優等生と劣等生

和希

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1stSEASON

恋バナBside

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(1)

期末テストはまずまずの成績だった。
愛莉は相変わらずトップだった。
意外にもカンナも成績を落とさなかった。
このままだとカンナに追い越されそうだ。


「終わったー!後は修学旅行だな!」
「そうだな」
「そうだね」
「なんだ?二人とも楽しみじゃないのか?」

僕と愛莉の反応の薄さに少々不満の様だ、

「そんなことないよ」
「そうだよ、そんなことないって。ね?冬夜君」
「そうか?なんかこういまいち盛り上がりに欠けるって言うか……」
「カンナがテンションあげすぎなんだよ」
「そうなのかなぁ」

考え込むカンナ。

「でもテスト終わったし、後は楽しまなきゃね」
「そうだよな!愛莉!夜は寝かせないからな!」
「それは困る……」

少々困惑する愛莉。
あと1週間かぁ。
カンナを見てると僕もウキウキしてきた。


(2)

修学旅行当日

僕たち4人は家で時間を潰して、時間になったら学校に向かった。
すでに集まっている。

「遅れたみたいだな」
「カンナが寝てたからでしょ」
「まあ、遅刻じゃないんだしいいんじゃね?」
「早いとこ並ぼうぜ」

誠がそう言うと列に並ぶ。

出発前のクドクドとした注意が言い渡される。
そしてバスに乗り込み出発。
日程は4泊5日。
フェリーで移動する為そうなったらしい。
てなわけで、集合は夕方。
それからフェリー乗り場まで移動。
フェリーに乗り込む。
食事をして風呂にはいって部屋でくつろぐ。
一室に付4人。
因みに僕と誠は初日から最後まで一緒の部屋だった。
2段ベッドが2つ設置されてある
僕が下、上が誠だった。
皆通路や待合でわいわいやってる。
初日だから皆テンションが高い。
そんなんじゃ途中で疲れるぞ……と、思いながら早々とベッドで寝る僕。
時計は21時を回っていた。
とはいえ、僕も気分が高揚している為、なかなか寝付けない。
結局持ってきたウォークマンを聞きながら時間を潰していると誠が降りてきた。

「寝るのはえーだろ!」
「あとではしゃぐタイプなんだよ」
「お前がはしゃいでるところ見たことねーよ」
「どっちでもいいだろ」

とはいえ。眠れないので誠につきあうことにした。

「よかったな、大阪城行けて」
「自由行動に目を取られて気づかなかったよ。自由行動にいれなくてよかったよな」

そう言って誠は笑う。

「あ、そうそう。俺とカンナ自由行動の時お前らと別々に行動しようと思うんだけど」
「それはダメだろ!」

僕は即答した。

「何時にここで集合って決めておけばバレないだろ?」
「てか別行動する意味わかんねーよ」
「お前らを二人っきりにしてやるこの好意がわかってもらえないとは」
「要らない心配しなくていいよ。どうせ京都や奈良で二人になるだろうから」

そういう話を愛莉としていた。

「あ、なるほどね。お前も色々考えてるんだな」

基本班行動だが、まゆみちゃんだしわかんないだろ。

「お前ら何をしゃべってる!?もう消灯時間だぞ!」

担当の先生が入ってくるなりそう怒鳴った。

「やべっ!じゃあまた明日な」
「ああ……」

消灯21時って早すぎだろ?

「なあ?」

誠が上から話しかけてきた。

「なんだ?」
「あ、いいや。楽しみは後にとっとこう」

楽しみ?何の事だ?


二日目


フェリーは無事神戸に到着する、そこから奈良まではバスで移動だ。
バスガイドがなんかしゃべってるけど殆ど聞いてなかった。
つまらないわけじゃない。
地元から出たことない僕にって都会は色々魅力的だった。
高層ビルに立体交差する道路。
迷路の様だ。
道幅も広い。
ずっと窓の外を見ていた。
2時間足らずで東大寺についた。
そこからはちまちま観光地巡り。
カンナは写メをとってはしゃいでる。
それに誠が付き合ってる。
カンナの面倒を誠が見ていたため、僕たちは二人の時間が悠々ととれた。
とはいえ、やることは誠たちと変わらない。
写真を撮って、すごいねーって騒いで、知らない人に二人の写真をとってもらう。
奈良公園では鹿にじゃれつかれる愛莉を写真におさめた。
あとですっごい怒られたけど。
その後、昼食をとって京都に移動。
金閣寺を見て、また写真を撮る。
あ、すごいなあとは思ったよ?
たださ……。
どこも同じじゃね?
とは思ったけど。
最後清水寺に行って一日が終わる。
京都で色々とお土産を買っていた。
絶対いるんだよな
木刀やペナント買う奴。
使わないのに……。

ホテルに着いて、お風呂に入って、ご飯食べて。
疲れた……今日は寝るかというときに誠が話かけてきた。

「さてと、聞かせてもらおうか?」
「何を?」

昨日も何か言ってたな。

「だから恋バナだよ。修学旅行の夜と言ったらつきものだろ?」

そんなの聞いたことないぞ。

「そうだなぁまずは……」

聞いてない。

「神奈さんだな。どういう関係だったんだよ」

他の男子の興味もひいたのか、こっちに視線が集まる。

「なんてことないよ、ただの幼馴染だよ」
「でも神奈さん言ってたぜ、小4の時アピールしたけど全く気付いてくれなかったって」
「……それ後から知ったんだよ」

僕はため息を着く……

「そうだな、あれは小1の時だったか……」

(3)

小1の梅雨。
カンナは傘が無くて困っていた。
話を聞くと持ってきたのに無くなっていて困ったらしい。
陰でくすくす笑ってる女子がいる。
あいつらの仕業か。
僕が問い詰めようとするとカンナは腕を掴んでふるふると首を振る。
一緒になって傘を探した。
けど傘は見つからない。
校舎にはないみたいだ。
諦めて濡れて帰ると言い出すカンナ。

「ちょっと待ってて」

そう言って外に出る僕。
飼育小屋の近くのごみ箱に捨ててあった傘を見つけた。
これだろう
それを手に取って玄関に戻る。

「ありがとう!」

すごく喜んでた。


それから色々悩み事・相談事に乗ってた。
上履きの中に画びょうが居れてあったりしたのを先に捨てたり。
背中に「馬鹿です」と書かれた紙を張られていたのをはいでやったり教室のドアの上部に仕掛けら得た黒板消しをもろにくらったのをはたいて落としてやったり。
そのうち噂されるようになった。僕とカンナはできてると。
「相手にすることないよ」と僕がカンナに一言言った。
ちょっとだけ寂しそうな顔してたけどカンナは笑って頷いてた。
黒板に落書きされてるのを消したり。
犯人は分かっていたけど手は出さなかった。
したら仕返しを受けるのはカンナだから。
それが3年くらい続いた。
そのうち二人で笑ってた。
しょうもない!って
しかしいたずらはエスカレートしていった。
体に痣があったりしてた。
心配だから一緒に帰ったりした。
ますます誤解されていった。
カンナは気にしてるようだったけど、僕は気にしてなかった。

ある日、カンナは家に遊びに来ないかと言った。
「いいけど?」ってのこのこついていったっけ。

「私の事どう思ってる?」って聞いてきた。
「友達だよ!」って答えた。
少しがっくりしてた。
あれって好きかどうか?って事だっだなって後で気づいた。

その翌年のバレンタインの日チョコレート持ってきた。
翌月ホワイトデーを返した。
それで解決したと思ったんだ。
カンナが僕が好意を持ってることは気づいてた。
だからお返しをしていいよって伝えたつもりだった。
そしたら3月に急に転校が決まって。

「じゃあな」
「ああ、さよなら」

そう言って去って行った。

自然と涙が滲んでいた。

「ああ、これが失恋なのかな?」って……。


僕の話はそこで終わった。
じっと聞き入ってる部屋の男子。
ちょっと照れくさい。

「なるほどね。で、お前の気持ちは神奈さんに伝えたのか?」

誠が聞いてきた。

「いや、伝えてない」
「その時神奈さんに対してどう思ってたんだ?」
「さっき言ったろ?好きだったかもしれないって」
「なるほどね……それで気持ちのすれ違いか。今では神奈さんのことどう思ってるんだ」
「どうも思ってないよ。ただの友達だよ。前から言ってるだろ?」
「でも神奈さんはそうは思ってないぜ?」

そうなんだよな。
でも……。
前から気になってたことがあった。

「誠はどうなんだよ?」
「ん?」
「誠はどうしてカンナに告ったんだよ?」
「あーね」

誠は一息ついて話し出した。

「最初は怖い!またすごいヤンキーが来たなって思ったよ。でも何日か経って容姿が変わっていたろ?驚いたよ。凄い美人なんだなって。で、見てるうちに好きになってた」
「それだけか?」
「一目惚れってやつだな。お前らが話してるの聞いててもいい人だなって思ったし」
「なるほどね……なあ?」

退屈になったのか疲れたのか他の皆は眠っている。

「なんだよ?」

誠が聞き返した。

「もう1度付き合う気はないのか?」

誠はため息を着いた。

「前にも言ったろ?今の神奈さんと付き合う気はない。ずっとお前の事見てるしな。二股の相手にはなりたくない。てか厄介ごとを押し付けるような真似は止めろ」

そう言って僕の頭を小突いた。

「そこまで言うならお前が神奈さんと付き合えばいいだろ?なんで遠坂さんなんだよ?」
「それは……」

そこまで言いかけたとき、先生が戸を開けた。
僕と誠は慌てて寝たふりをする。
何も言わずに先生は戸を閉めた。

「それは……なんだよ?」

誠が再び聞いてきた。

「なんて説明すればいいか分からない。ただ、手離したくない。ずっと一緒に居たい。好きって一言じゃ言い表せないんだよ」

こんな事普段なら口が裂けても言わないぞ。

「なるほどなぁ、神奈さんはいつ手離してもいいってか」

意地が悪い奴だなぁ。

「神奈にそう言う感情が持てないんだ」
「贅沢な奴だなぁ……何でお前みたいなのがそんなにモテるんだよ」
「俺に聞くなよ」
「じゃあ次は愛莉さんとどうして付き合ったのかを……ていいたいところだけど」

周りを見ると俺と誠を除いて全員寝てる。

「またの機会だな。おやすみ」

そう言って誠も寝た。
僕も寝るか。
目を閉じる。

「どうして、愛莉なんだ」

その問いに「手離したくないから」と答えた。
どうして?って聞かれなかった。
理由はあるんだ。
その時頭の中に浮かんだのは小五の時の自分。
まぶしく映る愛莉の姿だった。
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