優等生と劣等生

和希

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1stSEASON

卒業、そして入試

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(1)

「おはようございます」

3人の声が聞こえてくる。
2階に上るのは多分愛莉だろう。

「あれ?トーヤ珍しいじゃん」

そう、今日はちゃんと起きて着替えて朝食を食べていた。

「麻耶さ~ん冬夜君いないよ~ってあれ!?」

愛莉も僕を見て驚いていた。

「おはよう、愛莉」
「うぅ……おはよう」

何やら不満げなご様子。

「あれ?どうしたんだ愛莉?」

カンナも愛莉の様子に気づいたのか愛莉に聞いていた。

「いつものスキンシップが出来なかった……」

親の前でいうもんじゃないだろ。

「ごめんね、愛莉ちゃん。今日は卒業式なんだから最後くらいしっかり起きなさいって起こしたのよ」

母さんが暴露する。
そうあと僕がご飯を食べる間4人で話をして、準備して家を出る。

「そっかぁ、俺は最後なんだな。こうして一緒に登校するのは」

誠が僕の家を振り返りそう言うと、カンナが誠を蹴飛ばす。

「しみったれたこと言ってんじゃねーよ。また遊びにくればいいだろ!」

そうは言うが、誠は休日も部活で忙しいだろ。

「神奈、大丈夫?」

愛莉が心配そうに聞く。

「何心配してるんだよ。会おうと思ったらいつでも会えるよ。同じ地元なんだし」

そう言って笑う、カンナだったが、やはり不安はぬぐえないんだろう。顔に出てるぞ……。

「大丈夫だよ。メッセージとか電話はできるし」
「そうだよなぁ」

誠とカンナはそう言って笑っていた。
この二人なら大丈夫なのかな?


卒業式。
卒業証書を手渡され、教師に見送られながら学び舎を後にする儀式。
ただそれだけなのに……。
なんで涙がでるんだろう?
あ、僕は泣かなかったよ、
誠も泣いてなかったな。
ただ、最後にと女子の告白が凄くて大変だったみたいだけど。
カンナは愛莉と抱き合って泣いていた。
女子と違って男子は諦めが良いらしい。
ていうか、二人の空気がそれを許さなかったのか?
カンナと愛莉を呼び出す男子はいなかった。
意外だったのがミッキーの人気っぷりだった。
クラスの女子の半分くらいがミッキーの周りを取り囲む。

「ハハハ抱かれたい奴は言ってこい。抱きしめてやるぞ」

そう言って本当に抱擁している。
まあ、こういう場の空気もあるのか?
しかし、あいつはそれだけで済ませてない。
女子からきっちり携帯の番号を聞いている。
噂によると女子だらけのメッセージグループを作っているとか……。
そうやって人だかりから離れたところでぼーっと突っ立ってると、一人の見知らぬ女子生徒が話しかけてきた。

「片桐先輩!」

バッジを見ると2年生のようだ。
その子は手紙を差し出すと言った。

「私2年生の佐倉桜子といいます。サッカー部のマネージャーやってました。市総体の決勝見てました。ワンプレーだけだったけど格好良かったです。あの多田先輩と同じ伊田高にいくんですよね?」

ぐさっ!

「ごめん、伊田高は受験してないんだ」
「え?どこ行くんですか?」
「防府を受けようかと」
「防府でサッカーするんですよね!私も防府目指します」
「ごめんサッカーはしないんだ……!?」

殺気ともいえるおぞましい視線を受け振り返るとものすごい怒ってるお二方が。

「あれだけ上手いのにどうしてしないんですか!?」

お構いなく話しかけてくる佐倉さん。

「うん、しんどいから」
「そんな理由でしないんですか!もったいないですよ!」
「うん、……気持ちは受け取っておくよ」

付き返すのは酷いと判断してポケットにしまった。

「その人だ~れかな?冬夜君?」

愛莉が腕をつかむ。

「あ、いや。サッカー部のマネージャーやってたらしくて……」
「ふ~ん。じゃあ、サッカーやらない冬夜君には関係ない人だね」

愛莉怖いぞ。そういうキャラ違うだろ?

「……その人誰ですか?」

うちの中学で愛莉を知らない人がいたことが脅威だ。

「私、冬夜君の”彼女”の遠坂愛莉と言います!」

言葉にとげを感じるのは僕だけか。

「!?……失礼しました!」

そういうと佐倉さんは走り去って行った。
……彼女泣いてたな。
ごめんね。

「誰にでも優しくするのや止めとけって言ったよな?トーヤ」

カンナに詰問される。

「や、優しくはしてないよ」
「その割にはまんざらでもない様子でしたね~冬夜君?」

二人に責めたてられる僕。

「冬夜。そろそろ行こうぜ」

ナイスだ誠!

「そら、二人も行こ!」
「待てトーヤ!」
「もう……」

そして2年生に見送らっれ校門を出る僕たち。
中学校生活は終わったかに見えたが……まだ、試練は残されていた。

(2)

県立入試当日。

「冬夜君おはよう……って寝てるし!」

実は起きてる。制服にも着替え済み。
ピンと来たのか、真っ直ぐベッドに来るのを躊躇う愛莉。

「前と同じパターンかな?そう簡単に……ま、いっか」

何を思ったのかベッドの中に潜り込み抱きつく愛莉。
動揺を隠し抱き返す僕。

「受験前に余裕あるね。冬夜君。今日は大丈夫かな?」
「最後かもしれないだろ。だから全部話しておきたいんだ」
「話ってなに?」
「……」

ごめん、一度言ってみたかったセリフランキング(僕の中で)2位だっただけなんだ。
こつん。
かるく愛莉に小突かれた。

「最後かもしれないとか受験前に縁起でもない事言わないでよ!ていうか浪人したって結婚したってずっとずっと毎朝来るんだから!」

どこまでも愛おしいんだ。
今まで覚えてた英単語全部吹き飛ぶ勢いで理性が吹き飛んだ。

「愛莉!!」

僕は愛莉を抱きしめる。
だが、そんな僕を突き放す愛莉。

「今はダメ。受験が終わって。合格したら続きやろ?」

そう言って愛莉は起き上がり、手を差し出す。
その手をつかみ僕も起き上がった。
下にはカンナが待ってる。




受験会場。
空気はピリピリしてる
皆単語帳をみたり参考書を開いたりしてる。
そんな中、欠伸をする僕とカンナ。小説を読む愛莉。

「今更ガタガタしても遅いってのにな」

カンナは全く緊張してないようだ。

「まあ、最後まで足掻くのは悪くないと思うよ」
「トーヤも足掻きたいならどうぞ?」
「いや、やめとく。いつもどおりが良いって言ってたし」
「だろ?」

予鈴が鳴る。
みんなそれぞれ教室に入る。

試験時間は5教科各50分。
英語にはリスニングテスト。国語には作文あり。
一日で終えてしまう。
英語国語共に午前中に終えてしまう。
さ~て、面倒なのも終えたし。
この近くに美味しいラーメン屋さんが♪

ガシッ!
誰かが腕をつかむ。
大体察しが付くだろう。

「離せ愛莉。僕にはお昼ごはんを食べる権利すらないのか?」

訴える僕に差し出されたのは包み箱?

「こんな事だろうと思って冬夜君の分も作っておきました」

僕の分のお弁当、輝いて見える。
でも、でも……今日の僕はあそこのラーメンが食べたかったんだ。

「冬夜君がラーメン屋さんに行くと想像ついたのは調査済みですよ~」

勝ち誇る愛莉。
彼女が弁当を作ってきてくれた。
こんなおいしいシチュエーションはない。
……ラーメンさえなければ。

「羨ましいな、冬夜。どれ見せてみろよ」

何の迷いも無く僕の弁当箱の蓋を開けるカンナ。
普通慌てるだろ?
こういう時の女子の弁当っていったら、鳥そぼろや桜でんぶ、錦糸卵でハートの形作ってたりするから焦ると思うだろ?
でも愛莉はそう言うことはしない。
可愛いキャラ弁なんて作らない。
ごく普通の弁当。
タコさんウィンナーくらいはするけど。
でも女子力をこれでもかと主張する弁当。
随所にその力が発揮されている。

「はいどうぞ」

ボトルに入ってるお茶を注いでくれる愛莉。
これ見よがしにカップルをアピールする僕たち。
周囲の視線が痛い。
カンナも誠が受けていたらこうしていたんだろうか?
そんなカンナはパンを食べながら音楽を聴いてた。


午後の部が始まる。
2教科だけ。


うん、何も問題なく解けた……と、思う。
帰りながら3人で難しかったところとかを確認し合う。
カンナの喜びようからして問題なさそうだ。
問題は僕だ。
これで落ちてたら、浪人か……。
なんか風が冷たい。


合格発表日

9時半から始まる。
10分前についた。
時間になり貼りだされる結果発表。
自分の番号を確かめ表を見る……
あれ……?


ないぞ……?


頭がパニクる。
愛莉とカンナは喜び抱き合う。
一人沈む僕。
終わった……。
愛莉と一年差がつくのか。
それまで待ってくれるかなあ。

「……やったね!」

え?

「冬夜君!受かってるよ!!」

愛莉が喜びの声を上げてる。

え?だって自分の番号ないよ?

「よく見ろ馬鹿!!お前の番号あるぞ!!」

カンナも叫んでる。
もう一度よく見る。

……あった!

「やったあああああ!!」

思いっきり叫んでいた。

「冬夜君やったね!これで同じ高校に行けるね!」

泣いて喜ぶ愛莉を抱きしめる!

「ああ、ずっと一緒だ!」
「うん!」

周りの目を気にせず抱きしめ合う。

「私の存在忘れるなよ!」

そう言って、カンナが僕を叩く。

「ああ、3人で一緒だ!」


帰りに中学に寄り、合格通知をもらう。

「おめでとう!」

そう言ってミッキーは両手を広げるが、カンナは無視して職員室を後にする。
廊下には愛莉が待っていた。

「また3年間宜しくお願いします」
「ああ、よろしくな」

愛莉とカンナはまだ興奮さめないようだ。
僕は一息つく。
あ、母さんたちに知らせないと。
スマホで家に電話して3人合格したことを伝える。
両親ともにほっとしているようだ。
振り返ると愛莉も親に伝えているようだった。
カンナも誠に電話しているようだった。

二人共嬉しそうだ。
まだ泣いてる。
また3人でやっていくんだな。
高校卒業後はどうなるか分からないけど。
とりあえずあと3年間は一緒に居られる。
今は素直に喜ぼう。

「愛莉!」
「はい?」

僕は愛莉を抱きしめる。

「ちょ、ちょっと冬夜君!……ここ学校だよ」
「覚えてるよな……受験前の約束」
「え?」

きょとんとする愛莉。

「続きは合格発表のあとって……」
「え?……」

忘れてたのか?
しかし思いだしたのか、急に顔を赤くする愛莉。

「今じゃなくてもいいでしょ!」
「なになに?約束って」

誠との電話を終えたカンナが話に混ざる。

「わあ~カンナには内緒!!」
「なんだよ、今更隠す事なんてないだろ!」

だよなぁ。

「あ、あのね。今夜はパーティするから神奈と誠君も呼んだら?ってえりちゃんが……」

てことは僕は頭数に既に入ってるんだな

「誤魔化したな」
「そ、そんなことないよ!ね?いいよね?冬夜君」
「いいよ」
「私はパス、誠と約束したんだ。二人でパーティやろうって」
「そうなんだ……。と、いうわけで冬夜君」
「うん」

愛莉の家の前でカンナと別れる。

「じゃ、今度は入学式の日かな?」
「うん、誠君と楽しんでね!」
「愛莉も頑張れよ……この場合冬夜かな?」

そう言ってにやりと笑うカンナ。

その晩は、遠坂家でパーティが行われた。

「いや、私立受けないって聞いた時はひやりとしましたよ」
「ですよね~うちの娘もこまったもので~」
「うちの息子がご迷惑を」
「いえいえ~うちの娘が好きでやってる事ですから~」
「……うむ」

アルコールがはいって勝手に盛り上がってる大人たちを後目に食べるだけ食べつくすと愛莉に部屋に行こと促される。
それに感づいた父さん。

「高1でパパも認めないからな!」
「ちゃんと気をつけるわよね~先にお風呂入っちゃいなさいな~」
「気をつけるんだよ冬夜」
「う、うむ……一緒に入っても構わんのだぞ」
「パパさん~それはまだ愛莉が恥ずかしいだろうから~」
「そ、そうか……」

酔っ払いのたわ言だ。
無視して部屋に上がろうとすると愛莉が袖を引っ張る。

「どうした?」
「わ、私はいいよ!冬夜君となら……。冬夜君本当に頑張ったし」
「い、いいよ!」

そう言って部屋に入る僕たち。
部屋に入るなり愛莉が後ろから抱き着く。

「ねえ?約束して?」
「何を?」
「もう私の見た目や成績で自分を卑下するのは今日で最後にして。同じスタートラインだよ?ここからはいっしょに歩こう?」

まだ気にしてたんだな。

「わかった」
「うん、良かった。じゃあお風呂入ってくるね。……隠すなら今のうちにどうぞ」

それを聞いてドキッとした。
部屋に帰ったときに取り忘れたあれ?
さすがに……はないよな。
もう意気消沈する僕。

開き直ろう。
今夜は諦めだ。

チャンスはいくらでもある。
さっき愛莉が言った言葉を思い出した。

ここからは一緒に歩こう。

言いたかった。

ずっと一緒だよって……。
高揚してる今なら言える気がする。

しばらくして愛莉がもどってくる。

「冬夜君、はいってきなよ」
「愛莉。ごめん、忘れてきた」
「へ?……ああ」

愛莉を抱きしめる。

「今夜は無理だけど……ペース合わせてくれるって言ったよな。」
「うん……。」
「一緒に歩こうって言ってくれたよな?」
「そうだよ」
「ずっと一緒に歩いて欲しい」

中学生のセリフじゃないな。

「……うん。待ってる」

愛莉は泣いていた。

「ごめんな泣かせてばっかりで」
「……私も約束する。今の言葉信じる、忘れない。でも挫けそうになったらまた言って」
「わかった」
「じゃ、お風呂行ってきて」
「わかった」
「冬夜君!」

愛莉が突然呼び止める。

「こんな私だけど、これからもどうぞよろしくね」
「ああ、じゃ、行くね」

そう言って部屋を飛び出す。

優等生と劣等生。
勝手に決めつけてた。
でも優等生にも悩みはあるんだ。
挫けることがあるんだ。
支えてやればいい。
揺るがないでしっかり支えてやればいい。
励まし合って。
いつか二人で笑える時が来るから。
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