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1stSEASON
夏の嵐
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四十九日。
僕たちは実家に帰ると、亜子はすでに引っ越しており2学期から祖母の家の近所の学校に通うらしい。
法事の時に顔を出して以来、部屋に籠っている。
ずっと部屋に籠ってるらしい。
お祖母さんの為に引っ越したんじゃなかったのか?
伯父さん達の家族は法事が終わるとさっさと帰っていった。
僕たちも帰ろうとすると、亜子が挨拶に降りてきた。
珍しく部屋から出て来たらしくて、お祖母さんが驚いてた。
父さんと母さんが、事情を聞いてる。
しかし返答は唯一つ
「お祖母さんが一人だと可哀そうだから」
「じゃあなぜ部屋から出てこないんだ?」
「食事とかの時は一緒にしてる」
「高校受験はどうするの?」
「こっちで受ける」
亜子は頭がいい。どこでも受かるだろう。
伯父さん達はそう判断して。亜子を実家に送ったらしい。
要領もいいから友達とかもすぐにできる。
実際一日中スマホでしゃべってるらしい。
それが降りてこない原因か。
その後も色々と両親が聞いているが、飄々と受け流す亜子。
両親の質問攻めが終わった頃、唐突に放つ亜子の言葉
「ところで、お願いがあるのですが……」
(2)
駅。
改札口で亜子を待つ4人。
僕、愛莉、誠、神奈。
何で4人なのかって?
愛莉は亜子の事が気になるらしい。
「絶対に二人きりにさせないんだから!」と息巻いている。
誠と愛莉は
誠「神奈が行くって言ったから」
神奈「面白そうだから」
……面白そうな要素がどこにもないんだが。
そうしてると白いワンピースを着て赤いスーツケースを手にした少女が改札を通ってきた。
亜子は僕を見つけると近づいてきて一言
「随分大勢でのお出迎えね……初めまして、井上亜子です」
慌てて3人が自己紹介する。
「初めまして、私が冬夜君とお付き合いしている遠坂愛莉です」
やけに強調してるな……。
気付くと、愛莉は僕の腕にしがみついている。
もう臨戦態勢か?
いやだな、こういう修羅場。
だが、亜子は冷静に躱した。
「あなたが……。どうも初めまして」
そう言ってにこりと笑う。……目が笑ってないが。
「よろしくトーヤの友達の音無神奈」
「同じく多田誠。よろしく」
「そう、よろしく……」
そう言うと亜子は僕の空いてる方の腕をつかむ。
「さあ、案内してね。冬夜君」
痛い、痛いよ。愛莉の視線がすごく痛い。
ああ、嫌だなぁ。とりあえず車までの間だし我慢かな。
後ろで笑いをこらえる神奈と誠……この時の為だけに付いてくると言い出したんだな。
「あ、トーヤ。私ら映画観て帰るから」
「おじさんによろしくな!送ってくれてありがとうって」
そう言って二人は人ごみに消えていく。
あいつら……。
「私たちも行きましょ?」
「冬夜君行こ!」
これが3日間続くのか……。
「冬夜君の地元を観光したい」
それが亜子のお願いだった。
当然、家に泊まる。
両親は快諾する。
が、不服を申し立てる者が一人。
愛莉だった。
黙っておけばよかったって?
いやいや、3日間も隠し通せるわけもなく。
四十九日の法要が終わった後すぐに愛莉が飛んできた。
「亜子さんとどうなった!?」って……。
俺信用されてないのかなぁ……。
「どうもないよ、ただ盆前にどうしてもこっちに来たいって」
「こっちにくる?」
愛莉の表情が険しくなる。
「どこに泊まるの?」
「た、多分うちじゃないかな?」
「じゃあ、私も泊まる!!」
「ちょ……おま……」
「麻耶さーん!」
部屋を飛び出していた。
そうして今に至る。
「と、とりあえず車までいこっか?こっちだよ亜子」
「はい」
「行こっ!」
にこにこしてる時の愛莉は怖い。
去年くらいから感じたことだ。
「亜子、スマホで親に連絡するから腕離してくれない?」
「片手でスマホ操作は無理じゃない?」
「愛莉……」
渋々腕を離す愛莉。
「もしもし?父さん、今亜子来た……」
「そうか、南口のコンビニ付近で待ってるから」
「分かった」
そう言って電話を切ると再び僕の両腕は拘束される。
クスクスと余裕の笑みを浮かべる亜子と何かを訴えるような目で僕を見る愛莉。
……車までの我慢だ。
だけど神様は僕に更なる試練を与えた。
車の席だ。
当然のように僕の隣に座る亜子に待ったをかける愛莉。
「そこ私の席なんですけど」
そうして指差すのはこんなこともあろうかと準備してありましたよと、言わんばかりの愛莉のポーチ。
「あら?失礼」
そう言ってあっさりと席を譲る亜子。
まだ余裕がありそうだ。
多分、家に帰れば自由に動ける。
そう思っているのだろう。
だが……。
「亜子ちゃんは私の部屋で寝ましょうね。お父さんはリビングに行くから」
そう言う母さん。
「私冬夜君の部屋でいいですよ」
普通に話す亜子。
「何か間違いがあったらいけないでしょ。だから私と一緒に寝ましょ」
「でも彼女は……」
そう言って指差すのは鞄を持って意気揚々と僕の部屋に入る愛莉。
「彼女は良いのよ」
いいのかよ!色々と間違ってないか母さん!
「そうですか……」
亜子はそう言うと大人しく引き下がる。
やけにあっさりとしてるな。
愛莉も少しは抵抗するかと構えていたが、肩透かしを食らったようだ。
(3)
亜子さんが冬夜君家に泊まる!?
黙っていられない!
すぐに麻耶さんに相談する。
「それなら……」
と、いうわけで今日から2泊冬夜君家にお泊り。
二人きりになんて絶対させないんだから!
「そうですか……」
やけにあっさりと引き下がった。
電話の時みたいな恐怖が全くない。
まだ何か奥の手があるの?
冬夜君がお風呂にいってる間リビングで4人でテレビを見ていた。
「必死ね」
「……なにが?」
「必死すぎて笑える」
「……?」
「そうやって必死にもがくあなた嫌いじゃないわ」
「……何が言いたいの?」
「精々苦しむのね。愛莉さん」
「何企んでるの!?」
つい声が大きくなった。
「おいおいどうしたんだ愛莉ちゃん」
「どうしたの?」
したり顔で笑う亜子さん。
「なにかあった?」
湯上りの冬夜君がリビングに現れた。
「なんでもない!冬夜君いこっ!」
そう言って冬夜君の部屋に冬夜君を連れこむ。
「なんなのよ!あの人!」
冬夜君の部屋に入りドアを閉めると私は叫んでいた。
「なにがあったんだよ?」
冬夜君に会話の内容を説明する。
「愛莉の気にしすぎじゃないか?」
うぅ……。
分かってない、冬夜君は分かってない。
その時ドアをノックする摩耶さんの声。
「愛莉ちゃん、先にお風呂入ってきなさいな」
「わかりました~」
私は荷物から着替えを取り出す。
冬夜君は私から視線をそらす。
ははーん。
「今更気にしないよ~。見たければどうぞ~」
「ば、ばか……」
そう言って部屋を出る。
急いで体を洗い、洗髪する。
しかし、あり得ないことが起こっていた。
冬夜君の部屋に戻ると、亜子さんが冬夜君の部屋に!
「な、なんで……」
「どうした?愛莉」
「なんで亜子さんが冬夜君の部屋にいるの!」
「ああ、それは亜子が『折角だから3人で話がしたい』って……」
だからって二人きりで……
「愛莉さんお風呂入ったのね。じゃあ、私もお風呂頂こうかな」
そう言って部屋を出る亜子さん。
ドアが閉まった後、私は冬夜君を問い詰める。
「なんで亜子さんを部屋にいれたの!?」
「だって亜子が話がしたいからって」
困惑した表情で話す冬夜君。
「だからって他の女の人と二人っきりなんて信じられない!」
「他の女って従妹だぞ」
「『従妹でも結婚できる』って言った人信用しちゃダメ!」
「ちょっと過敏すぎるぞ愛莉」
「どうしてわかってくれないの?心配してるのに!」
冬夜君に訴えるように言った。
「何もないから。愛莉のお嫁さんは僕なんだろ?」
そう言って私の頭を優しく撫でる冬夜君。
うぅ……。
そんなことされたら何も言えなくなるじゃない。
「とにかく二人っきりになっちゃダメ!」
「わ、わかったよ」
ガチャ
ドアが開く。
その後目にしたものは信じられない格好だった。
「おまたせ」
髪は肩までの長さでしっとり濡れている。
そして……ネグリジェ姿の亜子さんだった。
(4)
僕はとんでもない状況に置かれているのかもしれない。
何を考えているのか分からない亜子。
その亜子に敵意むき出しの愛莉。愛莉はこんなキャラだったか?
沈黙が流れる。
「飲み物でもいかが?」
僕にはアイスコーヒー、愛莉と亜子にはオレンジジュースを持ってきた。
母さんが部屋を出ると亜子がジュースを口にする。
「話があるんじゃないの?」
何でそんなに敵意むき出しなんだ愛莉?
「二人共どこまでしてるの?」
へ?
「二人で一緒に寝るくらいまではやってます」
それをここで言うのか?
「ふ~ん、一線は超えてないんだ」
「当たり前だろ?僕たちまだ中学生」
「中学生なら別にしてても不思議じゃないと思うけど」
「それは特殊な場合だろ?」
「普通だよ。一緒に寝てるならなおさら。冬夜君に度胸が無いのか?それとも……」
「亜子!!愛莉は悪くない」
「そうかしら?冬夜君がまともな男子なら普通はすると思うけど?いつそうなってもおかしくない」
愛莉が俯く。
グサッと刺さったのかな?
「愛莉さんの防御が硬いとも思えない。と、なると……」
「違う!!」
僕は叫んでいた。
「……何が違うの?」
「愛莉は十分魅力的だよ、……いつでもいいと言ってくれてる。問題は僕だ、僕に度胸がないだけだ」
我ながら情けないこと言ってるな。
「……滑稽ね。互いにかばい合って。大した仲だわ」
「僕の事は何とでも言えよ。事実だし。だけど愛莉の事を悪く言うのは止めろ」
「分かったわ。でも……」
その後、亜子は僕の唇に唇を重ねる。
は?
いやいや、それはまずいだろ?
目が点になってる愛莉。
まずい、まずいぞ。
このあと取ると予想されるパターンは二つ。泣くか怒るか。
どうにかしないと……。
そんな愛莉の様子に満足したのか席を立つ。
「明日早いらしいからもう寝るわ。おやすみなさい」
そう言って亜子は部屋を出て行った。
(5)
何も言い返せなかった。
私に魅力が無いの?
そうなの?冬夜君?
落ち込んでる私にさらに追い打ちをかける亜子さん。
冬夜君とキスをした!?
冬夜君は抵抗すらしない。
あまりのことに硬直してるのか?
それとも、嫌じゃないの?
怒り?悲しみ?
わかんない、頭が混乱してる。
「おやすみなさい」
そう言って亜子さんは部屋をでる。
悔しい……。
これが亜子さんの望んでた結末?
冬夜君の事信じてる。
でも何も言ってくれない。
庇ってはくれてたけど、今は何も言ってくれない。
もうやだ……。
そんなとき何も言わず冬夜君はベッドに入る。
何もフォローなしに寝ちゃうの?
私傷ついてるんだよ?
すると冬夜君は静かに言った。
「おいで」
え?
いつも嫌がっていたのに。
断る理由もなく為すがままにベッドにはいる。
こういう時って対面した方が良いのかな?
それとも後ろ向いてた方が良いのかな?
なんて考えてると冬夜君は私の背中をそっと抱きしめる。
そして濃厚なキスを……。
「冬夜君?」
どうしたの?彼女の挑発に乗っただけ?
「度胸が無くてごめん、また愛莉を苦しめてる」
「そんなことないよ」
「愛莉の顔見てたら分かるよ」
顔に出てたかな、私。
「ごめ……!?」
彼の2度目のキス。
「真似してみた!」と照れ隠しの冬夜君。
「今は愛莉だけを見てるから。愛莉の自慢の彼氏に慣れるようにがんばるから……」
「ありがとう……ねえ?」
「何?
「このまま寝てもいい?」
「ああ……」
そう言って照明を消す。
冬夜君、本当にうれしいよ。
ありがとう。
気付いたら、冬夜君は寝てた。
そんな冬夜君を抱きしめて寝てた。
明日また何かしかけてくるかもしれない。
でも、堂々としてればいいんだ。
冬夜君はあの一件以来変わった。
信じよう。
何があろうと揺るがない。
そう心に決めて私も眠りについた。
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