姉妹チート:RE

和希

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3rdSEASON

見えない未来

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(1)

「空、遅刻しますよ!」
「すぐ行くから!」

高校生活が始まった。
いつもの朝を迎える。
翼の仕度に時間がかかるようになった。
靴も白い運動靴から、普通のジョギングシューズに変わった。
腕時計をして部屋を出る。
鞄の指定もなくなった。
背負うタイプの鞄に変えた。
通学は自転車で行っている。
これまでと違って距離がある。
だから天音達より先に出る。
我が家は広くなった。
増築が済んだんだ。
冬吾と冬莉の部屋が新設された。
家を出ると真新しい制服に身を包んだ同級生がいる。
学校に着くと駐輪場に自転車をとめて教室に向かう。
SH組は皆同じクラスだった。
FGの上級生がさっそく勧誘に来ていたが僕達のクラスには現れなかった。
僕達の目の前で鬱陶しい真似をしたら容赦なく仕掛ける。
それは高校生の間でも徹底されていた。
いくらFGが勢力を伸ばそうとそれは関係なかった。
入学式があって翌週には早速テストがあった。
さすが進学校と言ったところか。
学級委員にはやはり学がなっていた。
誰かがやらないといけない。
そしてそれは学がやるもの。
そんな暗黙の了解があるんだろう。
高校からはお弁当が学食か購買部でパンを買う事になる。
学食のメニューも豊富だった。。
学は自分で作ったっと思いきや恋ちゃんが作ってくれた弁当を食べていた。
学には似合わない可愛らしい弁当。
学校が終ると寄り道をして帰る。
毎日自転車通学だから運動不足ってことは無い。
買い食いをしてコンビニでジュースとお菓子を買って家に帰る。
たまに友達と高校近くにあるカラオケに寄ったりして帰る。
家に帰ると着替えて宿題をする。
高校になると帰る時間が遅くなる。
それは部活をしていなくても生徒会に参加していなくても関係ない。
寄り道も原因だけど授業量が増えた。
高校生活は大学入試への準備の始まり。
それが進学校の定めだった。
それに水奈の家庭教師もしなきゃいけない。
夕食を食べると風呂に入って部屋でくつろぐ。
バイトを始めようかととも思ったけど水奈の父さんが準備してくれた。
学はバイトしているらしい。
光太もバイトしてると聞いた。
まあ、小遣いが足りないということは無い。
別に必要経費と称してデート代とかももらってるから。
通学距離が増えた。
買い食いが出来るようになった。
授業の時間が増えた。
その程度の変化が高校生活だった。

(2)

この学校の特徴。
それは山の上にある事。
伊田高や城宝科学に比べたらましだけど坂がきつい。
光太は私に合わせて自転車を手で押して動いてくれてる。
この学校もやはりFGの手のものが多かった。
だけど私達に手を出すものは少なかった。
たまに何も知らずに手を出していて光太に返り討ちにあってるくらいだ。
工業高校だから専門教科が存在する。
作業着に着替えて実習する。
測量とか色々学ぶ。
進学は考えていない。
どうしても進学したければ推薦入試を受けるしかない。
履修する科目の関係上センター試験は無謀に等しい。
中休みになると学食に食券を買いに行くか、売店でパンを買うか。
中には学校を出てすぐあるお弁当屋さんに買いに行く物もいる。
私は弁当を作るのが苦手だ。
だから光太と一緒にパンか学食にしていた。
どちらか一方だけだと飽きるから適当に選択していた。
他のクラスでは「パシリ」と称して気の弱い生徒に買いに行かせる風習がある。
うちのクラスではそんなことは無かった。
SHのメンバーがそんな事許さなかった。
学校が終ると光太と一緒に家に帰る。
帰りにゲーセンに寄ったりする。
家に帰ると着替えて勉強する。
勉強の科目は多い。
5教科に加えて専門科目が存在する。
高校生にして実習の結果をまとめたレポートを提出しなければならない。
それすら弱者にやらせる不届きものがいるが。
レポートを出さないと単位をもらえない。
逆をいえば出席日数が足りなかったり赤点とってもレポートを書けば免除してもらえる。
ただし、出席日数が足りないと面接で不利になる。
成績が悪いと採用試験で不利になる。
私達は進学というほぼない。
たまに推薦入試で大学に進学したり、専門学校に行ったりする者もいる。
私達は卒業するために卒論を書いたりしなければならない。
研究課題は学校が指示してくれる。
共学とは言え工業高校。
圧倒的に男子が多い。
そして男子校のように上半身裸で廊下をウロウロしたリする者もいる。
あまり興味はなかったけど。
ちょっとイメージしていた高校生活とは違うものだった。
生徒会の体形にもちょっと特色がある、
生徒会の他に総務とと応援団長という役職がある。
主に体育祭の為のものだ。
この学校の体育祭は各科が威信をかけて全力を尽くす。
各科ごとの応援歌を声をはりあげて歌う。
校歌を歌うのも声を張り上げる。
そして体育祭以外での行動も体育祭の点数に響く。
歓迎遠足での態度とかがそうだ。
やんちゃをしようものなら総務や応援団長の拳が飛ぶ。
タバコ臭いトイレ。
休み時間大抵の女子は女子更衣室で過ごす。
私は光太とすごしていたけど。
色々あるけど、私達は平穏無事に過ごしていた。

(3)

今日は歓迎遠足の日。
俺達の高校は変わっている。
体育大会は各科の威信をかけたガチンコ勝負。
それはこういう遠足でもいえること。
集団行動は全て体育大会の加点に繋がる。
だから乱れた行動は許されない。
応援団という先輩の監視の中行進する。
FGの連中も逆らえないらしい。
逆らおうものなら先輩の容赦ない拳が飛ぶ。
その暴力は先生も容認している。
俺達は大学には行かずに大抵の生徒が就職する。
そこで味わう徹底した縦社会を俺達は教育される。
先輩がふらりと気紛れで教室に現れても挨拶をしなければならない。
しなかったら各科の役員が教室に現れて怒鳴り散らす。
そして入学してすぐに校歌と応援歌を学ぶことになる。
男女関係ない。
しっかり声を出して腕を振らなければならない。
なめた態度をしようものなら拳が飛ぶ。
殴られた生徒は口から血を垂らす。
それでも先生は何も言わない。
ふざけた態度を取ったそいつが悪い。
大昔にそんな練習が嫌で「体育大会を実施するなら自殺する」と脅迫文を出した生徒がいるそうだ。
馬鹿な真似をしやがって……。
それが伝統なんだ。
目上の者に逆らってはいけない。
それを徹底的に仕込まれる。
それはいつか社会に出たときに必ず活かされるから。
先輩に対して敬意を払う。
それがこの高校で学ぶ一番の事。
歓迎遠足とは誰を歓迎しているのか分からない。
那奈瀬の公園に着くとさっそく洗礼が待っている。
各科の応援合戦。
それが体育大会の加点になる。
すべての行動が体育大会につながる。
そして俺達が学んでいる建築は過去に10連覇という偉業を達して今もなお優勝回数は最多数を誇っている。
そして応援合戦が終るとやっと解放される。
俺達と同じ高校に通っている同級生は5人。
皆同じクラスだ。
同じ建築科なのだからそうだろう。
そのうちの沢木3兄弟はバレー部で頭角を現していた。
早速レギュラーになったらしい。
今年の高校総体で活躍する事だろう。
うちの高校ではFGの身勝手な行動は許されなかった。
それでも騒ぎを起こしてるらしいが。
だが、教師がみな強面のガタイのいい教師だらけだ。
すぐに鎮圧される。
自由時間が終ると学校に戻る。
そして俺と麗華は自転車で家に帰る。
寄り道はしない。
校則で決められているからではない。
空のように食べる事も無いし、たまにSAPで遊ぶ程度だ。
それに何よりうちの高校の制服はダサい。
学ランはもちろんのことセーラー服もダサい。
だから家に帰って着替えたいとのこと。
みんな元気にやってるだろうか?
久々にメッセージを送ってみた。
皆元気そうだ。
それぞれがそれぞれの社会に適応しているようだった。
(3)

2限目の終わりを告げるチャイムが鳴る。
僕はすぐに売店に向かっていた。
本気で走ればすぐに着く。
そして売店のおばちゃんに向かって叫ぶ

「焼きそばパン!2つ!」

僕達は無事に焼きそばパンを確保できた。
あとは鞄に仕舞ってお昼の楽しみにしよう。
もちろん学食でカツ丼も食べるよ。
じゃあ、なんで焼きそばパンに拘ってるかって?
それは今朝父さんが言った一言から始まった。

「空たちは防府だったよね?」

父さんが言う。

「そうだけど?」

何を今さら聞いてるんだろう?

「焼きそばパンは今でも美味しいかい?」

は?

「いや、学食行ってるから食べてない」

僕が答えた。

「そうか、昔っからあそこの焼きそばパンは味が濃厚で美味しくてね」
「そうなの?」
「ああ、父さんの時は愛莉のお弁当と両方食べてたよ」
「そうなんだ……」
「冬夜さん!子供に何を教えてるんですか!お弁当だけで十分ですよ!」
「でもパンくらいなら翼たちなら食べれるでしょ?」
「どんな話?」
「大学時代冬夜さんの食べ癖に付き合ってたことがあって、冬夜さんがバスケを引退したあとなんだけど母さんも運動不足がたたって腰回りが大きくなってスカートが入らなくなって落ち込んだ事があります。事が起こってからじゃ遅いんですよ」

母さんは僕を説得したかのように見えた。だけど父さんは笑ってる。

「母さん、その後どうしたの?」
「そ、それは食べる量を制限して元に戻しました」
「その前の話を忘れてるだろ?愛莉」

父さんが言った。

「冬夜さん!子供の暴飲暴食を止めなくてはいけないのにその話はいけません!」

母さんが慌ててる。

「いいじゃないか、この子達もきっと僕達と一緒だよ」
「父さん続き聞かせて」

何となく気になった。
父さんは話した。

「愛莉がスカートが穿けなくなったって落ち込んでいた事があってね。それで父さん愛莉に付き合ってあげたんだ」
「何を?」
「愛莉のスカート選び」

へ?

「きつくなったら新しいの買おう?それに冬前だったしね。ちょうどサイズが変わる頃だろ?」
「……父さんは母さんが太っても平気だったの?」
「母さんは理想の体型だったよ。今でもだけど。女性はちょっと丸みを帯びてる方がちょうどいいっていうだろ?」

僕が聞くと父さんはそう答えた。
母さんは困ってるようだ。

「食べ過ぎには気をつけなさい」

母さんが言う。

「ふざけんな空!帰りにラーメンやらうどんやら食ってるのに売店にも手を出すのか!?」

天音が抗議する。

「高校生の特権だよ。それに水奈の家庭教師もあるから寄り道出来ないんだ」

僕が説明した。

「後悔するなよ空。私達は街にもよれるんだ。ステーキとかも食えるんだからな!」
「天音!まさかそんな理由で桜丘選んだんじゃないでしょうね!?」
「違うよ!それなら大人しく藤明行ってるって!」

気軽に府内焼きやたこ焼きも食える藤明にすると主張する。

「まあ、一度食べてみるといいよ。美味しいから」
「冬夜さんは注意する立場なんですよ!それなのに子供に余計な事を入れ知恵してどうするんですか!」
「で、でも本当に美味しかったんだ」

父さんと母さんの口論が始まってる間に僕達は準備をして学校に行く。

そして昼休み弁当と焼きそばパンを食べた。
焼きそばパンは味が濃くて美味しかった。
父さんの言ってた通りだ。
家に帰ると宿題をさっさと済ませて水奈の家庭教師に出向く。
半分デートみたいなもんだ。それも親公認の。
家に帰るとちょっと遅い夕食の時間になる。
風呂に入ると水奈とメッセージをやり取りする。

「ごめんな、家庭教師のせいで買い食いできないんだろ?」
「それは来年の楽しみに取っておくよ」
「……私はそんなに食べれないぞ」

別に飲食店だけに限らない。
SAPとか遊ぶところで遊んでいればいい。
その代わり勉強はしっかりさせてやらないと。
また明日も早いから少し早めに寝た。
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