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1stSEASON
長い夢
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(1)
「空、おはよう」
「おはよう翼」
翼と朝の挨拶を交わして、着替える。
天音達はとっくに行ってるらしい。
ラジオ体操をする気は全くないらしい。
純也と茜を巻き込んでラジオ体操にきた他の児童を巻き込んで砂場で陣取りやって遊んでる。
そしてラジオ体操が終るとちゃっかり並ぶ。
家に帰るとご飯を食べて学校に行く準備をする。
今日は平和授業の日。
広島に原爆が落とされた日。
学校について8時15分になると黙とうをして平和授業を行う。
誰かが言ってた。
核兵器を使う事の無意味さを。
戦争は思想の違いや宗教が起こす物。
戦争は外交手段の最悪の手段。
交渉に失敗した時に訪れる最悪の事態。
戦争は領土を欲しいがために起こすもの。
その領土が長い年月の間使い物にならないのに何の価値も無い。
昔飛行機がビルに突っ込んだテロがあった。
それだけで深刻な被害が出たらしい。
そもそも日本の様な狭い土地に核兵器は必要なのだろうか?
ミサイル一発飛んできただけで日本は壊滅するらしい。
核兵器は使われることのない兵器。
ただの抑止力にしか過ぎない。
ちょうど今の僕達のように。
やられたらただじゃおかないぞ。
そんな単純な理屈で世界は動いている。
人を救うはずの神が人を殺している世の中。
そんな事を考えていた。
もっともそんな真面目に考えているクラスメートなんてそんなにいないようだ。
ただ「核兵器は廃絶すべき」その事だけを訴える教師がいる。
しかし考えてもみよう。
核兵器を一番持ってる国が「核兵器を放棄しなさい」と言って誰が納得しよう?
核による被害を受けた唯一つの国が所持を許されないってどういう理屈なんだ?
核は残酷で無慈悲な兵器。だから持ってはいけない。
じゃあ、残酷じゃない兵器をあげてくれ。
極論、武器はみな悲惨な結果をもたらすんじゃないのか?
その事に触れず「日本は無謀な戦争をしてそして特攻隊と言う無謀な戦術に出てそして原爆を投下され敗戦した」
その背景には一切触れようとしない。
「また難しい事考えてる。皆漫画見てたのしんでるだけだよ」
翼から伝言が届く。
「そうだね」
授業は午前中で終わる。
「次は2学期だな」
そう言って皆家に帰る。
家に帰ると昼ご飯を食べる。
天音は少々ご機嫌斜めの様だ。
何か平和授業であったのだろうか?
しかし平和授業なんて無意味だって事をすぐに実感する。
昼ご飯を食べるとすぐに部屋に行きFPS……戦争ゲームを始める。
動画も見た。
現代社会に核戦争が起こったらどうなるか?
そんな悲惨なドキュメンタリーが投稿されている。
没頭してるあまり忘れてしまう。
翼は母さんに似てそういう残虐なシーンを好まない。
翼の好きそうなファンタジーなゲームを始める。
「ごめんね」
翼が言う。
「こっちこそごめん、ついのめりこんじゃって」
「気にしないで」
夏休みの課題は祭りまでに片付いた。
あとは遊び倒すだけ。
純也と茜は2学期から姓が片桐に替わる、
受理されたらしい。
その純也と茜も天音によって片桐家流のスケジュールをこなす。
天音の理解力と説明は翼よりも上だ。
だから純也達に丁寧に教えてやる。
今は天音と水奈と純也達で遊びに行く。
近所の池に釣りに行ったりしてる。
天音達の釣りは基本キャッチアンドリリースだ。
問題は純也と茜を池に釣れていった事。
小学校低学年は立ち入り禁止区画だ。
もっとも「河童がいるからあぶないぞ」と天音たちを注意した時も「生け捕りにしてSNSに投稿しようぜ」と夜遅くまで見張っていて怒られていた。
夕食の時間まで時間を潰すと天音が帰ってくる。
そして夕飯を食べて先に僕が入って、翼、天音と続く
翼は僕の部屋で髪を乾かしながら、話をする。
時間になるとお休みの挨拶を交わして翼は部屋を出る。
僕もベッドに寝る。
(2)
その週末渡辺さんが来た。
「久しぶり、仕事はどう?」
「冬夜こそどうなんだ?」
「まあまあかな」
そんな話を聞いていた。
今日はキャンプに行く日。
盆休みには遠坂家の実家に行くために前倒しにしたらいい。
今年は海じゃない、山になった。
メンバーは渡辺家、片桐家、多田家、桐谷家、中島家、酒井家、石原家、木元家。
父さん達の昔からの友達。
今年は母さんたちも行くそうだ。
光吉インターそばのコンビニに集まると出発する。
多田家と桐谷家、中島家はやはりスピードを出す。
それは別府インターを降りてからも変わらずだ。
そしてそれぞれの母親に怒られる。
湖に着くと親はテントを設置する。
その間好きに遊んでいると良いと言うので持ってきたボールで遊んでいた。
僕は翼とボートに乗ろうと言った。
すると学と美希、勝利と輝夜もきた。
それぞれボートで二人の時間を楽しむ。
ボートで遊ぶのを昼食の時間。
山盛りの弁当を食べつくす。
弁当を食べ終わると、それぞれの時間を楽しむ。
ボールで遊ぶ者、昼寝をする者、僕はテントでスマホでゲームをしていた。
翼がテントに入ってくる。
「せっかくだから付き合ってよ」
翼と湖を一周する。
いろんな話をしていた。
湖を周ってテントに戻るとBBQの準備が行われていた。
父さん達と一緒に火を起こす。
水奈と学の父さんは既にお酒が入っていたみたいだ。
木元さんと中島君のお父さんも同様だった。
嫁さんがいない間に愚痴をこぼし、そして嫁さんが戻ってきても気づかずに怒られる。
いつものことだからと父さんは言ってた。
BBQの間は僕達はひたすら食べる、
「良い食いっぷりだな。子供のうちはそうでないとな!」
渡辺美嘉さんが言う。
食べ終わると大人の女性は皆片づけをする。
その間に僕達は花火で遊ぶ。
僕は翼と線香花火で遊んでいた。
どっちが長い間続くか。
そんな遊びをしていた。
でもいつかは消える花火。
いつかは終わる夢。
人の夢と書いて儚いという。
そんな事を考えていた。
すると翼は僕の花火に新しい花火を近づける。
新しい花火に火が付く。
「こうすれば終わらないよ」
翼はそう言って笑う。
何度でも新しい夢を描いてゆけばいいんだ。
改めて思った。
どれだけでも長い夢を見て入れられる。
花火が終ると夜食のラーメンを食べる。
正俊君も食べていた。
正俊君は純也や茜と仲良くなっていた。
正俊君はラーメンを食べて寝た。
「せっかくだから肝試ししようぜ!」
天音が言う。
肝試しと言う名のただの夜の散歩。
空を見上げると星が綺麗だった。
散策を終えると僕達はテントで眠りについた。
(3)
朝になると、朝ごはんの匂いがする。
みそ汁にご飯に焼きそば。
食べ終わると片づけをしている間にテントの片づけをしている。
学が多田君と学の父さんに何か言われていた。
何を話しているんだろう?
父さんに聞いていた。
「空達なら大丈夫だよ。翼の扱いは慣れてるだろうし」
意味が良く分からなかった。
「問題は天音だな……、何も無ければいいけど」
これからどこに行くんだろう?
テントの片づけが終ると僕達はテーマパークに向かう。
翼は楽しそうだった。天音は露骨に嫌そうな顔をしていた。
調和の国。
マスコットキャラクターをイメージした女子の憧れのテーマパーク。
なるほど……これは確かに厳しい。
テンションの上がる女子と反比例して下がる男子。
僕は楽しかった。
翼の気持ちと同調してるから。
こんなにはしゃいでる翼を見るのも久しぶりだった。
翼と一緒に記念写真をとったり、アトラクションであそんだり、お土産屋さんでお揃いのキーホルダーを買ったり。
時間が経つのがあっという間だった。
「楽しかったね」
翼のその一言を聞けば疲れも吹きとぶ。
にこにこしている僕達を見て水奈のお父さんと学のお父さんは言う。
「お前は冬夜に似たんだな」
父さんが言う。
「楽しめた?」
「うん!」
翼が元気に答えていた。
皆が集まると、僕達は帰ることにした。
(4)
帰りにファミレスによる。
僕と翼、天音と大地、学と美希と水奈で席につく。
今日は父さんがいる。
だから容赦なく注文する。
呆れてる4人。
「いや、さっきのは参ったな」
学が言う。
「確かにあれはねーわ……二度と行きたくない」
水奈も言う。
「私もあれはもういい……」
天音も面白くなかったらしい。
大地はただ笑っていた。
楽しんでいたのは僕と翼だけらしい。
「夏休みも後わずかだな」
学が言う。
「宿題済んだ?」とか「自由研究どうした?」とかそんな話をしていた。
ちなみに天音は朝顔の研究を一日で終わらせた実績を持つ。
もちろん咲かせたわけじゃない。
ネットで調べて丸コピーしただけだ。
そこに天音流アレンジが入れば本当に観察したように見える。
食事が終ると僕達は家に帰る。
純也達も遠坂家に帰って日記をつける。
意外とまじめらしい。
僕達も風呂に入ると時間まで僕の部屋で翼と過ごす。
時間になると翼は部屋を出ていく。
僕達の夏は後わずかになっていた。
(5)
「おまたせ!ごめん。準備に時間がかかっちゃって」
「大丈夫。上映までまだじかんあるから」
律はそう言うと一緒にチケットを買いに行った。
律との初めてのデート。
というか人生で初めてのデート。
どの服がいいか、時間ぎりぎりまで悩んだ。
そんな苦労も直ぐに報われた。
「今日は綺麗だね」
律のその一言を聞くために私は努力してきた。
「今日だけなの?」
嬉しい気持ちを抑えてそんな意地悪を言ってみる。
「そ、そんなことないよ」
そう言って慌てる律。
上映10分前になると開場する。
私達は劇場に入る。
学校で24時間共同生活を送るというのほほんとしたストーリーかと思いきや……な展開の作品。
初デートでホラーってどうなの?
「きゃあ!」って律に抱きつけばいいんだろうか?
でも律は食い入るように映画に夢中になってる。
邪魔しちゃ悪いかな?
大人しく映画を観ていた。
映画が終る。
律は最後の最後まで映画を観るタイプの様だ。
そして館内が明るくなると「おまたせ、行こうか?」と立ち上がる。
「ごめん、ちょっとお手洗い行ってきていいかな?」
「ああ、僕も行きたいと思ってたんだ。飲み物飲み過ぎたみたい」
ずっと我慢してたらいい。
ちょっとおかしかった。
映画館を出るとファストフード店で食事。
映画の感想とか話さない。
「夏休みなにしてた?」とかそんな話。
食べ終わるとショッピングモールから少し離れたカラオケ店に行く。
律は洋楽が好きなようだ。
もちろん有名な曲も歌う。
デュエットなんかもしたりする。
ずっと歌いっぱなしってわけじゃない。
話をしながら歌う。
そして唇を重ねたりもする。
時間になるとカラオケ店をでる。
「今日は楽しかったよ。ありがとう」
律は言う。
礼を言うのはこっちだよ。
そして家に帰った。
夕食を食べて風呂に入って部屋でテレビをつけて宿題をする。
すると律からメッセージが届く。
「初めてのデートだったんだ。ありがとう」
私は彼に返信する。
「私も初めてだったんだよ」
彼は意外だったようだ。
少し驚いてた、
「2度目も誘っていいかな?」
「喜んで」
私達の長い夢はまだ終わりがないようだ。
(6)
公園で花火をしていた。
大原家と小泉家で中丸さんが付き添いで花火をしていた。
俺と要と奏は打ち上げ花火やロケット花火を打ちあげていた。
秀史と紫は2人で仲良く花火を眺めている。
夏希もちゃっかり志水拓海を呼んで二人で遊んでいた。
要は恋がキャンプに行っているから仕方ないとして俺達も彼女誘えばよかったなと話をしていた。
花火が終ると家に帰る。
風呂に入ると部屋に戻てスマホを触る。
「さっき花火行ってきた」
「いいなあ」
「紗奈は花火とかしないの?」
「兄さんが遊んでるのを見てるくらいかな」
そんなやりとりを毎晩してる。
夏休みの間は平和授業の時にあったきり。
お互いスケジュールが合わなかったり。一番の問題は行動範囲が限られている点だ。
まだ僕達の年齢では子供だけでは地区から出られない。
メッセージと電話のやりとりだけが僕達の全てだった。
だから学校が無い休みの間は辛さだけが滲む。
楽しいばかりの夏じゃない。
だけど寂しいばかりの夏でもない。
暗い未来でも強くいられる。
出逢えた奇跡を感じながら長い夢を見る心は永遠だから。
「空、おはよう」
「おはよう翼」
翼と朝の挨拶を交わして、着替える。
天音達はとっくに行ってるらしい。
ラジオ体操をする気は全くないらしい。
純也と茜を巻き込んでラジオ体操にきた他の児童を巻き込んで砂場で陣取りやって遊んでる。
そしてラジオ体操が終るとちゃっかり並ぶ。
家に帰るとご飯を食べて学校に行く準備をする。
今日は平和授業の日。
広島に原爆が落とされた日。
学校について8時15分になると黙とうをして平和授業を行う。
誰かが言ってた。
核兵器を使う事の無意味さを。
戦争は思想の違いや宗教が起こす物。
戦争は外交手段の最悪の手段。
交渉に失敗した時に訪れる最悪の事態。
戦争は領土を欲しいがために起こすもの。
その領土が長い年月の間使い物にならないのに何の価値も無い。
昔飛行機がビルに突っ込んだテロがあった。
それだけで深刻な被害が出たらしい。
そもそも日本の様な狭い土地に核兵器は必要なのだろうか?
ミサイル一発飛んできただけで日本は壊滅するらしい。
核兵器は使われることのない兵器。
ただの抑止力にしか過ぎない。
ちょうど今の僕達のように。
やられたらただじゃおかないぞ。
そんな単純な理屈で世界は動いている。
人を救うはずの神が人を殺している世の中。
そんな事を考えていた。
もっともそんな真面目に考えているクラスメートなんてそんなにいないようだ。
ただ「核兵器は廃絶すべき」その事だけを訴える教師がいる。
しかし考えてもみよう。
核兵器を一番持ってる国が「核兵器を放棄しなさい」と言って誰が納得しよう?
核による被害を受けた唯一つの国が所持を許されないってどういう理屈なんだ?
核は残酷で無慈悲な兵器。だから持ってはいけない。
じゃあ、残酷じゃない兵器をあげてくれ。
極論、武器はみな悲惨な結果をもたらすんじゃないのか?
その事に触れず「日本は無謀な戦争をしてそして特攻隊と言う無謀な戦術に出てそして原爆を投下され敗戦した」
その背景には一切触れようとしない。
「また難しい事考えてる。皆漫画見てたのしんでるだけだよ」
翼から伝言が届く。
「そうだね」
授業は午前中で終わる。
「次は2学期だな」
そう言って皆家に帰る。
家に帰ると昼ご飯を食べる。
天音は少々ご機嫌斜めの様だ。
何か平和授業であったのだろうか?
しかし平和授業なんて無意味だって事をすぐに実感する。
昼ご飯を食べるとすぐに部屋に行きFPS……戦争ゲームを始める。
動画も見た。
現代社会に核戦争が起こったらどうなるか?
そんな悲惨なドキュメンタリーが投稿されている。
没頭してるあまり忘れてしまう。
翼は母さんに似てそういう残虐なシーンを好まない。
翼の好きそうなファンタジーなゲームを始める。
「ごめんね」
翼が言う。
「こっちこそごめん、ついのめりこんじゃって」
「気にしないで」
夏休みの課題は祭りまでに片付いた。
あとは遊び倒すだけ。
純也と茜は2学期から姓が片桐に替わる、
受理されたらしい。
その純也と茜も天音によって片桐家流のスケジュールをこなす。
天音の理解力と説明は翼よりも上だ。
だから純也達に丁寧に教えてやる。
今は天音と水奈と純也達で遊びに行く。
近所の池に釣りに行ったりしてる。
天音達の釣りは基本キャッチアンドリリースだ。
問題は純也と茜を池に釣れていった事。
小学校低学年は立ち入り禁止区画だ。
もっとも「河童がいるからあぶないぞ」と天音たちを注意した時も「生け捕りにしてSNSに投稿しようぜ」と夜遅くまで見張っていて怒られていた。
夕食の時間まで時間を潰すと天音が帰ってくる。
そして夕飯を食べて先に僕が入って、翼、天音と続く
翼は僕の部屋で髪を乾かしながら、話をする。
時間になるとお休みの挨拶を交わして翼は部屋を出る。
僕もベッドに寝る。
(2)
その週末渡辺さんが来た。
「久しぶり、仕事はどう?」
「冬夜こそどうなんだ?」
「まあまあかな」
そんな話を聞いていた。
今日はキャンプに行く日。
盆休みには遠坂家の実家に行くために前倒しにしたらいい。
今年は海じゃない、山になった。
メンバーは渡辺家、片桐家、多田家、桐谷家、中島家、酒井家、石原家、木元家。
父さん達の昔からの友達。
今年は母さんたちも行くそうだ。
光吉インターそばのコンビニに集まると出発する。
多田家と桐谷家、中島家はやはりスピードを出す。
それは別府インターを降りてからも変わらずだ。
そしてそれぞれの母親に怒られる。
湖に着くと親はテントを設置する。
その間好きに遊んでいると良いと言うので持ってきたボールで遊んでいた。
僕は翼とボートに乗ろうと言った。
すると学と美希、勝利と輝夜もきた。
それぞれボートで二人の時間を楽しむ。
ボートで遊ぶのを昼食の時間。
山盛りの弁当を食べつくす。
弁当を食べ終わると、それぞれの時間を楽しむ。
ボールで遊ぶ者、昼寝をする者、僕はテントでスマホでゲームをしていた。
翼がテントに入ってくる。
「せっかくだから付き合ってよ」
翼と湖を一周する。
いろんな話をしていた。
湖を周ってテントに戻るとBBQの準備が行われていた。
父さん達と一緒に火を起こす。
水奈と学の父さんは既にお酒が入っていたみたいだ。
木元さんと中島君のお父さんも同様だった。
嫁さんがいない間に愚痴をこぼし、そして嫁さんが戻ってきても気づかずに怒られる。
いつものことだからと父さんは言ってた。
BBQの間は僕達はひたすら食べる、
「良い食いっぷりだな。子供のうちはそうでないとな!」
渡辺美嘉さんが言う。
食べ終わると大人の女性は皆片づけをする。
その間に僕達は花火で遊ぶ。
僕は翼と線香花火で遊んでいた。
どっちが長い間続くか。
そんな遊びをしていた。
でもいつかは消える花火。
いつかは終わる夢。
人の夢と書いて儚いという。
そんな事を考えていた。
すると翼は僕の花火に新しい花火を近づける。
新しい花火に火が付く。
「こうすれば終わらないよ」
翼はそう言って笑う。
何度でも新しい夢を描いてゆけばいいんだ。
改めて思った。
どれだけでも長い夢を見て入れられる。
花火が終ると夜食のラーメンを食べる。
正俊君も食べていた。
正俊君は純也や茜と仲良くなっていた。
正俊君はラーメンを食べて寝た。
「せっかくだから肝試ししようぜ!」
天音が言う。
肝試しと言う名のただの夜の散歩。
空を見上げると星が綺麗だった。
散策を終えると僕達はテントで眠りについた。
(3)
朝になると、朝ごはんの匂いがする。
みそ汁にご飯に焼きそば。
食べ終わると片づけをしている間にテントの片づけをしている。
学が多田君と学の父さんに何か言われていた。
何を話しているんだろう?
父さんに聞いていた。
「空達なら大丈夫だよ。翼の扱いは慣れてるだろうし」
意味が良く分からなかった。
「問題は天音だな……、何も無ければいいけど」
これからどこに行くんだろう?
テントの片づけが終ると僕達はテーマパークに向かう。
翼は楽しそうだった。天音は露骨に嫌そうな顔をしていた。
調和の国。
マスコットキャラクターをイメージした女子の憧れのテーマパーク。
なるほど……これは確かに厳しい。
テンションの上がる女子と反比例して下がる男子。
僕は楽しかった。
翼の気持ちと同調してるから。
こんなにはしゃいでる翼を見るのも久しぶりだった。
翼と一緒に記念写真をとったり、アトラクションであそんだり、お土産屋さんでお揃いのキーホルダーを買ったり。
時間が経つのがあっという間だった。
「楽しかったね」
翼のその一言を聞けば疲れも吹きとぶ。
にこにこしている僕達を見て水奈のお父さんと学のお父さんは言う。
「お前は冬夜に似たんだな」
父さんが言う。
「楽しめた?」
「うん!」
翼が元気に答えていた。
皆が集まると、僕達は帰ることにした。
(4)
帰りにファミレスによる。
僕と翼、天音と大地、学と美希と水奈で席につく。
今日は父さんがいる。
だから容赦なく注文する。
呆れてる4人。
「いや、さっきのは参ったな」
学が言う。
「確かにあれはねーわ……二度と行きたくない」
水奈も言う。
「私もあれはもういい……」
天音も面白くなかったらしい。
大地はただ笑っていた。
楽しんでいたのは僕と翼だけらしい。
「夏休みも後わずかだな」
学が言う。
「宿題済んだ?」とか「自由研究どうした?」とかそんな話をしていた。
ちなみに天音は朝顔の研究を一日で終わらせた実績を持つ。
もちろん咲かせたわけじゃない。
ネットで調べて丸コピーしただけだ。
そこに天音流アレンジが入れば本当に観察したように見える。
食事が終ると僕達は家に帰る。
純也達も遠坂家に帰って日記をつける。
意外とまじめらしい。
僕達も風呂に入ると時間まで僕の部屋で翼と過ごす。
時間になると翼は部屋を出ていく。
僕達の夏は後わずかになっていた。
(5)
「おまたせ!ごめん。準備に時間がかかっちゃって」
「大丈夫。上映までまだじかんあるから」
律はそう言うと一緒にチケットを買いに行った。
律との初めてのデート。
というか人生で初めてのデート。
どの服がいいか、時間ぎりぎりまで悩んだ。
そんな苦労も直ぐに報われた。
「今日は綺麗だね」
律のその一言を聞くために私は努力してきた。
「今日だけなの?」
嬉しい気持ちを抑えてそんな意地悪を言ってみる。
「そ、そんなことないよ」
そう言って慌てる律。
上映10分前になると開場する。
私達は劇場に入る。
学校で24時間共同生活を送るというのほほんとしたストーリーかと思いきや……な展開の作品。
初デートでホラーってどうなの?
「きゃあ!」って律に抱きつけばいいんだろうか?
でも律は食い入るように映画に夢中になってる。
邪魔しちゃ悪いかな?
大人しく映画を観ていた。
映画が終る。
律は最後の最後まで映画を観るタイプの様だ。
そして館内が明るくなると「おまたせ、行こうか?」と立ち上がる。
「ごめん、ちょっとお手洗い行ってきていいかな?」
「ああ、僕も行きたいと思ってたんだ。飲み物飲み過ぎたみたい」
ずっと我慢してたらいい。
ちょっとおかしかった。
映画館を出るとファストフード店で食事。
映画の感想とか話さない。
「夏休みなにしてた?」とかそんな話。
食べ終わるとショッピングモールから少し離れたカラオケ店に行く。
律は洋楽が好きなようだ。
もちろん有名な曲も歌う。
デュエットなんかもしたりする。
ずっと歌いっぱなしってわけじゃない。
話をしながら歌う。
そして唇を重ねたりもする。
時間になるとカラオケ店をでる。
「今日は楽しかったよ。ありがとう」
律は言う。
礼を言うのはこっちだよ。
そして家に帰った。
夕食を食べて風呂に入って部屋でテレビをつけて宿題をする。
すると律からメッセージが届く。
「初めてのデートだったんだ。ありがとう」
私は彼に返信する。
「私も初めてだったんだよ」
彼は意外だったようだ。
少し驚いてた、
「2度目も誘っていいかな?」
「喜んで」
私達の長い夢はまだ終わりがないようだ。
(6)
公園で花火をしていた。
大原家と小泉家で中丸さんが付き添いで花火をしていた。
俺と要と奏は打ち上げ花火やロケット花火を打ちあげていた。
秀史と紫は2人で仲良く花火を眺めている。
夏希もちゃっかり志水拓海を呼んで二人で遊んでいた。
要は恋がキャンプに行っているから仕方ないとして俺達も彼女誘えばよかったなと話をしていた。
花火が終ると家に帰る。
風呂に入ると部屋に戻てスマホを触る。
「さっき花火行ってきた」
「いいなあ」
「紗奈は花火とかしないの?」
「兄さんが遊んでるのを見てるくらいかな」
そんなやりとりを毎晩してる。
夏休みの間は平和授業の時にあったきり。
お互いスケジュールが合わなかったり。一番の問題は行動範囲が限られている点だ。
まだ僕達の年齢では子供だけでは地区から出られない。
メッセージと電話のやりとりだけが僕達の全てだった。
だから学校が無い休みの間は辛さだけが滲む。
楽しいばかりの夏じゃない。
だけど寂しいばかりの夏でもない。
暗い未来でも強くいられる。
出逢えた奇跡を感じながら長い夢を見る心は永遠だから。
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25歳の桜田未来は中学生から10年以上引きこもりだったが、2人暮らしの母親の死により外に出なくてはならなくなる。城ヶ崎冬馬は女遊びの激しい大手アパレルブランドの副社長。彼をストーカーから身を張って助けた事で未来は一時的に記憶喪失に陥る。冬馬はちょっとした興味から、未来は自分の恋人だったと偽る。冬馬は未来の純粋さと直向きさに惹かれていき、嘘が明らかになる日を恐れながらも未来の為に自分を変えていく。そして、未来は恐れもなくし、愛する人の胸に飛び込み夢を叶える扉を自ら開くのだった。
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