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2ndSEASON
両手を感情で濡らしていこう
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海の日の3連休。
僕達は毎年恒例の海に行っていた。
片桐家、多田家、渡辺家、桐谷家、石原家、酒井家、中島家、木元家。
いわゆる「渡辺班」初期メンバーだけだ。
本来はこのくらいの歳には子供たちは親と遊びに行くのを嫌がると聞いたけど空達ははしゃいでいる。
ありがたいことだ。
現地に着くとテントを組み立てる。
その間に子供達は更衣室に行って着替える。
さすがにもうテントで着替える年頃じゃない。
「愛莉は着替えないの?」
「もうやめておきます。若い子には負けちゃうし」
「僕は見たかったな」
「いけませんよ、そんな事言ったって恥ずかしいものは恥ずかしいですから」
愛莉は嬉しそうに言う。
水着と言えば神奈もそうだな。
「神奈も水着に着替えたらいいのに。俺は見たいぜ、神奈の水着姿」
「誠。どうして私が水着に着替えないのか教えてやろうか?」
「お、おお」
「お前がそういうやらしい目で見るからだ!」
この二人は変わらないな。
「冬夜さんは着替えないんですか?」
愛莉が聞いてきた。
「僕は単に体力が落ちてきたから。砂浜を歩くのしんどいんだ」
「いけません!まだ40にもなってないんですよ!ゴルフをする体力はあるのに歩けないなんて間違ってます」
「愛莉、実は誠もなんだ。現役引退してからすっかり怠け癖がついてな」
「お、おれは別に水着に着替えてもいいんだぜ!ただ地元の海じゃなあ」
「何か不都合があるのか?」
僕は誠に聞いてみた。
「冬夜は気づかなかったか?地元の海ってどこ行っても若い娘がいないんだ」
「ああ、それなら気づいてた」
「そんなところで張り切って泳ぐのは晴斗くらいだ。やりがいがねーよ」
「下らねーこと言ってねーでさっさと着替えて子供たちの監視でもして来い!」
誠がカンナに怒られている。
「そりゃ監視しろっていうなら監視してるさ。でも水奈は俺が近づいたら『父さんに見られると気持ち悪いから来るな!』っていわれるんだぜ」
天音と茜はそんな事は言わない。
天音に至っては「パパ見てくれ!これじゃ男を悩殺できない!」と胸を見せてくる。
「まあ、うちの学がいるから多分大丈夫。あいつ本当に頼りになる奴に育ったから。どうやってああそうだったのか私が知りたいわ」
亜依さんが言ってる。
「思い出した。冬夜!お前の息子はうちの水奈の何が不満なんだ!?」
「どうしたんだ?誠」
「うちの水奈はしっかり成長した。神奈と違って胸もちゃんとある!なのになぜ空は手を出さないんだ!」
言ってる事がめちゃくちゃだぞ誠。
「お前そんな事言って手を出したら『俺の愛娘を傷つけやがって』って言いだすんだろ!」
僕が反論する。
「む……そこんとこどうなんだ冬夜?」
「え?」
「やっぱりうちの娘に手を出しやがってって思うものなのか?」
「ああ、それなんだけど……愛莉は聞いてる?あの二人どうなの?」
「私は特に何も聞いてませんよ。ただ大地君をどう誘惑しても失敗するって悩んでましたけど」
「なんですって?」
恵美さんが反応した。
「あの子まだそんな情けない事やってたの?」
触れてはいけないことに触れたようだ。
「恵美、さすがに娘親の前で言う事じゃないよ。恵美だって美希が誰かと寝たなんて聞いたら嫌でしょ?」
「学も堅物だからまだなんだろうなぁ」
「それは無いわ。安心して亜依。美希から『とても良い記念日になった』って聞いてるから」
「そう、それならよかったわ」
今夜は石原君といい酒飲めそうだ。
「神奈ごめんね。冬夜さんに似たのか知らないけど空は奥手みたいで」
「まあ、遅い早いあるだろうしな。私はそんなに気にしてないからいいよ。当人同士がその気になればすればいいこった」
愛莉が謝るとカンナがそう言った。
「うちの娘は誰に似たのか全く色気を見せねえ」
美嘉さんが言う。
「高校生にでもなればきっといい人見つかるよ」
亜依さんが言う。
「だといいんだけどな」
「そろそろ夕食の支度しようか、冬夜子供達を呼びに行こう」
「わかった」
渡辺君が言うと僕達は子供達を呼びに海に行く。
「今夜父親同士で集まらないか?」
「どうして?」
「娘の事で色々あるみたいだからな。お前もあるんだろ?」
「……渡辺君も?」
「美嘉はああいってるが色々お洒落しだして男親としては結構複雑な気分でな」
そういう感情なら分かる。
「……美嘉さん達には言ってあるの?」
「お前たちが酒井岬さんの結婚式の3次会の時子供の面倒は見るって言ったろ?あれで女性陣の好感度結構あげたみたいでな。今夜は私達が面倒見るからって」
「なるほどね……」
子供達を呼ぶと子供たちはシャワーを浴びて着替える。
その間にご飯は炊けていてBBQの準備も整っていた。
「それじゃ、今夜は盛り上がろう」
渡辺君が言うと空と天音はすぐに食べ物に食いつく
それから食べて飲んで騒いでた。
食べ終わると女性陣は片づけをしている。
その間男性陣は子供達の面倒を見ていた。
その必要も無かったようだ。
空と水奈は花火セットの側で花火を楽しんでいる。
天音達が暴走しないように。
そして水奈が暴走するのを止めている。
花火が終ると夜食を食べる。
夜食を食べ終わると子供たちは母親と一緒にテントに入った。
「じゃ、ごゆっくりどうぞ」
愛莉はそう言ってテントに入る。
久々の男子会だ。
親父会って言った方がいいのだろうか?
(2)
「それじゃ、誰から話を聞くのがいいかな?」
渡辺君が言った。
ちなみに全員酒は入ってる。
「やっぱり石原君じゃないのか?美希は経験済みみたいなこと言ってたし」
誠が言った。
「実はその話前にパーティで桐谷君と話していたんです」
石原君が語る。
それは5月の連休終わりの頃の話。
その日は江口家のパーティに桐谷君達を招待していた。
石原君は来賓に挨拶していた。
一通り終わる頃を狙って亜依さんが石原君に挨拶に来た。
すると亜依さんはは真っ先に頭を下げた。
「ごめん!うちの学が美希に取り返しのつかないことを」
石原君ははじめ何のことか分からなかったらしい。
「あら?いいのよ。将来結ばれる2人なんだものそのくらいあって当然の事でしょ」
恵美さんの一言で何があったのか悟ったらしい。
謝る亜依さんに石原君はなんと声をかけていいか分からなかった。
自分の気持ちもどうしたらいいのか分からないでいた。
うちの娘に手を出しやがってとかそういうのは全くなかったらしい。
そういう事があって当然なんだからみっともない悪あがきは止めなさいと恵美さんに言われていたから覚悟していたそうだ。
「とりあえず、頭をあげてくださいよ亜依さん」
「ちょっとまだ早いと思ったんだけど学だと思って油断したわ」
「美希は満足していたいよ亜依。でもまだお祖母ちゃんにはなりたくないから気を付けてね」
「そこはちゃんと弁えてるらしいから大丈夫と思うけど」
「お互いの家の繁栄の為にも親が気を付けてあげないとね」
石原君の意志などどこにも存在しない2人の交際関係。
パーティの後石原君達は1人で飲んだらしい。
「結局父親ってそういうものなんだって感じになりましたね。子供の事には一切口出しできない」
聞いた感じだと美希が学を襲ったらしいしと石原君は苦笑いする。
誘ったじゃない、襲っただ。
逆に学に悪い事をしたと石原君は言う。
「桐谷君はそのあと学に何かしてあげたの?」
僕が聞いていた。
「どうだった?と聞いたくらいかな?苦笑いしてたけど」
「片桐君は平気だった?水奈さんと空君付き合ってるんでしょ」
石原君が聞いてきた。
まあ、2人の様子だとまだ何も無いみたいだね。
愛莉はそう言って笑う。
天音と茜がいるんだな。
その人がまともな人ならそれでいい。
茜の相手はわからないけど遠坂のおじさんから聞いた感じだと多分大丈夫だろう。
「うちの大地が至らないばかりにごめん」
「いいよ、普通に考えたらまだ早いんだから」
頭を下げる石原君に言う。
「木元先輩と中島君はどうだったんですか?」
渡辺君が二人に聞いていた。
「穂乃果が感づいたみたいで荷物検査したらゴムが見つかったらしくてね。問い詰めたら白状したそうだよ」
「うちの娘も花菜とは話をしてたみたいなんだが、俺は生憎と娘に嫌われていてね。そういう事に口出しできる立場じゃなかったんだ」
中島君と木元先輩が言う。
仕事とバスケで充実していた木元先輩は家庭の事はほったらかしにしていたらしい。
そのツケは歳をとって体力が落ちて来てバスケを引退した時に返って来た。
家に帰っても子供が相手をしてくれない。
遊びに連れて行こうと思ってももう中学生、友達や彼氏と遊びに行く方が重要なんだろう。
それでもまだ花菜さんが慰めてくれるだけましだという。
それにそれでも毎年バレンタインのチョコはもらえるそうだ。
お返しは何倍にもして返すらしいけど。
「チョコがもらえるだけ羨ましいですよ先輩は」
僕が言う。
「でもチョコをもらう度に後悔するんだ。この子には何もしてやれなかったダメな父親だって。だから想い人と一緒になれるなら全力で応援してあげようって思った。それが中島君の息子だっただけだよ」
木元先輩が言う。
「木元先輩すいません。絶対に最後まで責任とらせますんで」
中島君が頭を下げる。
「冬夜はチョコ子供からもらえないのか?」
誠が聞いてきた。
「ああ、本命しか渡さないって言いだしてね。もらえなくなったよ」
茜にも彼氏いるみたいだからね。
「それはちょっと同情するな」
渡辺君が言う。
「俺も恋からもらったことないぜ。やっと色気づいてきたかと思ったら初めてのチョコレートは彼氏にって言ってさ」
桐谷君はそれどころか、家に居場所がないらしい。
休みに家にいても気づいてもらえない。気づいてもらえても邪魔に思われる。
そしてとどめの言葉
「私のパパ他の人と交換してほしい。パパ酒臭いし不潔だし嫌い」
その晩中島君と朝まで飲んだらしい。
「瑛大は自業自得だ。いつも言ってただろ?たまには家族サービスしてやれって」
「今はわかってるよ。でも、気づいた時には取り返しのつかないことになってたんだ」
「本当に分かってるならなんでまだアイドルのライブに通ってるんだ?」
振り返ると亜依さんがいた。
亜依さんだけじゃない。愛莉や他の奥さんもいた。
「ごめんなさい、男だけで話があるっていうからきっとまたろくでもない事だって神奈がいうから」
「でも、本当にろくでもないことだったろ?愛莉」
愛莉とカンナが言う。
「全く……お前もいい加減歳考えて行動しろ、風俗行かれるくらいなら趣味の一つはと我慢していたが今のお前が通ってもただのキモいおっさんだぞ」
亜依さんが言う。
「かずさんもです!私ずっと言ってきました『娘が構って欲しい時に構ってあげないと絶対に将来後悔する』って。今さら自業自得です」
その証拠に片桐家や石原家、酒井家はちゃんと娘さんとコミュニケーションとれてるじゃないですか。
花菜さんがそう言う。
「渡辺君は娘さんとはどうなの?」
僕が渡辺君に聞いてみた。
「うちか?普通だと思っていたが結構恵まれてるんだなと思ったよ」
普通に食事の時も話をするらしい。
「何で私は良い男が寄ってこないんだ!?」
そう愚痴をこぼすらしい。
いい彼氏ができるといいなと返すけど内心複雑らしい。
ちなみに理想の彼氏は?と聞いたら「父さん」って答えてくれるらしい。凄い恵まれてるじゃないか。
「それにしても話は最初から聞いてたけどそんなに娘が経験するのが嫌なわけ?」
恵美さんが聞いてた。
「少なくとも満足する父親はいないと思うよ」
酒井君が答える。
「あのね、娘が初めて接する異性は父親か兄のどちらかなの。その背中を見て来て憧れて自分の理想の彼を連れてくる。自分の娘が男を見る目がないと思ったらそれは自分のせいだと思いなさい。そうじゃないなら自分の娘の男を見る目を信じてあげなさい」
晶さんが言う。
晶さんもそういう風に躾けられたそうだ。
「たかだかエッチしたくらいで子供が出来るわけでもないのにみっともないわよ!」
恵美さんが言うと誰も反論しなかった。
「明日も朝早いんだからさっさと寝ましょう」
晶さんが言うと皆テントに戻る。
僕と愛莉もテントに戻った。
テントの中では子供たちが眠っている。
愛莉と端っこに寄って横になる。
そして小声で愛莉に聞いてみた。
「ねえ?愛莉」
「はい?」
「愛莉の理想の彼氏ってやっぱりおじさん?」
「またそんな意地悪な事を聞くんですね」
「いや、みんなそうみたいだから」
「理想と書いてゆめと読むそうですよ?」
「うん」
「理想は夢でしかない、ありえないことです」
愛莉の言う意味がよく分からない。
「はじめての異性ですもの誰だって聞かれたら一番身近にいる人を答えるに決まってます」
「じゃあ、愛莉もおじさんなんだ?」
「違いますよ」
え?
「恋は突然訪れるもの。そしてその瞬間から世界が変わる」
「つまり誰?」
「私は冬夜さんを見て恋をしました。そしてその瞬間から冬夜さんの事だけを考えてました。その時から私の理想は冬夜さんです」
「そうか……」
「冬夜さんはやっぱりエルトのボーカルですか?」
「愛莉の言葉を借りるとやっぱり理想は夢でしかないかな」
「では……」
「今でも愛莉が僕の理想だよ」
「ありがとうございます」
理想は夢。でも夢は見てるだけじゃダメだ。
人の見る夢と書いて儚いと書く。
夢は見るものじゃない、勝ち取るものだ。
あらゆる困難に立ち向かう者には運命の女神は等しく微笑んでくれるだろう。
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