姉妹チート:RE

和希

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2ndSEASON

春の夜の夢のごとし

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(1)

「天音さんは将来の夢とかないのか?」
「それ学校で書いたじゃん」

私の夢。
それは大地のお嫁さん。
何か問題あるか?
愛莉だってパパのお嫁さんと宣言してたらしいぞ。
問題はそこじゃないらしい。

「女の子だからお嫁さんが希望でも問題はないと思うんだが……」
「じゃあ、何が問題なの?」

愛莉が担任の中山和重に聞いていた。

「相手は石原家の跡取り息子なんだろ?」
「まあ、その予定だけど?」
「愛莉先輩も片桐先輩についていくって進路をきめたそうだ」

まあ、そう聞いてる。

「天音は勉強はできる。やれば出来るなんてもんじゃない。やらなくても出来る」

実際学力テストは1位だったらしい。

「せめて石原君と同じ高校に行こうとか思わないのか?」
「思わない」
「どうしてだ?」

社長夫人だ。大卒くらいの肩書は必要じゃないのか?
先生はそう言った。

「天音は将来の進路を決めたって言ってましたね。母さんはまだ聞いてなかった。一体どう決めたの?」

愛莉が聞くので答えた。

「調理師になる」

私は料理が得意だ。そして大好きだ。なら調理師でいい。
就職先も決めてある。
渡辺紗理奈の母さん美嘉さんの店で修行を積む。
意味のない事だけど、やりたい事をやりたい。
万が一花嫁の夢が叶わなかった時、手に職が無いのは不安だ。
だったら好きな仕事をやろう。
そう決めた時から行く高校を決めていた。
桜丘高校。
そんなに難しくない高校。
皆滑り止め程度にしか考えていない高校。
だけど調理師の資格が取れる高校はここしかない。
もちろん高卒で学歴を止めるようなことはしない。
調理師の専門校に通うつもりだ。
調理師に学歴なんて関係ない。
資格さえあればいい。
空だって目的は一緒だ。
資格がほしいから。
空はその資格を手に入れる為に大学進学を選んだ。
私だって自分の将来くらい自分でちゃんと選ぶ。
私が出した答えがそれだ。
私の話を愛莉はじっと聞いていた。

「……そこまで考えているのなら母さんは何も言いません」

愛莉の許可は下りた。

「天音がそこまで考えての選択だとは思わなかった」

先生も納得したようだ。
私の進路の話はそれでお終い。
次に私の生活態度についての話が始まった。
入学初日からの問題は何も起こしていない。
昼休みにコンビニに行くくらいだ。
あとは自習時間にコンビニに出かけて漫画立ち読みしてるくらい。
こそこそ体育館の裏やトイレでタバコ吸ってる奴に比べたらどうってことないだろ?
ちなみにSHの中でタバコを吸う奴はいない。

「タバコ臭い!」

彼女にそう言われるのがオチだから誰も吸わない。
ましてや運動部に入ってる奴がそんな真似をするはずがない。
FGの連中とのもめ事は一切起こしていない。
手を出してこないのに暇つぶしにもならない連中相手にするのも面倒だ。
私も歳をとったのだろうか?

「学校時間内は校内にちゃんといなさい」

愛莉はそう言った。
じゃあ、放課後はいいんだな?
現に空が怒られているのを見たことがない。
愛莉も知ってるはず。

「いや、愛莉先輩。そういう問題じゃなくてですね」
「中山君だって高校の時公生達とファストフード店に寄ってたって聞いたわよ」
「そ、そういう話を生徒の前で言うのは勘弁してくださいよ」

中山先生も愛莉の後輩らしい。
愛莉に敵うはずがなかった。

「まあ、他の生徒に比べたら大人しい方だとは思いますが、教師としては立場上校則を破って良いとは言えないんですよ」
「教師も大変ですね」

愛莉がそう言って笑っていた。

「じゃあ天音さん。くれぐれも変な問題は起こさないでくれよ。小学校の時の話は水島先生から聞いてる」

そういや知り合いだったな。
本当に狭い世間だ。
愛莉達のつながりが広いというだけかもしれないけど。

「じゃあ、俺もそろそろ次回らないといけないんで」
「ご苦労様」

そう言って先生が帰って行った。

「天音、悪いけど純也を呼んできてくれない?」
「わかった」

母さんは一度に全部済ませたかったのだろう。
純也と茜の訪問日も私達に合わせていた。
私は遠坂家に行くと純也を連れて家に帰り部屋に戻って茜に声をかける。
今頃水奈が言われているんだろうな。
私はゲームを始めた。

(2)

僕達は特に何も言われなかった。
小学校では普通にしていたし。
精々梨々香と話をしているくらいだ。
茜も同じだ。
学校では普通の小学生。
図工系が大好きな女子小学生。
僕達小学5年生に進路なんて難しい話はしない。
家ではどう過ごしているかくらいだ。

「勉強してインターネットで遊んでる」

茜はそう答える。
言葉にするとありがちな回答だけど遊びの内容が過激すぎるのが茜だった。
航空会社のネットワークに侵入してジェット機の設計図を盗んで仕組みを学んでいたり。
僕は「勉強してゲームしてる」と答えた。
多分僕も普通の小学生だと思う。
たまに彼女とメッセージを交換してるのも今時の小学生なら普通だろう。
僕達にはSHという繋がりがある。
だから交友関係が狭いという事も無かった。
成績も普通くらいだ。
特に問題もないはず。
話は普通に済んでそして先生は帰っていった。
それを見送って僕は遠坂家に帰ろうとする。

「純也、待ちなさい」

愛莉に呼び止められた。
リビングに戻る。

「私は純也が普段何をしているか把握できていません。りえちゃんから少し話を聞いている程度」

それがどうかしたの?

「正直に答えて。学校でいじめられてない?家で困っている事とかない?」
「ないよ」

すぐに答えた。
学校で僕と茜に手を出すなんて馬鹿な真似を起こす奴はいない。
家でもりえちゃんが何でも聞いてくれるから困る原因がない。
そう愛莉に答えた。

「ならいいんだけど。なんでも相談してね?男の悩みなら冬夜さんでもいいから」
「わかった。でもそれもおじさんがいるから平気だよ」
「じゃ、帰ってゆっくりしてなさい」

そう言われると僕は家に帰る。
そして部屋にもどるとゲームをしている。
寂しい生活?
そんなこと微塵も思ったことない。
その証拠にスマホが鳴る。

「家庭訪問終わった?」

梨々香からだ。

「終わったよ」
「どうだった?」
「別になにもなかった」
「まあ、そうだよね」

そんなやりとりをしているとゲームオーバーになっていた。
ゲームのゲームオーバーは何度でもやり直しが聞く。
でも梨々香とのやり取りはゲームオーバーになったらやり直しがきかない。
茜に言われた事。
梨々香とのやり取りで困ったことがあったら茜に相談してる。
そして、時間が経つとりえちゃんに呼ばれる。

「夕飯できたわよ~」

部屋を出てダイニングに向かう。
小学5年生もただ時の流れを楽しむだけの年のようだった。

(3)

私の両隣りには父さんと母さんがいる。
母さんがいるのは分かるけどどうして父さんが?

「今日オフだから」

そうじゃなくてただの家庭訪問に父親までいるなんて聞いたことないぞ。

「中学生の家庭訪問だ。進路とか色々聞いておきたい」

父さんはそう言っていた。

「馬鹿な質問するんじゃねーぞ」

母さんに釘を刺されていた。
話は入学式の騒動から始まった。
格好の件だ。
今は普通のスカートの丈にしてる。
髪の毛も母さんに頼んで黒に染め直した。
天音が羨ましかった。
地毛で赤毛なんだから。
それを理由に天音が虐められるなんてことはあり得ない。
そんな天音を喜ばせるような真似をする奴は存在しない。

「しかし、水奈のミニスカ姿見たかったな」

こういう父親だ。
次に話は進路の話になった。

「水奈さんはやれば出来ると思うんだ。防府なら多分大丈夫だろう」

担任の中山和重先生が言った。

「水奈さんは高校の先を考えているのか?」
「大学行く」
「将来の夢とかあるのか?」

父さんが聞いた。

「空のお嫁さん」

天音も似たような進路希望書いてたし問題ないだろ?

「冬夜の息子か……」
「就職とかは考えてないのか?」

考えてない。
どうせ、空が先に社会人だし、別に私が働くまでもないだろ。

「水奈なら恵美さんに頼んでUSEに入れてもらえればモデルとしてやっていけるだろ?」

そう言うのを親ばか目線というらしいぞ、父さん。

「まあ、水奈がなりたいというならそれでいいんじゃないか?」

母さんが言う。

「そうですね、あと少し努力すれば防府なら入れると思います」
「水奈にも思うところがあるんだろう?ちゃんと大学に行くっていうんだからいいじゃないか?」

大学まで言っておけば、将来夢が変わった時の保険にはなる。
母さんはそう言った。

「まあ、特に水奈さんの進路は問題ないですね」

あとは、油断は禁物。これからの3年間でどうなるか分からないからしっかり勉強しなさい。
学校で問題を起こしてくれるな。
それだけを言って帰って行った。

「水奈。今日は一緒に料理しないか?」

先生が帰ると母さんが言う。
いつもなら部屋に戻って勉強しろというのに。
特に断る理由もないので母さんを手伝う。

「こういう時じゃないと二人きりになれないからな」

母さんが言う。
父さんは誠司と遊んでいる。

「お前、『とりあえず防府高校行っとけばいいや』ってのは本当は違う理由があるんじゃないのか?」

やっぱり母さんにはバレてた。

「うん」
「どうせなら高校・大学でも空と一緒にいたい。そう思ってるんだろ?」

歳の差はどうにもならないけど少しでも空と高校時代を過ごそう。
何もかもお見通しだった。
だけどそれを母さんは咎めはしない。

「少しでも空と離れていると不安になるんだろうけど、空に限ってそれは無いよ。母さんが保証する」

好きにしたらいい。
母さんだって天音の母さんや父さんとの学校生活を楽しんだのだから。
夕食を食べると風呂に入って部屋に戻る。

「家庭訪問どうだった?」

珍しく空からメッセージが来た。

「特に問題なかったよ。それより聞きたい事があるんだけど」
「どうした?」
「空は将来何になるんだ?」
「父さんの会社を継ぐつもりだけど?どうしたの?」
「将来の旦那の稼ぎがどのくらいになるのか興味あってな」
「……水奈に苦労させないくらいは稼ぐよ」
「ありがとう」

痛みも喜びもすべて噛みしめて。
そこに理由なんていらない。
欲望よ、我が旧友よ。
私は二度と会いたくなかったんだけど。
私はいつまでも待っているから。
彷徨い問う者も戸惑い請う者もすべての罪を越えて。
彼が私をコントロールしようとしているのを私の中で感じる。
彷徨い続け辿り着いた光を求め願いよ叶え。
あらゆる罪を越えて。
痛みも喜びもすべて噛みしめて。
そこに理由なんていらないから。
それこそが本当の理由なんだ。
痛みも喜びもすべて噛みしめて。
私に理由なんていらない。
人は罪を犯しながら美徳を他人に求める。
それこそが最大の罪ではないだろうか?
それを隠しながら人は生きてる。
隠しきれないけど抱えて彷徨い続け光を求め願う。
時には傲慢に強気に、そして謙虚でなければいけない。
矛盾した感情を常に持っている。
それでも光を求める。
光りを求めて歩き続ける。
あらゆる罪を越えたその先にある光を。

(4)

「あ。純也君!おはよう」

梨々香が新しい服を来て僕達より先に来ていた。
梨々香の親に挨拶をする。
すごく複雑だけど僕の義理の両親と梨々香の親は知り合いになるらしい。
とてつもない複雑だけど。
そして将来は親族になるだろうと親は言っている。
とりあえず梨々香の姿を見る。
パーカーにワンピース姿だった。

「似合うかな?」

ここで似合わないと言ってのける男子がいたら見てみたい。

「似合ってるよ」
「ありがとう」

茜も今日はおしゃれしていた。
青いパーカーに白いシャツ、黒いスカートに足元も黒で統一していた。
そして茜も壱郎に聞いていた。

「似合うかな?」
「似合ってるよ」

女子の気持ちが分からない。
それを言わせたいがためにおしゃれしてくるのだろうか?
俺はいつも通りデニムのシャツにジーパン。靴は買ってもらったスニーカーを履いていた。
壱郎はそれなりの姿をしていた。
そろそろ列車の案内が鳴る。

「じゃあ、あとはお任せします」

そう言って俺達は電車に乗る。
朝市の特急にのって小倉から新幹線に乗る。
長旅だ。
新大阪に着くと電車でテーマパーク近くのホテルに泊まり。チェックインを済ませる。
部屋割りは遠坂夫妻、僕と梨々香、茜と壱郎。
色々突っ込みたいけどこれが僕の親戚なんだと諦めた。
部屋に荷物を置くと、大阪を観光して夕食を食べてホテルで休む。
彼女と一夜を過ごす。
それをまさか小5で体験するとは思わなかった。
もちろん何も無かった。
そして朝食を食べると朝からテーマパークに並ぶ。
連休と言う事もあって多かった。
色々なアトラクションに乗って、体感して楽しんでいた。
こういう場所に来ると皆開放的になるようだ。
テンションは夜まで続き。夕食を食べる。
ホテルに帰ると疲れが一気に来て、そして寝た。

「純也君、朝だよ」

梨々香に起こされる。
朝食をとってチェックアウトすると駅でロッカーに荷物を預けて大阪の街を堪能する。
昼食を食べると地元に帰る。
地元駅では梨々香と壱郎の親が迎えに来ていた。

「じゃ、また学校でね」

そう言って梨々香は親と帰って行った。
俺達は街で夕食を食べて帰ることにした。
不釣り合いなレストランに来るのももう慣れた。
毎年の事だから。
夕食を食べると家に帰る。
家に帰ると茜はタブレットを操作している。
SNSに投稿しているんだろう。
色んな記事を載せている。
たまに行く外食の料理の写真とか公園の風景とか。
茜にとっては全てが楽しい事なんだろう。
僕は旅疲れで風呂に入ってすぐに寝た。
残り2日何をしよう?
そんな事を考えながら。

(5)

5連休。
退屈な日。
友達に会えないから。
家で遊んでるのはどうも退屈だ。
まだまだ外で遊びたいお年頃。
すると母さんたちが「でかけようか?」と言う。
水族館やサファリパーク、子供向けのレストランや広い公園など色々つれていってくれた。
空兄さん、天音姉さん、それに誠司や水奈姉さん、大地兄さんも一緒だった。
公園では誠司とサッカーをしていた。
父さんや誠司の父さんも遊んでくれた。
2人とも当たり前のようにうまい。
誠司の父さんが上手いのは知っていたけど父さんが上手いのは初めて見た。
母さんが言うには父さんはサッカーでも日本代表に選ばれたらしい。
公園から帰る途中、父さんに聞いていた。
空兄さんと天音姉さんは寝てる。

「どうして父さんはサッカーをやらなかったの?」

父さんは答えた?

「冬吾はサッカーが好きか?」
「うん!」

将来サッカー選手になりたい。
サッカー選手になって色々な人と会ってみたい。
そう答えた。

「じゃあ、やっぱりセレクション受けさせた方がいいかもしれないね」

父さんが母さんに言う。

「小学校のサッカー少年団じゃだめなんですか?」

母さんが父さんに聞いていた。すると父さんは答えた。

「この子の技術ならサッカー少年団だと飛びぬけているだろう。それでこの子を傷つけるかもしれない」

サッカーが上手だと傷つくの?
意味がよく分からなかった。
帰りに回転ずしに寄って帰る。
皿が山のように積み重なる。

「冬吾がもう少し大きくなったら色んなもの食べようね」

母さんが言った。
家に帰ると母さんと風呂に入ってそして寝る。
早く連休が明けないかな?
皆と遊びたい。
僕はまだ子供だ。
遊びたい盛りだった。

(6)

「空準備出来た?」
「いいよ。じゃあ、父さん達行ってくる」

そう言って僕達は家を出ると自転車でカラオケ店に行く。
皆揃ってた。

「一日くらいみんなで騒ごうぜ!」

光太がいうので集まった。
僕達は部屋にはいるとさっそく注文を取る。
ありとあらゆる食い物を注文する。
皆の飲みものも忘れずに。
その頃にはもうトップバッターが歌い始めていた。
歌を聞きながら食べる僕。
隣には水奈がいた。

「お前たちも少しは歌ったらどうだ?」

学が言うと僕も歌う。
でもすこしだけラーメン食うから待って欲しかった。
パーティは夕方まで続いた。
歌って騒いで楽しい時間を過ごした。
そして時間を過ごすと皆帰る。

「楽しかったね」

帰って部屋に落ち着くと水奈からメッセージが来る。

「そうだね」
「もっと楽しみたくない?」

どういう意味だろう?

「空は約束忘れたのか?」

あ、そうだった。

「今から家に来る?天音は今日いないし」

肝心な物を用意してないけど、最初は抱くくらいでいいだろ?

「……ちょっと意地悪言っただけだよ。家は父さんが五月蠅いからさ。気持ちだけありがたく受け取っておくよ」

水奈の心は温かった。
そしてその日は寝た。

次の日またでかける。
映画をみにショッピングモールに行く。
見たい映画は決まっていた。
すると偶然純也と茜に会った。
遠坂のお爺さん達も来ていた。
やっぱりお目当てはあの映画。
毎年やってる探偵アニメの劇場版。
毎年ピンバッジを買うのが茜の趣味なんだという。
映画を観た後遠坂のお爺さんにご馳走になった。
オムライスのお店。
その代わり昼ご飯を食べたら純也達と遊んでやる。
ゲーセンで遊ぶ。
茜は水奈とプリクラとってはしゃいでた。
一通り遊ぶと純也達は帰って行く。
僕達は服とかを見て回る。
夕方には家に帰っていた。
天音はまだ帰っていない。
夕食を食べて帰ってくるそうだ。
僕と翼は夕食をとって、風呂に入って部屋に戻る。
残っていた宿題を一気に片付ける。
その後漫画を読んで夜を過ごす。
春の夜の夢のごとし。
あっという間に連休は終わった。
また忙しい平穏な日常が始まる。

(7)

連休に湯布院の別荘でバカンス。
言葉にすると普通に聞こえる。
俺は美希に招待されて美希の別荘にいた。
天音と大地もいる。
そこまでは普通だった。
俺達は新條さんに連れられて別荘にきた。

「じゃあ、何かあったら言ってください」

新條さん達はそう言って別棟に行った。
料理は美希と天音が作るらしい。
といっても焼肉だけど。
銭湯付きの別荘だった。
俺は大地と相談した。
そして肉を食いながら美希たちに提案した。

「男女に別れて風呂に入る……よね?」

大地が言うと当たり前のように却下された。

「大地は私の体に不満か!?こう見えても成長したんだぞ!」
「学……偶にはゆっくり二人で入りませんか?」

この世界では男性の意見が通ることはまずないと父さんが言ってたな。
僕達はそれぞれの恋人と風呂に入る。
美希の体はとてもバランスのいい体つきをしていた。
モデルとしても食っていけるんじゃないかと思うくらい。
グラドルはさすがに彼氏としては賛同しかねるが。
USEはそういう仕事は取らない主義らしい。

「夜空が綺麗」

美希が言う。とても綺麗な星空だった。
風呂を出るとテレビを見ながら4人で騒ぐ。
時間になるとそれぞれの部屋で寝た。
部屋割りはここまで読んでくれた人なら言わなくてもわかるだろ?
俺と美希、天音と大地だった。
夜を明かすと美希がいない。
天音と朝ごはんの仕度をしているようだ。
味噌汁の匂いが漂ってくる。
ご飯を食べて片づけてしばらくすると新條さんから連絡が。

「そろそろ出ましょうか?」

僕達は荷物をまとめて別荘を出た。
帰りに湯布院の街を散策する。

「まずは腹ごしらえだ」

天音はそう言って蕎麦屋さんに行って鴨南そばを食べる。
その後も色々な店で食べながら店を見て回る。
美希も楽しそうに犬や猫を見ていた。

「学は犬と猫どっちが好き?」
「犬かな」

理由は特にない。
直感で答えていた。
「どっちも」なんて答えは禁句だと聞いている。
自分の意見を主張することが大事だと叩きこまれる。
美希も犬派だったようだ。
犬と言ってもポメラニアンやプードル、ヨークシャーテリアなどだけど。
犬に見とれている美希を見て思う。

「欲しいのか?」

でもわざわざ観光地で買う必要もないだろう。
近所のペットショップで買えば済むことだ。
そうして湯布院探索が終ると俺達は家に帰る。
途中夕食を食べて帰った。

「じゃあ、また学校で」

そう言って美希たちは帰って行った。
家に帰ると風呂に入って部屋に戻る。
しばらくすると眠りにつく。
またいつもの平日が始まる。
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