姉妹チート:RE

和希

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3rdSEASON

同じ世界を見てる君

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(1)

子供たちを車に乗せて海岸沿いの国道を走っていた。
今年も海でキャンプをやるらしい。
そのうち海にもリゾート地を作ってしまいそうな恵美さんと晶さんだけど。
車内はFMラジオが流れていた。
子供たちはどうも好きな曲がないらしい。
だから僕が好きなエルトの曲をかけていても文句は言わない。
だけどずっと同じ曲を聴いているのも僕の趣味じゃない。
結果色々な曲が聞けるFMラジオになる。
助手席には愛莉が座っている。
空や天音が助手席に座りたがっていたが愛莉は絶対に譲らない。
助手席が危険だからとかじゃない。

「冬夜さんの隣は誰にもゆずりません!」

空はそのうち水奈を隣に乗せて走る時が来るよ。
天音もそのうち大地に隣に乗せてもらえる時が来るよ。
ちらりと聞いた話だと大地はもう買う車を決めているらしい。
外車だった。
外車のSUV。
まあ、セダンやワゴンに乗る若者も少ないそうだし、軽だと狭いしスポーツカーも偶にいるくらい。
天音と茜はスポーツカーを選ぶらしい。
かっこいいからと、弄り甲斐があるから。
危険な運転をしないと約束するなら何を買ってもいい。
愛莉は子供にそう言い聞かせた。
翼は軽自動車を選ぶそうだ。
愛莉に似た好みをもっているらしい。
理由も愛莉に似ていた。
デートする時は空の車だし、通学用は軽で十分。
ちなみに運転するのは空と決めてあるらしい。
空は球技以外なら何でもこなす。
多分車の運転も難なくこなすだろう。
僕の時と違って車もより大きな車を望んでいるそうだ。
どうせみんなと遊びに行くんだから荷物が沢山詰める方がいい。
そんな理由だった。
海岸沿いの国道は皆飛ばす。
一般道であるにも関わらず最低速度が100キロと言われているほどだ。
しかも道路工事でカーブにバンクがつけられている。
飛ばしてくれと言わんばかりの道路の作りになっている。
しかし、水族館や猿山があったり結婚式場があったり海水浴場があったり色々と危ない。
ちなみに国道沿いの海水浴場はキャンプやBBQが禁止されているので利用しない。
誠も「若い娘がいないんじゃ張り合いがない」と行きたがらない。
地元の若い子は皆レジャープールに行きたがる。
酒井君達はそこに着目した。
地元にリゾートホテルを作るらしい。
年中水着で遊べる温水プールに温泉、アミューズメント施設も充実させるそうだ。
年内には完成するらしい。
今年はそこで忘年会をするのかな?
それにしても地場企業を悉く敵視しているらしい。
渡辺班は本気で地元産業を乗っ取るつもりでいるのだろうか?
県知事にも頼まれたらしい。
もう少し地元の企業を守ってほしいと。
しかし恵美さんや晶さんの逆鱗に触れた企業は尽く潰される。
企業だけじゃない。
僕達ももう40。
国会議員にも立候補できる歳だ。
僕を県知事にと考えたそうだ。
さすがに断った。
自分達の息のかかった政治家を作り出したいらしい。
十分森重知事を操っていると思うけどね。
別府に入ると食材を買う。
買えるだけ買う。
いくらあっても足りないから。
それ以上に飲み物が足りないんだけど。
クーラーボックスが幾つあっても足りないほどだ。
キャンプ場のそばに買い物できる店がないのは困っている。
だから恵美さん達がキャンプ場を新設すると言い出す。
なければ作ればいい。
恵美さん達は天候は操れないけど地形は弄れるようだ。
でも地元の工業地帯の海で泳ぎたいなんて思う人いないと思うよ。
精々釣りを楽しむくらいだ。
釣った魚はもどすけど。
こんな汚い海で釣れた魚を食べたいなんて誰も思わない。
買い物が済むとキャンプ場に向かう。
空も天音も、もう高校生。
いい加減親とは別々に遊びたいと思う年頃だと思っていたけど。

「大学生になったらパパ達と遊べなくなるから」

そう言ってついてくる。
空達も自分たちのグループSHがある。
石原美希さんもいるしきっと連休に合宿とかするんだろうね。
まあ、空なら問題ないか。
空は球技を除けば何でもこなす。
冬吾は文字通り何でもこなす。
成績もいいみたいだ。
愛莉に自慢してた。
海についた。
代金を払ってキャンプの設置を始める。
子供が増えたので大きなテントを買った。
空はテントの設置を手伝ってくれる。
天音達は水着に着替えて遊ぶ準備をしていた。
さすがに高校生がいるとなれば親の監視はいらないだろう。
ただ冬眞と莉子には愛莉がついている。
テントの設置とBBQの準備を済ませると僕達大人は一息つく。

「やっとここまでたどり着きましたね」

石原君が言う。
子供達ももうじき大学生。
良くたどりつけた。

「いろいろありましたけどね」

酒井君が言う。

「でもこの歳になっても親と遊びに来るって珍しいよね」

私達の時は勝手に遊びに出かけてたのにと亜依さんが言う。

「たぶん、地元だからじゃないのか?海やプールに行こうと思うと車が必要になる。車の免許を取ったら変わってくるよ」

誠が言う。
それは言えてるだろう。
その証拠に今でも自転車やバスで遊べる範囲には子供達だけで遊びに行ってる。

「それはそうと冬吾の奴どんどん上達してるそうじゃないか」

誠が言ってきた。
冬吾はサッカークラブで文句ひとつ言わずに基礎練習を繰り返しているらしい。

「練習を積むたびに新しい発想が浮かんで楽しいんだ」

冬吾は嬉しそうに話していた。
誠司は皆との練習に混ざりたいのを我慢してるらしい。

「冬吾君は誰に似たのかさっぱりわからんな、やる気もあるしポジティブだしどんな才能ももっているし」

渡辺君は冬吾を賞賛していた。

「渡辺君、聞いてくれ。冬吾のやつしかもその上学校でモテてるらしいんだ」

誠が言う。

「……冬吾君に欠点は無いのか?」
「あるとしたら僕に似て大食いくらいかな」

それでもあの体形を維持しているのだから凄いけど。

「冬夜の子供って大体そうだよな。食い意地だけは張ってる」

桐谷君が言う通りだった。
もっとも純也と茜はそんな事無かったけど。
楽しみだな。
他の子供達の将来も語っていた。
まだ未定の子供もいるらしい。
まあ、そりゃそうだろう。
小学生や中学生じゃ今を生きるのに必死で先の事なんて考えてる余裕なんて無いのが普通だ。
早くから決めてる冬吾が凄いんだと思う。
それでも小学生の卒業アルバムを作る頃にはそれぞれ夢を書いているのだろう。
叶うか敵わないのかは分からないけどきっと叶うはず。
そう信じていればいい。
夢を見るのはただなんだから。

「さてと、そろそろ晩飯の準備でもするか」

美嘉さんが立ち上がると女性陣が動き出す。
男性陣も火を起こす準備を始める。
僕は子供たちを呼びに行く。

「みんなそろそろご飯にするからシャワーを浴びて着替えてきなさい」

子供たちは着替えを取りにテントに戻り、そしてシャワーを浴びに行った。

(2)

冬吾と冬莉の面倒をみていた。
2人には浮き輪をつけてあったが波にさらわれないように気を付けていた。
水着には着替えていなかったから。
僕は水奈と水の掛け合いをしたりして遊んでいた。
善明と海璃も同じだ。
美希はパラソルと椅子を用意して本を読んでいた。
水着には着替えていたけど。
学に見せたかったのだろう。
天音達は遠泳して遊んでいた。
皆で遊んだ思い出を作るんだそうだ。
もちろん、出店に食べ物を買いに行ったりもしてたけど。
暑い海で熱い焼きそばやたこ焼きを食べる。
夕暮れ時になると父さんが「そろそろご飯にするから」と呼びに来た。
僕達はシャワーを浴びて着替える。
テントに戻る頃には飯盒から汁がこぼれている。
用意されている大量の肉と野菜。
そして今年も渡辺美嘉さんの特製ハンバーグが待っていた。
肉を焼き始める頃皆が飲み物を手にしていた。

「それじゃ、今年も盛り上がろう。乾杯」

渡辺さんがそう言うと一斉に肉を取り始める。
焼いて食って焼いて食って焼いて食って。
そしてハンバーグが待っている。
僕と天音と冬吾と冬莉、それに渡辺正俊君も食べる事に必死だった。
片桐家は食い物なら何でもいい。
野菜も食らいつくす。
そして食材は食いつくした。
大人たちは皆酔っている。
さすがに高校2年生がいるんだし良いだろうと父さん達は僕達子供だけで花火をすることを許した。
大量に買い込んだ花火を打ち上げて遊んだ。
天音達はやっぱりロケット花火の打ち合いを始める。
それを叱るのは学の役目。
冬吾や冬莉も楽しそうにみていた。
花火が終る頃夜食の準備は出来ている。
今日は沢山遊んだし疲れたんだろう。
皆眠っていた。
夜食を食べた後大人だけで話をしている。
大人の話に混ざるのはまだ早い。
僕達はテントに入る。
広々としたテント。
冬吾ももう眠っていた。
夜食も食べて満足したんだろう。
茜の隣に天音が眠ってその隣に僕が横になる。
遊び疲れたのだろう。
僕も目を閉じる。

「空、起きてる?」

水奈の声で目が覚める。
テントを出ると水奈の笑顔がみえる。
水奈は僕を見て笑った。

「おはよう」
「おはよう、どうしたの?」
「少し早く目が覚めちゃったし散歩でもしないかと思って」
「水奈は眠くないの?」
「平気」
「じゃあ、行こうか」

夏とはいえまだ7月。
薄手の上着を羽織って外に出る。
大地と善明のお父さんが火の番をしている。
挨拶をして僕たちは朝の散歩を楽しみにでかけた。

(3)

「おはよう」
「おはよう、早いね」

俺がテントを出て顔を洗っていると輝夜に会う。
昨日は疲れて早めに寝てしまった。
そのせいもあって早く目が覚めてしまったのだろう。
砂浜を散歩する。
途中で空達とすれ違う。
2人は仲が良い。
喧嘩をしたことがないらしい。
俺達も喧嘩はしたことがない。
不思議だね。
そんな話をしながら砂浜を歩いた。
まだ朝は少し肌寒い。
誰もいない砂浜を歩き続ける。
河口の着くと来た道を引き返す。
波の音が静かに泣いてるように胸に響く。
テントに戻ると皆起きて朝食の支度をしていた。
朝食を食べると皆片づけの準備に入る。
俺も自分のテントを片付けると木元家のテントの片づけを手伝った。
木元家は男手が輝夜の父さんだけだ。

「助かるよ」

輝夜の父さんが言う。
皆の片づけが終ると例年通り銭湯に行ってファミレスに行く。
銭湯でゆったりと風呂に浸かる。
一日の疲れが取れていくようだ。

「お疲れ様」

輝夜の父さんが隣に来た。
俺の父さんもいっしょにいる。

「高校生活はどう?」

輝夜の父さんが聞いてきた。

「上手くやれてると思います」

まだ3か月しか経ってないけど何も問題なくやれている。
ちょっと通学距離が伸びたこと。
自転車通学に変わった事。
そして中学の時よりもさらに学ぶことが増えたこと。
部活と両立している人が凄いと思える。

「ならよかった。娘の事もよろしく頼むよ」

輝夜の父さんはそう言った。
輝夜とは通学の時から家に帰るときまでほぼずっと一緒にいる。
同じクラスだった。
でもそれも今年までだろう。
輝夜は理系、俺は文系。
それに目指す大学は一緒でも学部が違う。
でもそれはちょっと距離が離れるだけ。
そんなに深刻な問題じゃない。
これまで一緒だったんだ。
これからも一緒だろう。
それが当たり前のように思っている。

「そろそろ出ないか?」

渡辺さんが言うと皆脱衣所に出ていく。
俺達も身体をさっと拭いて脱衣所にむかう。
服を着て脱衣所に行くと空がコーヒー牛乳を飲んでアイスを食べている。
毎年何かの儀式のようにやっている。
そして女性陣が出てくる。
全員揃うと俺達は昼食を食べにファミレスに向かった。

(4)

「ふぅ~」

私は身体を洗い湯舟に浸かると一息ついた。

「おつかれ」

水奈が隣に座る。
祈や繭、梓や恋、瑞穂達も来て子供組が集まる。
女子がこれだけ集まれば話題が尽きることは無いらしい。
皆それぞれ話をしていた。
今年の夏はどう過ごすか?
茜たちは海外旅行らしい。
私は大地が別荘に行かないか?と誘ってきたくらいだ。
大地がそう言う誘いをするのは珍しい。
断る理由はないので受けた。

「私がいても勉強の邪魔にならないか?」
「そんな事無いから大丈夫」

大地が言うので夏休みは大地の別荘で過ごす。
別荘と言っても湯布院あたりだろう。
そう思っていた。
石原家の力を甘くて見ていたのかもしれない。
とりあえず夏休みの予定は埋まっている。
皆の夏休みの予定を聞いてみた。

「私はいつも通りだよ」

そう言うのがほとんどだった。
それも悪くないと思う。
適当に起きてだらだらと1日を過ごして寝る。
無駄にしているような気がするけどそんなことは無い。
そんな事が出来る時期は今だけだと愛莉たちを見ていたら実感する。
子供が出来たら休みなんてない。
ダラダラする時間なんてない。
だから今のうちに楽しめ。
そういう考えだってありだと思う。

「そろそろ出ますよ」

愛莉が言うとみんな脱衣所に行く。
体を拭いて服を着て髪を乾かすと脱衣所を出る。
空達がアイスクリームを食ってる。
男子が羨ましい。
髪を乾かすという手間が無いのだから。
髪の手入れを常にしないといけない女子と違う。
元々空達にそういうのを気にする概念がないのもあるんだけど。
皆揃うとファミレスに行く。
私達はいつも通りの注文をする。
デザートのパフェも忘れずに取る。
こうなるとバイキングに行った方が安上がりになる。
だから片桐家の外食はバイキングに行くことが増えた。
しかしどんな店だろうが構わず大量に注文するということはない。
それなりの店に入ったらそれなりの注文を取る。
コース料理があるならコース料理を食べる。
食の作法には厳しいのが片桐家だ。
ジュースを飲みながら、料理を食べながら皆で話をする。
もうすぐ1学期が終る。
冬吾達は初めての夏休みだ。
予定はあるのか聞いてみた。

「サッカーの試合があるみたいだけど僕達はベンチにも座らせてもらえないから休んでても構わないと言われてるんだ」

要するに暇なのか。

「カブトムシを採れたらいいなと思うけど近所じゃ無理だよね」

カナブンは採れるかも知れないけど多分無理だろうな。

「そう言う子もいるだろうと思ってキャンプ場改装したから大丈夫よ」

祈の母さんが言った。
なんでもありだな。
まだ冬吾には自転車を与えていない。
冬吾の学年で行動できる範囲は徒歩で十分だしうちの近所は坂道ばかりできついしまだ早い。
パパや愛莉はそう判断したみたいだ。
パフェを食べ終わるとファミレスを出て解散する。
家に帰るとキャンプ用具を片付ける。
その間私と茜は部屋で時間を潰す。
茜はブログを更新していた。
私はゲームをしていた。

「今日は夕飯お寿司とりますから」

パパも疲れていて運転が大変だろうからと愛莉が判断したらしい。
寿司を食べて風呂に入ると部屋でまた時間を潰す。
大地とメッセージをする。
時間になると「おやすみ」と送ってベッドに入る。
茜はもう寝ている。
私もベッドに横になると疲れが一気に来た。
自然と眠りにつく。
夏休みまでもう少しだった。
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