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キスシーン
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「今日は泊まりか?」
俺はやたら荷物の多い土屋環奈を見て言った。
「……ダメ?」
ダメも何も仕事じゃ仕方ないだろ。
「気を付けて行って来い」
「なんか勘違いしてない?」
「どう勘違いしてるんだ?」
「私はきーちゃんの家に泊るんだよ」
は?
何を言ってるんだ?
「急に言われて泊まらせられると思ってるのか?」
「そんなに散らかってるなら一緒に片づけてあげる」
人を呼べないような部屋にはなっていない。
ただ土屋環奈は人気女優だ。
そんな女性が容易く男の家に泊るっておかしくないか?
「うちの事務所はそういうの気にしないから」
なんなら同棲する家まで準備してやろうかと言ってるらしい。
「それにちょっとお願いしたい事があるんだよね」
深刻そうな顔をしている。
めずらしいな。
まあ、相談くらいなら乗ってやりたいし、問題がないなら別にいいか。
「わかったよ。じゃあ、取りあえず晩飯食って行こうか」
「ありがとう。さすがきーちゃん!」
そう言って腕にしがみついてくる環奈。
芸名と思ってたけど本名らしい。
秋吉麻里に紹介された時は正直戸惑ったけど、今は普通のカップルになっている。
たまに休日にデートに行ったりくらいはしている。
ボディガードらしい気配を感じる事はあったけど、環奈は全く気にも留めていない。
女優の土屋環奈じゃなくて素の私を見て欲しい。
環奈はその通りに素の環奈を曝け出していた。
まだ半月くらいしか経ってないけど意外と天然なところがある。
傍から見ればただのカップルにしか見えないだろう。
食事を済ませて環奈を家に案内する。
「へえ、思ったより綺麗なんだね~」
そう言って勝手に上がり込んで部屋を見渡している。
「あ!」
そう言ってベッドの下を見ている。
何を探しているのか何となく分かってしまったので教えてやった。
「探してるような雑誌やDVDはないからな」
「え~、男の人って皆持ってるんじゃないの?」
「そんな彼女が簡単に思いつくようなところに置くと思うか?」
「って事は持ってるのは持ってるんだね?」
「残念ながら持ってない」
「別に残念じゃないけどね。あ、先にシャワー借りて良いかな」
「ああ、どうぞ」
そう言うと環奈はバッグから着替えを取り出してシャワーを浴びに行った。
環奈が戻ってくると俺もシャワーを浴びる。
シャワーを浴びると冷蔵庫からジュースを取り出してテーブルに置いた。
そして座ると早速本題に入る。
「さっき言ってた相談ってなんだ?」
「あ、うん……あのさ、笑わないで聞いてね」
「ああ」
「キーちゃん女性とキスしたことある?」
まあ、その先までしたことはあるけどそれがどうかしたのだろうか?
「私まだなんだよね。きーちゃんが初めての彼氏だし」
「中学の時もいなかったのか?」
「その時にはアクターズスクールに通ってたから」
彼氏を作る暇も無かったんだな。
「でもそれがどうかしたのか?」
「実はさ、今度クランクインする映画の役でキスシーンがあるんだよね」
まあ、ラブコメならあるだろう。
実際はしていないとか聞いたことあるけど、環奈の話では実際にやらないとダメらしい。
高校生くらいならともかく大学生でキスはまだだからというのをためらったらしい。
で、事務所は「ファーストキスが撮影でなんて嫌でしょ。彼氏いるんだったらさっさとすませなさい」と言っているらしい。
どうせならその先まで済ませておけとまで言われたらしい。
それでいいのか?
土屋環奈って清純派女優がうりじゃなかったか?
俺が聞くと環奈は笑って答えた。
「いい年して処女なんて30過ぎても未経験と同じくらいどうでもいい事よって事務所に言われた」
大丈夫なのかその事務所。
「あ、ベッドシーンとかヌードとかは事務所が断ってるから、きーちゃんは心配しなくていいよ」
別に心配してないけどな。
しかしそういう話ということは相談というのはひょっとして……
「俺は環奈とキスをすればいいのか?」
「……ダメ?」
彼女にキスしたいと言われて断る彼氏がどれだけいるか見てみたい。
しかし……
「大丈夫なのか?俺だって男だぞ」
その先を求めてしまうかもしれない。
「……きーちゃんになら初めてをあげたい」
「わかったよ。で、どういう姿勢でしたいんだ」
「それなんだよね。私も初めてでわかんなくて」
家で泊まろうと思ったのは、ここなら誰にも見られない。
その先までのムードになっても問題ない。
初めてのキスか……
俺は少し考えてから言った。
「隣に座れよ」
「え?」
「テーブル越しじゃ遠すぎるだろ?」
「あ、そっか」
環奈はそう言うと立ち上がって俺の隣に座りなおす。
俺は黙って環奈の肩を抱き寄せる。
その意味を察したのだろう。
少し頬を赤らめて目を閉じる。
初めてというのは本当みたいだ。
こうして肩を抱いているだけで環奈は緊張して肩を震わせている。
「俺からいった方がいいか?」
環奈の望むシチュエーションでしてやろうと思った。
「私からいくね。目を閉じて」
「わかった」
俺が目を閉じると頬に温かい感触が……ってそれでいいのか?
「撮影って頬にキスするだけか?」
「いや、唇だけど」
「それじゃ、意味ないだろ?」
「だって凄く恥ずかしくて怖いんやもん」
「じゃあ、俺からするよ」
「わ、わかった。絶対目あけんどいてね」
そう言って環奈は目を閉じる。
俺も目を閉じてキスをする。
軽く唇に触れる程度のはずだった。
しかし、奥手なのか大胆なのか環奈は口から舌を出してくる。
1分くらいのキスが終ると環奈は俺に抱きついた。
恥ずかしくて顔を見られたくないのだろう。
環奈は俺の胸に顔をうずめていた。
「ありがとね、きーちゃん」
「このくらい大したことないよ」
「もう一つお願いしてもいい?」
「ああ、どうした?」
一緒のベッドで寝たい。
環奈はそう言った。
その気になったら俺に任せる。
天然記念物のような純真な女性。
環奈と一緒にベッドに入ると、環奈は俺に抱きついてすぐに寝た。
そんな環奈をやさしく包んでやりながら俺も眠りについた。
朝まで寝て朝環奈の声で目が醒めた。
「きーちゃんどうしよう!?」
何があったんだ?
目を開けると環奈は着替えている。
着替えて朝食を買いにコンビニに行こうとしたらしい。
しかしアパートを出るとカメラのフラッシュが光った。
待ち伏せにあったみたいだ。
つけられた形跡はなかったけど、なぜだ?
まずは相手が何者か?
ストーカーなら少しお灸をすえる必要がある。
マスコミだったら俺に出来る事は何も無い。
事務所がどうにかするんだろう。
「とりあえず朝ごはん食べたら家に送るよ」
「今度は私の家に泊ってくれるの?」
「機会があったらそうするよ」
2人で朝食をとって支度をするとアパートを出る。
フラッシュがたかれた。
どうやらマスコミのようだ。
「事務所は気にするなって言ってるんだろ?」
「う、うん」
そうはいうものの本人はやはり不安らしい。
そして予想通りの事件に発展した。
俺はやたら荷物の多い土屋環奈を見て言った。
「……ダメ?」
ダメも何も仕事じゃ仕方ないだろ。
「気を付けて行って来い」
「なんか勘違いしてない?」
「どう勘違いしてるんだ?」
「私はきーちゃんの家に泊るんだよ」
は?
何を言ってるんだ?
「急に言われて泊まらせられると思ってるのか?」
「そんなに散らかってるなら一緒に片づけてあげる」
人を呼べないような部屋にはなっていない。
ただ土屋環奈は人気女優だ。
そんな女性が容易く男の家に泊るっておかしくないか?
「うちの事務所はそういうの気にしないから」
なんなら同棲する家まで準備してやろうかと言ってるらしい。
「それにちょっとお願いしたい事があるんだよね」
深刻そうな顔をしている。
めずらしいな。
まあ、相談くらいなら乗ってやりたいし、問題がないなら別にいいか。
「わかったよ。じゃあ、取りあえず晩飯食って行こうか」
「ありがとう。さすがきーちゃん!」
そう言って腕にしがみついてくる環奈。
芸名と思ってたけど本名らしい。
秋吉麻里に紹介された時は正直戸惑ったけど、今は普通のカップルになっている。
たまに休日にデートに行ったりくらいはしている。
ボディガードらしい気配を感じる事はあったけど、環奈は全く気にも留めていない。
女優の土屋環奈じゃなくて素の私を見て欲しい。
環奈はその通りに素の環奈を曝け出していた。
まだ半月くらいしか経ってないけど意外と天然なところがある。
傍から見ればただのカップルにしか見えないだろう。
食事を済ませて環奈を家に案内する。
「へえ、思ったより綺麗なんだね~」
そう言って勝手に上がり込んで部屋を見渡している。
「あ!」
そう言ってベッドの下を見ている。
何を探しているのか何となく分かってしまったので教えてやった。
「探してるような雑誌やDVDはないからな」
「え~、男の人って皆持ってるんじゃないの?」
「そんな彼女が簡単に思いつくようなところに置くと思うか?」
「って事は持ってるのは持ってるんだね?」
「残念ながら持ってない」
「別に残念じゃないけどね。あ、先にシャワー借りて良いかな」
「ああ、どうぞ」
そう言うと環奈はバッグから着替えを取り出してシャワーを浴びに行った。
環奈が戻ってくると俺もシャワーを浴びる。
シャワーを浴びると冷蔵庫からジュースを取り出してテーブルに置いた。
そして座ると早速本題に入る。
「さっき言ってた相談ってなんだ?」
「あ、うん……あのさ、笑わないで聞いてね」
「ああ」
「キーちゃん女性とキスしたことある?」
まあ、その先までしたことはあるけどそれがどうかしたのだろうか?
「私まだなんだよね。きーちゃんが初めての彼氏だし」
「中学の時もいなかったのか?」
「その時にはアクターズスクールに通ってたから」
彼氏を作る暇も無かったんだな。
「でもそれがどうかしたのか?」
「実はさ、今度クランクインする映画の役でキスシーンがあるんだよね」
まあ、ラブコメならあるだろう。
実際はしていないとか聞いたことあるけど、環奈の話では実際にやらないとダメらしい。
高校生くらいならともかく大学生でキスはまだだからというのをためらったらしい。
で、事務所は「ファーストキスが撮影でなんて嫌でしょ。彼氏いるんだったらさっさとすませなさい」と言っているらしい。
どうせならその先まで済ませておけとまで言われたらしい。
それでいいのか?
土屋環奈って清純派女優がうりじゃなかったか?
俺が聞くと環奈は笑って答えた。
「いい年して処女なんて30過ぎても未経験と同じくらいどうでもいい事よって事務所に言われた」
大丈夫なのかその事務所。
「あ、ベッドシーンとかヌードとかは事務所が断ってるから、きーちゃんは心配しなくていいよ」
別に心配してないけどな。
しかしそういう話ということは相談というのはひょっとして……
「俺は環奈とキスをすればいいのか?」
「……ダメ?」
彼女にキスしたいと言われて断る彼氏がどれだけいるか見てみたい。
しかし……
「大丈夫なのか?俺だって男だぞ」
その先を求めてしまうかもしれない。
「……きーちゃんになら初めてをあげたい」
「わかったよ。で、どういう姿勢でしたいんだ」
「それなんだよね。私も初めてでわかんなくて」
家で泊まろうと思ったのは、ここなら誰にも見られない。
その先までのムードになっても問題ない。
初めてのキスか……
俺は少し考えてから言った。
「隣に座れよ」
「え?」
「テーブル越しじゃ遠すぎるだろ?」
「あ、そっか」
環奈はそう言うと立ち上がって俺の隣に座りなおす。
俺は黙って環奈の肩を抱き寄せる。
その意味を察したのだろう。
少し頬を赤らめて目を閉じる。
初めてというのは本当みたいだ。
こうして肩を抱いているだけで環奈は緊張して肩を震わせている。
「俺からいった方がいいか?」
環奈の望むシチュエーションでしてやろうと思った。
「私からいくね。目を閉じて」
「わかった」
俺が目を閉じると頬に温かい感触が……ってそれでいいのか?
「撮影って頬にキスするだけか?」
「いや、唇だけど」
「それじゃ、意味ないだろ?」
「だって凄く恥ずかしくて怖いんやもん」
「じゃあ、俺からするよ」
「わ、わかった。絶対目あけんどいてね」
そう言って環奈は目を閉じる。
俺も目を閉じてキスをする。
軽く唇に触れる程度のはずだった。
しかし、奥手なのか大胆なのか環奈は口から舌を出してくる。
1分くらいのキスが終ると環奈は俺に抱きついた。
恥ずかしくて顔を見られたくないのだろう。
環奈は俺の胸に顔をうずめていた。
「ありがとね、きーちゃん」
「このくらい大したことないよ」
「もう一つお願いしてもいい?」
「ああ、どうした?」
一緒のベッドで寝たい。
環奈はそう言った。
その気になったら俺に任せる。
天然記念物のような純真な女性。
環奈と一緒にベッドに入ると、環奈は俺に抱きついてすぐに寝た。
そんな環奈をやさしく包んでやりながら俺も眠りについた。
朝まで寝て朝環奈の声で目が醒めた。
「きーちゃんどうしよう!?」
何があったんだ?
目を開けると環奈は着替えている。
着替えて朝食を買いにコンビニに行こうとしたらしい。
しかしアパートを出るとカメラのフラッシュが光った。
待ち伏せにあったみたいだ。
つけられた形跡はなかったけど、なぜだ?
まずは相手が何者か?
ストーカーなら少しお灸をすえる必要がある。
マスコミだったら俺に出来る事は何も無い。
事務所がどうにかするんだろう。
「とりあえず朝ごはん食べたら家に送るよ」
「今度は私の家に泊ってくれるの?」
「機会があったらそうするよ」
2人で朝食をとって支度をするとアパートを出る。
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