+をベースに増加装甲を装着してあるのでパッと見は別の車両にも見える。
 レオパルト2A7+とはA7に非対称戦闘用の増加装甲と装備を追加した車両であり、ドイツではコストの高さから配備を見送られてしまったものだ。
 為次が作った宇宙戦車と実際の車両とを比べるとRWSリーモートウエポンシステムの代わりにセンサーシステムが付いていたり、増加サイドアーマーが後方まで延びていたりと所々違いがある。

 「えっと…… 名前なんにしようかな」

 貞宗宅で宇宙仕様モドキへと改装した時に、レオパルト2アドバンスと名付けたのを思い出す。

 「んー。まあ、レオパルト2アドバンスプラスでいいか。今日からそれがお前の名前な」

 車体をポンポンしながら呟いた。
 安直ではあるが、兵器なんだから別に構わないだろうと為次は思う。

 「変わった名だな」

 後ろから誰かの声が聞こえてきた。
 いつの間に来たのであろうか?
 気が付かない内に腕を組みながら、関心した面持ちで戦車を眺めるエーマが立っていた。

 「来てたんだ」

 「ああ、僕の端末にも完成を知らせるメッセージが届いていたからな」

 「ちゃんと動くかなぁ……」

 「そこは心配いらない。シミュレートでも問題無かったであろう? もっともモノポールドライブは別だが」

 「うん」

 完成したと言っても魔法関連の調整は終わっていない。
 こればかりは為次でもテラの技術でも、どうしようもない。
 今後、アクアへ戻ってから貞宗とマヨーラに頼むつもりだ。

 「動かしてみないのか?」

 「動かすけどぉ…… 緊張するかも」

 「ふふっ」

 エーマは笑って返すだけであった。

 「んじゃ」

 と、為次は運転席に潜り込む。

 外見は戦車その物なので乗車し辛いのは変わりないが、内部は今までとはかなり違う。
 各座席は宇宙船のようなコックピットでモニターやスイッチがところ狭しと並んでいる。
 運転に至ってはハンドルこそ付いているが、ヘリコプターのように3次元の動きが必要な為に、左手にはサイドスティック、左足にはシーソーペダルが増設されている。

 運転は飛行機と違い、ハンドルを左右に回すとローリングではなくヨーイング。
 いわゆる旋回となっている。
 あくまでも車両であるとの為次なりのこだわりであった。

 また、それぞれの席に操作用のタブレットが備え付けてある。
 装填を除くほぼすべての動作をさせることが可能で、持ち出せば少し離れた場所からも車両を遠隔操作できる。
 もっとも画面上での操作であるが故に扱い辛い面もあり、乗員が一人しか居ない場合の緊急処置的なものだ。

 自動装填装置の搭載も考えたが、スペースの都合上諦めた。
 どう頑張ってもスイの乗る席が無くなってしまうのだ。
 その代わりと言ってはなんだが、オプションで装填君なるロボットを作っておいた。
 砲塔後部のバスケットに置いてあるが、装填手席に突っ込めば人間の代わりに装填をやってくれる。

 「ではでは、ポチッとな」

 メインスイッチを入れると、様々な機器が一斉に薄暗い明かりを灯す。
 視界モードを全周囲にすると、全天球投影スクリーンが起動し、あたかも装甲が透けているかのように外が見えた。
 まるで宙に浮いているかのような不思議な気分だ。

 「うぉ…… なんこれ」

 ちょっと気持ち悪いし、落ち着かないので視界は電子ペリスコープに戻した。

 「よし、動いてみよう。そうしよう」

 地上走行モードにしてアクセルペダルをゆっくりと踏み込む。
 すると、レオパルト2は履帯と床の抵抗音だけを響かせ前進する。
 駆動音が殆ど無いので、どことなく不気味な感じだ。
 とても戦車とは思えない静けさとスムーズな動きである。

 しばらく為次は狭いファクトリーをヘコヘコと走ってみた。

 「おけ、問題ないかな。次はっと」

 次はいよいよ本命の空間走行モードである。

 早速、モードを切り替える為次。
 すると車体が僅かに浮かび上がり、左右に取り付けられている増加サイドアーマーを支持するフレームが僅かに伸び、増加サイドアーマーは車体とのクリアランスを若干取る。
 そのまま内側のサイドアーマーと一緒に90度上に跳ね上がった。
 サイドアーマーが上にあがったことで剥き出しとなった履帯は、元々はトーションバーだったフレームによって左右に若干ほど飛び出す。
 そして、サイドアーマーとは逆方向の下向きにホイールごと90度折れ曲がった。

 この動きは某タイムマシンを参考にものであり、ホイールをスラスターとして使用するからである。
 地上走行しない時はデッドウエイトなるホイールを浮上用のイン・ホイール・スラスターとしたのだ。

 増加サイドアーマーは装甲としてはダミーであり、厚みを利用してサイドスラスターが仕込んである。
 地上モードで噴射口が下を向いている時は、ホイールスラスターの代わりの役目を果たす。 

 基本的に方向転換は装甲の内側に貼り巡された重力制御パネルによって行うが、力が必要な前進と上昇は専用のスラスターを使う。
 先程紹介したイン・ホイール・スラスターが上昇用であり、ロードホイール転輪を改造した物だ。
 前進用メインスラスターは車体後部の排熱グリル部を改造してあり、ジェネレーターと一体型となっている。
 こちらはオプティカルスラスターとなっており、光を推進剤とすることで理論上は亜光速まで加速できる代物だ。
 ただし、瞬発力に欠けるが為に別途パワーブースターなる物を、不要となったマフラー部分に備え付けてある。
 このブースターは最高速度こそオプティカルスラスターに負けるが、重力制御による慣性打ち消しをも上回る加速を提供してくれる優れものだ。

 尚、メインラスターとホイールスラスターは30パーセントまでの出力でリーバススラストをかけれる。
 ホイールスラスターは前後または左右を非対象に作動させることによって、車体をロール及びピッチの動きをさせることも可能だ。

 「んん? 浮いてんのかな?」

 ステータス画面を見ると確かに車体は浮上している。
 しかし、慣性がことごとく打ち消されているせいで浮遊感はまったく無い。
 まるでテレビゲームのようだ。

 仕方ないので、ハッチを開けて頭を出しながら確認してみる。
 が、元々前方以外は視界の悪い運転席だ、やはり浮いているのか分からない。
 今度は正面で見ていたエーマに訊いてみることにする。

 「ねー、どう? どう? 浮いてる?」

 「ああ、問題ない。傾けてみたらどうだ?」

 「あ、はい」

 言われて左足にあるシーソーペダルの片側を踏んでみる為次。

 「うわぁ、何これ」

 「初めてだと、不思議な感覚であろう?」

 「うん」

 ファクトリーに対して車体は確かに傾いていた。
 だが、乗車している為次からはファクトリーが傾いた感覚に襲われる。
 これはヒマワリの重力を打ち消して、車内に発生させている人工重力によるものだ。
 搭乗員にとってはレオパルト2がどのような向きを取っていようとも、常に車体の床が下になるのだ。

 「ちょっと面白いかも」

 少し慣れると戦車をグルグルと動かし、動作テストをする為次であった。

 ……………
 ………
 …

 10分くらい遊ぶと、再び地上モードに戻してから降車した。
 もっと動かしていたかったが、場所があまり広くはないので早々に終わらせたのだ。

 「うーん、中々の仕上がりだぞい。さすが俺」

 ご満悦の為次はニヤケた顔をしながらエーマに向かって言い放った。

 「よくぞこのサイズに収めたものだ。タメツグ君には才能があるかもな」

 「うん、うん。そうでしょう、そうでしょう」

 「それに何より、間に合って良かった」

 「うん、うん…… うん?(間に合って?)」

 調子に乗っていた為次だが、意味不明な言葉にいぶかしげな顔をした。

 「どうかしたかな?」

 「え? 間に合ったの? 何に?」

 「話してなかったか? 百鬼夜行だ」

 「ひゃ……? あひゃひゃ?」

 「アヒャではない、百鬼夜行だ」

 「なんじゃそれ?」

 「知らないのか。それではまず自己紹介から……」

 「いやいや、それはもいいから」

 「僕とタメツグ君は親しい仲だが、これからもっと親密になるには更なる自己紹介が必要であろう。どうだい? これから食事でもしながら語り合うのは」

 「親密って…… 逢い引きにでも誘ってんの……?」

 「無論だ」

 戦車のことで頭がいっぱいだった為次は思い出した。
 テラの住民は皆、男に飢えていることを……

 エーマのことを薄汚いおばさんとしか見ていなかったので忘れていた。
 もっとも、設定年齢は若いのでおばさんは失礼であるが、何ぶん色気がまったく無い。

 「……えっと」

 「……気にするな。冗談だ」

 「…………」

 「百鬼夜行の説明だったな」

 「あ、はい」

 「正直なところ、あまり話したくはないのだが」

 「そうすか」

 「僕達の不甲斐無さを更け出すようでな」

 「そうすか」

 「……まあいい。魔獣の群衆発生のことだ。同じエリアに百近い魔獣が同時に現れる現象なのだよ」

 「へぇ……」

 「魔獣が発生する際に素粒子の乱れが生じ、これが特定の波動として観測できる。百鬼夜行の場合は、この波動が極めて強力で大規模なものとなるのだ」

 「で。そのアヒャヤッコって、いつ?」

 「間もなくだぞ。数日前、ベータ宙域で波動が観測された。既に全艦が集結中なのだよ」

 「全部集まるんだ、凄いね。何隻くらい?」

 「予備を除く332隻の艦艇が集合する。もっとも前回は生き残ったふねが13隻だったが……」

 「え? 前回も三百ものお船が出たの?」

 「ああ、そうだ。同じ数が出撃している。今から約8年前のことだ」

 「生還率の超低い艦隊かぁ…… そりゃ好都合だねぇ」

 為次はニヤリと笑いながら言った。

 「好都合…… と? タメツグ君の仲間も危険に晒されるのだぞ?」

 「ふふん、8年前に餌を大量にやったおかげで、今回はさぞかし盛大なパーティーになるだろうて」

 「やれる自信があるのかい?」

 「魔獣の本体は脆いからね、厄介なのはマジックシールドだけだよ。んで、俺にはそれを撃ち破る能力があるってね。うひゃひゃ」

 「……今から出撃すれば間に合う」

 「あー…… でも、あいつらがピンチの時に颯爽と駆け付けた方がカッコいいかなぁ」

 「ふふっ。君を見ていると本当になんとかしてくれる気になってくるな」

 「あいあい。んでは、テスト走行と行きますかっ!」

 「…………」

 エーマは何も言わずに為次を見つめていた。

 「一段落したら食事に付き合うよ、食事だけね」

 そう言い残し、再びレオパルト2へと搭乗する為次。

 「待っている」

 と、呟くエーマの声は聞こえなかった。

 ……………
 ………
 …

 ファクトリーの扉が開くと、103番アームへの誘導が始まった。
 100番代は緊急時に最優先で可動させるアームとなっている。

 巨大なドック艦から出撃する、豆粒のような戦車。
 エーマはスクリーンから見守っていた。

 そこへ1人の女性が後ろから話し掛ける。

 「局長、あれが我々の最後の希望ですか?」

 どうやらエーマの部下らしい。

 「ああ、彼ならきっとやってくれるさ。僕はフラれたようだがね。ははっ」

 「はぁ…… 局長をふるなんて、見る目の無い男ですよ」

 「そうでもないさ……」

 「でも、お風呂は入った方がいいですねぇ」

 「…………」

 黙って苦笑いをしたエーマはラボを後にする。

 「どちらへ?」

 「軍部への根回しもしておかないとな。でないとタメツグ君もやり辛いだろう」

 「あぁ……」

 こうして、生まれ変わったレオパルト2の試験が始まろうとするのであった……
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