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3rdSEASON
夜も昼も花も風も
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(1)
バイクのエンジン音が聞こえてくる。
どうやら光太が来たようだ。
防寒着を着て外に出る。
タンデムするんだから当然コートなんて着れるはずがない。
まあ、あまりお洒落に関心ないからいいけど。
そう言うところは母さんに似たらしい。
「あんまり危ない事をするんじゃないぞ」
父さんが言う。
バイクに2人の時点で十分危ないんだけど。
でも光太もそれは分かっているようで慎重に運転してくれる。
11月上旬ともなると、バイクに乗るにはいくら重ね着しても足りないくらい寒い。
ホッカイロを持って行くことにした。
手袋も買った。
家を出ると光太が青いバイクに跨って待っていた。
挨拶をすると私は光太の後ろに跨る。
そしてバイクは走り出す。
去年と同じ湯布院に行く。
バイクで九重の山の上なんて想像したくない。
今年は去年とコースが違う。
海岸沿いの道路を通って別府を経由するルートをやめ、山の中を通って湯布院に向かうルートを選んだ。
こっちの方が行く途中も紅葉を楽しめるんじゃないか?
光太はそう思ったらしい。
後に乗っているとはいえ走ってるバイクにまたがっているのには変わりない。
周りの景色を楽しんでる余裕などなかった。
右に左に傾きながら山道を通っていく。
別府経由よりもトイレに寄れるコンビニ等は少ない。
コンビニがある時に用があれば合図を送る。
途中の道の駅でブルーベリーソフトを食べた。
湯布院に着くと昼食をとる。
その後に金鱗湖周辺等を探索する。
観光マップを見るとまだ紅葉のスポットがあるらしい。
バイクで移動してそれらを見て回る。
お店には寄る必要はない。
特に興味のある物はないし去年まわったし、別に今日行かなくてもいつでも変わらない。
帰りはどうする?と相談してきた。
2人で考えた末来た道を戻ることにした。
山を上り下りするのは避けたい。
寒いのもあるけど急カーブが多い。
バイクが曲がる際の姿勢を傾けるのが私は苦手だった。
じゃあ、なんでタンデムしてるのかって?
光太の趣味。
少しくらい付き合ってやるべきだと思ったから。
夏も高原を走ったりしてた。
あれは気持ちよかった。
真夏で暑いと思っていたらこんなに涼しいなんて思ってもみなかった。
ちなみに盆の連休とかは避けている。
渋滞に巻き込まれたら冷房どころかエンジンの熱があるバイクはひとたまりもない。
そして今夕方の渋滞に巻き込まれていた。
たまに原付が歩道を走っていく。
もちろん違反覚悟で。
人に接触したらキップを切られるだけじゃすまないのに。
光太はたとえ車の左にギリギリ通れる幅があったとしても追い越しをかけない。
きっちり車の後ろで待待っている。
「一台抜いたからってそんなに変わりないだろ?」
どんなにスピードを出しても信号が赤なら止まらざるを得ない。
そんなに急いでるわけでも無い。
「麗華トイレに行きたいとかあるのか?」
私は光太のヘルメットを小突いた。
庄内あたりから車は混み始めて地元に着く頃には丁度夕食の時間になってる。
ファミレスで夕食を食べる事にした。
「来年の今頃には車の免許取れてるはずだから」
光太は言う。
求職活動は9月から解禁される。
私と光太は就職先が決まってるも同然だった。
採用通知が来て自動車学校の申し込みをして免許を取るまでに最短で2週間。
それから車を購入して納車までの期間を考えても十分時間がある。
費用は親に借りる。仕事に就いて生活が落ち着いたら返す予定だったという。
でも光太の親は言ったそうだ。
「卒業祝いにくれてやる。ちゃんと勉強して卒業しろよ」
車に惚けてまだ学生だって事を忘れるな。
「光太はもう乗りたい車とか決めてるの?」
「ああ、ちゃんと考えたぜ。麗華はスポーツカーとかセダンとか嫌いだろ?」
まともなセダンなら別にいいけどどうしてもタイヤが傾いてたり車高が極端に低い車をイメージしてしまう。
光太が言った車種は光太の乗っているバイクと同じメーカーのミニバンだった。
これなら中も広いしゆったりできる。荷物も積める。
もちろん妙な翼をつけたりエアロをつけたりはしないらしい。
内装も純正のものにするそうだ。
しかし気になることがある。
「光太、聞きたい事が2つあるんだけど」
「どうした?」
「バイクはどうするの?」
「売るよ。車あるのに持ってたってしょうがないだろう」
「まあ、そうね」
「そんなに乗ってないしもったいない気もするけど多少は金になるだろ」
丁寧にのってきたしマフラーも戻したからなと笑っている。
「で、もう一つって何?」
光太が聞いてきたので話した。
「説明を聞いていたら私を基準に選んだみたいだけどそれで本当にいいの?」
光太の乗りたい車が他にあるんじゃないのか?
だけど光太は言う。
「いいんだよ。これから一緒に生きていくんだから」
は?
「俺も麗華もさ卒業したら社会人じゃん。一人前に働いて稼ぐわけだし一緒に暮らさない?」
そう言う事か。
「まだこれから先どうなるか分からないわよ」
「どうにかするさ」
「わかった……親に相談してみる」
「ありがとう」
「こっちこそありがとう」
光太は嬉しそうだった。
きっと他のカップルも同じことを考えているんだろうな。
若干フライングしてる気もするけど。
家に着いて光太を見送ると家に入りそして両親と相談した。
「いいんじゃない?」
母さんはそう言ってくれた。
父さんは悩んでるみたいだ。
すると母さんが言ってくれた。
「私達だってバイトしながら同棲してた。正社員なら問題ないでしょ」
「……そうだな。麗華がそうしたいならそうしなさい」
ただし卒業した後一度光太君は挨拶に来なさい。麗華も光太君の家に挨拶に行きなさい。
それが父さんのだした条件。
その時に改めて本当に2人でやっていけるのか確かめたいらしい。
「わかった」
「じゃあ、風呂入って休みなさい」
母さんが言うと私は風呂に入って部屋に戻り光太にメッセージを送る。
「そっか、親に挨拶忘れてたな!」
1週間後光太はいつもよりは清潔感のある服装で私の家にやって来た。
卒業後にって言ったのにフライングにも程がある。
光太と父さんは少し話をした。
私と母さんはそれを静かに聞いていた。
光太の熱意は私には伝わって来た。
問題は父さんに伝わっているかどうか。
「……卒業頑張れよ」
伝わったようだ。
「はい、ありがとございます」
その晩光太も一緒に夕食を食べて帰った。
風呂から戻ってメッセージをする。
「めっちゃ緊張した!」
分かってる。
私達の進路は決まった。あとは前進あるのみ
(2)
僕達は渡辺班の皆と夢大吊橋に来ていた。
自由行動になるとさっさと橋を渡る。
そしていつも通りの軽食を済ませるとソフトクリームを食べながら腰掛けて時間を潰す、
純也や茜は下に降りて滝を見て来たらしい。
滝なんてどこもおなじだろうに。
毎年くる紅葉。
だけど毎年違う景色。
僕達の見る目が変わっていってるのだろうか?
もっとも天音にとってはそう変わらないらしいが。
毎年食べる夢バーガーを変えてるくらいだ。
ボリュームがないと分かっていてレディースを頼む。
当然不満を言ってドリームを食べる。
水奈は毎年困っている。
この後の昼ご飯までとってもじゃないけど水奈は食べきれない。
「残したら僕が食べてあげる」
そう言うと水奈はレディースを注文する。
皆揃うと昼食を食べにレストランに向かう。
さっきの夢バーガー?
軽食って言ったろ?
水奈は当然残すから食べてやる。
ハンバーグを食べて満足すると大人が話をしている間外にでて馬を見てる。
冬吾達も興味深そうに見てた。
店から親が出てくると出発する。
帰る頃には夕食時になっていてファミレスに寄ってから夕食にする。
夕食を食べ終わると解散して家に帰る。
まずは母さんが冬吾と冬莉を風呂に入れて寝かせる。
その後に天音、茜と続いて僕が入る。
最後に父さんが入る。
父さんはゆっくり入りたいらしいから最後が良いんだとか。
その間に僕達は部屋でくつろぐ。
ランニングシューズの開発のドラマをやっていた。
もう11月。
何となく話の全容が見えて来て続きが気になりだすころ。
東京のガイドブックを買ってきてた。
修学旅行の東京での自由行動でどこに行くかを決めているんだろう。
行くところなんて豊洲で十分だと思ったんだけど班の他のメンバーもいる。
流石にそれは止めておいた方が良いと思った。
そう言う旅行は水奈と2人で行きたい。
でも水奈もきっと渋谷とか原宿とか行きたがるんだろうな。
何となく水奈に聞いてみた。
「空にあわせるよ」
一言返って来た。
「いいの?」
「どうせ豊洲にでも行くつもりだったんだろ?」
「それだけだと水奈が退屈だろ?」
「そうだな……じゃあ、テーマパーク行きたいかな」
修学旅行じゃ絶対に行けない夜のパレードを見たいらしい。
やっぱり水奈も女子なんだな。
「わかった」
そんなやりとりをして眠りにつく。
水奈と東京見物か。
きっとこれから先水奈と色々なところに行くんだろうな。
でも水奈と一緒ならどこでもいいや。
そんな夢を見ていた。
(3)
その日の練習はクラスの女子が見学に来てた。
それを見て張り切る友達もいた。
僕の小学校では堂々と交際を宣言する者が沢山いる。
なのに僕にはいなかった。
だけど、どうして?とか考えることは無かった。
多分神様が忘れているんだろう?
それに今はサッカーに必死だった。
1年生がレギュラーを取ったんだ。
上級生が黙っているわけがない。
必死になってボールを取りに来る相手からボールを死守しそして前線にボールをつなぐ。
繋ぐ相手がいる時は良い。
マークを振りほどこうという気のない者、空いてるスペースに飛び込む意思のない者。
「逆サイド空いてる!」
そうは言うけど1年生の言う事なんて誰も聞いてくれない。
そうしてるうちにスペースを潰される。
DFは守ってればいい。
そう思っているのだろうか?
サイドバックすら上がってこない。
役に立たない味方ばかり。
役に立つ味方だったものは皆別メニューをこなしている。
監督の真意がわからない。
どういう基準でレギュラーを選んでいるのだろうか?
仕方ないから自分で相手陣まで運ぶしかない。
相手を何とか交わしてボールを運んでFWにボールをつなぐ。
幸いにもFWは皆使えるやつばかり残ってる。
シュートが決まると笛が鳴る。
そして怒られる。
「ボランチがあそこまで上がってどうする!?」
自分で上がらないとパスを出す相手がいなかったじゃないか。
サッカーはエリアによって分かれる。
ゴール前ならドリブルで相手DFの隙間をついてシュートを狙ってもいい。
けれど自陣ならパスをつないで素早く攻撃展開するべき。
ドリブルでボールを運ぶのとパスを出すのとでは展開するスピードは全然違う。
ドリブルをすると相手とのコンタクトが多くなりボールを奪われるリスクが高くなる。
また接触で怪我をする危険もある。
だがその理論はパスを出す相手がいてこそだろ?
指示を出しても相手に気付かれる。
しかも味方は動いてくれない。
「水野、替われ。少し休んでろ」
監督に言われて僕はフィールドからでるとスポーツ飲料を飲む。
すると女子が僕にタオルを差し出してくれた。
「はいこれ」
確か猪瀬桐花さんだっけ?
「ありがとう」
「水野君サッカー上手いんだね。一人であそこまでボール持って行っちゃった」
「監督には叱られたけどね」
「なんでだろうね?」
猪瀬さんは考えていた。
考えるだけ無駄なのに。
指示しても動かない奴の事まで考えてる余裕はない。
そして監督がやって来た。
「水野、お前も今日から別メニューだ。皆の練習に混ざらなくていい」
死刑宣告だった。
まあ、1年だししょうがないや。
ビブスを外すと監督に渡す。
「じゃ、僕別メニューに加わるから」
「待ってください!」
猪瀬さんが監督に訴えた。
「さっきのは水野君じゃなくて場所を指示したのに動かない選手が悪いんじゃないですか?」
「君は誰だ?」
「水野君と交際してる猪瀬桐花です」
はい?
「い、猪瀬さん落ち着こう」
「落ち着いてなんていられない!自分の彼氏を侮辱されてるんだよ!」
「悪いが君の彼氏はこのチームに居場所がない。理由はそれだけだ」
「水野君の方が上手いのにチームから外されるなんておかしいよ!」
彼女は興奮しているようだ。
何とかなだめようとする。
監督も困っていた。
そんな情景を皆練習を止めて見に来る。
片桐冬吾も見ていたようだ。
猪瀬さんに近づくと言った。
「とりあえずこの場は下がろう?説明してあげるから」
皆の練習の邪魔になってる。
猪瀬さんは冬吾にいわれると落ち着いたようだ。
「……すいませんでした」
そう言って冬吾と一緒にその場を離れる。
「水野君も来なよ。納得してないんだろ?」
冬吾に言われて僕は冬吾の後を追いかけた。
「よう、お前も脱落組の仲間入りか?」
多田誠司が言うとみんな笑ってた。
猪瀬さんが何か言おうとするのを冬吾が制した。
「紹介するよ、ここにいる皆が『水野君のパスを受け取れる者達』だよ」
冬吾はそう言って笑う。
「……どういうこと?」
「今フィールドで練習している人は水野君のパスを受ける意思がない人達。そんな人達と練習しても無駄でしょ」
「監督はあんな態度だけど俺達だけ特別扱いされてるらしいぜ」
誠司が言う。
要するに現時点で技術のある者は体力面を養え、無駄な練習で怪我なんて真似はしなくていいという考えらしい。
突出したプレイヤーが現れるとそれを妬むか足を引っ張るかしかない。
そして僕達はそんなプレイに嫌気がさして最悪サッカーを嫌いになる。
今の僕の様に。
戦術を学ぶとかフォーメーションを組むとかそういうのはまだ覚えなくていい。
今はサッカーを楽しい物だと認識させることの方が重要。
それが監督の考えだと冬吾が言った。
それが僕達をチームから隔離する本当の理由。
「僕は父さんに言われたよ。小学生の間は試合は諦めなさいって」
冬吾が言う。
猪瀬さんもそれを聞いて納得したようだ。
そして頭に血が上っていたとはいえ自分が言った言葉を思い出したのか顔を両手で覆う。
そんな猪瀬さんをみて冬吾は言った。
「水野君もちゃんと返事してあげなくちゃ。猪瀬さんは勇気出したんだし」
冬吾には僕の返事は分かっていたらしい。
「猪瀬さん、ありがとう。嬉しかった」
「あ、いや。ごめんなさい。私つい勢いで」
「勢いで終わらせたくない。じゃ、返事にならない?」
「……いいの?」
「メッセージからでよければ」
「ありがとう!」
猪瀬さんは僕に抱き着いた。
そんな僕達を見てみんな笑ってた
「お前達何しに来たんだ!?少しは体を動かせ!」
コーチが言う。
猪瀬さんは慌てて離れた。
「じゃ、よろしくね」
「うん、私達もう少しあそこで見てるから」
そう言って猪瀬さんが他の女子の下へ行った。
それからみんなでボールを蹴って遊んでた。
蹴って遊んでるように見えるはず。
でもそのパスには強い意志が込められていた。
一流の選手はパスに自分の意思を込めるそうだ。
いつかフィールドに立とう。
その時が必ず来る。
夢や希望に溢れた者達。
その後も練習時間が終るまで適当にドリブルしたリリフティングしたり。コーチに言われて走りこんだりして過ごした。
練習が終わる頃皆の親が迎えに来る。
「じゃ、また学校で」
冬吾はそう言って帰る。
フィールドの中でプレイをするよりも外で皆とパスをしていた方が有意義に思えた時間。
だから忘れていた。
風呂から戻って自分の部屋でスマホを見るとメッセージが来てた。
猪瀬さんからだ。
「もう寝た?」
最後のメッセージ。
慌てて返信する。
「ごめん、風呂に入ってた」
「いいよ、ゆっくり休んで」
「今日は本当にありがとう。猪瀬さんがいなかったらきっと僕サッカーが嫌になってたかも」
「それは冬吾君に言うべき言葉じゃない?」
「そうだけど」
「冬吾君ってすごいね。ああやってどんどん自分の味方を増やしていくんだろうね」
「そうだね」
「瞳子はハラハラしてるらしいけどね。他の女子が冬吾君を好きになったらどうしようって」
冬吾に限ってそれは無いよ。
きっと今頃冬吾も瞳子とメッセージを送っているんだろう。
「あ、親に言われたからそろそろ寝るね。おやすみなさい」
「おやすみ」
スマホを置くと僕も照明を落としてベッドに入る。
どうやら、僕が最後の欠片だったようだ。
そしてその欠片がはまった時、運命は廻りだす。
(4)
グラウンドに学生服を着て大きな手荷物を持った2年生が集まっていた。
皆が揃っている事を確認すると拡声器で説明をする。
私達はこれから二泊三日の修学旅行に行く。
初めての都会に皆ドキドキしていた。
説明が終ると皆バスに乗り込む。
バスで駅まで向かって特急で小倉に向かい新幹線で新大阪に行く。
純也は特急に乗るなりすぐ寝る。
「この特急博多まで行くそうです。乗り過ごしても知らないよ?」
「梨々香が起こしてくれるだろ」
「私は純也の目覚まし時計じゃない」
「恋人に起こしてもらうってあるだろ?」
しょうがないなぁ。
隣で眠ってしまった純也から窓の景色に目を移す。
海が綺麗だった。
けれどそんな景色もつかの間。
何の変化もない田舎の風景が続く。
肩にずしりと何かがのしかかる。
純也が私に寄り添うようにしていた。
だけど純也の寝顔を見ていると怒る気も失せる。
前の席に座っている茜と壱郎は楽しそうに話している。
小倉が近づくと純也を起こす。
小倉に着くとすぐに新幹線の改札へ向かう。
新幹線に乗り込むとまた純也は寝る。
この調子だと半日くらい寝る気だな。
紫や夏希と相談していた。
今のうちに休むと良い。
京都では精一杯付き合ってもらうとしよう。
景色は山とトンネルが続いていた。
新幹線でも各駅停車といくつかの主要駅にしか止まらないものがある。
私達の乗ってる新幹線は次々と駅を通過していく。
新神戸の駅の構造には驚いた。
トンネルとトンネルの間に駅がある。
そして新神戸を出るといよいよ新大阪。
「純也、そろそろだよ」
「うわっ!すげえ!」
純也は窓に映る都会の景色を見て驚いていた。
拓海と秀史も同じ反応をしたらしい。
そして新大阪の駅の広さにまた驚いて駅からホテルまでのバスの中でも驚いていた。
ホテルに着くと部屋に荷物を置く。
ロビーに皆集まると先生から説明がある。
そして自由行動。
私達の班は女子が無理に意見を通して京都散策にした。
行くコースも決めてある。
とりあえずは最寄りの駅に向かう。
私達の修学旅行第一日目はこうして始まった。
バイクのエンジン音が聞こえてくる。
どうやら光太が来たようだ。
防寒着を着て外に出る。
タンデムするんだから当然コートなんて着れるはずがない。
まあ、あまりお洒落に関心ないからいいけど。
そう言うところは母さんに似たらしい。
「あんまり危ない事をするんじゃないぞ」
父さんが言う。
バイクに2人の時点で十分危ないんだけど。
でも光太もそれは分かっているようで慎重に運転してくれる。
11月上旬ともなると、バイクに乗るにはいくら重ね着しても足りないくらい寒い。
ホッカイロを持って行くことにした。
手袋も買った。
家を出ると光太が青いバイクに跨って待っていた。
挨拶をすると私は光太の後ろに跨る。
そしてバイクは走り出す。
去年と同じ湯布院に行く。
バイクで九重の山の上なんて想像したくない。
今年は去年とコースが違う。
海岸沿いの道路を通って別府を経由するルートをやめ、山の中を通って湯布院に向かうルートを選んだ。
こっちの方が行く途中も紅葉を楽しめるんじゃないか?
光太はそう思ったらしい。
後に乗っているとはいえ走ってるバイクにまたがっているのには変わりない。
周りの景色を楽しんでる余裕などなかった。
右に左に傾きながら山道を通っていく。
別府経由よりもトイレに寄れるコンビニ等は少ない。
コンビニがある時に用があれば合図を送る。
途中の道の駅でブルーベリーソフトを食べた。
湯布院に着くと昼食をとる。
その後に金鱗湖周辺等を探索する。
観光マップを見るとまだ紅葉のスポットがあるらしい。
バイクで移動してそれらを見て回る。
お店には寄る必要はない。
特に興味のある物はないし去年まわったし、別に今日行かなくてもいつでも変わらない。
帰りはどうする?と相談してきた。
2人で考えた末来た道を戻ることにした。
山を上り下りするのは避けたい。
寒いのもあるけど急カーブが多い。
バイクが曲がる際の姿勢を傾けるのが私は苦手だった。
じゃあ、なんでタンデムしてるのかって?
光太の趣味。
少しくらい付き合ってやるべきだと思ったから。
夏も高原を走ったりしてた。
あれは気持ちよかった。
真夏で暑いと思っていたらこんなに涼しいなんて思ってもみなかった。
ちなみに盆の連休とかは避けている。
渋滞に巻き込まれたら冷房どころかエンジンの熱があるバイクはひとたまりもない。
そして今夕方の渋滞に巻き込まれていた。
たまに原付が歩道を走っていく。
もちろん違反覚悟で。
人に接触したらキップを切られるだけじゃすまないのに。
光太はたとえ車の左にギリギリ通れる幅があったとしても追い越しをかけない。
きっちり車の後ろで待待っている。
「一台抜いたからってそんなに変わりないだろ?」
どんなにスピードを出しても信号が赤なら止まらざるを得ない。
そんなに急いでるわけでも無い。
「麗華トイレに行きたいとかあるのか?」
私は光太のヘルメットを小突いた。
庄内あたりから車は混み始めて地元に着く頃には丁度夕食の時間になってる。
ファミレスで夕食を食べる事にした。
「来年の今頃には車の免許取れてるはずだから」
光太は言う。
求職活動は9月から解禁される。
私と光太は就職先が決まってるも同然だった。
採用通知が来て自動車学校の申し込みをして免許を取るまでに最短で2週間。
それから車を購入して納車までの期間を考えても十分時間がある。
費用は親に借りる。仕事に就いて生活が落ち着いたら返す予定だったという。
でも光太の親は言ったそうだ。
「卒業祝いにくれてやる。ちゃんと勉強して卒業しろよ」
車に惚けてまだ学生だって事を忘れるな。
「光太はもう乗りたい車とか決めてるの?」
「ああ、ちゃんと考えたぜ。麗華はスポーツカーとかセダンとか嫌いだろ?」
まともなセダンなら別にいいけどどうしてもタイヤが傾いてたり車高が極端に低い車をイメージしてしまう。
光太が言った車種は光太の乗っているバイクと同じメーカーのミニバンだった。
これなら中も広いしゆったりできる。荷物も積める。
もちろん妙な翼をつけたりエアロをつけたりはしないらしい。
内装も純正のものにするそうだ。
しかし気になることがある。
「光太、聞きたい事が2つあるんだけど」
「どうした?」
「バイクはどうするの?」
「売るよ。車あるのに持ってたってしょうがないだろう」
「まあ、そうね」
「そんなに乗ってないしもったいない気もするけど多少は金になるだろ」
丁寧にのってきたしマフラーも戻したからなと笑っている。
「で、もう一つって何?」
光太が聞いてきたので話した。
「説明を聞いていたら私を基準に選んだみたいだけどそれで本当にいいの?」
光太の乗りたい車が他にあるんじゃないのか?
だけど光太は言う。
「いいんだよ。これから一緒に生きていくんだから」
は?
「俺も麗華もさ卒業したら社会人じゃん。一人前に働いて稼ぐわけだし一緒に暮らさない?」
そう言う事か。
「まだこれから先どうなるか分からないわよ」
「どうにかするさ」
「わかった……親に相談してみる」
「ありがとう」
「こっちこそありがとう」
光太は嬉しそうだった。
きっと他のカップルも同じことを考えているんだろうな。
若干フライングしてる気もするけど。
家に着いて光太を見送ると家に入りそして両親と相談した。
「いいんじゃない?」
母さんはそう言ってくれた。
父さんは悩んでるみたいだ。
すると母さんが言ってくれた。
「私達だってバイトしながら同棲してた。正社員なら問題ないでしょ」
「……そうだな。麗華がそうしたいならそうしなさい」
ただし卒業した後一度光太君は挨拶に来なさい。麗華も光太君の家に挨拶に行きなさい。
それが父さんのだした条件。
その時に改めて本当に2人でやっていけるのか確かめたいらしい。
「わかった」
「じゃあ、風呂入って休みなさい」
母さんが言うと私は風呂に入って部屋に戻り光太にメッセージを送る。
「そっか、親に挨拶忘れてたな!」
1週間後光太はいつもよりは清潔感のある服装で私の家にやって来た。
卒業後にって言ったのにフライングにも程がある。
光太と父さんは少し話をした。
私と母さんはそれを静かに聞いていた。
光太の熱意は私には伝わって来た。
問題は父さんに伝わっているかどうか。
「……卒業頑張れよ」
伝わったようだ。
「はい、ありがとございます」
その晩光太も一緒に夕食を食べて帰った。
風呂から戻ってメッセージをする。
「めっちゃ緊張した!」
分かってる。
私達の進路は決まった。あとは前進あるのみ
(2)
僕達は渡辺班の皆と夢大吊橋に来ていた。
自由行動になるとさっさと橋を渡る。
そしていつも通りの軽食を済ませるとソフトクリームを食べながら腰掛けて時間を潰す、
純也や茜は下に降りて滝を見て来たらしい。
滝なんてどこもおなじだろうに。
毎年くる紅葉。
だけど毎年違う景色。
僕達の見る目が変わっていってるのだろうか?
もっとも天音にとってはそう変わらないらしいが。
毎年食べる夢バーガーを変えてるくらいだ。
ボリュームがないと分かっていてレディースを頼む。
当然不満を言ってドリームを食べる。
水奈は毎年困っている。
この後の昼ご飯までとってもじゃないけど水奈は食べきれない。
「残したら僕が食べてあげる」
そう言うと水奈はレディースを注文する。
皆揃うと昼食を食べにレストランに向かう。
さっきの夢バーガー?
軽食って言ったろ?
水奈は当然残すから食べてやる。
ハンバーグを食べて満足すると大人が話をしている間外にでて馬を見てる。
冬吾達も興味深そうに見てた。
店から親が出てくると出発する。
帰る頃には夕食時になっていてファミレスに寄ってから夕食にする。
夕食を食べ終わると解散して家に帰る。
まずは母さんが冬吾と冬莉を風呂に入れて寝かせる。
その後に天音、茜と続いて僕が入る。
最後に父さんが入る。
父さんはゆっくり入りたいらしいから最後が良いんだとか。
その間に僕達は部屋でくつろぐ。
ランニングシューズの開発のドラマをやっていた。
もう11月。
何となく話の全容が見えて来て続きが気になりだすころ。
東京のガイドブックを買ってきてた。
修学旅行の東京での自由行動でどこに行くかを決めているんだろう。
行くところなんて豊洲で十分だと思ったんだけど班の他のメンバーもいる。
流石にそれは止めておいた方が良いと思った。
そう言う旅行は水奈と2人で行きたい。
でも水奈もきっと渋谷とか原宿とか行きたがるんだろうな。
何となく水奈に聞いてみた。
「空にあわせるよ」
一言返って来た。
「いいの?」
「どうせ豊洲にでも行くつもりだったんだろ?」
「それだけだと水奈が退屈だろ?」
「そうだな……じゃあ、テーマパーク行きたいかな」
修学旅行じゃ絶対に行けない夜のパレードを見たいらしい。
やっぱり水奈も女子なんだな。
「わかった」
そんなやりとりをして眠りにつく。
水奈と東京見物か。
きっとこれから先水奈と色々なところに行くんだろうな。
でも水奈と一緒ならどこでもいいや。
そんな夢を見ていた。
(3)
その日の練習はクラスの女子が見学に来てた。
それを見て張り切る友達もいた。
僕の小学校では堂々と交際を宣言する者が沢山いる。
なのに僕にはいなかった。
だけど、どうして?とか考えることは無かった。
多分神様が忘れているんだろう?
それに今はサッカーに必死だった。
1年生がレギュラーを取ったんだ。
上級生が黙っているわけがない。
必死になってボールを取りに来る相手からボールを死守しそして前線にボールをつなぐ。
繋ぐ相手がいる時は良い。
マークを振りほどこうという気のない者、空いてるスペースに飛び込む意思のない者。
「逆サイド空いてる!」
そうは言うけど1年生の言う事なんて誰も聞いてくれない。
そうしてるうちにスペースを潰される。
DFは守ってればいい。
そう思っているのだろうか?
サイドバックすら上がってこない。
役に立たない味方ばかり。
役に立つ味方だったものは皆別メニューをこなしている。
監督の真意がわからない。
どういう基準でレギュラーを選んでいるのだろうか?
仕方ないから自分で相手陣まで運ぶしかない。
相手を何とか交わしてボールを運んでFWにボールをつなぐ。
幸いにもFWは皆使えるやつばかり残ってる。
シュートが決まると笛が鳴る。
そして怒られる。
「ボランチがあそこまで上がってどうする!?」
自分で上がらないとパスを出す相手がいなかったじゃないか。
サッカーはエリアによって分かれる。
ゴール前ならドリブルで相手DFの隙間をついてシュートを狙ってもいい。
けれど自陣ならパスをつないで素早く攻撃展開するべき。
ドリブルでボールを運ぶのとパスを出すのとでは展開するスピードは全然違う。
ドリブルをすると相手とのコンタクトが多くなりボールを奪われるリスクが高くなる。
また接触で怪我をする危険もある。
だがその理論はパスを出す相手がいてこそだろ?
指示を出しても相手に気付かれる。
しかも味方は動いてくれない。
「水野、替われ。少し休んでろ」
監督に言われて僕はフィールドからでるとスポーツ飲料を飲む。
すると女子が僕にタオルを差し出してくれた。
「はいこれ」
確か猪瀬桐花さんだっけ?
「ありがとう」
「水野君サッカー上手いんだね。一人であそこまでボール持って行っちゃった」
「監督には叱られたけどね」
「なんでだろうね?」
猪瀬さんは考えていた。
考えるだけ無駄なのに。
指示しても動かない奴の事まで考えてる余裕はない。
そして監督がやって来た。
「水野、お前も今日から別メニューだ。皆の練習に混ざらなくていい」
死刑宣告だった。
まあ、1年だししょうがないや。
ビブスを外すと監督に渡す。
「じゃ、僕別メニューに加わるから」
「待ってください!」
猪瀬さんが監督に訴えた。
「さっきのは水野君じゃなくて場所を指示したのに動かない選手が悪いんじゃないですか?」
「君は誰だ?」
「水野君と交際してる猪瀬桐花です」
はい?
「い、猪瀬さん落ち着こう」
「落ち着いてなんていられない!自分の彼氏を侮辱されてるんだよ!」
「悪いが君の彼氏はこのチームに居場所がない。理由はそれだけだ」
「水野君の方が上手いのにチームから外されるなんておかしいよ!」
彼女は興奮しているようだ。
何とかなだめようとする。
監督も困っていた。
そんな情景を皆練習を止めて見に来る。
片桐冬吾も見ていたようだ。
猪瀬さんに近づくと言った。
「とりあえずこの場は下がろう?説明してあげるから」
皆の練習の邪魔になってる。
猪瀬さんは冬吾にいわれると落ち着いたようだ。
「……すいませんでした」
そう言って冬吾と一緒にその場を離れる。
「水野君も来なよ。納得してないんだろ?」
冬吾に言われて僕は冬吾の後を追いかけた。
「よう、お前も脱落組の仲間入りか?」
多田誠司が言うとみんな笑ってた。
猪瀬さんが何か言おうとするのを冬吾が制した。
「紹介するよ、ここにいる皆が『水野君のパスを受け取れる者達』だよ」
冬吾はそう言って笑う。
「……どういうこと?」
「今フィールドで練習している人は水野君のパスを受ける意思がない人達。そんな人達と練習しても無駄でしょ」
「監督はあんな態度だけど俺達だけ特別扱いされてるらしいぜ」
誠司が言う。
要するに現時点で技術のある者は体力面を養え、無駄な練習で怪我なんて真似はしなくていいという考えらしい。
突出したプレイヤーが現れるとそれを妬むか足を引っ張るかしかない。
そして僕達はそんなプレイに嫌気がさして最悪サッカーを嫌いになる。
今の僕の様に。
戦術を学ぶとかフォーメーションを組むとかそういうのはまだ覚えなくていい。
今はサッカーを楽しい物だと認識させることの方が重要。
それが監督の考えだと冬吾が言った。
それが僕達をチームから隔離する本当の理由。
「僕は父さんに言われたよ。小学生の間は試合は諦めなさいって」
冬吾が言う。
猪瀬さんもそれを聞いて納得したようだ。
そして頭に血が上っていたとはいえ自分が言った言葉を思い出したのか顔を両手で覆う。
そんな猪瀬さんをみて冬吾は言った。
「水野君もちゃんと返事してあげなくちゃ。猪瀬さんは勇気出したんだし」
冬吾には僕の返事は分かっていたらしい。
「猪瀬さん、ありがとう。嬉しかった」
「あ、いや。ごめんなさい。私つい勢いで」
「勢いで終わらせたくない。じゃ、返事にならない?」
「……いいの?」
「メッセージからでよければ」
「ありがとう!」
猪瀬さんは僕に抱き着いた。
そんな僕達を見てみんな笑ってた
「お前達何しに来たんだ!?少しは体を動かせ!」
コーチが言う。
猪瀬さんは慌てて離れた。
「じゃ、よろしくね」
「うん、私達もう少しあそこで見てるから」
そう言って猪瀬さんが他の女子の下へ行った。
それからみんなでボールを蹴って遊んでた。
蹴って遊んでるように見えるはず。
でもそのパスには強い意志が込められていた。
一流の選手はパスに自分の意思を込めるそうだ。
いつかフィールドに立とう。
その時が必ず来る。
夢や希望に溢れた者達。
その後も練習時間が終るまで適当にドリブルしたリリフティングしたり。コーチに言われて走りこんだりして過ごした。
練習が終わる頃皆の親が迎えに来る。
「じゃ、また学校で」
冬吾はそう言って帰る。
フィールドの中でプレイをするよりも外で皆とパスをしていた方が有意義に思えた時間。
だから忘れていた。
風呂から戻って自分の部屋でスマホを見るとメッセージが来てた。
猪瀬さんからだ。
「もう寝た?」
最後のメッセージ。
慌てて返信する。
「ごめん、風呂に入ってた」
「いいよ、ゆっくり休んで」
「今日は本当にありがとう。猪瀬さんがいなかったらきっと僕サッカーが嫌になってたかも」
「それは冬吾君に言うべき言葉じゃない?」
「そうだけど」
「冬吾君ってすごいね。ああやってどんどん自分の味方を増やしていくんだろうね」
「そうだね」
「瞳子はハラハラしてるらしいけどね。他の女子が冬吾君を好きになったらどうしようって」
冬吾に限ってそれは無いよ。
きっと今頃冬吾も瞳子とメッセージを送っているんだろう。
「あ、親に言われたからそろそろ寝るね。おやすみなさい」
「おやすみ」
スマホを置くと僕も照明を落としてベッドに入る。
どうやら、僕が最後の欠片だったようだ。
そしてその欠片がはまった時、運命は廻りだす。
(4)
グラウンドに学生服を着て大きな手荷物を持った2年生が集まっていた。
皆が揃っている事を確認すると拡声器で説明をする。
私達はこれから二泊三日の修学旅行に行く。
初めての都会に皆ドキドキしていた。
説明が終ると皆バスに乗り込む。
バスで駅まで向かって特急で小倉に向かい新幹線で新大阪に行く。
純也は特急に乗るなりすぐ寝る。
「この特急博多まで行くそうです。乗り過ごしても知らないよ?」
「梨々香が起こしてくれるだろ」
「私は純也の目覚まし時計じゃない」
「恋人に起こしてもらうってあるだろ?」
しょうがないなぁ。
隣で眠ってしまった純也から窓の景色に目を移す。
海が綺麗だった。
けれどそんな景色もつかの間。
何の変化もない田舎の風景が続く。
肩にずしりと何かがのしかかる。
純也が私に寄り添うようにしていた。
だけど純也の寝顔を見ていると怒る気も失せる。
前の席に座っている茜と壱郎は楽しそうに話している。
小倉が近づくと純也を起こす。
小倉に着くとすぐに新幹線の改札へ向かう。
新幹線に乗り込むとまた純也は寝る。
この調子だと半日くらい寝る気だな。
紫や夏希と相談していた。
今のうちに休むと良い。
京都では精一杯付き合ってもらうとしよう。
景色は山とトンネルが続いていた。
新幹線でも各駅停車といくつかの主要駅にしか止まらないものがある。
私達の乗ってる新幹線は次々と駅を通過していく。
新神戸の駅の構造には驚いた。
トンネルとトンネルの間に駅がある。
そして新神戸を出るといよいよ新大阪。
「純也、そろそろだよ」
「うわっ!すげえ!」
純也は窓に映る都会の景色を見て驚いていた。
拓海と秀史も同じ反応をしたらしい。
そして新大阪の駅の広さにまた驚いて駅からホテルまでのバスの中でも驚いていた。
ホテルに着くと部屋に荷物を置く。
ロビーに皆集まると先生から説明がある。
そして自由行動。
私達の班は女子が無理に意見を通して京都散策にした。
行くコースも決めてある。
とりあえずは最寄りの駅に向かう。
私達の修学旅行第一日目はこうして始まった。
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