姉妹チート

和希

文字の大きさ
125 / 535

早咲きの桜

しおりを挟む
(1)

 チャイムが鳴る。
 みんなが騒めく。
 僕も肩の力を抜いていた。
 やっと終わった。
 やれることはすべてやった。
 出せる力は全て出し尽くした。
 今日は大学入試の日。

「空、お疲れさま」

 美希がそう言って声をかけてくれる。
 SHの地元大学受験生組は帰りにファミレスに寄った。
 皆で答え合わせをするとかそんなことはしない。
 やっと終わったと胸をなでおろすだけ。
 後は神頼みだ。

「あとは卒業式の後の結果次第ですね」

 善明が言う。

「きっと皆またこうして笑って話せるよ」

 美希がそう言って笑う。

「卒業旅行はどのみち行くんだろ?」

 学が言っていた。

「そりゃ行かないと、中には県外に言っちゃう人もいるんだし」

 翼の言う通りだった。
 熊本なら偶に帰ってくるかもしれないけど神奈川まで行く人は滅多に帰ってこれないだろう。
 選んだ理由も「戦闘機のパイロットになりたい」って小学校の頃の夢だったそうだけど。
 社会人になる者もいる。
 沢木兄弟や水島みなみは既にプロとしてチームに合流してる。

「すまないんだが、水奈も同行させてやってくれないか?」

 学が聞いていた。
 反対する理由はなかった。
 学にとっては一度だけのチャンスなんだから。
 水奈が大学を卒業する時は学は社会人だ。
 遊びに行く余裕なんてないだろう。
 食事を終えると僕達は家に帰る。

「お疲れ様。今までよく頑張りました」

 母さんがそう出迎えてくれた。

「ありがとう」
「でもこれからも大変ですよ、大学の定期考査、税理士の資格もとるのでしょ?」

 確かにそうだ。
 まだ苦難は続く。
 もちろん大学に合格してからの話だけど。
 その日はちょっとしたご馳走だった。

「後は卒業だね」

 父さんが言う。
 その後も話をしながら食事を済ませると順番に風呂に入って部屋に戻る。
 とりあえずは勉強という言葉を忘れて夜遅くまで遊んでいた。
 学校はもう真面目に行くやつはほとんどいなかった。
 出席日数も今になって足りないって事はまずないだろう。
 そして卒業式の日になった。
 卒業しても仮卒の期間。
 4月になるまでは高校生の身分だ。
 問題を起こせば卒業取り消しもある。
 もちろん採用取り消しもあり得る。
 月末には卒業旅行に行く予定。
 その時にみんな笑っていられるといいねと言って3年間通った学校を去る。
 あとは合格発表を待つのみ。
 夕食を食べて風呂から出ると僕と翼は父さんと母さんに呼ばれた。 
 リビングのソファに腰掛ける。
 お爺さんとお婆さんもダイニングから様子を見ていた。
 父さんは2枚の紙切れを僕達に差し出した。
 それはクレジットカードの申し込み用紙だった。

「サインは本人の直筆が必要だからサインしなさい」

 父さんは言う。

「私達働いてもないんだよ。審査に通るわけない」

 翼が言うと、父さんはにこりと笑った。

「口座の所をみてごらん?父さんの口座にしてあるから」

 父さんが言うと用紙を手に取ってみる。
 確かに父さん名義になってる。

「学生用のカードだから限度額も低い。高速を利用したり服を買ったりするときはそれを利用しなさい。それと……」

 母さんが2枚のキャッシュカードを渡す。

「口座には定期的にお金を振り込むから来月からはそれでやり繰りしてみなさい。それが私達からの最後の試験です」
「試験?」

 翼が聞き返す。

「どうせ、同棲しようと考えていたのでしょ?でもせっかくの最後の学生生活。バイト三昧というのも寂しいでしょ?」

 母さんが言った。
 父さん達もそうやって大学生活を送ってきたんだそうだ。

「でも僕達まだ合格決まったわけじゃないよ」

 僕が言った。

「前に言ったよね?ちゃんと高校生活を過ごしたらプレゼントをあげるって」

 父さんが言う。
 僕は父さんの会社を継ぐと決めている。
 なら、それに対する投資だという。

「僕達が空達にしてやれることはもうそんなにない。空達なら大丈夫だと愛莉と話し合った結果だ。どうか受け取って欲しい」
「もちろん、これからの4年間もしっかりみてますからね。大学を無事卒業出来たら最後のプレゼントがあるから」

 父さんと母さんが言う。
 僕達は考えて用紙にサインをした。
 そして大学合否発表の時が来た。
 美希を呼んで一緒に合否発表を見る。
 翼と美希は当然合格していた。
 そして僕の番が来た。
 受験番号を入力する。
 合格の2文字が見えた。

「よかったね、おめでとう」

 そう言って美希が抱きつく。
 すぐに母さんに知らせる。

「おめでとう」

 その日はお祝いだった。
 SH組は皆合格しているようだった。
 僕達は一人じゃないと誓いあおう。
 時代が変わっても僕はわすれない。
 僕達は次の舞台へ上がる準備が出来ていた。

(2)

 プレハブ校舎なんて今時あるのか?
 空調を利かせていない部屋を私達は掃除していた。
 3年生はもう卒業していない。
 見張りの先生はいない。
 適当に話をしながら掃除をしていた。

「あれ?なんか聞こえない?」

 美砂が何かに気付いたようだ。
 皆静かに耳を澄ませてみる。
 女性の悲鳴のような声が聞こえた。
 下の階からだ。
 皆下の階に移動する。
 私達に気付いたグループが逃げるようにその場を立ち去る。
 教室のなかから叫び声が聞こえる。

「落ち着け!何があった!?」

 私が言うと、女子は答えた。
 窓の点検を頼まれて教室に入って戸締りを確認したら外から鍵をかけられた。
 中から開けられるんじゃないのか?
 そう聞いてみたけど試したけどダメだったらしい。
 あいつらの仕業か。
 金髪とピンクと緑があいつらを追いかけようとしたけど私は止めた。
 どうせ鍵穴に細工したんだろう?
 こういう時はやる事は一つ。
 紗理奈と目を合わせて頷き合う。

「ドアから離れてろ!」

 私が中にいるやつに言う。

「何するつもり!?」

 美穂が言うと私はにやりと笑った。
 一度試してみたかったんだよな。

「ドア鍵が壊れてるならやる事は一つしかない!」

 紗理奈と私はドアを思いっきり蹴飛ばした。
 ドアは思い切り吹き飛びガラスが割れる。
 派手な音を立てたので担任の朝倉が駆け付けた。

「お前達なにをしてるんだ!?」
「先生聞いてよ。ドアが開かなくて困ってたから蹴破っちゃった。てへ」

 美穂が朝倉に説明した。
 凄く分かりやすい説明だ。
 教室の中には泣いてる女子がいた。
 確か、風岡円香。
 円香が朝倉に説明する。
 朝倉は見事に壊れたドアを確認する。
 鍵穴に折れた鍵が詰まってた。

「まあ、非常事態だから見逃してやるけど、お前達女子だって事を少しは自覚しろ」
「は~い」

 美穂が答えるとドアの残骸を片付けて朝倉が「教室に戻るぞ」と言うと皆で教室に戻る。
 HRで朝倉から厳重注意があった。
 HRが終ると円香はグループの連中に呼び出される。

「お前のせいで帰る時間が遅くなったじゃねーか」

 どうせ帰る気なんかなかったくせに。
 私と紗理奈と金髪とピンクと緑は割り込む。

「そう言う話なら私達にも言いたい事がある」

 私がそう言った。

「お、お前らには関係ないだろ!?」
「あるね。お前らがガキの悪戯みたいな真似するから私達まで怒られる羽目になったじゃねーか!」
「天音の言う通りだな。お前らも壊れた扉みたいにしてやろうか?」

 紗理奈が言う。

「いいか?円香はたった今から私の友達だ。今後妙な真似してみやがれ。お前らもガラクタの仲間入りだ」

 私が言うと逃げるように去っていった。

「ありがとう」
「礼はいいから連絡先交換しようぜ」

 そう言って円香と連絡先を交換してSHに招待した。
 円香に彼氏はいるのか?と聞くといると答えた。 
 まあ、当たり前のように防府高校の生徒らしいが。
 そして大地の知り合いなのもお約束。
 家に帰ると空は荷物の整理をしている。
 美希が手伝いに来ていた。

「こんなに漫画要らない。処分しようよ」
「また読むかもしれないし取っておこうよ」
「ゲームもどうせこんなにしないでしょ?売った方がいいよ」
「売っても大した額にならないよ。それに、またやるかもしれないじゃないか」

 楽しそうにやり取りしてる。
 2人は大学に合格して同棲が認められた。
 今良い物件を探してるらしい。
 この近辺で探す……と、思った。
 
「片桐君の跡取りにそんな無様な家を用意するわけには行かない」

 大地の母さんがそう言って祈の母さんに頼んで一軒家を新築してるらしい。
 バスの便も比較的あるし大学にも近いところに奇跡的に土地があったそうだ。
 ちなみに翼も同じみたいだ。
 美希はこの日に備えて家事の練習をしてきたらしい。
 自炊する気なんだろう。
 翼たちと一緒に過ごすのもあとわずかか。
 ちょっと寂しい気持ちになった。

(3)

「正直迷惑なんだよね」

 私はトイレに呼び出されるとそう言われた。
 相手は私が3日前に入ったグループの仲間……だと思っていた。
 この学校に来てもうすぐ1年がたつ。
 友達が出来ないことに焦りを感じた私は思い切って「仲間に入れてください」と頼んだ。

「いいよ」

 そう言ってくれて嬉しかった。
 嬉しくて気づかなかった。
 困惑しているリーダーに。
 そして今日にいたる。

 言いたい事分かるでしょ?最後まで言わせないでよ。

 そんな顔をしているメンバー。
 私の勘違いだったようだ。

「じゃ、そういう事で。今日から混ざってこないでね」

 今まで一人だったんだから平気でしょ?
 そう言って立ち去るメンバーたち。
 そして私はまた1人になった。
 その日の昼休み1人で食べていると気を利かせたつもりなのだろう、女子が「鈴木さんどうして1人で食べてるの?」と聞いてきた。
 冷静に考えたら勝手な言い分だ。
 自分たちのグループには入れたくない、でも1人で食べて寂しそうなのは見るに堪えないから他の人と食べなよ。
 当然元居たグループは「こっちくんな」と言いたげにしている。
 私は目障りな存在なんだな。
 情けなくなってきた。
 屋上で1人で食べよう。
 そう思って弁当を持って教室を出ようとすると、トイレから戻って来たらしい片桐天音に捕まった。

「恵、弁当持ってどこ行くんだ?」

 天音が聞いてきた。
 私は何も答えなかった。
 どうせ天音達も一緒だ。
 そう思ってた。

「天気良いから屋上で食べようと思って」
「1人でか?お前あいつらのグループに入ったんじゃなかったのか?」

 追い出されたんです。
 天音は勘が鋭いらしい。
 元居たグループと私の様子を見て全てを察したようだ。

「じゃあ、そういうことで」

 そう言って教室を出ようとするも天音は私の腕を放さない。

「偶には外で食うってのも悪くねーな。皆どうだ?」
「もう寒いってこともねーだろうしいいんじゃね?」

 天音と紗理奈が言っている。

「じゃ、ちょっと待ってろ恵。私達も弁当取ってくるから」

 そう言うと天音たちは席に戻って弁当をもって私と屋上に行く。

「あいつらと何かあったのか?」

 天音が弁当を食べながら聞いてきた。
 隠す事でもないような気がしたから事情を説明した。

「なるほどな~」

 天音は納得したようだ。

「じゃ、私達のグループに入れよ」

 天音は私を勧誘している。
 正直戸惑った。
 また同じことを繰り返すんじゃないのか?

「今恵が思ってるようなこと絶対ないから」

 美穂が断言する。

「あいつら見ろよ」

 天音が言う。
 袖と真菜と千葉恵がいた。

「あんな派手な髪してさ、馬鹿じゃねーの?って思わね?」

 それって本人の前で堂々と言っていい事なの?
 良い事だったようだ。

「このくらい普通だろ?」

 3人はそう言って笑ってる。

「人間色々な奴がいるんだ。そいつが大麻吸ったり犯罪をするような奴じゃない限り関係ねーよ」

 天音が言う。

「まあ、とりあえず私らのグループに入っとけ。嫌なら辞めたらいいんだからさ」

 紗理奈が言うとスマホを取り出す。
 この人たちなら信じてもいいか。
 私はスマホを出して連絡先を交換した。
 そして天音達のグループSHに入った。

「で、悩み事あるか?彼氏が欲しいなら紹介してやるし、殺したい奴がいるならすぐに埋めてやるぞ」

 物騒な事を平然と言う天音。

「彼氏はいるからいいよ」
「まじか!?まさか防府だったりしないよな?」

 どうして知ってるんだろう?

「連絡とかどう?週末デートしてくれたりする?」

 鈴香が聞いてくる。
 鈴香は相手が誘ってくれなくて困ってるらしい。
 私は定期的に会ってる。
 その後もみんなでわいわいやっていた。
 私が欲しかったものがここにあった。
 気が付いたら涙で景色が滲んでいた。

「泣くのははえーぞ!今日の放課後歓迎会してやるよ!」

 紗理奈がそう言って私の肩を叩く。
 早咲きの桜が舞う屋上だった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

可愛らしい人

はるきりょう
恋愛
「でも、ライアン様には、エレナ様がいらっしゃるのでは?」 「ああ、エレナね。よく勘違いされるんだけど、エレナとは婚約者でも何でもないんだ。ただの幼馴染み」 「それにあいつはひとりで生きていけるから」 女性ながらに剣術を学ぶエレナは可愛げがないという理由で、ほとんど婚約者同然の幼馴染から捨てられる。 けれど、 「エレナ嬢」 「なんでしょうか?」 「今日の夜会のパートナーはお決まりですか?」  その言葉でパートナー同伴の夜会に招待されていたことを思い出した。いつものとおりライアンと一緒に行くと思っていたので参加の返事を出していたのだ。 「……いいえ」  当日の欠席は著しく評価を下げる。今後、家庭教師として仕事をしていきたいと考えるのであれば、父親か兄に頼んででも行った方がいいだろう。 「よければ僕と一緒に行きませんか?」

王様の恥かきっ娘

青の雀
恋愛
恥かきっ子とは、親が年老いてから子供ができること。 本当は、元気でおめでたいことだけど、照れ隠しで、その年齢まで夫婦の営みがあったことを物語り世間様に向けての恥をいう。 孫と同い年の王女殿下が生まれたことで巻き起こる騒動を書きます 物語は、卒業記念パーティで婚約者から婚約破棄されたところから始まります これもショートショートで書く予定です。

とっていただく責任などありません

まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、 団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。 この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!? ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。 責任を取らなければとセルフイスから、 追いかけられる羽目に。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

侯爵家の婚約者

やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。 7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。 その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。 カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。 家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。 だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。 17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。 そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。 全86話+番外編の予定

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

処理中です...