姉妹チート

和希

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(1)

「片桐君や、今年もお疲れ様」

 酒井君が挨拶に来た。
 本来なら僕がするべきなんだろうけど、次々と皆が僕に挨拶に来る。
 今年はあまり物騒な事件はなかった。
 精々菫や茉莉達が暴れるくらいだ。
 それも後半はあまりなくなった。
 結達が派手にやりすぎたから、皆恐怖したらしい。
 しかしFGはともかくリベリオンはまだ存在している。
 何か準備をしているだけかもしれないから警戒はしておく必要がある。

「鬱陶しいから完全につぶしてしまう?」

 恵美さんがそう言っていたけど、下手に刺激する必要もないから放っておこうと答えておいた。

「天音ちゃんも少し変わったみたい」

 恵美さんがそう言って天音を見ている。
 茉莉の世話に手を焼いてるみたいだ。
 それは日ごろから愛莉から聞いていた。

「ほら、遊び終わったら片付けないとダメだろ」

 そんな風に注意しているんだそうだ。

「これ以上壁に穴開けたら、そのうち家が崩れるからやめてくれ」

 そんな物騒な言葉も聞いて頭を悩ませているらしいけど、愛莉達も奮闘している天音を見て安心していた。

「酒井君の所はどうなの?」
「……ついにやってしまったよ」

 え?
 そばにいた恵美さんや愛莉も気になったらしい。

「何をやったの?」
 
 きっと菫だろう。
 善明と翼は作り笑いをしていた。
 それはクリスマスイブの事だった。
 今年は僕達が大変だったから、善明は大丈夫だろうと安心していたらしい。
 だけどそんなに甘い話じゃなかった。

「パパ。今年のクリスマスプレゼントだけど……」
「どうしたんだい?」
「弾買ってきてくれ!」
「へ?」

 クリスマスプレゼントに銃弾をねだる少女。
 日本のクリスマスの光景とは思えない状態だな。
 それに気になる事がある。

「どうして無くなったの?」

 善明は聞いてみた。

「使ったからに決まってるじゃん」
「どこでつかったんだい?」
「河原」

 橋の下で空き缶をを置いて銃で穴だらけにして遊んでいたらしい。
 多分それは茉莉も一緒だと言っていた。
 だって茉莉とどっちが射撃が上手いか試していたから。
 さすがに美希もまずいと思って善明に頼っていた。
 と、いっても善明も解決策がそんなにない。
 多分「撃つなら与えない」と言ったところで晶さんが買ってくるかもしれない。
 それにさっきも言ったように物騒な輩もまだいる。
 空砲で威嚇したくらいだと反撃されたら大惨事になる。
 とはいえ秋久や結がさせないだろうけど。
 生半可な武器ほど恐ろしい物が無い。
 世の中脅しが通用しない連中もいる。
 根拠は僕達がそうだから。
 相手がその気ならやるよ。
 そんな連中だっている。
 善明は悩んだ挙句菫に提案した。

「これはおもちゃじゃない。撃っていいのは撃たれてもいい覚悟がある者だけなんだ」

 だからしょうもない遊びで撃ったり軽はずみに使ったらいけない。
 撃った時は翼や善明に報告する事。
 撃った痕跡を消したり事件をもみ消さなくちゃいけないから。
 その時に理由がしょうもない事だったら銃を取り上げる。
 それが守れるなら今度用意しておく。

「大体菫や茉莉が銃を使わなきゃいけない状況なんてそんなにないだろ?」

 2人で遊んでいたとしても同じだ。
 流れ弾が何に当たるか分からない。
 まあ、狙いを外す二人じゃないけどそれでも相手が茉莉なら銃弾をかわすくらいやってのけるだろう。
 そのかわされた銃弾が何に当たるかわからないから使ったらだめ。

「……分かった」
「聞き分けのいい子だね。翼に似たのかな」
「そう思うか!じゃあ、胸は期待できないか……」
「さすがにそこまでは分からないよ」

 それでこの事件は終わりだと思った。
 だけどやっぱり終わりじゃないみたいだ。

「待って!ってことは茉莉も銃を撃ってたわけ!?」

 恵美さんが当たり前のことを言っていた。
 当然そうなる事は分かっていた。
 愛莉は天音と茉莉を呼び出す。

「どうした?」
「どうした?じゃありません!天音は茉莉が銃を撃っていた事知らなかったの?」
「愛莉!そう言う話はしちゃだめって天音が言ってた!」

 どうやら茉莉は天音に隠れて撃っていたらしい。
 地元にも物騒なエリアがある。
 小学生の女の子に男が下半身を見せて逃走したり、女子中学生の胸を触って逃走する事件がやたらと多い地域。
 だから痴漢撃退くらいには使えるだろうと思っていたらしい。
 しかし茉莉と菫は実弾を使って戦闘をしていた。
 そんな話を聞いた天音は当たり前の様に茉莉を叱っている。

「ダメだろ!菫との喧嘩で使ったって意味が無いことくらい茉莉も分かってるだろ?」

 その説得はどうなんだと愛莉は思ったらしいが、僕が言っていたので黙って天音の様子を見ていた。
 
「練習しとかないといざという時使えないじゃないか!」

 茉莉は反抗していた。
 しばらく2人が口論を繰り広げていると、様子を見ていた大地が介入した。

「茉莉、それは遊びの道具じゃない。子供の喧嘩に大人の道具を使うなら没収するよ」

 護身用に使うならともかく喧嘩の道具とかしょうもない事に使っていい物じゃないと大地が言う。

「それに……お義父さんがいつも言ってたんだ」

 切り札を先に出したらダメ。
 茉莉が銃を持っていると知った時点で相手にそれを使う口実を与える。
 下手したら遠距離から狙撃されてもおかしくない。
 茉莉はそれを防ぐ手段を持っていないだろ?
 小学生が銃を持っている。
 それだけで脅威なんだ。
 誰もそんな事考えていない。
 茉莉は他にもいろいろ手段を持っている。
 だから銃は最後の手段だ。
 それを自分から出すなんて真似したらダメだ。
 それは茉莉が子供だから言うんじゃない。
 駆け引きが出来る子だからアドバイスしてるだけ。
 自分から不利な状況を作るような愚かな子供じゃないと信じている。
 茉莉は結莉と違うから使うような状況になったら許可する。
 でもそうじゃないなら使ったらだめ。
 それが茉莉の為でもあるんだ。

「分かった」
「いい子だね」

 まだ食べたりないんだろ?
 言っておいで。
 そう言うと茉莉は料理を取りに向かった。

「大地も上手く注意できるようになったんだね」

 石原君がそう言っていた。

「お義父さんの話を聞いていたから」

 天音は納得いく理由なら素直に聞く。
 頭ごなしに叱っても納得いかないから反抗する。
 それを覚えていたらしい。

「ごめん、まさか喧嘩で使ってるなんて思ってもみなかった」
「仕方ないわよ。事件にならなかったのが不思議なくらいなんだから」

 なっても恵美さんがもみ消すんだろうな。
 昔の漫画で同じようなのがあったのを思い出した。
 警察署においてある押収した実弾と拳銃を盗み出して河原で空き缶めがけて撃ってる警察官の話。
 そもそも結莉達が拳銃を所持している事が問題な気がするけど、結がいる以上そのくらい何の問題もないだろう。
 結や結莉の能力を前にしたら拳銃くらい可愛い物だ。
 むしろ「能力は使わずに拳銃にしとけ」くらいでちょうどいいかもしれない。
 そんな事を考えながらふと気づくと空がステージに魅入ってるのに気づいた。
 今ステージで演奏しているのは空や翼が大好きなユニットのフレーズだ。
 誠や桐谷君の様な好み方じゃない。
 その詩と曲が大好きらしい。
 しかしあまり見とれてると。

 ぽかっ

 空は美希に小突かれていた。

「あのさ、好きなのは分かりますけど、妻を忘れるくらい没頭されると私だっていい気分しませんよ?」
「そうじゃなくてさ……」

 空は何かを気にしているようだった。

(2)

 あれ?
 ふとステージを見る。
 見るまでもなくフレーズの二人がステージに立っていることは分かる。
 別に誠さん達みたいに最前列に陣取ってパンチラを見るわけでもない。
 それも暗い会場で黒い下着をつけて見えないようにするって言ってた。

「それでも男のロマンなんだ!」
 
 と誠さんは語っていたけど。
 そういう意味で気になったんじゃない。
 生演奏とCDの違いなんだろうか?
 でも去年はそんな事なかった気がする。
 なんだろうこの違和感。

 ぽかっ

 美希に小突かれた。
 僕が麻里さんに見とれていたと誤解したらしい。

「美希は気にならない?」
「……どうせ私より若いとか仰るんでしょ」
「それは無いよ」
「どうして?」
「天音とそんなに変わらないだろ?」

 別にそんな興味で見ていたわけじゃない。
 そもそも女性の下着なんて美希のだけ見ておけばいいんじゃないだろうか?
 触れるわけでもないし。
 そんな事を考えていると美希に悟られたようだ。

 ぽかっ

「いい加減にしないと本気で怒こりますよ」
「だからそうじゃないって!」
「フレーズがどうかしたのかい?」

 望さんが言うから聞いてみた。
 
「フレーズは調子はどうですか?」
「相変わらず絶好調だよ」
「そういえばどうしてフレーズといい、F・SEASONといい年末の番組に出演出来ないんだ?」

 瑛大さんが聞いていた。

「出来ないんじゃなくて出さないだけ」

 恵美さんはそう答えた。
 出そうと思えば出せる。
 現にノミネートの話なんて毎年来てる。
 しかしそんな茶番に付き合う必要はない。
 年末の賞はレコード会社と事務所の力で決まる。
 一昔前は賞を決める役員に枕営業する女性歌手もいたそうだ。
 そんな馬鹿な事させてまで欲しい賞でもない。
 昔僕が好きだったグループが凄くいい歌を出してた。
 もちろんその歌はノミネートされていた。 
 当然賞を取るだろう。
 皆がそう思っていた。
 だけどそうならなかった。
 大手レコード会社の歌手が受賞した。
 皆疑問を持っていた。
 だから結局は所属する会社の力でしかない。
 そんな事が世間に噂されてる賞を取ったところでどうなる?
 恵美さん達のIMEも本気を出せばもぎ取るくらいできるだろう。
 だけどそんな汚い力で得た賞に何の名誉がある?
 国営放送の歌番組に出演するには経歴も考慮される。
 国民的番組だから視聴率はいいけどやはり出る必要が無い。
 そんなしょうもないことに付き合わせるより地元でゆっくりさせてやりたい。
 それが恵美さん達の意見だった。
 
「あんなのに出なくても評価されてるのに出なきゃいけない理由が無いでしょ?」
「すごいんですね」

 美希がそう言って驚いてた。
 調子が悪いからじゃない。
 だったら僕の思い過ごしだろうか?
 でも美希も歌を聞いているうちに僕と同じことを思ったみたいだ。

「あれ?」
「美希、どうしたの?」

 恵美さんが聞いていた。

「麻里さん、高音の部分がかすれてる」
「え?」

 美希の言うとおり。
 去年はちゃんと出せていたのに今年は出せてない。

「……あとで事情を聞いてみる」

 恵美さんも気づいたようだ。
 だけど遅かった。
 将門君の演奏が突然止まる。
 突然ステージに座り込む麻里さんを見たから。
 皆がざわつく。
 麻里さんは泣いていた。
 いったい何があったのだろう?
 すぐに次のグループにステージを譲っていた。
 
(3)

 新年を迎えて私と将門はUSEの事務所にいた。
 社長と専務とボイストレーナーの瀬良さんがいる。
 瀬良さんは社長たちに必死に謝っていた。

「瀬良さんが悪いんじゃない。全部私の責任なんです」

 私もそう言って社長たちに頭を下げていた。

「麻里だけじゃない。俺にも責任がある」

 将門もそう言ってくれた。
 事情がよく分からない社長が一から説明してくれと言うので説明していた。
 私達の持ち味は透き通るような私の高音だと思っていた。
 自然と将門もそんな曲にしていた。
 私自身が作曲を手伝う時も自然とそうなっていた。
 ある日将門は気づいた。

「麻里、少しキーを下げた方がいいんじゃないか?」
「このくらい平気」

 その辺から少しずつだけど声が出しづらくなっていた。
 しかしここで隙を見せたら後続のF・SEASONに人気を奪われてしまう。
 同じ事務所でもファンの奪い合いは起きていた。
 色々喉に良いと言われていることを試してみた。
 だけど事態は悪化するばかり。
 そしてあの年越しライブで肝心のサビが歌えなくなっていた。
 年が明けて病院が開いたらすぐに行くように専務は言った。
 言われたとおりに病院に行っていた。
 まさかポリープでもできた?
 素人ながらに自分でも調べていた。
 しかしそうじゃなかった。
 声帯結節。
 そう診断された。
 喉の酷使によるものらしい。
 なるべく無理をさせなければ治る可能性もある。
 本当なら人前で歌うのをやめた方がいい。
 医者から死刑宣告を受けた。
 そういう風に社長に説明する。

「今まで頑張ってきたんだし少し育児に専念してもいいんじゃないのかい?」

 社長はそう言った。

「そうね、今ならF・SEASONがいるし……」
 
 専務が言うと私は反対した。
 F・SEASONというライバルがいるからこそ絶対やめたくない。
 私はそう訴えた。
 すると3人は相談する。
 そして社長が結論を言う。

「麻里の意思を尊重するよ。ただし条件がある」

 社長はそう言っていくつか条件を出した。
 今後の曲作りには専務が一度チェックする。
 あまりにも高音の曲は認めない。
 なるべく低いキーの曲を歌いなさい。
 これまでの曲をライブで歌う時も将門が調整しなさい。
 どうせ私の事だからライブは口パクなんて真似は絶対に嫌がるだろう。
 だったら少しでも喉に負担のかからない歌い方を瀬良さんと相談しなさい。
 喉歌いという歌い方は禁止された。 
 喉をこれ以上痛めたら本当に歌えなくなってしまうから。
 舌の位置を工夫して喉を開いて歌う歌い方に切り替える事にした。
 話がまとまると私達は事務所を出た。

「ごめん」

 また泣きそうになっていた。
 もう歌えないかもしれない。
 声が出ないかもしれない。
 そんな不安の中私達は綱渡りの様な活動をいつまで続けていられる?
 声が出なくなることが怖い。
 だけど将門は言った。

「俺さ、リリーと別れて麻里と付き合う事を決めた時に誓ったことがあるんだ」
「何を誓ったの?」
「リリーという犠牲を出したんだ。残りの人生は全部麻里に捧げようって」

 将門は大丈夫だと言った。
 私の喉に負担をかけない曲を作る。
 もちろん楽曲のクオリティは絶対に落とさない。

「そんな事出来るの?」
「やって見せる。俺を甘く見るなよ。ずっと麻里の側にいたんだ。麻里の声の特徴くらいしっかり把握してる」

 私の全部を知り尽くしているつもりだと将門は言った。
 そろそろ曲の雰囲気を変えようかと考えていたらしい。
 私達の歳も考えたらもう、アイドルのような歌を歌う時期じゃない。
 もっと心にしっとりとくる曲をと考えていたそうだ。
 そんな歌なら限界を超えるような高音を出す必要はないだろと将門は言う。
 いっそ、若い世代はF・SEASONに譲ってその上の世代を独占してやればいい。
 それは俺が色々工夫する。
 だから心配するな。

「ありがとう」
「パートナーだしな」

 そのくらいサポートすると言って笑っていた。

「さてと、家に帰ったら母親の時間だぞ」
「そうだね」

 それから数日して私の喉の事を公表した。
 黙っていてもライブをすればバレる事だから。
 その時にどうして音痴になった?なんてうわさが広まったらたまらない。
 そう判断した社長が決断した。
 もちろん同情票が欲しいわけじゃない。
 喉を傷めてもいい曲を作って見せる。
 そんな覚悟を訴えていた。

「テレビ見たけど大丈夫か?」

 喜一が心配してくれたらしい。
 
「私の事より自分の妻と子供を心配しなよ」
「天音には絶対見せられないよ」
「なんでだ?」

 天音が入って来た。
 
「そうだな、天音も見る余裕くらいあるか」
「内緒話なら個人チャットでやれ。速攻環奈にばらしてやるから」
「きーちゃん。私がいない間に浮気なんて絶対許さない!」
「ば、馬鹿。恭一達がいるのにそんな真似出来る余裕あるわけないだろ!」
「いなかったらするん?」
「麻里だって結婚してるだろ」
「馬鹿だな。そのシチュエーションがいいんじゃないか?」
「馬鹿なのは天でしょ!天は黙っておとなしくしてなさい」

 この人たちと話をしていると気がまぎれる。

「で、喜一は今何してるの?」
「……育児だよ」
「え?」

 皆が驚いていた。
 まあ、環奈が女優業をこなしていたらそうなるだろう。
 喜一は社長だからずっと会社にいないといけないという事はない。
 仕事も黙っていても、4大企業が斡旋してくれる。
 喜一も最初は会議やら会食やらでどうしたらいいか悩んでいたけど、それを環奈を通じて専務が知った。
 専務は当然の様に激怒する。

「その程度の事社長がいないと決められない雑魚なら、いくらでも交代要員準備するわよ」

 江口グループの役立たずを左遷するつもりでいるらしい。
 そんな加護があってせめて小学校にあがるまではと喜一が面倒を見ているらしい。
 もちろん環奈が育児を放棄してるわけじゃない。

「子供が歩くまでは面倒見たい!」

 苦労して産んだのは環奈だ。
 それなのに母親の顔を覚えてないなんて悲しすぎると専務に訴え、しばらくの間仕事を入れさせなかったらしい。
 東京支社長はそれはもう大変そうだった。
 で、その後は喜一が面倒見るから環奈は仕事に戻るように言ったらしい。

「きーちゃんだけで大丈夫?」
「とりあえず天音の子供には絶対喧嘩売るなって言っておくよ」

 それさえ守れば多分大丈夫だろう。
 極道が主夫になる漫画もあるんだ。
 別に喜一が主夫になっても不思議じゃない。

「確かに喜一が主夫は笑えるな」
「遊がそんな事言えるの?」

 なずなが言っていた。
 仕事から帰ると子供に振り回されているらしい。

「ちゃ、ちゃんと服着ないと風邪ひくぞ」
「引いたらパパが介護してくれるから平気だよ~」
「そ、そういう問題じゃなくてな……」

 それは琴音が寝るまで続いてへとへとらしい。
 そんな遊をなずなが労わってるそうだ。
 久しぶりにSHで話をしたら楽しくて深夜まで盛り上がっていた。
 だけど皆朝まで騒ぐなんてことはしない。
 次の日の仕事に差し支える。
 休前日だったとしても子供の世話をしなければならない。
 もう、いつまでも若者の様に自由気ままにいられなくなっていた。
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